アルカリ金属を用いたフェノールと1-クロロ-3-メチル-2-ブテン(塩化プレニル)との反応について,さらに多方面から詳細に検討した。この反応は低温(30~40℃)で,しかも30分という短い反応時間で選択的にオルトアルキル化が起こることを見いだした。
さらに種々の
ハロゲン化アルキル
として,塩化シンナミル,塩化ベンジル,
trans-1-クロロ-2-ブテン,
trans-1-クロロ-2-ヘキセンとフェノールとを同様に反応して,それぞれの
o-アルキル体が71,87,88,84%の好収率で得られたが,クロロベンゼンおよび飽和
ハロゲン化アルキル
(塩化エチル,塩化ブチル,塩化ペンチル,塩化イソペンチル)の場合には生成物を得ることはできなかった。
また,種々の条件で反応を行なった結果,アルカリ金属を用いた反応の反応経路についても考察を加えた。この反応において,選択性を高める要因として,溶媒,反応温度,反応時間,溶媒に含まれる水の影響を考慮する必要があり,フェノールの種類,
ハロゲン化アルキル
の種類によっては,その構造が選択性を妨げる場合があることがわかった。
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