富山救急医療学会
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38 巻, 1 号
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第38回学術集会抄録集
  • 開田 達弥
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 4-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    【背景】
    当救急隊は平成22年度から12誘導心電図を導入している。ST変化等を確実に医師に伝達できるよう研修を重ねているが、早期に正確な情報を伝達する必要性を以前から痛感していた。また特異な波形や症状と波形が一致せず、判断に迷う場面が散見されるのが現状である。
    【対応】
    令和元年8月、救急車のスマートホン(以下スマホ)導入に伴い、印刷した12誘導心電図をスマホで撮影しメール送信する取り組みを開始した。本年4月からはスマホのテザリング機能とZOLL 「RescueNet12readシステム」を併用し、モニターから直接、電子カルテのような画面で医療機関へ伝送できるシステムを、富山市内すべての輪番病院と構築した。そのなかで、Door To Balloon Time(以下DTBT)の短縮に繋がった事例が1件あった。
    【伝送実績】
    令和元年11月~令和2年7月末まで 20件(メール 9件、ZOLL 11件。)
    内訳
    ・ACSを疑って、送信した:6件
    うち A病院にてPCI実施1件(DTBT:57分)
    【A病院平均DTBT:84分より27分短縮】
    ・搬送先選定に迷い、医師の助言を得た:6件
    (負傷部位の写真送信1件含む)
    ・その他:8件
    【まとめ】
    心電図伝送の利点として、医師側は病院前の段階で、確実にSTEMIを診断できDTBTの短縮に繋がり、救急隊は判断に迷った際にオンラインMCで医師の助言を得られることであると、A病院医師からは評価を得ている。
    今回1件ではあるが、医療機関での準備時間が大幅に短縮されることがわかったので、今後も継続して取り組んでいきたい。
  • 堂田 昌一
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 5-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    【はじめに】
    今回、戸出消防署管内で発生したドクターヘリ事案で、傷病者と接触後、キャンセルするか判断に迷った事案について発表する。
    【症例】
    30歳代男性、痙攣後に鼾様呼吸になったもの。出動要請基準1により富山県ドクターヘリ出動事案。接触時、意識レベルJCS3、呼吸正常、脈拍数164/分(整)、血圧156/78mmHg、SpO2: 95%、体温: 35.8度、瞳孔両側 5mm、麻痺なし、外傷なし、会話不能状態のため主訴及び既往歴は聴取できず。観察結果と搬送時間を考慮しドクターヘリへ搬送。
    Iターンで厚生連高岡病院搬送。
    診断名:てんかん
    傷病程度:中等症
    【考察】
    今回の症例では、現場で傷病者に接触後、隊員間でドクターヘリをキャンセルするか意見が分かれた症例であった。その理由としてキャンセルすることで、傷病者にもし緊急度・重症度が高い疾患があった場合、医療介入が遅れ、傷病者に不利益になることと、キャンセルしないことで傷病者に緊急度・重症度が低い場合、限りある貴重な医療資源を使用してしまい、他事案に出動できなくなるということから判断に苦慮した。
    そこで、過去に戸出消防署管内で発生したドクターヘリ事案で、傷病者接触後にキャンセルした事案を調べた。その結果、3つの共通点があり、症状改善、バイタル安定、情報収集、この3つが揃った時にキャンセルしていることが多いことが分かった。今回の事案から、我々救急隊に求められるのは適切な観察、判断、処置に加えて、いかに現場で迅速に情報収集ができるかが、非常に大切であると感じた。
  • 中村 悠里
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 6-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    令和2年4月6日から、南砺市民病院による専用車両を使用したドクターカーの運用が開始された。専用車両を使用したドクターカーは、富山県内で初めての運用である。
    全国的に、ドクターカーの運用は、救急・救命センターから出動し、傷病者に対する早期の救急医療体制を確保することを目的としている。南砺市民病院では、早期の救急医療体制確保の他に、地域医療の密着を目指しており、在宅での終末期における救急医療現場の混乱を解消することも目的としている。
    出動時間は、休日や祝祭日を除く、午前8時45分から午後5時までとなっており、出動範囲は、南砺市及び砺波市庄川町をカバーしている。
    119番通報の通話内容に応じて、県西部消防指令センターから出動を要請する。要請基準は、3つに区分されており、(1)通報者から聴取した傷病者の状況に、生命の危険に関わるキーワードが含まれている場合を要請基準1、(2)現場到着時に救急隊から要請する場合を要請基準2、(3)ドクターカーが独自に災害派遣等の出動を行う拡大出動がある。
    現在のドクターカーの運用は、乗車するスタッフが現場活動に慣れること及び救急隊との連携強化を踏まえ、出動範囲内で発生した全ての救急事案に出動している。
    従来から運用されているドクターヘリに加え、新たにドクターカーの運用が開始され、救急医療体制が強化された。これらを災害現場において効果的に活用し、地域住民へ質の高い救急医療の提供と救命率の向上を図るには、傷病者に最初に接触する救急隊員の資質向上が重要である。
  • 伊東 英二, 清水 護, 舟川 翔太郎
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 7-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    【はじめに】
    新型コロナウイルス感染拡大に伴い当消防組合でも救急隊の感染対策について基準を設け現場対応しています。管内でもコロナ感染者が確認され、今後はより慎重に対応しなければならないなか、判断の困難な熱中症とコロナについて検討しました。

