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469件中 1-20の結果を表示しています
  • 皆川 朋子, 川浪 健太郎, 栗田 喜久, 小山 彰彦, 林 博徳
    土木学会論文集B1(水工学)
    2019年 75 巻 2 号 I_403-I_408
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/11/16
    ジャーナル フリー

     本研究は,環境DNA分析を用いた

    イシガイ
    の生息量評価に関する知見を得ることを目的に,
    イシガイ
    のプライマー・プローブを設計し,
    イシガイ
    の生息や生息量の評価に関して室内実験及び野外調査を行い検討した.その結果,室内実験により
    イシガイ
    の個体数と環境DNA濃度との間に正の相関関係が認められ,野外における定量評価への可能性が示された.これを踏まえ,野外調査への適用を検討するため農業用水路や小河川において
    イシガイ
    個体数と環境DNAの検出数,環境DNA濃度及びフラックスとの関係性を評価した結果,特に生息数が多い保全上重要な地点の抽出に貢献できる可能性が示唆された.

  • 石田 惣, 久加 朋子, 金山 敦, 木邑 聡美, 内野 透, 東 真喜子, 波戸岡 清峰
    保全生態学研究
    2010年 15 巻 2 号 265-280
    発行日: 2010/11/30
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル オープンアクセス
    幼生期に魚類に寄生して変態する
    イシガイ
    類にとって、寄主として適合する魚種の存否は彼らの個体群維持において重要である。近年ブルーギルLepomis macrochirusとオオクチバスMicropterus salmoidesをはじめとする外来魚の密度が増大している淀川の城北ワンド域(大阪府)において、
    イシガイ
    類の繁殖への影響を推測するため、魚類相と
    イシガイ
    類のグロキディウム幼生の寄生傾向を調べた。調査地では
    イシガイ
    、ドブガイ属Anodonta spp.、トンガリササノハガイLanceolaria grayanaの3種群の
    イシガイ
    類と、8科19種群の魚種が生息していた。ブルーギルとオオクチバスの合計個体数比率は場所により10〜64%であった。採集した魚を解剖して幼生の寄生数を調べたところ、ブルーギルとオオクチバスに寄生していた
    イシガイ
    の幼生は時期により幼生全体の39〜67%、ドブガイ属では18〜96%を占めていた。ただし、ブルーギルとオオクチバスに寄生していた
    イシガイ
    の幼生の約99%は魚体上でシスト(魚の上皮細胞による被覆)が形成されていなかった。一方ドブガイではほとんどの魚体上でのシスト形成率が高く、ブルーギルとオオクチバスでも約97%以上がシスト形成または変態完了していた。
    イシガイ
    のブルーギルとオオクチバスに対する寄主不適合は室内実験でも裏付けられ、人為的に寄生させて得られた変態成功率はブルーギル・オオクチバスとも約0.5%で、寄生した幼生の約80%以上は魚体上で死亡すると推定された。この不適合は魚の側の獲得免疫ではなく、生得的な対寄生防御機構によるものと推測された。これらから、ブルーギル・オオクチバスの優占は
    イシガイ
    の繁殖に負の影響を及ぼしていることが明らかであり、淀川の
    イシガイ
    個体群の状況を今後注視していく必要がある。本研究で示された
    イシガイ
    類に対する外来魚の影響は、国内の他の陸水環境でも注意が必要である。
  • 伊藤 寿茂, 染谷 聖, 柿野 亘
    Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
    2021年 79 巻 1-4 号 29-33
    発行日: 2021/06/11
    公開日: 2021/09/11
    ジャーナル オープンアクセス

    イシガイ
    Nodularia douglasiae(岡山県産
    イシガイ
    属)の幼生について,それらが寄生を継続して稚貝に変態できる魚種(潜在的宿主)を実験飼育下で確かめた。健常な幼生を人為的に寄生させた10魚種(キンギョ,オイカワ,カワムツ,タモロコ,ミナミメダカ,オヤニラミ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ属の一種)を水槽内で継続飼育して,魚種毎に離脱してきた幼生と稚貝を観察,計数した。その結果,オイカワ,カワムツ,ミナミメダカ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ属の一種の7魚種より,変態を完了させた稚貝が出現した。このうちヨシノボリ属の一種は既に
    イシガイ
    の宿主として知られていた。オイカワとカワムツは,かつての
    イシガイ
    の亜種で現在は同属他種とされるタテボシガイNodularia nipponensisの宿主として知られていたが,本報により
    イシガイ
    の宿主としても機能することが判明した。本報では,ミナミメダカ,アシシロハゼ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼの4魚種が,日本産
