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クエリ検索: "ヒラメ筋"
5,140件中 1-20の結果を表示しています
  • 森田 結衣, 宮地 諒, 山崎 俊明
    理学療法科学
    2021年 36 巻 3 号 463-466
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル オープンアクセス

    〔目的〕本研究は,荷重刺激の日内頻度が,廃用性筋萎縮の回復過程に及ぼす影響を検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は,8週齢のWistar系雄ラットとした.1回荷重群は60分間の荷重を1日1回実施し,2回荷重群は30分間の荷重を1日2回実施した.

    ヒラメ筋
    を摘出し,筋線維横断面積を測定した.また,筋損傷の指標として壊死線維比率,再生筋線維の指標として中心核線維比率を測定した.〔結果〕筋線維横断面積は,2回荷重群が1回荷重群よりも有意に高値を示した.壊死線維比率は群間に有意差を認めず,中心核線維比率は2回荷重群が1回荷重群よりも有意に高値を示した.〔結語〕廃用性筋萎縮の回復過程において,同一時間の介入であっても荷重日内頻度の増加が有用である可能性がある.

  • 高橋 敏幸, 上野 俊明, 大山 喬史
    日本咀嚼学会雑誌
    2002年 12 巻 1 号 27-31
    発行日: 2002/12/30
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    We investigated whether there is any modulation of the H reflex in the human upper limb muscles during teeth clenching and how any correlation that may be found is modulated. The H reflex of the flexor carpi radialis (FCR) and the extensor carpi radialis (ECR) muscles were evoked on the right side in healthy adult volunteers. The H reflexes of the FCR and the ECR muscles were significantly facilitated in association with voluntary teeth clenching in a biting force dependent manner. We propose that the oral motor activity would exert strong influences on the motor activity of upper limb.
  • ─筋線維タイプおよび長軸部位別の検討─
    上野 勝也, 久保 あずさ, 宮地 諒, 山崎 俊明
    理学療法科学
    2015年 30 巻 1 号 15-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/18
    ジャーナル フリー
    〔目的〕ラット
    ヒラメ筋
    の廃用性萎縮進行中に間歇的伸張運動を実施し,筋線維タイプ別の筋萎縮抑制効果を長軸部位の視点から検討することを目的とした.〔対象〕Wistar系雄ラット
    ヒラメ筋
    を対象とした.〔方法〕ラットに対し通常飼育するCON群,廃用性筋萎縮を惹起するHS群,実験期間中,間歇的伸張運動を行うST群の3群を設定.実験期間終了後,対象筋の近位部・中央部・遠位部で切片を作成し,HE染色を行い,ATPase染色を実施し,最後に筋線維横断面積を測定した.〔結果〕,筋線維横断面積はタイプI・II線維とも全ての部位でHS群と比較し有意に高くST群の,中央部,遠位部,近位部の順に高値であった.〔結語〕タイプI・II線維ともに筋萎縮抑制効果がみられ,筋の長軸部位別にその効果が異なることが示唆される.
  • 櫻屋 透真, 江村 健児, 薗村 貴弘, 平崎 鋭矢, 荒川 高光
    霊長類研究 Supplement
    2022年 38 巻
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/07
    会議録・要旨集 フリー

    ヒラメ筋
    は他の霊長類と比較しヒトで特に発達しており、中でもヒトに特異的な
    ヒラメ筋
    前面の羽状筋部は、直立二足歩行に重要な役割を果たすとされる。このヒト
    ヒラメ筋
    羽状筋部は、
    ヒラメ筋
