日本シミュレーション学会論文誌
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最新号
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核融合・プラズマ及び関連分野の研究に関する可視化研究特集
論文
  • 宮内 智香, 永野 康行
    2025 年 17 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,免震層水平剛性推定手法の実用化を目指し,推定手法による免震層水平剛性の推定精度と入力地震動の関係について明らかにすることを目的とする.本研究では2013年に実大3次元振動破壊実験施設E-Defenseで行われた実験「実大免震建物の衝突による被害低減対策開発のための加振実験」を対象とする.本実験の試験体を参考に,非線形特性を考慮した多質点系モデルと3次元モデルの2つのモデルを作成した.数値実験例1では,各モデルに対して1軸方向の地震動だけを入力とする時刻歴応答解析を実施した.数値実験例2では,3次元モデルに対して3軸方向の地震動を入力とする時刻歴応答解析を実行した.それぞれ解析結果とE-Defenseの実験結果を比較することで,推定手法による免震層水平剛性の推定精度と入力地震動の関係について検討した.本研究により,免震層水平剛性推定手法の実用化には3軸方向の地震動を入力とした時刻歴応答解析が必要であるということが明らかとなった.

JSST2024 学生セッション特集
論文
  • 太田 悠翔, 松本 正晴, 山口 克彦
    2025 年 17 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

    鉄基構造材料内の空孔の状態が,その磁化過程に与える影響を明らかにすることを目的として,Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)方程式によるマイクロマグネティックシミュレーションを行った.空孔を有する磁性体クラスターに外部磁場を印加し,磁化過程の解析を行った結果,空孔無しの結果と比較して,磁気ヒステリシス曲線,磁壁移動,ならびに交換エネルギーと磁気双極子エネルギーに特徴的な変化が見られた.特に,磁壁が空孔を通過する際にその移動方向に対してわずかに伸びる,いわゆるピニング現象が確認されること,またそれは,磁壁が空孔を通過する際の交換エネルギーの低下に起因すると考えられることなどを明らかにした.さらに,空孔の位置,大きさを変更した結果,エネルギーが変化するタイミングや,変化量に差が生じることなどがわかった.

通常論文
論文
  • 齊藤 真拡, 山北 昌毅
    2025 年 17 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/05/13
    ジャーナル フリー

    近年,さまざまな分野でデータを利用したサービスが実現されており,通信の輻輳回避や秘匿情報のセキュリティ確保,リアルタイムでの応答を実現するため,現場環境に近いデータを収集・処理するエッジデバイスにおいては,回帰型ニューラルネットワーク(RNN)によるAIの適用が進んでいる.一方で,使用できるエネルギーや計算リソースの制約により,処理負荷の大きさが適用の妨げとなっている.本研究では,回帰型ニューラルネットワーク(RNN)から派生して生まれた概念で,比較的計算量が少ないリザバーコンピューティングに注目し,ロボットの制御への適用を試みた.ドローン型4脚ロボットの天井貼りつき制御を対象とし,物理シミュレータを用いた評価環境を構築した.また,移動による消費電力を学習の指標に加え,移動中に消費電力の最適化が行える手法を提案し,その有効性を検証した.

  • 伊藤 建一, 上島 慶
    2025 年 17 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/06/13
    ジャーナル フリー

    本研究では数値流体力学(CFD:Computational Fluid Dynamics)解析を用いて,スピン中の卓球ボールの空力係数(抗力係数,揚力係数,Magnus係数,流体トルク係数)を算出した.シミュレーション条件は,並進速度2.5~20 m/s,回転速度15~90 rps(レイノルズ数6.6 × 103~5.3 × 104,スピンパラメータ0.094~4.524)である.CFD解析では風洞実験を模したシミュレーションを行った.乱流モデルはSmagorinsky-Lilly LESモデルを用いた.算出した各係数は,各種文献の風洞及び飛翔実験の実験結果と定性的な一致が得られた.

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