    イシガイ
    属の宿主として,新たに検出されたことになる。これらの魚種は自然下においても
    イシガイ
    の繁殖に寄与している可能性がある。

  • 近藤 美麻, 伊藤 健吾, 千家 正照
    農業農村工学会論文集
    2011年 79 巻 2 号 117-123
    発行日: 2011/04/25
    公開日: 2012/04/25
    ジャーナル フリー
    2008年5月から10月にかけて岐阜県に位置するビオトープ池と隣接排水路,その間に設置された魚道において魚類を採捕し,
    イシガイ
    類幼生の寄生状況を調査した.その結果,
    イシガイ
    類幼生の主な寄生主は,
    イシガイ
    およびトンガリササノハガイではオイカワ,ドブガイおよびマツカサガイではヌマムツであった.また,魚道において採捕した魚類のうち,ビオトープ池から排水路への降下魚と排水路からビオトープ池への遡上魚における
    イシガイ
    類幼生の寄生状況を比較した結果,遡上魚よりも降下魚において平均寄生数が大きく,かつ,寄生幼生の総数も多い結果となり,ビオトープ池が
    イシガイ
    類の繁殖場所としての機能を持ち,周辺水域への分布域の拡大や個体数維持に貢献していることが示唆された.
  • 永山 滋也, 加藤 康充, 宮脇 成生, 原田 守啓, 萱場 祐一
    応用生態工学
    2019年 21 巻 2 号 135-144
    発行日: 2019/01/28
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー
    本研究は,自然堤防帯(セグメント 2)区間を対象として,様々な河川に適用可能な
    イシガイ
    類の生息可能性予測モデル(汎用モデル)を構築することを目的とした.また,汎用モデルから得られる情報を用いて,氾濫原環境保全に資するための具体的な活用法を例示した. 全国 9 河川の自然堤防帯(セグメント 2)区間を調査対象とし,合計 363 箇所(各河川 25~80 箇所)のワンドやたまりといった氾濫原水域における
    イシガイ
    類の生息調査データを収集した.また,氾濫原水域を含む開放水面と植物群落の分布および 5 m メッシュ数値標高モデルを地図化し,比高,水域面積,本川距離,周辺水域数,樹林面積率を環境変量として個々の水域に与え,
    イシガイ
    類の生息可能性を予測するモデル構築を行った.
    イシガイ
    類はすべての河川で生息が確認され,生息水域の合計は 73 箇所(各河川 1~21 箇所)であった.
    イシガイ
    類の生息可能性は,比高と水域面積によって最もよく予測された.生息可能性と比高は上に凸の関係にあり,冠水頻度や物理的攪乱が中程度の水域で
    イシガイ
    類が生息可能となることが示唆された.生息可能性と水域面積は正の関係にあり,大きい水域ほど
    イシガイ
    類の生息可能性が高かった. 構築した汎用モデルの河川管理への活用方法について議論した.その中で,治水整備と氾濫原環境保全の両立を図る観点から,木曽川を例に,流下能力図と類似の形式で作成する氾濫原評価図を,1 つのモデル活用方法として紹介した。
  • 根岸 淳二郎, 萱場 祐一, 塚原 幸治, 三輪 芳明
    日本生態学会誌
    2008年 58 巻 1 号 37-50
    発行日: 2008/03/30
    公開日: 2016/09/16
    ジャーナル フリー
    軟体動物門に属する
    イシガイ
    類二枚貝(
    イシガイ
    目:Unionoida)は世界各地の河川や湖沼に広く生息し国内では18種が報告されている。特に流水生の種は土地利用の変化や河川改修の影響で国内外種ともにその生息範囲の縮小および種多様性の低下が懸念されている。これまで国内で
    イシガイ
    類に関する様々な優れた知見が蓄積されているが、その多くが基礎生態の観点から行われたものである。特に北米地域では高い
    イシガイ
    類の種多様性(約280種)を背景にして、基礎から応用にいたる様々な有用な研究事例が報告されており、
    イシガイ
    類の分布に影響を与える環境条件として、洪水時における生息場所の水理条件や、宿主魚類の分布が重要であることが明らかにされつつある。また、その生態的機能も評価され、底生動物群集や水質に大きな影響を持つ可能性も指摘されている。既往の
    イシガイ
    類二枚貝に関する生態学的研究の整理から、国内では、稚貝の生態や餌資源等に関する基礎的研究、さらに好適生息場所環境条件や生態的機能等に関する応用的側面からの研究が不十分であることが明らかになった。
    イシガイ
    類を介して成立する陸水生態系全体の保全のためこれらの分野における研究の進展が必要であることを示した。
  • 近藤 美麻, 伊藤 健吾, 千家 正照
    農業農村工学会論文集
    2013年 81 巻 5 号 395-402
    発行日: 2013/10/25
    公開日: 2014/10/25
    ジャーナル フリー
    新規に造成されたビオトープ池への魚類の移動に伴う
    イシガイ
    の定着と再生産に着目し,それに寄与した宿主魚種を検討した.