    の大部分を支配する後方からの脛骨神経枝(Posterior branch: PB)とは別の独立した脛骨神経枝(Anterior branch: AB)によって前方から支配される。我々はこれまで、神経束分岐パターンの解析によって、ヒトのABと相同の枝を他の霊長類種でも見いだし、
    ヒラメ筋
    羽状筋部とそれ以外の後方部の系統発生学的な由来が異なる可能性を提示したが、ヒトにおける羽状筋部の発達過程の詳細は未だ不明な点が多い。そこで本研究では、筋内分布解析によって、ヒト上科の
    ヒラメ筋
    内の支配神経分布パターンを詳細に記録し比較することで、直立二足歩行への適応に伴うヒト
    ヒラメ筋
    の変化の過程を考察した。フクロテナガザル2側、オランウータン1側、チンパンジー1側、ヒト2側の
    ヒラメ筋
    を用いた。ヒト1/2側の
    ヒラメ筋
    はCT像と肉眼解剖学的筋内分布解析を組み合わせて三次元的に解析した。ABは、フクロテナガザル1/2側、チンパンジー1側、ヒト2側に存在し、チンパンジー以外のABはPBと筋内で交通した。チンパンジーのABは
    ヒラメ筋
    前面の腱膜のみに分布した。オランウータン、チンパンジー、ヒトのPBの筋内分布は類似しており、5部に分類できた。以上の結果により、ABは筋束の支配に加え、腱膜への知覚枝や交通枝など種ごとに形態が異なることから、種によって多様な変化を遂げていることが示唆された。

  • 染矢 富士子
    リハビリテーション医学
    1994年 31 巻 9 号 608-610
    発行日: 1994/09/18
    公開日: 2009/10/28
    ジャーナル フリー
  • 奥脇 透, 中嶋 耕平, 半谷 美夏, 福田 直子
    日本整形外科スポーツ医学会雑誌
    2020年 40 巻 2 号 195-200
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/21
    ジャーナル 認証あり

    トップレベルアスリートの

    ヒラメ筋
    肉ばなれ122例の特徴について検討した.またその急性期87例を,3つの損傷型(Ⅰ型:筋線維部,Ⅱ型:腱膜部,Ⅲ型:付着部)と3つの損傷度(1度:わずかな損傷,2度:部分断裂,3度:完全断裂)に分類し,73例で競技復帰時期との関係を調べた.平均年齢は27.4歳で,男性が83%であった.陸上競技での受傷が40%を占め,その半数が長距離走選手であった.MRI分類では,Ⅰ型2例,Ⅱ型81例,Ⅲ型4例と,ほとんどがⅡ型であった.Ⅱ型の1度(48例)と2度(31例)で競技復帰時期をみると,それぞれ1.6週と7.1週で,両群間に有意な差を認めた.肉ばなれのMRI分類は,
    ヒラメ筋
    についても有用である.

  • 櫻屋 透真, 江村 健児, 薗村 貴弘, 平崎 鋭矢, 荒川 高光
    霊長類研究 Supplement
    2021年 37 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/09/22
    会議録・要旨集 フリー

    ヒトの

    ヒラメ筋は前面に羽状筋部を持ち腓骨頭から腱弓を介して脛骨のヒラメ筋
    線に及ぶ幅広い起始部を持つのに対して,ヒトを除く霊長類全般では前面の羽状筋部が存在せず,腓骨頭のみから起始していることから,ヒトの直立二足歩行への適応を語る上で
    ヒラメ筋
    の羽状筋部が大きな意味をもつことが示唆されてきた。また筋の発生を考える上で極めて重要な支配神経に着目すると,ヒトの
    ヒラメ筋
    では後面への枝 (Posterior branch; PB) とは別の,前面の羽状筋部へ進入する枝 (Anterior branch; AB) を有している。我々はこれまで
    ヒラメ筋
    の支配神経を霊長類種間で比較してきた中で,
    ヒラメ筋
    のPBとABは由来が異なる可能性があること,ABはヒトから系統的に離れた霊長類種と,ヒトに近い類人猿に現存することを明らかにしたが,羽状筋部を持たない類人猿のABがどのように
    ヒラメ筋
    内に分布するのか詳細は分かっていなかった。そこで,先行研究でAB相当の枝を認めたテナガザルとヒトの
    ヒラメ筋
    支配神経の筋内分布を詳細に解析し,ヒトと他の霊長類の
    ヒラメ筋
    の成り立ちの考察を試みた。ヒト1体1側,フクロテナガザル1体2側の
    ヒラメ筋
    支配神経の筋内分布を,実体顕微鏡を用いてデジタル画像とスケッチにて記録し,Sekiya (1991) の分類に基づき各枝を分類した。ヒトとフクロテナガザル全例においてPBは先行研究と同様に5種類の枝に分類された。また,ヒトのABは,PBと交通しながらも,PBから独立して羽状筋部を支配するのに対し,テナガザルのABは独立した支配領域を持たなかった。今回の所見から,ヒトのABは進化の過程でPBと混ざって
