横光利一研究
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横光利一研究
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小特集 〈亡霊〉としての横光利一 西欧・アジア体験の衝撃と余波
  • ──加藤周一が見た横光利一──
    鷲巢 力
    2023 年2023 巻21 号 p. 1-22
    発行日: 2023/03/17
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
  • ──小説「自然 」を視座に──
    仁平 政人
    2023 年2023 巻21 号 p. 23-39
    発行日: 2023/03/17
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    「僕は日本の山河を魂として君の後を生きてゆく」――この「横光利一弔辞」の言葉もあって、戦後における川端康成の活動はしばしば横光の遺志を継ぐもののようにとらえられてきた。だがその一方で、川端が横光の遺したテクストとどのように対話を行っていたのか、十分な追究は行われていない。本稿では、戦後の川端の横光にまつわる発言・活動について概観するとともに、特に『旅愁』評価の問題と、横光とのつながりを明瞭に示す小説「自然」について検討を行った。後者に関しては、「自然」をめぐる流動的・撹乱的なレトリックのあり方について分析するとともに、その横光の「自然」言説と、先行する川端の小説「生命の樹」の双方との関係を論じた。
  • ──遠藤周作「爾も、また」を視座として──
    木村 友彦
    2023 年2023 巻21 号 p. 40-53
    発行日: 2023/03/17
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    「爾も、また」は、『旅愁』で描かれた東西文化の相剋と日本人の異文化体験に内在する問題を引き継ぎつつ、固有の観点から『旅愁』の批評として機能する小説である。「爾も、また」で描かれた異文化の理解・受容・融合の不可能性を基盤とした厳格な異文化認識は、『旅愁』で描かれた包摂概念である「古神道」の論理の限界を訴え、『旅愁』が抱え込んだ東西文化の相剋に関わる葛藤を東西文化の相剋を超克することの絶対的な不可能性の認識にまで徹底化したものである。この点に「爾も、また」が『旅愁』に対して持つ批評性がある。そして、この批評性は、『旅愁』の日本主義・日本回帰の不可能性を指摘する概括的な批評言説を再考する必要性を訴える。
自由論文
  • ──横光利一「微笑」『夜の靴』を例として──
    小林 洋介
    2023 年2023 巻21 号 p. 54-67
    発行日: 2023年
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル オープンアクセス
    〈作者をモデルとした小説〉(一般に〈私小説〉あるいは〈自己表象テクスト〉と呼ばれてきたテクスト群)は、虚構性が弱いか、虚構性の弱さを装っていることが多く、ゆえに従来、日記などの〈非‐小説〉ジャンルとの相似性が指摘されてきた。それにもかかわらずそうしたテクスト群がフィクション的ジャンルである小説として享受される要因として、①三人称の語り、②〈作者をモデルとした作中人物〉の固有名と作者の固有名との不一致、③外形上ある特定の〈非‐小説〉ジャンルの形式を採用していながら同時にそのジャンルとの非同一性を示す情報をも発信していること、という三種類の〈フィクション性の内在的指標〉が考えられる。
徹底討論『微笑』記録
研究ノート
書評
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クローズアップ横光
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