    イシガイ
    の宿主として適性をもつ魚種を明らかにするために行なった寄生実験では,対象とした12魚種のうち6魚種から稚貝が得られた.そのうち寄生幼生の稚貝への変態率はオイカワおよびヨシノボリ類で高く,それぞれ95.3%と88.1%であり,他の魚種では5%に満たなかった.また,過去に行なわれたビオトープ池における
    イシガイ幼生の寄生状況およびイシガイ
    と魚類の生息状況の調査結果より,オイカワは現地における幼生の平均寄生数と寄生率も高く,生息数も多い魚種であったことから,ビオトープ池においてはオイカワが主な宿主として
    イシガイ
    の定着と再生産に寄与したと考えた.
  • 近藤 美麻, 伊藤 健吾, 千家 正照
    農業農村工学会論文集
    2012年 80 巻 6 号 515-521
    発行日: 2012/12/25
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    イシガイ
    科二枚貝の移動能力は極めて低い.そのため,
    イシガイ
    科二枚貝の長期的な個体群維持に重要であると考えられる生息域の拡大や生息地間の再生産交流には,幼生期の宿主である魚類の移動が大きく貢献する.そこで本研究では,水田地帯の河川および排水路において,
    イシガイ
    科二枚貝幼生の宿主であるヌマムツを対象として移動距離を調査した.その結果,日数を説明変数とした移動距離の推定式y=exp(6.50+0.06x)を得た.また,本式より幼生の寄生期間を7日間とした場合のヌマムツの移動距離を推定した結果1,040mとなった.これより,新たに
    イシガイ
    類の保全地を整備する場合,既存の生息地から1,000m程度離れた場所に設置すれば,ヌマムツがその間を移動することが可能となり,
    イシガイ
    類の長期的な個体群維持に有効であると考えた.
  • 古川 豊, 渡邉 一哉
    環境情報科学論文集
    2018年 ceis32 巻
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/07
    会議録・要旨集 フリー
    農業用水路である文下堰では,
    イシガイ
    類が多数生息している。100 個体を用いた観察・実験の結果,次のような知見が得られた。1)水路内での性成熟期間は約3 年。2)性成熟までに流下する距離は120m。3)宿主であるドジョウへの寄生には10 秒以上の時間が必要であり,流速に換算すると0.012m/s以下となった。4)宿主への寄生のためにはグロキディウム幼生は10,000個/日以上の放出が必要で,その期間は15日程度であった。5)宿主の運搬距離は275m以上と算出された。成貝の生息地点よりも下流に寄生環境が存在する必要があるといった配置条件も示された。
  • 中野 光議, 木村 哲平
    保全生態学研究
    2017年 22 巻 2 号 351-360
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/05/01
    ジャーナル オープンアクセス
    滋賀県長浜市木之本町を流れる農業水路において、
    イシガイ
    科二枚貝類(以下、
    イシガイ
    類)の生息状況、および
    イシガイ
    類の密度と水路環境との関係を明らかにすることを目的に研究を行った。2015年10月?11月に水路の物理環境と
    イシガイ
    類の生息状況を調査した結果、マツカサガイ、カタハガイ、タガイ、ササノハガイ、オバエボシガイ、タテボシガイ、ニセマツカサガイの7種合計347個体の
    イシガイ