    ヒラメ筋
    を支配し始め,ヒトで直立二足歩行を獲得する段階でABの支配領域を拡大し羽状筋部を形成するに至ったと考えたい。一方,フクロテナガザルのABの現存は,ヒトのABが再獲得される初期段階を示すものか,フクロテナガザルで単に遺残したものかは今後検討する必要がある。

  • 超音波画像を用いての検討
    淺井 仁, 三秋 泰一, 横川 正美
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 1439
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】筋厚は筋量におけるディメンジョンの一つを構成する変数であり,座位で測定された下腿三頭筋の筋厚値の増加が底屈筋力値の増加と相関することが報告されている。また,下腿三頭筋の中でも
    ヒラメ筋
    の筋厚は,歩行などの低強度の運動が可能であれば高齢者でも若年者との大きな違いはない。しかし,長期臥床によってタイプI線維の比率の高い抗重力筋は萎縮しやすいとのことからすると,長期臥床状態にある患者さんでは
    ヒラメ筋
    により強い萎縮が発生する可能性が高い。筋萎縮は筋力値に反映されるが,臥床中でしかもコミュニケーションが困難な患者さんなどでは,筋力測定の信頼性は低い。これに対して筋厚測定は臥位でも容易で,患者さんの随意性も必要ない。それゆえ,経時的に
    ヒラメ筋
    の筋厚を臥位で測定することにより,信頼性のある筋力測定が困難な患者さんの筋萎縮の評価や予後予測が可能になると思われる。しかし臥位では筋に対する重力の方向が座位とは異なり,筋の形状も異なることにより筋厚値も異なる可能性は否定できない。そこで,本研究の目的は,臥位での
    ヒラメ筋
    厚の測定の有効性を検討するために,健常人を対象に下腿三頭筋の筋厚が,測定肢位によってどのような影響を受けるかを明らかにするものである。作業仮説は以下の通りとした:臥位では腓腹筋が最下部にあり重力の影響により形状が変化しやすいため,腓腹筋厚は測定肢位の影響を受けるが,
    ヒラメ筋
    は受けない。【方法】対象は健常な大学生20名(女性10名,男性10名)であった。右側下腿三頭筋厚の測定肢位は椅子座位と臥位とし,臥位では膝関節3肢位(0°,45°,90°)と足関節2肢位(底・背屈0°,および最大背屈位)を組合せた6肢位とした。なお,それぞれの角度は固定具により定められ,下腿長軸が水平になるようにした。座位は膝関節を90°,下腿長軸を垂直にして,足底を接地させた肢位とした。最初に座位で測定し,次に臥位での測定をランダムな順番で行った。座位での測定の前に,下腿最大周径位の腓腹筋内側頭筋腹中央部にマジックで印を付けた。全測定はこの印に超音波測定装置(日立メディコEUB-405B)のプローブを当てて行われた。測定は各肢位で3回ずつ行われ,
    ヒラメ筋
    と腓腹筋の筋厚値を画像上で読み取った。筋毎に3回の平均値を個人の代表値とした。得られたデータから,座位での筋厚値と臥位での6肢位での筋厚値との差は対応のあるt検定を用いて,筋厚値に及ぼす膝関節と足関節の角度の影響については反復測定2元配置分散分析を用いて,それぞれ分析した。検定にはSPSS(ver 19)を用い,有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究では,ヘルシンキ宣言を遵守し,本学医学倫理審査委員会の承認を得た実施説明書に基づいて,研究の目的,測定方法,安全性についての説明を行い,同意の得られた方を被験者とした【結果】
    ヒラメ筋
    は,座位での筋厚値(19.7±4.0mm)と臥位での6肢位で得られたそれぞれの筋厚値とは,ほぼ同じであり,いずれも有意差は認められなかった(t値:0.15から1.27)。これに対して,腓腹筋は,座位での筋厚値(19.8±2.2mm)と,臥位での6肢位で得られたそれぞれの筋厚値とを比べると,いずれも臥位での値が大きく,座位での値との間に有意差が認められた(t値:2.96から4.76)。
    ヒラメ筋
    厚値,および腓腹筋厚値ともに膝関節と足関節の角度の違いによる有意な影響は認められなかった(F値:0.07から0.36)。【考察】今回の結果により作業仮説が支持された。すなわち,腓腹筋厚は臥位で重力の影響を受けたが,
    ヒラメ筋
    は受けないことが明らかとなった。それゆえ,
    ヒラメ筋
    の筋厚は臥位で測定した値であっても座位で測定した値と同等に扱える可能性が高いことが示唆された。このことは,比較的長期の測定により,身体活動の様相と
    ヒラメ筋
    萎縮との関係を検討できることにつながる。また,長期臥床状態から離床することの可否についての判断基準が定められるかもしれない。今回は,足関節の底屈位条件を設定していないので,今後は底屈位条件での測定を行うなど,更なる検討をしたい。【理学療法学研究としての意義】臥位で
