市販生豚肉 (スライスずみ) を用いて, 7℃, 30℃, 35℃の3培養温度別に生菌数を求め, 各培養温度別生菌数を相互に比較検討するとともに, 回帰式により3培養温度間の推定式を相互に求めた。培養条件は, 7℃・10日間, 30℃・4日間, 35℃・2日間の3条件とし, 生菌数測定は, 食品衛生検査指針に基づき, 標準寒天平板菌数SPCを求めた。
その結果は次のとおりであった。
1) 市販生豚肉の生菌数は, 常用対数に変換すると, 7℃, 30℃, 35℃各培養温度とも正規分布に近似した。
2) 7℃と35℃培養, 30℃と35℃培養における生菌数を比較すると, 生菌数の少ない所では35℃培養, 多い所では7℃, 30℃培養が高い生菌数を示した。なお, 各培養温度の生菌数間には有意差が認められた。
3) 7℃, 30℃培養生菌数が35℃のそれをしのぐのは生菌数値ではほぼ104台であった。
4) 3培養温度における生菌数には, 相関・回帰関係が認められ, 得られた回帰式は有用 (回帰係数b≠0) であることが証明された。
このように, 得られた推定式を用いれば, 各培養温度における生菌数を相互に推定することが可能である。
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