富山救急医療学会
Online ISSN : 2434-8457
Print ISSN : 2185-4424
34 巻
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一般演題
  • 林 大蔵
    2016 年 34 巻 p. 4-
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    (はじめに)
    富山県のドクターヘリ運用が開始されたのは平成27年8月24日からです。
    射水市では平成28年7月27日現在、10件の出動要請をし、うち5件の搬送とドクターヘリを活用しました。当消防本部は、外傷ばかりではなく内因性の急病においても積極的にドクターヘリを活用するよう取り組んでいるところです。
    運航開始3ヶ月目に労災事故が発生、新湊消防署東部救急隊が出動し、ドクターヘリ要請を行いました。
    この症例は改善すべき点が多く、今後の活動に活かせるよう報告します。
    (症例)
    発生日時:平成27年10月■日 覚知10時■分
    概要
    工事現場で労災事故、又聞き通報のため詳細不明との指令内容で出動する。
    出動途上に追加情報として作業員が海中に落ちたもの、CPAの疑い。
    傷病者は陸へ上がっている。詳細は誘導員に確認してくださいとの続報。
    現場到着後、傷病者の首から上がかろうじて浮かんでいる状態で、足場の不安定な場所で3名の作業員が沈みそうになっている傷病者を必死で引き上げようとしている状況を確認。さらに覚知約15分前から水中にいたことも聴取。現場の状況から救出に時間を要する症例であることを認識できた。
    救出完了し、車内収容直後に指揮隊からドクターヘリ要請をする指示を受けた。
    (考察)
    本症例では、多くの教訓を得た。傷病者接触時にドクターヘリを呼んでいたら、現発時には何らかの方法でドクターが接触でき、医療介入時間の短縮を図れたのではないか。
    救急隊は、指令から現着までの間、概要しか分らなかった。実際には覚知15分前から傷病者が溺水し、結果的に溺水してからドクター接触までのトータル時間は52分ということになってしまった。
    早期のドクターヘリ要請が傷病者に対する医療介入時間を短縮できることを再認識させられた症例であった。
  • 杉木 勝樹
    2016 年 34 巻 p. 5-
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    目的
    気管切開孔造設傷病者が喀血しているとの内容で出場し気道トラブルの解除、酸素化の確保に苦慮した事案を経験したのでその状況と経過等の情報共有することを目的に発表します。尚、応急処置内容の解釈等(グレーな部分)の存在で明確な解決に至ってはいませんが発表することで今後の類似症例に対する対応能力強化、事故予防に繋がると考えました。
    概要
    深夜、就寝中急に咳き込み喀血したとの内容で救急出場する。現着時の情報として気管切開孔造設患者であった。出血量は200~300mlで大量出血、自力喀出している状態で傷病者に接触する。顔面にはチアノーゼを確認、吸引処置、酸素投与するが酸素化が得られずチアノーゼが進行四肢にまで拡大する。現場での気道確保、酸素化に苦慮する。
    考察
    今回の症例を踏まえ吸引処置範囲、特定在宅療法(気管切開)傷病者に対する吸引処置、体位管理について確認・検討しました。職員間においても吸引処置の範囲について解釈に差があり体位管理についても側臥位、座位と分かれました。症例を振り返り検討・情報を共有する事で知識の習得や定着、今後の類似症例に対する対策になると思われます。救命士の役割である短時間で急激に状態が悪化する可能性のある傷病者を生命危機から回避し、最適な医療機関へ迅速な搬送が出来るように日々研鑽していきたいと思いました。
  • 長尾 学
    2016 年 34 巻 p. 6-
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル オープンアクセス
    【はじめに】
    砺波地域消防組合は1年間に約4,400件の救急事案に出動している。そのうち、自宅分娩事案は平成26年に3件、平成27年には1件あった。その中で、私が出動した墜落分娩事案について報告する。
    【症例】
    20代女性、妊娠34週の経産婦。自宅玄関で出産したもの。現場には直近の救急隊2隊が出動した。状況は、玄関内の式台に母親がぐったりした状態で座っており、床面には多量の血だまりがある。新生児はタオルにくるまれ、父親に抱きかかえられている。啼泣は弱く、全身にはチアノーゼがあり、アプガースコアは5点と判断した。臍帯は娩出の勢いで断裂してしまっていた。母親には会陰部の圧迫止血及び酸素投与。新生児には口鼻腔内の吸引、酸素投与、臍帯断裂部の被覆処置を行った。新生児のチアノーゼは病院到着前には改善し、開眼もみられた。しかし、力強い啼泣はなかった。
    【搬送先医療機関】
    2隊の救急隊により、NICUを有する砺波総合病院へ母子ともに搬送した。病院内にて、看護師が新生児の背中を手で擦り上げた瞬間に大きな啼泣をあげた。
    【考察】