    ヒラメ筋
    の筋厚を測定することの有効性が示されたことで,座位を保持できない患者さん,コミュニケーションが困難な患者さん等における筋萎縮の評価,および予後予測の精度が高まることが期待できる。また,長期臥床状態からの離床の可否についての基準値が定まるかもしれない。
  • 鈴木 石松, 小宮 秀明, 前田 順一
    教育医学
    2013年 59 巻 2 号 129-138
    発行日: 2013年
    公開日: 2021/10/07
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は,ラットの腓腹筋と
    ヒラメ筋
    の筋種別,線維タイプ(ミオシン重鎖(MHC))別における線維横断面積(CSA),筋核数及び核当たり筋細胞質量の関係を分析した.筋線維のCSA,筋核数及び核当たり筋細胞質量は,共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定した.  筋種別における筋核数の比較は,
    ヒラメ筋
    でMHC I,I+Ⅱa,Ⅱaの順で,腓腹筋ではMHCⅡd/x,Ⅱa,Ⅱbの順に多かった.しかしながら,核当たりの筋細胞質量の比較では,
    ヒラメ筋
    はMHCⅡa,I+Ⅱa,Iの順で,腓腹筋ではMHCⅡb,Ⅱd/x,Ⅱaの順に多かった.これらの結果から,
    ヒラメ筋
    のMHCIと腓腹筋のMHCⅡd/xは,ほかの線維タイプより筋細胞質量の代謝回転率が高いことが考えられる.  それぞれの筋線維タイプで,CSAと筋核数,CSAと細胞質量との間に有意な相関が認められた.また
    ヒラメ筋
    のCSAと筋核数との相関は腓腹筋のそれより高く,腓腹筋のCSAと筋細胞質量との相関は
    ヒラメ筋
    のそれより高い.これらのことから,
    ヒラメ筋
    の線維横断面積の変化は,筋核数に強く依存し,腓腹筋の線維横断面積は筋細胞質量に強く依存する特徴があるため,筋線維サイズの調節仕組みは,筋種間によって異なる機序が存在すると示唆された.
  • 峰久 京子, 清水 光芳, 青戸 啓二, 長尾 哲也, 松永 義博
    理学療法のための運動生理
    1993年 8 巻 1 号 21-24
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常成人20名を対象に表面筋電図を用いてT波潜時および,不意の外力に対する随意運動発現潜時を測定した。随意運動反応波の波形成分を伸張反射の波形と随意運動の波形とに分離することはできなかったが、長経路身長指数(脊髄より高位の長経路)では青年群においても個人差が認められ,高齢群では有意に遅延していた.変形性関節症は加齢と関係が深く,症状の発現,増悪にはneural factorおよび,局所の関節受容器の障害の関与が示唆された。
  • 榛沢 和彦
    日本血栓止血学会誌
    2008年 19 巻 1 号 39-44
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/03/25
    ジャーナル フリー
    Point
    1)深部静脈血栓症(DVT),特に
    ヒラメ筋
    静脈血栓は日本人でも多い.
    2)DVT検査法のゴールドスタンダードは下肢静エコーと造影CTである.
    3)大腿静脈は臥位で,下腿静脈は座位でエコー検査する.
    4)静脈血栓の診断は血栓陰影の有無と圧迫法で確認する.
    5)
    ヒラメ筋
    静脈血栓は非生理的状態で急速進展し肺塞栓症の原因になる.
    6)器質化したDVTは慢性反復性となり非生理的状態で肺塞栓症の原因になる.
  • 村岡 慶裕, 正門 由久, 富田 豊, 藤原 俊之
    リハビリテーション医学
    2000年 37 巻 7 号 453-458
    発行日: 2000/07/18
    公開日: 2009/10/28
    ジャーナル フリー
    治療的電気刺激(TES)の作用機序を解明する目的で,脳卒中患者15名の前脛骨筋にTESを行い,その前後で,
    ヒラメ筋
    H波と前脛骨筋H波を指標とし,前脛骨筋と
    ヒラメ筋
    間の2シナプス性Ia相反抑制を観測した.前脛骨筋Ia線維から
    ヒラメ筋
    へのIa相反抑制は15名中6名が有意に増加し,一方,
    ヒラメ筋
    Iaから前脛骨筋へのIa相反抑制は,前脛骨筋にH波の誘発可能であった3名全ての患者が有意に減少した.TESは,電気刺激した筋肉の抑制介在ニューロンからその拮抗筋の運動ニューロンと抑制介在ニューロンへのシナプスの伝達効率を増強させ,それが,主動筋の随意性の向上,拮抗筋の痙縮の抑制に関与している可能性が示唆された.
