値上がりが期待できる株式を選別して投資する
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投資は,投資先
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に本源的に存在する価値に基づいて投資するため,
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価値に即した適正な価格を発見し,市場価格をその価格に近づける(市場を効率的にする)という主張がある.しかしながら,実際の
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投資が市場を効率的にしているかどうかは分かっていない.近年の実証分析は,比較対象となるインデックス(日経平均株価などの指数)から大きく乖離した割合で銘柄を保有しインデックスに対して大きく異なる利益となるリスクをとったうえで売買量が少ない,いわいる"忍耐強い(Patient)
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投資"が利益を得ていることを明らかにした.今後このような投資が増えることが予想されるが,売買量が少ないにも関わらず市場価格に影響を与え市場を効率的にするのかどうかは重要な論点である.そこで本研究では,忍耐強い
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投資の特徴を反映した投資家を導入した人工市場モデルを構築し,このような売買量が少ない投資家が市場価格に影響を与え市場を効率的にするのかを議論した.その結果,忍耐強い
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投資はまれに起こる,市場価格が
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価値に即した適正な価格から大きく乖離して市場が不安定になり,市場がさらに非効率になりそうなときのみに多く売買を行い,市場を効率化することに寄与していることが示された.市場価格の変動が大きくなると,投機的な注文はその変動をさらに大きくすることがあるが,忍耐強い
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投資の注文は,このような増幅を防いでいる可能性も示された.本研究ではさらに,"忍耐強くない(Impatient)
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投資"もモデル化し,
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投資家の数を一定に保ちその構成を変化させた場合も分析した.その結果,忍耐強くない投資家が減り,忍耐強い投資家が増えると,
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投資の総利益のみならず,投資家1人あたりの利益も増えることが分かった.つまり,忍耐強い投資家が増えることにより,競合が増えて利益を奪い合うのではなく,仲間が増えることにより売却したい価格に到達しやすくなり投資機会が増え利益を獲得しやすくなることが分かった.このことは,忍耐強い投資は市場が効率的になると利益が減るというよりは,市場が非効率すぎて利益が減るという側面もあることを示している.
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