下顎骨13部位の計測値に判別分析を適用し, 近交系マウス亜系の同定を行った。供試マウスは家衛試で維持しているAA, RR, SS, C3H/He, C57BL/6, 東京医大のAA, RR, SS, C3H/He, C57BL/6N, BALB/c.および東大医科研のC57BL/6Jms, BALB/cJmsの各系統である。そのほか, 参考試料として米国Jackson研究所のC3H/HeJとC57BL/6Jも供試した。
その結果, 誤判別の確率は雄で9.27% (28頭/302頭) , 雌で4.97% (15頭/302頭) であった。しかし, そのほとんどは同じ系統に属する亜系間の誤判別であり, 異った系統の亜系への誤判別は雄で0, 雌で6例のみであった。
以上から, マウスの亜系相互間についても定期的な遺伝的チェックを行う必要があることが確認されたとともに, 判別分析による同定法は極めて精度の高い手法であることが判明した。
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