令和2年4月6日から、南砺市民病院による専用車両を使用したドクターカーの運用が開始された。専用車両を使用したドクターカーは、富山県内で初めての運用である。
全国的に、ドクターカーの運用は、救急・救命センターから出動し、傷病者に対する早期の救急医療体制を確保することを目的としている。南砺市民病院では、早期の救急医療体制確保の他に、地域医療の密着を目指しており、在宅での終末期における救急医療現場の混乱を解消することも目的としている。
出動時間は、休日や祝祭日を除く、午前8時45分から午後5時までとなっており、出動範囲は、南砺市及び砺波市庄川町をカバーしている。
119番通報の通話内容に応じて、県西部消防指令センターから出動を要請する。要請基準は、3つに区分されており、(1)通報者から聴取した傷病者の状況に、生命の危険に関わるキーワードが含まれている場合を要請基準1、(2)現場到着時に救急隊から要請する場合を要請基準2、(3)ドクターカーが独自に災害派遣等の出動を行う拡大出動がある。
現在のドクターカーの運用は、乗車するスタッフが現場活動に慣れること及び救急隊との連携強化を踏まえ、出動範囲内で発生した全ての救急事案に出動している。
従来から運用されているドクターヘリに加え、新たにドクターカーの運用が開始され、救急医療体制が強化された。これらを災害現場において効果的に活用し、地域住民へ質の高い救急医療の提供と救命率の向上を図るには、傷病者に最初に接触する救急隊員の資質向上が重要である。
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