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クエリ検索: "ロコト"
481件中 1-20の結果を表示しています
  • 宮島 郁夫, 柴里(高見) 栞, 市川 愛菜, 水ノ江 雄輝
    園芸学研究
    2021年 20 巻 2 号 143-148
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    南米原産の

    ロコト
    トウガラシの種子に対するコルヒチン処理を行い,自家和合性をもつ四倍体
    ロコト
    トウガラシの獲得を目指すとともに,四倍体
    ロコト
    トウガラシの形態的特性と自家受粉による着果性を調査した.二倍体
    ロコト
    トウガラシ3系統の種子へのコルヒチン処理により合計38個体の四倍体を得た.四倍体
    ロコト
    トウガラシの葉幅,花弁長および花粉粒径は二倍体より有意に大きかった.二倍体
    ロコト
    トウガラシは自家受粉ではまったく着果しなかったが,四倍体では自家受粉で着果する自家和合性の個体が見いだされた.

  • 新井 智之, 藤田 博暁, 丸谷 康平, 森田 泰裕, 旭 竜馬, 細井 俊希, 石橋 英明
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-MT-21-2
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】高齢化が進む我が国では,運動器に障害をかかえる人が急増しており,ロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防が重要である。ロコモの予防にはロコモーショントレーニング(
    ロコト
    レ)を行うことが推奨されているが,これまでの
    ロコト
    レの介入研究は対照群を設定した無作為化比較対照試験は行われていなかった。そのため我々は地域在住中高年者303人(介入群184人,対照群119人)を対象に6ヶ月間の
    ロコト
    レ介入を行い,
    ロコト
    レが高齢者の運動機能改善に有用なトレーニングであることを報告した(石橋,2015)。しかし疼痛に対する効果は検証されていない。そこで本研究では
    ロコト
    レ介入のサブグループ解析として,介入前に疼痛を有していた地域在住中高年者を対象に
    ロコト
    レの効果を疼痛と運動機能の側面から検証することを目的とした。【方法】対象は60-79歳の地域在住中高年者で,
    ロコト
    レ介入研究に参加した303人の中から,Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)日本語版の疼痛スコアが1点以上の対象者92人(介入群57人,対照群35人)とした。介入群に対しては,初回評価後にスクワット,片脚立ち,かかと上げの3種類の
    ロコト
    レとウォーキングの指導を行った。その後介入群は自宅で
    ロコト
    レを実施し,実施状況をトレーニングノートに記載した。さらに3ヶ月目以降は2週に1回程度,電話で
    ロコト
    レの様子や実施状況を調査した。一方対照群は今までの生活を継続することとした。調査項目はWOMAC,ロコモ25,握力,膝伸展筋力,片脚立位時間,最大歩行速度,2ステップ値とし,介入前,3ヶ月後,6ヶ月後に測定した。統計解析は二元配置分散分析,フリードマン検定と多重比較を行った。【結果】6ヶ月後評価が可能であったものは介入群46人,対照群28人であった。両群の介入前の測定項目に有意な項目はなかった。
    ロコト
    レ介入の結果,片脚立ち時間において両群間で交互作用をみとめた。またロコモ25,握力,膝伸展筋力,片脚立ち時間,2ステップ値は,介入群においてのみ単純主効果がみられ,6ヶ月後に有意に改善していた。またWOMACの総得点と痛みスコアは,両群ともに単純主効果をみとめたが,介入群においてのみ3ヶ月後に対して6ヶ月後も有意に改善していた。特に痛みスコアは,初回,3ヶ月,6ヶ月の変化が,対照群で2.57点⇒1.96点⇒1.71点であったのに対し,介入群では2.11点⇒1.98点⇒1.26点であり,介入群のほうが減少していた。また初回から6ヶ月後に痛みスコアが悪化した人の割合は介入群で10.6%,対照群で14.3%であった。【結論】本研究の結果から,
    ロコト
    レ介入は痛みを有する地域在住中高年者の疼痛の改善と運動機能の向上に有用なトレーニングであることが明らかとなった。
    ロコト
    レはスクワット,片脚立ち,かかと上げという誰でも簡単に行なうことができる運動であり,高齢者の介護予防として有用なトレーニングであるといえる。
  • 神藤 佳孝, 岡田 めぐみ, 長谷川 利雄, 増田 博, 岡 成樹
    日本臨床整形外科学会雑誌
    2020年 45 巻 1 号 51-52
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/23
    ジャーナル 認証あり

    開眼片脚起立とスクワットによるセルフトレーニングである

    ロコト
    レは,明らかに運動能力改善に寄与していた.自覚的にも転倒しにくくなったと感じている方が多く,バランス能力の改善にも繋がっていた.しかし,短期間のトレーニング中止で長期のトレーニング効果を失うことが明らかとなり,
    ロコト
    レの継続的な実施が重要であった.膝痛,腰痛が
    ロコト
    レ中止の主因であり,
    ロコト
    レ継続に果たす整形外科医の役割は大きい.