    新生児のアプガースコアが悪かった要因は、墜落分娩による外傷や子宮内での異常が考えられたが、今回の症例は呼吸促進の為の刺激が足りずしっかりとした呼吸ができていなかったことが大きな要因と考えられる。
    【結語】
    新生児や周産期における傷病者の観察や処置は症例も少なく多くの救急隊が苦手意識をもっていると思う。今回の症例を通し今一度、産科領域の観察や処置の再確認が必要だと痛感した。
  • 法才 潤司
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 7-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    【はじめに】
    昨年から救急救命士の処置拡大に伴い、心肺停止前静脈路確保と血糖測定及びブドウ糖投与が開始された。
    富山医療圏MCでは意識障害の程度に関係なく血糖測定を実施するプロトコールを採用している。今回傷病者接触時の意識レベルの程度と低血糖の有無に関係があるか調査した。

    【方法】
    H27.7.1~H28.7.31 富山市消防局16隊が救急搬送した意識障害傷病を対象として接触時のJCSと血糖値その後の処置の有無について調査した。


    【結果】 血糖測定した152症例のうちブドウ糖投与対象となる血糖値50mg/dl未満であった傷病者はJCSⅠで15名、JCSⅡで9名、JCSⅢで4名であった。

    【考察】
    JCSⅠである傷病者であっても低血糖となっている場合が多く、救急救命士が現場でブドウ糖投与することにより、傷病者の予後等に有益であると考えられる。
  • 島崎 哲弥, 打越 学, 清川 裕明, 伊藤 宏保
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 8-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    4月に発生した熊本地震において、全国より450チーム(約2000名)以上のDMATが派遣された。東日本大震災以降整備されたDMATロジスティックスチームも5次隊まで派遣され、災害急性期から指揮系統を立ち上げ、亜急性期まで活動を行った。富山県からも医師1名、業務調整員1名がDMATロジスティックスチーム4次隊として4月20日から26日まで派遣され、阿蘇地区災害保健医療復興連絡会議(ADRO)事務局にて活動した。
    ADRO事務局における富山県DMATロジスティックスチーム業務調整員の役割は、会議体の事務局機能としての記録・連絡、会議の運営・管理、情報集計など様々な業務を行った。
    今回、ロジスティックスチームとして派遣され、指揮命令系統、会議体事務局の組織化、亜急性期活動の記録、会議の運営などの活動について考察を含め報告する。
  • ~MPSS(Maria Prehospital Stroke Scale)を使用したフローチャートによる各科の連携~
    水野 伸也
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 9-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    脳卒中は早期治療が必要であり、治療が遅れれば生命の危機的状況に陥るばかりか麻痺や失語など機能障害を残し、その後の生活に支障をきたす緊急度・重症度が高い疾患である。
    救急外来において昨年10月から7月末まで組織プラスミノーゲンアクチベータ療法(以下rt-PA)を行った件数は12件、脳血管カテーテルによる検査・治療は28件施行している。輪番日において脳外科医は自宅待機であるため初期対応は救急担当の内科医が行っている。A病院では脳卒中の早期治療のためMaria Prehospital Stroke Scale(以下MPSS)を使用したフローチャートを作成した。そのフローチャートを使用し、内科医をはじめ放射線科や薬剤部と連携を取っている。フローチャート使用に関する結果および考察を以下としたので報告する。
    フローチャート使用に関して、内科カンファレンスにて脳外科医から説明後、使用開始となった。A病院では救急隊からのファーストコールを師長および看護師がとっている。そこで師長や看護師に対し学習会を行い、フローチャート使用について周知した。また内科医や研修医においても輪番開始前に再度説明した。さらに救急隊においてもフローチャートを使用して情報収集する旨を説明した。その結果、脳外科医が到着するまで、脳出血の場合は止血剤の投与および血圧を目標値まで降圧し、脳出血ではなかった場合もMRIが施行できている。また放射線科との連携や静注用rt-PA製剤使用における薬剤部との連携もとれている。また救急隊にも浸透してきている。このことからフローチャート使用は有用であると考察できる。
  • 廣田 順一, 西中 大介
