自然環境科学研究
Online ISSN : 1883-1982
Print ISSN : 0916-7595
30 巻
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 上出 櫻子, 小南 優, 小林 牧人
    2017 年30 巻 p. 1-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/07
    ジャーナル オープンアクセス
    The present study examined the preference in water depth for egg deposition of female, orangered variety medaka Oryzias latipes in order to obtain basic information for conservation of wild medaka. Substrates for egg deposition were set at various depths in experimental aquaria and male and female medaka were kept in the aquaria for seven days to observe spawning. The number of eggs and the egg deposition depth were recorded every day. The female medaka deposited eggs on the substrates at various depths but notably a significantly large number of eggs were deposited at shallow depths. These results indicate that female medaka gives a preference to shallow water depths for egg deposition.
  • 片山 敦, 佐藤 僚介, 吉川 朋子
    2017 年30 巻 p. 5-12
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/07
    ジャーナル オープンアクセス
    外来のカワリヌマエビ属の河川や池での生息の報告が,近年関東でも多くされており,在来のヌカエビへの影響が懸念されている.本研究では両種の生息が確認されている鶴見川水系において,分布調査を2014 年および2016–2017 年に行った.2014 年の調査では,カワリヌマエビ属は河川のほぼ全域に出現し,2 地点のみでヌカエビが同所的に採取されたが,2016年にはカワリヌマエビ属のみで,ヌカエビは確認されなかった.池については2014 年には1 地点でカワリヌマエビ属とヌカエビが同所的に,3 地点でヌカエビのみが出現したが,2017 年には2 地点はカワリヌマエビ属のみに置き換わり,ヌカエビのみが生息しているのは2 地点だけであった.この調査でカワリヌマエビ属が侵入すると個体数がほぼ同数の状態から2–3年でカワリヌマエビ属に置き換わることが明らかになった.今後はヌカエビが生息する池への人為的な移入を防ぐために,外来カワリヌマエビ属の問題について,普及啓発を行っていくことが重要だと考えられた.
  • 南 佳典, 野口 侑璃奈, 吉川 朋子
    2017 年30 巻 p. 13-18
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/01/07
    ジャーナル オープンアクセス
    火山活動は,植生に対する自然攪乱の一つである.火山地帯において火山活動が植生に対しておよぼす影響に関する研究は数多くなされてきた.植生に対する火山ガスの影響は地域ごとにさまざまである.本研究では,火山ガスの影響が遷移の進行を制限するということにおける知見を検討するため,北海道東部にある噴気孔群2箇所を調査地とした.その結果,次のようなことが見いだされた.出現種数は森林部に向けて噴気孔から離れるに従い増加した.下層植生の種組成からTWINSPAN を用いて表徴種を抽出したところ,2箇所の調査区で異なる表徴種が確認された.この結果は,各立地における土壌中の硫酸濃度が噴気孔からの距離のみならず比高によっても異なり,それらが植物の分布に影響していることを示唆している.
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