水圧破砕法による地圧測定では, 発生した亀裂の方向から最大地圧の方向を決定する. このため, 水圧破砕を行ったのち, 新たに別のゾンデを孔内に挿入して亀裂の型取りを行い, 亀裂の発生方向を求めるのが一般的である. しかしこの方法は, 特にボアホールの深度が大きくなると多大な時間を要するため, 改良の余地が残されている. そこで筆者らは, 水圧破砕のゾンデの1断面に90度の等間隔で4個のAEセンサーを設置し, 水圧破砕に伴う亀裂の発生方向をAEのP波初動の到達時間差から推定する手法を考案した. そして, この手法による亀裂発生方向の推定精度を, 試作したゾンデを基に理論的, 実験的に検討した. その結果, センサーの配置などについて, 実用化のための諸条件が明らかとなったので報告する.
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