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 10-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    以前、入善消防署の管轄内で乗用車同士の衝突事故により7名の傷病者が発生する事案がありました。1名は車内から脱出できない状態であったので先着隊の救急隊と救助隊により救出にあたり、車外救出後にその1名を搬送しました。他の6名の傷病者は車外に出ており、トリアージタッグを使用しトリアージを実施して3台の救急車により2名ずつ医療機関を分けて搬送しました。今回、幸いにもCPAやショック等(赤・黒タッグ)の重症・死亡傷病者がいませんでしたが、重症傷病者を含む多数傷病者が発生した場合には効率の良い処置やトリアージ、医療機関の選定等が特に重要となってくると考えます。今回の事例を基に、今後このような多数傷病者を発生する事故が発生した場合にトリアージと医療機関の選定をどのようにすべきであるか考察したい。
  • 坂元 美重, 奥寺 敬, 若杉 雅浩, 髙橋 恵
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 11-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    【目的】
    救急医療において重症意識障害患者では、脳機能検査として脳波検査を行う。しかし、従来の脳波計は、10-20法による電極装着が必要であり、心電図と比べると容易な検査法とは言い難い。我々は、電極数を省略し、新たに開発した電極とワイアレスヘッドセットによる簡易型脳波計を開発した。
    【方法】
    電極は、従来の皿電極・針電極とは異なる新規の構造と導電用のジェルを開発した。これらを装着するヘッドセットは、小型化・軽量化を図り、メモリを実装、ブルートゥースによるワイアレス化を実現した。
    【考察】
    新設計の携帯可能な簡易型脳波計は、数次の試作を重ね、実用かつ量産可能なものとなった。この簡易型脳波計により、救急外来での急性期の意識障害患者の脳波計測が簡便かつ容易に行えるようになる。急性期よりの脳波計測の機会が増えることで、脳蘇生における持続脳波モニタリングが普及することが予想される。
    【結論】
    携帯型簡易脳波計測装置は、救急医療における脳波の普及を促進し、脳蘇生ならびに脳死に至る重症脳障害の病態のさらなる解明に寄与するものと考える。
  • 奈良 かな子, 岩間 直
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 12-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    近年、さまざまな学会において、消防や医療機関など、災害のファーストリスポンダーとなりうる要員を対象とした災害医療の研修会として、多数傷病者への対応標準化トレーニングコース(Mass Casualty Life Support:以下MCLSと略す)が開催されている。
    MCLSコースの講義の一つとしてトリアージタグ (以下、タグと略す)に関し、30分の時間を設け座学と記載演習を行っている。記載演習では、講義担当者がスライドに示したトリアージ判定内容を読み上げ、受講者がそれをタグに記載する(以下、スライド形式とする)方法で行っているが、「実践的でない」と言う意見が指導者から聞かれた。そこで、指導者が、START法とPAT法で傷病者役をトリアージ判定し、受講者がその内容をタグに記載する方法(以下、デモ形式とする)を取り入れてみた。しかし、デモ形式では、「判定が早すぎて、ほとんど記載できない受講生がいる。」という意見が指導者から聞かれた。そのため、デモ形式でのタグの記載状況を把握し、指導方法の工夫が必要か検討するために調査を実施した。タグの調査や研究に関する報告では、電子化システムに関する報告や医療機関での災害用カルテに関するものはあるが、記載演習の指導方法の比較検討はなかった。
教育講演
  • 髙橋 恵, 奥寺 敬
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 13-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    近年、病院における医療の抱えるリスクが医療事故という形で取り扱われ、マスコミを含めて社会でも大きな話題となっている。
    救急医療におけるリスクとして、様態が急激に変化する患者への対応がある。心肺停止への対応は、国際蘇生連絡協議会(ILCOR International Liaison Committee on Resuscitation)が定期的に示す骨子により5年ごとに作成され公開される蘇生ガイドラインがある。我が国では、日本蘇生協議会により2010年より公開されており、最新版はJRC蘇生ガイドライン2015として2015年秋に公開され、2016年2月29日に出版された。
    一方で、心肺停止に至る前段階の急変は、多くの場合、反応の低下、すなわち意識レベルの低下などの脳神経系の機能低下により気づかれることが多い。ILCORは、病める心臓 ill cor を組織名の由来としており、脳神経蘇生を扱っていない。
    我が国では、独自の取り組みとして、ガイドライン2010より「神経蘇生」を独立した章として作成・考案している。最新のガイドライン2015では、頭部外傷や spinal emergency を加えて脳神経蘇生としてさらに充実を図った。このJRCガイドライン2015の脳神経蘇生で示す内容は、文字通り脳神経系の蘇生、つまり脳神経系の急激な機能低下への対応のガイドラインに他ならない。