  • 松田 史代, 榊間 春利, 樋口 逸郎, 米 和徳
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-KS-36-5
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】脳卒中は,臨床場面で理学療法士が最も多く遭遇する疾患の1つである。これまでは主としてミオパチーや下位運動ニューロン病変に伴う筋線維変化についての研究が行われてきた。しかし,上位運動ニューロン病変に伴う麻痺を呈したラットに対して運動を行い,その運動が骨格筋に及ぼす影響を調べた研究は少ない。そこで今回,中大脳動脈領域の脳梗塞モデルラットを作成し,骨格筋の中枢神経障害後の経時的形態学的変化と,中枢神経障害後の骨格筋に対する低~中強度の定期的な運動介入効果の影響について比較・検討した。【方法】実験動物は,8週齢のWistar系雄性ラット30匹を使用した。トレッドミル運動群と非運動群に15匹ずつに分け,1,3,5,7,14,28日に各3匹ずつ無作為に分けた。脳梗塞は小泉らの方法に準じて作成した。運動群は術後1日より毎日20分間のトレッドミル走行を最長4週間行った。運動開始後1,2,3,4週に運動機能および神経学的評価を行った。各時期に深麻酔下で
    ヒラメ筋
    を摘出し,筋質重量計測後,凍結固定した。凍結連続切片を作製し,ヘマトキシリン・エオジン(H/E)染色,ATPase染色を行った。
    ヒラメ筋
    の筋線維タイプ構成比率,タイプIとタイプII線維の筋線維横断面積を測定した。筋湿重量,筋線維横断面積,筋線維のタイプ構成の運動群,非運動群の比較にはF検定を行った後,対応のないt検定を用い,左右の比較には対応のあるt検定を用いた。また,経時的群間比較には,一元配置分散分析(ANOVA)を行い,有意水準はいずれの検定においても5%未満とした。【結果】運動機能や神経学的評価において4週後で運動群が非運動群に比べ有意な改善を示した。筋質重量は,両群術後7日まで減少したがその後回復し,運動の有無による筋湿重量に有意な差はみられなかった。また,両群ともに,麻痺側・反対側ともに有意な差はみられなかった。H/E所見では,非運動群の麻痺側3日後と14日後を比較して14日後は3日後に比べて,一部の筋において,筋線維間の隙間がみられた。非運動群7日目の筋線維タイプ構成率で,麻痺側は反対側に比べて,タイプII線維の比率が多く,有意な差がみられた。また,麻痺側14日目の筋線維タイプ構成率で,非運動群は運動群と比べて,タイプII線維の比率が多く,有意な差がみられた。横断面積はタイプII繊維が有意に小さく術7日後まで減少し,その後回復を示した。【結論】14日後の非運動群の麻痺側に一部,筋線維間に隙間が見られ,形態学的萎縮と思われる所見が確認され,筋タイプ構成では,非運動群でタイプI線維が減少し,タイプII線維の増加がみられた。筋線維横断面積では,非運動群はタイプII線維の萎縮が著明であり,運動群はタイプII線維は一時的に減少するものの,2週間後で回復また増加傾向にあった。このことから,中枢神経障害後,運動をすることで,タイプII線維の筋萎縮を抑制することが示唆された。
  • 三浦 和, 黒澤 和生, 廣瀬 真人, 鈴木 知也
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PI2-085
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    臨床で徒手などの圧迫を使った理学療法治療の効果を実感することが多い。過去の研究でも圧迫のさまざまな効果が報告されている。中でも,Robichaudら(1992)は,エアースプリントを5分間持続的に使用し,健常者・脳血管障害者・脊髄損傷者の
    ヒラメ筋
    脊髄神経興奮性低下への効果を証明した。脊髄運動神経興奮性は痙縮を測るとされており、この結果は、痙縮抑制への可能性を示した。しかし、より効果のある圧迫の強度、時間を数値化した研究は行われていない。根拠に基づいた理学療法治療を行う為、先行研究をもとに、圧迫強度と時間時間を変化させたときの
    ヒラメ筋
    脊髄運動神経興奮性と下腿血流への影響を検証することを目的に研究を行った。
    【方法】
    研究1・圧迫強度の変化による下肢血流量の変化
    対象は、健常者16名(男性8名・女性8名,平均年齢20.5±1.5歳,167.5±10.5cm、58.5±9.5kg)。姿勢は背臥位、股関節0度、膝関節屈曲20度、足関節軽度底屈位とし、胸部と踵部に枕を設置した。内果後方の後脛骨動脈で下腿の血流量をデジタル超音波診断装置EUB-7500で測定。大腿用血圧計カフの中心を下腿中心に合わせ装着し,水銀血圧計にて圧迫10、30、50、100mmHgをランダムな順で5分間実施し、3分に血流量(Pv値)を測定した。それぞれの圧迫後は5分間休憩をおき,測定位置には印をつけ、同じ位置で測定を行った。
