ポリエチレン袋内で
ドライアイ
スを用いて渋カキの脱渋を行うに当たっての問題点を検討した。即ち,結び目口からの気体の漏れ,被覆材の有無と
ドライアイス粒度の違いに基づく昇華速度及びドライアイ
スの昇華と袋の破損などについて実験した。
(1) ポリエチレン袋の結び目口からの気体(空気)の漏れは,フィルムの厚みが増すに従って増大した。反転結びにすると直立結びに比較して漏れが少なかった。結ぶ場合の巻きつけ回数は6回以上になると漏れに殆んど差がなくなったが,3回と4回との間には大きな差があった。
(2)
ドライアイ
スを開放状態にしておくと,50gが1時間でほぼ昇華してしまったが,ポリエチレン混入ポリスチレンの発泡シート(発泡シート)で被覆すると約3時間,これを更に新聞紙2枚で包むと約5時間に延長された。
(3)
ドライアイ
スの粒度をかえて,発泡シートで被覆した場合,粒重が小さい程昇華速度は大きかった。このうち,10gと25gの間には昇華速度に大きな差がなかったが,50gでは昇華がかなり抑制された。即ち,初発重量の1/3となる時間は,1~5gで1時間42分,10g前後で1時間53分,25g前後で1時間57分,50g前後では2時間23分であった。
(4) 約5lのポレエチレン袋(厚み,0.03~0.09mm)に
ドライアイ
ス30gを入れ,反転8回巻きして放置した。
ドライアイ
スを直接入れた場合には,0.07mmの厚みの袋でも破損したが,発泡シートに包むと,0.05mm以下の厚みの袋の破損にとどまった。カキ果実を入れると,
ドライアイ
スの昇華に基づく袋の破損が抑制され,破損したのは0.03mmの厚みの袋のみであった。
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