    【現状】
    コロナ対応個人装備
    ・感染が疑われる患者の要件に合致した場合
    ・心肺停止傷病者

    標準装備
    ・その他の事案

    この現状の中、熱中症とコロナの初期症状が似ているのにも関わらず先入観で対応してしまい、コロナを否定できないにも関わらず標準装備で搬送をしてしまった事案。
    また、現場での体温上昇を確認後、コロナ対応個人装備に切り替えたため早期に搬送することが出来なかった事案があった。

    【考察】
    熱中症事案にあっては傷病者を早期に処置、搬送する必要があることから、通報時に聴取出来ない場合でも、現場のイメージを膨らませ早期にコロナ対応個人装備を考慮する必要がある。
  • 加藤 貴大
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 8-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    現在、国内のみならず、世界中で新型コロナウイルス感染症が流行しており、富山市においても新型コロナウイルス感染症の陽性者及びその疑似症を含め、多数の傷病者の救急搬送を実施している。また、救急現場において、感染拡大に伴い、全救急事案でのヘルメット、ゴーグル、N95マスク及び上下感染防止衣の着装等、感染防止対策の徹底や救急事案毎に行う車内消毒など、従前とは異なる対応を求められることになった。
    国の緊急事態宣言が出され、国民や関係機関、そして医療従事者の方々の懸命の努力により、一時的に流行は沈静化したが、現状ではワクチン等の有効な予防策あるいは治療薬が一般に普及されるには未だ時間を要する状態であり、今後のさらなる感染拡大が懸念される。
    今回、新型コロナウイルス感染症に対する富山市消防局の対応を紹介するとともに救急現場に与えた影響について考察し報告する。
  • 樋口 正樹, 打越 学, 島崎 哲弥, 山路 修平, 山田 智樹, 岡崎 博樹, 加納 春洋
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 9-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    A病院は県庁所在地であるB市内にある2次救急病院であり感染症指定医療機関に指定されている。県内の感染者の発生は他県に比較し遅れていたが、最初の陽性確定者から接触者の感染、立ち寄り先での感染などで一気にクラスターが発生し多くの感染者が発生することとなった。それに伴いA病院での入院対応、B市保健所より接触者の受診、PCR検査の依頼が急増し担当者はその対応が困難な状況となった。A病院において事業管理者の命にてCOVID-19対策本部(以下対策本部とする)の立ち上げを行うこととなり対策本部事務局(以下事務局)の運営をA病院DMAT隊員にて行うこととなった。院内は通常医療、Covid-19 対応の2本柱での運営を方針として対応を行っていた。そのような対応を行う中で、A病院内X病棟においてスタッフの感染が確定、その後相次いでスタッフ、患者の感染が確認されクラスターが発生した。A病院の感染拡大の他にB市内では老人保健施設、デイサービス、障害者施設など数か所でクラスターが発生していた。
    そのような中で院内対応に加えA病院ではDMAT隊員によって担った業務に患者搬送がある。今回、クラスターが発生したA病院において院内対応中で行った患者搬送を振り返り検証を行うことで今後の感染対策、患者、傷病者搬送の一助とするべく検証を行うこととした。
  • 澁谷 忠希, 桑野 博之, 波多野 智哉, 川岸 利臣, 若杉 雅浩
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 10-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    はじめに
    人工呼吸器で酸素化を維持できない重症呼吸不全ではVV ECMO(以下ECMO)を使用した呼吸補助が治療選択肢となる。呼吸状態が急激に悪化するCOVID-19患者ではECMO適応となる症例が存在する。今回ECMOを導入し救命し得たCOVID-19症例を経験したので報告する。