    研究2・圧迫強度と圧迫時間の変化による下肢筋の脊髄運動神経興奮性の変化
    研究1と同様の対象者に同姿勢で行った。利き側の
    ヒラメ筋
    に電極を皮膚処理後、装着した。圧迫のない状態で膝窩の脛骨神経を1Hzで刺激し、誘発筋電位検査装置MEM2404にてM波の最大振幅とH反射の最大振幅を測定した。研究1と同じ位置に水銀血圧計の大腿用カフ(21cm幅)を装着し、圧迫強度10、30、50、100mmHgに大腿カフをふくらませ、それぞれ圧迫後1分・3分・5分にH反射の最大振幅の測定を行った。圧迫の4回は血流量測定時と同様のランダムな順で行い、それぞれの圧迫後は5分間休憩を入れた。脊髄運動神経興奮性をみるためにH反射の最大振幅とM波の最大振幅の比(Hmax/Mmax) を使用した。
    研究1・2ともに、SPSSを用いて反復測定による1元配置の分散分析、多重比較(Bonferroni)を行なった。
    【説明と同意】
    対象者全員に対して事前に説明及びアンケート記入をしてもらい基礎情報の収集と研究への了承を得てから測定を実施した。
    【結果】
    研究1では、0、10、30、50 mmHgと100mmHgの間に有意な差が認められ、100mmHgの圧迫は血流量を大きく減少させることが明らかになった。10,30,50mmHgでの血流量は、0mmHgと有意差をみとめなかった。
    研究2では、30mmHg3分,30mmHg 5分,50mmHg3分,50mmHg 5分,100mmHg1分,3分,5分と0mmHgの間に有意な差が認められ、30mmHg,50mmHgと100mmHgとで、脊髄運動神経興奮性を大きく低下させることが明らかとなった。脊髄運動神経興奮性は、圧迫時間が長いほど低下をみせた。
    【考察】
    10,30,50mmHgの圧迫では、圧迫を加えていない時と後脛骨動脈の血流量の差は認められず、血流阻害による二次的障害が生じる危険性は低いことが証明された。100mmHgの圧迫は、圧迫をくわえていない時と比較して血流量を大きく低下させ、下腿の充血や萎縮、冷感、疼痛を生じさせる可能性があった。また、30mmHg3分,30mmHg 5分,50mmHg3分,50mmHg5分、100mmHg1分、100mmHg3分、100mmHg5分の圧迫は、Robichaud による先行研究と同様に
    ヒラメ筋
    脊髄運動神経興奮性の低下を引き起こした。
    よって、30mmHg3分,30mmHg 5分,50mmHg3分,50mmHg5分の圧迫は血流を阻害せず、
    ヒラメ筋
    脊髄運動神経興奮性を抑制する効果をもつことがわかった。最も抑制効果がある圧迫強度と時間は、50mmHg5分であった。ゆっくり時間をかけて筋を伸張する圧迫は、靭帯にある深部感覚受容器であるゴルジ腱器官からIb繊維の興奮をひきおこし、脊髄内の介在ニューロンを介して運動神経を抑制させたと考えられる。
    【理学療法学研究としての意義】
    血流を阻害せず、
    ヒラメ筋
    脊髄運動神経興奮性を最も低下させる圧迫強度と時間は、50mmHg 5分であり、臨床において、
    ヒラメ筋
    の効果的なストレッチや痙縮抑制などに応用することが可能と考えられる。
    脳血管障害者や脊髄損傷者への効果を検証していくことが今後の課題である。
  • 関口 雄介, 佐藤 房朗, 出江 紳一
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 289
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】脳血管障害患者で歩行の立脚期に下腿の前方傾斜が困難となる症例は多くみられるが、腓腹筋と
    ヒラメ筋
    の筋緊張亢進が相違することがある。今回、脳血管障害患者の足関節底屈筋の筋緊張を安静臥位にて正規化した値から2種類の肢位で測定し、
    ヒラメ筋
    、腓腹筋の筋緊張亢進について個別に検討したので報告する。