    類が採捕された。ニセマツカサガイを除く6種について、それぞれの密度と水路環境との関係について一般化線形モデル(GLM)を使用して解析した。その結果、マツカサガイとカタハガイは砂が多く、底質が硬く、水深が浅い場所、タガイは砂が多く、底質が硬く、水深が浅く、流速が遅い場所、ササノハガイは砂が多く、底質が硬い場所、タテボシガイは底質が硬く、流速が遅い場所に多い傾向が示された。オバエボシガイについては、密度と環境要因との関係が不明瞭であった。
    イシガイ
    類保全のために水路環境の保全・復元を行う場合、種間差に配慮して多様な環境を維持・創出することが必要と考えられる。
  • 近藤 高貴
    貝類学雑誌
    1997年 56 巻 1 号 41-47
    発行日: 1997/04/30
    公開日: 2018/01/31
    ジャーナル フリー
    イシガイ
    とタテボシガイを殻の形態で区別することは難しいが、幼生の色は
    イシガイ
    では褐色、タテボシガイでは乳白色と異なり、両種を完全に区別することができる。そこで、この形質に基づいて種の同定を行った。まず、これまで種の同定によく用いられてきた右殻擬主歯の厚さを比較した。その結果、平均値で見るとタテボシガイの方が
    イシガイ
    より厚いが、その変異幅の重なりは大きく、この形質で両種を完全に区別することはできなかった。また、実験的に雌を他種の生息場所に移して飼育すると、交雑が起こった。しかし、
    イシガイ
    の雌は褐色の幼生を、タテボシガイの雌は乳白色の幼生を産出した。琵琶湖周辺における分布をみると、両種が共存する場所はなく、タテボシガイは近江盆地にのみ、
    イシガイ
    はそれ以外の地域に分布することが明らかになった。以上の結果から、タテボシガイは独立した種として扱うよりも、
    イシガイ
    の近江盆地固有亜種とした方がよいと結論した。
  • 永山 滋也, 原田 守啓, 佐川 志朗, 萱場 祐一
    応用生態工学
    2017年 19 巻 2 号 131-142
    発行日: 2017/01/28
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
    高水敷掘削を活用して,河道内氾濫原環境を効率的に管理するための知見を得るため,揖斐川の自然堤防帯(セグメント 2)において,高水敷掘削によって創出された
    イシガイ
    類生息環境と掘削高さおよび経過年数との関係を検討した. 高さおよび施工年が異なる掘削工区において
    イシガイ
    類の生息調査を行うとともに,土砂堆積厚と掘削後に形成された水域の数と面積を時系列で整理した.そして,工区を解析単位として,累積土砂堆積厚,
    イシガイ
    類の生息量と生息水域の割合,ならびに水域数と水域面積が,掘削高さおよび経過年数とどのような関係にあるか検討した. 本調査地では,掘削高さが低いほど(ただし,渇水位より高い),
    イシガイ
    類の生息量と生息水域割合は高く,累積土砂堆積厚と堆積速度は小さかった.しかし,継続的な土砂堆積を背景として,
    イシガイ
    類の生息場となる水域自体の量は,掘削後 6~9 年目に,また水域内における
    イシガイ
    類の生息量は掘削後 5 年目に最大となったが,その後,減少に転じる傾向が示された.これらの結果は,生息水域の量も加味した場合,5~9 年ほど経過した低い掘削工区において,
    イシガイ
    類の生息量が高くなることを示唆する.以上の結果から,揖斐川では,掘削高さが低く,掘削後 5 ~9 年が経過した掘削工区が対象区間内に常に一定量存在するよう,治水目的の整備と調整を図りながら,計画的に高水敷掘削を実施することが,氾濫原環境の維持管理上望ましいと考えられた.また,これらの結果は,掘削後に土砂の再堆積が進む他の河川においても,管理方策に示唆を与える.