    症例
    50代男性。2020年4月X-6日39℃の発熱と軽度の咳嗽を自覚した。4月X-5日近医を受診し抗菌薬とアセトアミノフェンの処方を受けたが症状の改善を認めず4月X日に当院紹介となった。39℃の発熱と低酸素血症(SpO2=92%(室内気))があり胸部CTで両側肺外層優位にすりガラス影+間質性陰影を認めたためCOVID-19感染症疑いとして集中治療室に入室となった。

    経過
    入院2日目にPCR検査でCOVID-19陽性と判明しファビビラビルの投与を開始した。入院4日目未明より急激に酸素化の悪化を認め挿管・人工呼吸器管理となった。その後も呼吸状態が悪化し続けたため入院7日目にECMO導入を行った。その後は徐々に呼吸状態改善を認め入院16日目にECMO離脱しリハビリを開始した。入院24日でPCR検査陰性が確認され一般病棟へ転棟した。リハビリを継続し入院56日目に自宅退院となった。

    考察
    ECMOの合併症として最も多いものが出血合併症である。ECMO回路内血栓予防目的にヘパリンの持続投与を行うことが原因となる。本症例は計9日間のECMO管理を行ったが刺入部の静脈性出血を除いてほぼ合併症無く管理することが出来た。患者が比較的若年であったこと、厳重な凝固系のコントロールを行った事が要因と考える。
    COVID-19患者は急激に呼吸不全が進行する症例が散見されており人工呼吸管理、ECMO管理を視野に入れた治療戦略を考える必要がある。
  • 大鋸 立邦, 席 望, 佐野 勇貴, 坂田 行巨, 渕上 貴正, 松井 恒太郎, 齊藤 伸介
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 11-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    当院は、救命救急センターと基幹災害拠点病院、感染症指定医療機関に指定された県内で唯一の医療機関であり、COVID-19診療と救急医療を同時に行う必要があった。来院する全ての発熱患者と救急車の受け入れを行った当センターの戦略を紹介する。合わせて、富山県ドクターヘリでの感染対策に関しても紹介する。
    自力で来院する方は、COVID-19が疑われる症状やエピソードがある場合、病院建物には入らず自家用車内(無い場合は、院外のテント)で待機する。まず、医師が電話で症状や行動歴、接触歴などの問診を行い、疑いがあるかを判断する。疑いがあればCT検査を行い、肺炎像があるかを確認する。問診の時点で全身状態に問題がありそうな場合はセンター内の陰圧室に誘導する。救急車で来院する方は、まず救急車内で医師によるトリアージと問診を受ける。疑いがあり、状態が安定していればCT検査を行う。センター内には医師の問診やCT検査が済んだ患者しか入らないようにコントロールした。
    直接対面することなく電話での問診やCTを撮影し、疑わしい症例をピックアップできたことでセンター内のゾーニングを可能にし、スタッフの感染者はゼロで対応することができた。
    ドクターヘリにおいては、対応する事案全てにおいて帽子、ゴーグル、マスク、ガウンの装着を行い、診療中にエアロゾルが発生するような処置を行う可能性がある場合はN95マスクを装着する。診療の後に、少しでもCOVID-19感染の可能性がある場合は、ドクターヘリによる搬送は行わず、救急車で搬送することで対応している。診療に使用した物品は活動後に全てアルコール消毒を行なっている。
  • 川岸 利臣, 若杉 雅浩, 波多野 智哉, 澁谷 忠希, 桑野 博之
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 12-
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    20代の男性。飼育していたパフアダーに左手背をかまれて受傷し救急要請された。救急隊接触時には腫脹は軽度であったが、当院救急外来到着時には手背は高度に腫脹し、前腕まで拡大傾向であった。局所所見は著しいものの、バイタルには問題がなく、血液検査も特に問題は認めなかった。
    パフアダーは主にアフリカに生息する毒ヘビで、非常に高い毒性が報告されている。本邦においてパフアダー毒に対する抗血清は存在せず、日本国内における治療報告も検索した範囲で認められなかった。そのため、一般的な毒ヘビ咬傷治療と対症療法を開始した。経過中に凝固異常および高度の浮腫が出現したため、凝固異常に対して遺伝子組み換えヒトトロンボモジュリン投与、手指末梢組織の浮腫及び虚血に対して高気圧酸素療法を行った。経過中に呼吸不全を一時呈したものの、第12病日には病状改善し一般病棟に転出。第14病日には受傷部位の軽度運動障害が残存したものの臓器障害を残すことなく独歩退院となった。現在上肢の運動機能改善のためにリハビリ通院中である。
    厚生労働省の統計によれば日本における「毒ヘビ及び毒トカゲとの接触」による死者数は近年減少傾向であるものの現在でも数名報告されている。近年死者数が減少している要因として日本で問題となる毒ヘビであるマムシ、ハブには抗毒素血清が存在していることや医療体制が充実してきたことが考えられる。一方でパフアダーなどの海外産の毒性生物に関しては治療薬もなく治療成績も少ない。パフアダーは特定生物に分類され、現在新たな飼育は禁止されているが、飼育中である場合は継続飼育が可能となっている。そのため本症例のような毒性の高い毒ヘビ咬傷がこれからも発生する可能性があり、本例の治療経過は極めて貴重と考えられたので報告する。