    救急医療におけるリスクは、個人個人の病態の多様性により、ともすれば複雑系として取り扱われ、包括的なアプローチは困難である。このような場合、共通化が可能な部分は共通化しリスクを軽減する部分的アプローチを取り入れることで取り組みが可能となる。
    脳神経蘇生ガイドラインを示しこれを共有することで、脳神経系のリスクを理解し救急医療に取り組むことが可能となる。
  • 佐々木 正弘
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 14-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    目的: 2003年の脳卒中治療ガイドライン刊行後、脳卒中急性期におけるSCU/SUの有効性や標準化された治療が展開されている。また、2005年10月にはrt-PA静注療法が保険適応になり、2006年にはISLSが開発された。この医療整備がなされた後の、SCUを持つ当センターでの入院24時間以内の予後不良の因子を明らかにし、今後に必要な治療などを検証した。

    対象/方法: 2007年1月1日から2012年12月31日までに一過性脳虚血発作を除く発症24時間以内に入院した2335例で、死亡は139例であった。このうちの入院24時間以内に死亡した48例について、病型、性別、平均年齢、入院時意識レベルと神経重症度(NIHSS)、血圧、死亡原因(原疾患か否か)の臨床的特徴と治療内容の妥当性を後ろ向きに検討した。

    結果: 全死亡率は6.0% で、24時間以内の死亡率は2.0%であった。病型では脳出血が有意に高かった。男女比では脳出血は男性に有意に多く、くも膜下出血は女性に有意に多かった。平均年齢は、脳梗塞:77歳、脳出血:72歳、くも膜下出血:78歳で有意差はなかった。病型別で73%を占める脳出血では、意識障害は重症の割合が高く、神経重症度は平均32で重症であった。拡張期血圧は平均195mmHgであった。このうち2 例で手術適応に関しての検討が必要と思われた。死亡に関する危険因子は、入院時の血圧、手術であった。

    結語: 当センターでの死亡率は低かった。病型では脳出血が多く、この急性期治療は血圧管理や手術決定の時期が重要な因子であった。
特別講演
  • 田中 秀治
    原稿種別: 一般演題抄録
    2016 年 34 巻 p. 15-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    国際蘇生連絡協議会(ILCOR)が作成した心肺蘇生と救急心血管治療のための科学と治療の推奨に関わる国際コンセンサス(CoSTR)をベースに、5年毎に各国・各地域がその地域事情にマッチさせたガイドラインとして示された。昨年10月にJRC蘇生ガイドライン2015が公表され、心停止の予防、早期認識と通報、AEDと一次救命処置、二次救命処置と心拍再開後の集中治療が4つの救命の輪として示された。この4つの輪が小児と成人で共通であることが特徴である。
    このガイドライン2015変更点のポイントのうちBLSは 1.訓練を受けていない市民救助者は119番通報で指示を仰ぐ、 2.呼吸の確認に迷ったら、すぐに胸骨圧迫する、 3.胸骨圧迫は約5cm以上で6cmを超えない深さで実施、 4.胸骨圧迫のテンポは1分間に100~120回、 5.胸骨圧迫では、胸をしっかりと元の位置に戻す(力を抜く)、 6.胸骨圧迫の中断をできるかぎり最小限とすることなどである。またALSの特徴はALS手技の間も継続した胸骨圧迫すること、人工心臓マッサージ機の使用は胸骨圧迫ができない部分に限定して実施すること、ETCO2の重要性が高まったこと、プレホスピタルにおける12誘導心電図の重要性が高まったことなどが挙げられる。
    また今回のガイドラインでは、ファーストエイド(急な病気やけがをした人を助けるためにとる最初の行動)が加わり、市民への普及がより一層協調されることになっている。
    本講演では、2015変更点のポイントの要旨を含め普及のポイントを示す。
特別演題
  • 藤野 美香, 奥寺 敬
    原稿種別: 特別演題
    2016 年 34 巻 p. 16-
    発行日: 2016/08/28
    公開日: 2020/09/18
    ジャーナル フリー
    ⽇本国政府は、平成28年3⽉30⽇の「明⽇の⽇本を⽀える観光ビジョン構想会議」(議⻑:内閣総理⼤⾂)において、2020年には、現在の年間2000万⼈の訪⽇外国⼈旅⾏者受⼊を4000万⼈に倍増させる⽬標をたて、環境整備に着⼿している。⼀⽅で、現在でも⽇本各地を訪れる外国⼈観光客が急病に際し、医療機関を受診し「⾔葉の問題」によるトラブルが 少なからず発⽣している。特に景勝地の多くは⼈⼝過疎のエリアに多く、地域医療や僻地医療においても問題視されつつある。
    我々は、医療機関における外国⼈医療を⽀援する⽬的で、外国⼈医療⽀援システム(MediPass®)を開発した。本システムは、外来初療時の問診や⾝体所⾒の取り⽅を Tablet端末で⽀援するソフトウェアで、現在、中国語、ポルトガル語、ロシア語が iOS ⽤に、スペイン語がiOS およびAndroid ⽤に開発され、全国各地の医療現場で活⽤されている。本 発表では、開発の背景とシステム構成について情報を提供する。
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