科学基礎論研究
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19 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 序説
    林 知己夫
    1989 年 19 巻 2 号 p. 55-57
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • フィッシャー, ネイマン・ピアソン理論をめぐって
    松原 望
    1989 年 19 巻 2 号 p. 59-62
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 雪夫
    1989 年 19 巻 2 号 p. 63-71
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 赤池 弘次
    1989 年 19 巻 2 号 p. 73-79
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 林 知己夫
    1989 年 19 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    いわゆる数理統計学と異なった立場のものとして, 「データ解析」というものが生まれてきた。しかし, その内容はさまざま各人各様で, 何となく「それらしいあたり」を議論しているのである。いま得られているデータからどう情報をとり出すか, ということを主な狙いとすることは共通の点であるが, その得られているデータの背景をどこまで考慮するかという点になると差が大きくなる。この点は後で触れよう。たしかに「データ解析」という名前はそう古いものではないが, J.W.TukeyがThe Future of Data Analysis (Annals of Mathematical Statistics Vol.33, 1962) が発表されてから数理統計学の世界で有名になってきた。しかし, 日本においては「統計数理」の名において, 1947年ごろから「データによる現象解析」を志向した動きがあった。どうデータをとり, どう解析して情報を取り出すかという立場が表明された。しかし, 「データ解析」という言葉は使われていなかった。いわゆる推定論, 検定論を中心とする数理統計学に反旗をひるがえし, サンプリング調査によりデータを獲得することを土台にして, データを分析することを考えていたのである。
    それはさておき, データ解析というとき, 英米流 (英語を話す地域という意味である) の数理統計学的発想のデータ解析とTukey流データ解析 (数理統計学を主体とする前記英米流ではない)・日本流 (といっても日本はEnglish speaking peopleに属すると見做されており, 日本で数理統計学を研究する人とは前述の英米流に属している, 日本において, 数量化・分類-クラスター化-行動計量学を中心にする人々がここでいう日本流である)・フランス流 (フランス・イタリア・スペイン・東欧・アフリカ・中南米など) のそれとは内容が異なっている。英米流では推論的統計学 (推定論・検定論・統計的決定理論, あわせてinferential statisticsという) からやはり離れられないのである。フランス流は, 表現の問題が中心であってdescriptive statisticsと胸を張って言い, 単純なinferential statisticsを見下しているのである。Tukeyによるデータ解析は英米流から抜け出ており, その内容はexploratory data analysis (探索的データ解析) と言い, 統計量統計学からの脱皮, 素直にデータを眺め情報をさぐり出すという立場をとっており, 日本流, フランス流に近い形になっている。
    データ解析という言葉が英米圏から出たにもかかわらず, inferential statisticsをぬけ切らぬ形でデータ解析が発展してきているのは注目に値する。
    以下に日本流, Tukey流, フランス流について説明しよう。
  • トーマス・クーンに関するコメント
    長坂 源一郎
    1989 年 19 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 森岡 正博
    1989 年 19 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/11/24
    ジャーナル フリー
    本論文では, 拙論「反事実問題と実現条件」(1)で導入した「反事実問題」という概念について, さらに厳密な分析を行なう。西洋哲学の現象主義は, 反事実条件法については緻密な議論を行なっているが, 以下に議論するような「反事実問題」という概念については, 満足な分析を行なっているとは言い難い。現在直接に経験されていないものとしての「反事実問題」の厳密な概念分析は, この点で, 哲学と自然科学方法論に対して地味ではあるが着実な寄与を成し得ると考える。
    さて, 反事実問題とは次のものであった。(2)
    (1) xの存在および状態が現在直接に経験されていない。
    (2) xの存在および状態は原理的に経験可能である。
    (3) xの存在および状態が経験されるための (暫定的な) 諸条件を十分条件の形で記述できる。
    この3つの要件を満たすとき, またそのときに限って, x」あるいは「xの存在や状態についての命題」は「反事実問題」である。
    たとえば現在日本に住んでいる私にとって,「南極の氷は, (1) 現在直接に経験されていない, (2) 原理的には経験可能である, (3) それを経験するためには「明日飛行機に乗って南極へ行く」という条件が満たされればよい,という三以上つの要件を満たているので, 反事実問題である。
    ところで,「南極の氷」という概念は, 「南極」という概念と「氷」という概念が結合してできたものとみなすことができる。このとき, 前者の「南極」という概念は, それ自体すでにひとつの反事実問題である。では後者の「氷」は何か。これもまた目の前に現象(3)としてあらわれていないような氷, すなわち反事実問題である。ということは,「南極の氷」という概念は,「南極」という反事実問題と「氷」という反事実問題が, 結合して成立した概念であることになる。
    このようにいくつかの概念が複合して成立する反事実問題の構造と意味について, 以下探求してゆくことにしたい。
    いま, この複合を仮に「結合」と呼んだが, 本論文ではそれを「同定」関係としてとらえたい。すなわち,「南極の氷」とは,「氷」が「南極」に同定されて成立した概念であるというふうに。というのも, 「結合」ということばを使うと, どうしても二つのことばが文章構成上単に並列しているという事態を想定してしまうのだが, 以下に詳しく述べる反事実問題の構造は, それだけにとどまらないさらに独特の関係性を構成しているからである。そこで,「結合」とは一線を画した概念をこの構造の描写のために導入し, その性質を調べることが必要となってくる。私たちはそのような概念として, 〈少なくとも何かの点において同一性を措定する〉という意味をもつところの,「同定する」という概念を採用し, この構造に適用することにした。
    さて, 複合的な反事実問題には, (1) 反事実問題を反事実問題の場所に同定することで成立するものと, (2) 反事実問題を現象に同定することで成立するもの, の二種類がある。この二種類を順番に検討してゆく。
  • 大川 修司
    1989 年 19 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 立花 希一
    1989 年 19 巻 2 号 p. 109-110
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
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