    【方法】対象は当院に入院した脳卒中片麻痺患者11名(平均年齢51.0±18.8歳、下肢BRSII 3名、III 1名、IV 2名、V 1名、VI 4名、発症からの期間の平均日数149.1±148.1SD)とした。筋緊張測定機器にはTEM (Therapeutic Exercise Machine LX2,安川電機社製)を用い、背臥位で膝伸展0°と膝屈曲45°にて足関節底屈10°から背屈10°までの範囲で1°/s、20°/sの角速度で足関節背屈方向へ他動運動を行い、抵抗トルク値と関節角度を計測した。トルク値と角度より2次回帰曲線を求め背屈10°でのトルク値を求めた。麻痺側下肢は各速度で、非麻痺側は1°/sのみ計測を2回行い正規化は麻痺側トルク値を非麻痺側トルク値で除し行った。また、MTS(Modified Tardieu Scale)の測定も行い膝伸展0°と膝屈曲45°にてV1、V3の2種類の速度で足関節底屈筋のQMR(Quality of Muscle Reaction)の測定を行った。MTSの値と正規化したトルク値(以下、Nt)の関係はスピアマンの順位相関係数で検討を行った。尚、各被験者には研究内容を説明し同意を得た。
    【結果】1. Ntの検者内級内相関係数はICC=0.87~0.98と高い信頼性を示した。2.QMRとNtの関係;膝伸展0°でQMR(V1)と1°/s・Ntの関係は相関係数0.81(p<0.01)、QMR(V1)と20°/s・Ntの関係は相関係数0.64(p<0.05)と相関が認められた。膝45°でQMR(V3)と20°/s・Ntの関係は相関係数0.76(p<0.01)と、QMR(V1)と1°/s・Ntの関係は0.60(p<0.05)と相関が認められた。
    【考察】今回、NtとQMRとの関係は特に膝屈曲45°の20°/sの測定がQMR(V3)、膝伸展0°の1°/sの測定がQMR(V1)で強い関係を示した。これは
    ヒラメ筋
    の筋緊張亢進において反射性要素、腓腹筋においては非反射性要素が高いことを示唆している。
    ヒラメ筋
    の反射性要素が高いことは、過去に報告されている、筋緊張亢進は非反射性要素が高いという事実と異なる。これは主に膝伸展0°で計測が行われ二関節筋と単関節筋を鑑別せず、尚且つ、反射性要素を反映しているQMR(V3)と比較されていないことが原因と考えられる。本学会では
    ヒラメ筋
    、腓腹筋の筋電図での考察も踏まえ足関節底屈筋の筋緊張亢進の特徴を示す。今後は今回の結果を踏まえ動作にどのように影響しているか関連づけていく必要がある。
  • ―下腿三頭筋の収縮課題前後における検討―
    *谷埜 予士次, 大工谷 新一, 西守 隆, 高崎 恭輔, 金井 一暁, 鈴木 俊明
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 37
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     長潜時反射(LLR)とは、末梢神経への電気刺激により、その支配筋より記録できる長潜時の反射性筋電図波形である。LLRは上位中枢からの筋緊張制御に関する研究、あるいは運動制御のメカニズム解明などを目的に臨床応用されている。筆者らはこれまでに
    ヒラメ筋
    を対象に筋疲労課題と脊髄神経機能の興奮性について検討してきた。今後は先行研究からの展開として、LLRも指標に加え、筋疲労中の脊髄より上位中枢の神経機能についても検討したいと考えている。しかし、下肢の一般的なLLR検査では足関節部刺激による足底の筋からの導出であり、膝窩部刺激による
    ヒラメ筋
    導出に関する報告はみられない。そこで、本研究ではLLRを用いた筋疲労研究の前段階として、1被験者を対象に下腿三頭筋の収縮課題前後でのLLR出現様式について検討することを目的とした。

    【対象と方法】
     35歳の健常男性1名(身長168cm)を本研究の対象とした。被験者には本研究の趣旨を説明し、同意を得た上で実験を行った。
     本研究では下腿三頭筋の収縮課題前後での立位保持中に、非利き脚の
    ヒラメ筋
    からLLRを記録した。電気刺激は膝窩部にて脛骨神経に行った。刺激条件として、持続時間は0.2ms、強度はM波出現閾値、そして頻度は1.0Hzとした。記録回数は30回で、それらを加算平均した。収縮課題は非利き脚のカーフレイズ(CR)を行った。CRは1Hzの頻度で行い、足関節の底屈が十分にできなくなった時点で終了とした。実験は計3回行い、間隔については1回目と2回目の間は2日、2回目と3回目の間は1日と一定にしなかった。

    【結果】
     本研究で得られたLLRの頂点潜時の平均は65.0(63.2-66.2)msで、変動係数は2.4%であった。CR後では平均63.6(62.0-64.6)msで、変動係数は2.2%であった。また、頂点間振幅の平均は0.028(0.025-0.031)mVで、変動係数は11.0%であった。CR後では平均0.019(0.015-0.024)mVで、変動係数は23.3%であった。

    【考察】