  • 吉田 亨, 藤林 恵, 田中 仁志, 岡野 邦宏, 高田 芳博, 宮田 直幸
    土木学会論文集G(環境)
    2019年 75 巻 7 号 III_265-III_272
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/23
    ジャーナル フリー

     

    イシガイ
    目二枚貝は淡水生態系において物質循環や懸濁物の除去など重要な役割を担っているが,近年,世界的に個体数の減尐が報告されている.とくに,稚貝や若い個体が尐ないという報告があることから,再生産が行われていないことが考えられる.そこで,本研究では若年個体がほとんど見られない八郎湖の
    イシガイ
    個体群に注目し,
    イシガイ
    母貝の幼生放出の有無と時期,そして宿主魚類を検討することで再生産が行われているか検討した.その結果,
    イシガイ
    幼生の放出は6月から8月の間に行われていること,主にヌマチチブなどのハゼ類に幼生が寄生していることが分かった.しかし,現地では稚貝がほとんど確認されておらず,八郎湖の底生環境の悪化が稚貝の定着を阻害している可能性が考えられた.

  • *根岸 淳二郎, 萱場 祐一, 皆川 朋子, 片野 泉, 田代 喬
    日本陸水学会 講演要旨集
    2006年 71 巻 1B13
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/09/01
    会議録・要旨集 フリー
  • 稲熊 祐介, 林 博徳, 辻本 陽琢, 島谷 幸宏
    土木学会論文集B1(水工学)
    2013年 69 巻 4 号 I_1297-I_1302
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    The Matsuura river, study site of present study, has three Unionoida species which are known as good indicator of river environment health. However Anodonta lauta, one of the three species, has been drastically decreasing in past decades. One of those reasons is change of flood water disturbance system against their habitats. Though this phenomenon is strongly related to hydraulic flow of the habitat and hydraulic characteristics of Unionoida mussels, relationship between hydraulic flow and hydraulic characteristics of Unionoida mussels are not known yet. If we can reveal that, conservation and restoration skills for river environment should be improved. In this study, we focus on hydraulic characteristics of three Unionoida species, and conducted a hydraulic experiment. As a result, Anodonta lauta had characteristic which was susceptible to the hydraulic flow. In addition, smaller sized mussels were settled slowly and easily influenced by flowing water.
  • 伊藤 寿茂, 團 重樹, 柿野 亘
    Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
    2023年 81 巻 1-4 号 93-97
    発行日: 2023/06/20
    公開日: 2023/06/20
    ジャーナル オープンアクセス

    イシガイ
    Nodularia douglasiaeについて,グロキディウム幼生が寄生を継続して稚貝に変態できる魚種を確かめた。自然下で貝と分布が重複する8魚種(オイカワ,グッピー,ムーンライトグラミィ,タイワンキンギョ,カワアナゴ,ウキゴリ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ)に幼生を寄生させて継続飼育し,各魚種から離脱してくる幼生と稚貝を観察,計数した。その結果,オイカワ,ヌマチチブ,ゴクラクハゼ,ウキゴリ,グッピーの5魚種から,変態を完了した稚貝が離脱してきた。これらのうち,前3種は
    イシガイ
    の宿主として既知の魚種であった。本報ではウキゴリとグッピーの2魚種が,新たな宿主として記録されたことになる。これら2魚種は飼育下だけでなく,自然下においても
    イシガイ
    の繁殖に寄与している可能性がある。