  • 伊井 みず穂, 奥寺 敬, 若杉 雅浩
    原稿種別: 一般演題抄録
    2020 年 38 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 2020/09/12
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
     近年、医療関連職種における災害対応教育の重要性が指摘され、医療職者への継続学習だけでなく、次世代を担う医療関連職種基礎教育としての災害医療教育が重要であるとされている。災害の現場において、看護職の役割は大きく重要である。今回、近隣の北陸地区(福井・石川・富山)4年制大学看護学科10校を対象に、公開されているカリキュラムから、看護基礎教育課程での「災害看護」の位置づけについて検討した。授業科目に「災害看護」の明記があるのは7校、授業科目名にはないが「成人看護対象論」科目内に含まれているのが1校、記載なし2校であった。医療関連職種としての基礎教育における災害看護学のデザインに、現任教育で行われているoff-the job trainingの要素を演習として取り入れ、継続した災害医療学習が可能な構造が必要であると考える。
原著論文
  • 伊井 みず穂, 奥寺 敬, 若杉 雅浩
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 38 巻 1 号 p. 20-23
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    Covid-19によるパンデミックにより直前に対面出講が不可能となった日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程クリティカルケア学科において講義の一環としてのJTAS講習会(プロバイダーコース)を、遠隔 on line 講義により行った。受講者は、ソーシャルディスタンスを確保して着座し受講した。このJTASコースの質を検討するために、自己記入式による自己評価質問票と自由記述を集計し、2019年に開催した2回の通常開催によるコースの受講者36名と比較した。自己評価においては、各モジュールで従来コース受講者と大幅な差がなく、教育効果はほぼ同等であると考えた。今後は、さらに様々な方法の組み合わせによる試行を行い、パンデミック中並びにパンデミック後の各種講習会のあり方を検討する必要がある。
  • 伊井 みず穂, 奥寺 敬, 若杉 雅浩, 徳田 秀光, 安田 智美
    原稿種別: 原著論文
    2020 年 38 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/02/06
    ジャーナル フリー
    【目的】今回,2018年度の富山県内医療機関の初期臨床研修医を対象としたICLSコースにおいて,前後の受講者自己評価を施行し,ICLSコースの効果について検討した。
    【対象と方法】2018年4月に開催したICLSコースの受講者を対象に,質問紙による自己評価を行った。ICLSコース内区分において5段階の行動レベルで自己評価を記入し受講前後での比較検討を行った。
    【結果】受講者48名中,44名(91.6%)を分析対象とした。受講後,BLSでは「自信を持ってできる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「助けがあればできる」の割合が有意に低下(P<0.05)した。気道管理では「できる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。モニター・除細動では「自信を持ってできる」の割合が有意に増加(P<0.05)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。輸液路・薬剤投与では「できる」の割合が有意に増加(P<0.01)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。シナリオステーションでは「できる」「助けがあればできる」の割合が有意に増加(P<0.05)し,「できない」の割合が有意に低下(P<0.01)した。
    【考察】国家試験合格直後の初期臨床研修医におけるICLS研修会において,いずれの項目でも自己評価は上昇していた。臨床経験のない研修医では,本コースが継続して学習していくための動機付けとなり,今後の研修を積んでいくことで,スキルを身につけ,シミュレーション学習を積み重ねていくことで,自信を身につけることができると考えられ,初期臨床研修医対象シミュレーション研修ICLSコースにおいての目標は達成できていると考える。
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