     下肢のLLRは70-80msで出現するといわれている。しかし、本研究では一般的なLLR検査で行われる足関節部刺激ではなく、膝窩部刺激による
    ヒラメ筋
    からのLLR導出のため70msよりも早期に出現した。また、潜時の変動係数は各々2.4と2.2%であり、この結果より再現性良くLLRを導出できていたと考えられた。振幅の変動係数はCR後に大きくなったが、これについては下腿三頭筋の疲労度の違いなどが影響したと考えられた。
     本研究では、筋疲労中の立位制御に関わる反射動態などを明確化するための基礎的研究として、
    ヒラメ筋
    導出のLLRについて検討した。本結果より、被験者の身長や下肢長も考慮する必要があるが、
    ヒラメ筋
    導出では約65ms前後でのLLR波形を分析する必要があると考えられた。
  • 東海林 淳一, 田中 直次郎, 小林 賢, 牛場 潤一, 高橋 修, 根岸 喜美雄, 正門 由久, 千野 直一
    理学療法学Supplement
    2002年 2002.29.2 巻 606
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2018/03/06
    会議録・要旨集 フリー
  • ―波高値と潜時の比較―
    岸川 典明, 居村 茂幸, 和田 智弘, 岩井 明彦
    理学療法のための運動生理
    1994年 9 巻 4 号 199-201
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的はJendrassik氏反射増強法が下肢
    ヒラメ筋
    のH反射にどのような影響を与えるのかを検討することにある。過去の実験結果からH反射の波高値は増大することが知られているが,その機序としては明確な見解が出されているとはいえない。そこで脊髄内の反射機構にどのような変化が起きているのかをH反射の潜時に着目して検討した。安静時と比較しH反射波高値は増大傾向を示し,潜時については0.3msec.と有意に延長を認めた(p<0.05)。このことは,H反射を増大させるための何らかの介在ニューロンが生じた可能性を示唆し,上肢の運動負荷とH反射の変化との関係を明らかにするための一助となるものと考えられた。
  • 日塔 善之, 真壁 寿, 鈴木 克彦
    東北理学療法学
    2015年 27 巻 65-70
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/31
    ジャーナル フリー
    目的:立位及びステップ位での下肢荷重量の変化が
    ヒラメ筋
    H反射の振幅に及ぼす影響を検討する。方法:健常成人9名を対象とした。立位,前及び後ステップ位で下肢荷重量を変化させ,
    ヒラメ筋
    H反射を測定した。立位では体重の5%,25%,50%,75%,95%荷重,前後のステップ位で体重の25%,50%,75%荷重とした。各荷重条件において最大M波振幅に対する
    ヒラメ筋
    H反射の振幅比(%Mmax),下肢筋(
    ヒラメ筋
    ,前脛骨筋,外側広筋)の背景筋電図比(%RMS),下肢関節角度(足関節,膝関節,股関節)を測定した。結果:立位では下肢荷重量の増加に伴い,%Mmaxは有意に増加し,前及び後ステップ位では%Mmaxは有意に減少した。考察:
    ヒラメ筋
    H反射の振幅は下肢荷重量の変化に影響され,立位とステップ位においては相反する影響を受けた。その主たる要因は,
    ヒラメ筋
    の背景筋電図とIb抑制,前脛骨筋による相反性Ia抑制が考えられた。
  • 進藤 順哉, 岡島 康友, 椿原 彰夫, 近藤 国嗣, 千野 直一
    リハビリテーション医学
    1998年 35 巻 11 号 731-737
    発行日: 1998/11/18
    公開日: 2009/10/28
    ジャーナル フリー
    脱神経後の筋線維伝導速度と筋組織化学的変化を29匹のウイスター系ラットを対象に長趾伸筋と
    ヒラメ筋
    を用いて4週間,経時的に調べた.長趾伸筋の筋線維径は
    ヒラメ筋
    よりも小さいにもかかわらず伝導速度は速かった.組織化学的には長趾伸筋はタイプ2線維優位の白筋であり,赤筋の
    ヒラメ筋
    では多くがタイプ1線維で占められていた.脱神経後の伝導速度の低下は,筋重量,筋線維径の減少に比べて,より早期に出現した.したがって,脱神経自体が筋線維の興奮性を低下させ伝導速度が低下する機序が,筋線維径の減少を介する機序より大きいことが示唆された.
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