  • 桑原 明大, 松葉 成生, 井上 幹生, 畑 啓生
    保全生態学研究
    2017年 22 巻 1 号 91-103
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    愛媛県松山平野には、
    イシガイ
    、マツカサガイ、ヌマガイ及びタガイの4種の
    イシガイ
    科貝類が生息しており、愛媛県のレッドリストで
    イシガイ
    とマツカサガイはそれぞれ絶滅危惧I類とII類に、ヌマガイとタガイは準絶滅危惧に指定され、減少が危惧されている。これらの二枚貝は絶滅危惧IA類であるヤリタナゴの産卵床でもあり、その保全が重要である。本研究では、松山平野の小河川と湧水池において、
    イシガイ
    類の分布と生息環境の調査を行い、過去の分布との比較を行った。また、マツカサガイの殻長のサイズ分布、雌成貝によるグロキディウム幼生の保育、幼生の宿主魚への寄生の有無を調べた。マツカサガイは小河川の流程およそ3.3 km内の15地点で確認され、その生息密度は最大で2.7個体/m2であった。
    イシガイ
    は小河川の2地点のみで、最大生息密度0.05個体/m2でみられ、ヌマガイとタガイを合わせたドブガイ類も1地点のみ、生息密度0.02個体/m2で確認された。いずれの
    イシガイ
    類も、1988-1991年の調査時には国近川水系に広く分布し、最大生息密度は、マツカサガイで58個体/m2
    イシガイ
    で92個体/m2、ドブガイ類で5個体/m2であり、この25年間に生息域と個体群サイズを縮小させていた。また、マツカサガイの在不在に関与する要因を予測した分類木分析の結果、マツカサガイの分布は河口に最も近い堰堤の下流側に制限され、砂泥に占める砂割合が38.8%より大きい場所で多く見られるという結果が得られた。このことから、堰堤が宿主魚の遡上を制限することによりマツカサガイの上流への分散が阻害されていること、マツカサガイは砂を多く含む砂泥を選好していることが示唆された。また、殻長51.5 mm未満の若齢個体にあたるマツカサガイは全く見つからなかった。一方、雌成貝は4-8月にかけ最大87.5%の個体が幼生保育しており、5-9月にかけ、グロキディウム幼生が主にシマヨシノボリに多く寄生していることが確認された。したがって、このマツカサガイ個体群では再生産がおよそ10年間にわたって阻害されており、その阻害要因は稚貝の定着、または生存にあることが示唆された。以上のことから、松山平野では、
    イシガイ
    個体群は絶滅寸前であり、マツカサガイ個体群もこのまま新規加入が生じなければ急速に絶滅に向かう恐れがあることがわかり、これらの保全が急務であることが示された。
  • 泉 北斗, 根岸 淳二郎, 三浦 一輝, 伊藤 大雪, PONGSIVAPAI Pongpet
    応用生態工学
    2020年 23 巻 1 号 1-20
    発行日: 2020/09/28
    公開日: 2020/11/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,自然再生計画の具体化に向けて生態系保全のための情報蓄積が急務である石狩川の氾濫原水域を対象に,

    イシガイ
    目二枚貝の生息の現状と水域管理上の課題を明らかにすることを目的とした.複数種の現状について,生息水域タイプの選好性,繁殖時期の特定とともに採取個体数に対する妊卵の割合,近年の新規加入(再生産)の程度,そして再生産に重要である魚類への寄生状況の 4 項目を調べた.30 水域を人工短絡湖沼,自然短絡湖沼,後背湿地の 3 タイプに分類した.そのうち 27 水域においてベルトトランセクト法および方形区法を用いてヌマガイ,
    イシガイ
    ,フネドブガイの生息数を推定した.また,12 水域を対象に,採取した個体の外鰓の観察により成熟・妊卵状況を確認した.さらに,自然短絡湖沼 4 水域で,採取した魚類から切除した鰭と鰓の観察により,グロキディウム幼生の寄生数を計数した.フネドブガイの採取個体数が最も多く,その他 2 種が少なかった後背湿地で CPUE の値が高かった.フネドブガイでは,未成熟個体の占める推定割合は低く,多くの水域で全体個体数の 3%程度以下であった.他 2 種も 1-2 水域以外では未成熟個体が確認されなかった.ヌマガイと
    イシガイ
    は 7 月と 8 月に 15 .52%の個体で妊卵し,フネドブガイは 9 月から 11 月にかけて 3 .43%の個体が妊卵していた.魚類相は水域間でその構成に大きな差は見られなかったが,タイリクバラタナゴが各水域の魚類総個体数の 26 .0%から 70 .2%を占め共通して優占した.一方で,
    イシガイ
    類の幼生に寄生された個体は見つからなかった. 管理上の方策として成立要因・物理水文特性に基づく水域タイプを認識し,タイプの多様性を維持するように水域を管理していくことが
    イシガイ
    目の保全に重要であることが示唆された.また,
    イシガイ
    目の個体群の再生産が 2 年程度は停滞しており,その原因として水質の劣化と外来種が優占する魚類相が考えられた.したがって,管理上の課題として長期的な観点から
    イシガイ
    目の健全な個体群の維持に有効な対策を検討することが必要である.

  • 稲留 陽尉, 山本 智子
    保全生態学研究
    2012年 17 巻 1 号 63-71
    発行日: 2012/05/30
    公開日: 2018/01/01
    ジャーナル オープンアクセス
    タナゴ類は、コイ科タナゴ亜科に属する魚類で、繁殖を行う際に二枚貝を産卵床として利用することが最大の特徴である。鹿児島県には、アブラボテTanakia limbata、ヤリタナゴT. lanceolata、タイリクバラタナゴRhodeus ocellatus ocellatus 3種のタナゴ類が生息し、北薩地域は、アブラボテの国内分布の南限となっている。アブラボテなど在来タナゴ類は、外来タナゴ類との競合や種間交雑が危惧されているが、鹿児島県内ではこれらのタナゴ類の詳細な分布の記録が残っておらず、在来種と外来種が同所的に生息する状況についても調べられていない。そこで本研究では、北薩地域を中心にタナゴ類とその産卵床である
    イシガイ
    類の分布を調べ、同時にタナゴ類各種による
    イシガイ
    類の利用状況を明らかにすることを目的とした。調査は、2007年4月から2008年10月まで、鹿児島県薩摩半島北部の16河川で行った。タナゴ類はモンドリワナを用いて採集し、
    イシガイ
    類は目視や鋤簾による採集で分布を確認した。採集した
    イシガイ
    類の鯉を開口器やスパチュラを使って観察し、タナゴ類の産卵の有無を確認した。アブラボテとタイリクバラタナゴが各5河川で確認され、ヤリタナゴは1河川でのみ採集された。このうち2河川ではアブラボテが初めて確認され、アブラボテとタイリクバラタナゴの2種が生息していた江内川では、両種の交雑種と見られる個体が採集された。
    イシガイ
    類については、マッカサガイPronodularia japanensis、ニセマツカサガイInversiunio reinianus yanagawensis、ドブガイAnodonta woodianaの3種の分布が確認された。それぞれのタナゴ類は、産卵床として特定の
    イシガイ
    を選択する傾向が見られたが、交雑種と思われる個体も採集された。このことから、それぞれの好む二枚貝の種類や個体数が限られた場合、この選択性は弱くなるものと考えられる。
  • 永山 滋也, 原田 守啓, 萱場 祐一, 根岸 淳二郎
    応用生態工学
    2014年 17 巻 1 号 29-40
    発行日: 2014/10/30
    公開日: 2014/12/08
    ジャーナル フリー
    直轄区間における河川整備計画や自然再生計画の立案に寄与することを目的に,セグメント 2 に区分される低平な自然堤防帯を流れる沖積低地河川において,
    イシガイ
    類を指標生物とした河道内氾濫原環境の簡易な評価手法を開発し,精度検証,評価結果の活用例の提示,課題の抽出を行った.開発した評価手法のフローを以下に示す.まず,(1)
    イシガイ
    類の生息可能性を 3 段階評価で表す “回帰モデル評価マップ” と,(2) 氾濫原水域の有無を 2 段階評価で表す “氾濫原水域マップ” を作成する.そして,(3) それらの評価の組み合わせから得られる 6 段階の評価区分を面的に展開した “総合評価マップ” を作成する.高い汎用性を実現するため,評価に要するデータは,直轄区間で一般に取得可能なもののみとした.また,回帰モデルの説明変数として冠水頻度を用い,評価単位として 50 m の正方形メッシュを採用した.精度検証の結果,
    イシガイ
    類の生息水域 17 箇所中 15 箇所 (88.2%)は,モデル評価値が高く,氾濫原水域もある最も高い評価区分に該当した.また,非生息水域 20 箇所中 13 箇所 (65.0%)は,氾濫原水域がないと判定される評価区分,もしくは水域はあるが生息可能性がやや劣るとみなされる評価区分に該当していた.以上から,本評価手法は,
    イシガイ
    類の面的な生息分布を一定の精度で予測でき,河道内氾濫原環境の現状評価に使用可能であると考えられた.ただし,構築した
    イシガイ
    類の生息に関する回帰モデルの適用範囲は,本研究対象地のように,陸域の樹林化が進行した低地河川に限定される.そのため,今後は,異なる特性を持つ河道で適用可能なモデルを構築する必要がある.また,冠水頻度を面的に表現するために行った水位観測所を基準とした水位変動特性の内挿法は,勾配の不連続点や変化点を考慮できていないため,今後は,この点を改善する必要がある.
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