  • ── トレーニングの定着を目指して──
    幡野 真妃, 都築 千恵子, 渋谷 明, 千坂 こずえ, 天野 早紀, 野依 美穂, 山野 佳子, 酒井 奈々子, 山田 晴生
    日本農村医学会雑誌
    2017年 65 巻 5 号 984-993
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2017/03/18
    ジャーナル フリー
     運動機能の向上に筋力トレーニングが効果的であることが示されている一方で,開始後3 ~ 6 か月以内に運動をやめてしまう人が多いことも報告されている。そこで,当教室ではトレーニング(日本整形外科学会のロコモーショントレーニング及び独自に開発したロコモ予防のトレーニング,以下:
    ロコト
    レ)の定着を目指した。対象は2014年に開講した教室参加者30名である。教室は同窓会まで含めて全9 回であり,
    ロコト
    レの重要性と効果を多方面から繰り返し伝えるとともに,参加者には毎日
    ロコト
    レ実施記録を記入してもらった。また,
    ロコト
    レの効果を実感してもらうために毎回の教室では開眼片脚立ちのタイムを測定した。その結果,
    ロコト
    レを「週に2 ~ 3 日以上実施している人」の割合は終了時90%,同窓会で83%であった。「膝の痛みが和らいだ」「長靴を片足立ちで履けるようになった」などの身体の変化が現れ,教室前後に実施した体力測定では,TUG・30秒椅子立ち上がりテスト・開眼片脚立ちの3 種目で有意に改善がみられ,ロコモ度テストの結果,「ロコモになる可能性が高い」と判定された人数も減少した。以上のことから,講義による動機づけ・実施記録による意識づけ・開眼片脚立ちタイム測定による
    ロコト
    レ効果の実感というサイクルを設定したこことが
    ロコト
    レの継続につながるとともに,
    ロコト
    レを継続することで運動機能の向上を図ることができたのではないかと考えられた。
  • 湯村 良太, 石橋 英明, 藤田 博曉
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-MT-21-5
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは,運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態であり,進行すると要介護になる危険が高まるとされている。日本整形外科学会は,ロコモリスクの評価法としてロコモ度テストを発表し,ロコモの予防・改善のための運動としてロコモーショントレーニング(
    ロコト
    レ)を推奨している。ロコモ度は運動機能と関連があるため,ロコモ度が異なれば
    ロコト
    レによる介入効果も異なることが予想される。そこで,本研究では,地域在住の中高年者を対象として,ロコモ度の違いによる
    ロコト
    レの運動機能改善効果を検討した。【方法】対象は,住民票データから抽出した60代70代の要支援・要介護認定非該当者303名(男性150名,女性153名)である。対象者を介入群と対照群に割り付けした後,介入群には
    ロコト
    レとして,スクワット,片脚立ち,ヒールレイズを指導し,ウォーキングを推奨した。運動機能評価は,
    ロコト
    レ開始前,3ヶ月後,6ヶ月後の計3回とし,評価項目はロコモ度テスト(ロコモ25,立ち上がりテスト,2ステップテスト),握力,膝伸展筋力,足趾把持力,5回立ち上がり時間,開眼片脚起立時間,FRT,6m歩行速度の計10項目とした。解析は,
    ロコト
    レ開始前の評価におけるロコモ度テストの結果より,ロコモ度1に該当する者を「ロコモ群」,該当しない者を「非ロコモ群」と分類した上で,
    ロコト
    レ開始前と3ヶ月後,6ヶ月後の経時的変化を反復測定の二元配置分散分析により比較した。【結果】6ヶ月後の評価まで継続したのは239名(78.9%)で,「ロコモ群」は男性で63名(51.2%),女性で65名(56.0%)であった。男性の「ロコモ群」では,握力,膝伸展筋力,開眼片脚起立時間,6m歩行速度において,「非ロコモ群」では,握力,膝伸展筋力,足趾把持力,開眼片脚起立時間,FRTにおいて,介入群に有意な改善がみられた。女性の「ロコモ群」では,握力,膝伸展筋力,開眼片脚起立時間,FRT,6m歩行速度において,「非ロコモ群」では,膝伸展筋力,5回立ち上がり時間,開眼片脚起立時間,FRTにおいて,介入群に有意な改善がみられた。男女ともに「ロコモ群」のみが6m歩行速度において改善がみられ,膝伸展筋力において早期から改善がみられた。【結論】
    ロコト
    レによる介入効果については,これまでも報告されているが,今回の研究においても6ヶ月間の
    ロコト
    レにより運動機能の改善がみられ,その有用性が確認できた。「ロコモ群」と「非ロコモ群」とを比較すると,介入効果の認められた項目数に大きな差はないが,「ロコモ群」にのみ改善がみられた項目や,早期から介入効果が認められた項目があることから,
    ロコト
    レを指導する際には,参加者全員に同一の運動を指導するのではなく,ロコモ度を考慮した指導を行う必要があると考えられる。
  • 柴田 陽介, 岡田 栄作, 中村 美詠子, 尾島 俊之
    日本公衆衛生雑誌
    2021年 68 巻 3 号 180-185
    発行日: 2021/03/15
    公開日: 2021/03/30
    [早期公開] 公開日: 2021/01/15
    ジャーナル フリー

    目的 本邦ではロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防としてロコモーショントレーニング(

    ロコト
    レ)が注目されてる。
    ロコト
    レの効果を検証した報告は,虚弱な高齢者を対象にした研究が多く,健康な者が多い地域在住高齢者を対象にした報告は少ない。そこで本研究の目的は,地域在住高齢者を対象に行われた
    ロコト
    レの効果を報告することとした。

    方法 浜松市ではサロンの場で

    ロコト
    レ事業(サロン型
    ロコト
    レ事業)を行っている。この事業は,一人以上のサロンメンバーが
    ロコト
    レの講習会を受け,その者が各サロンの場で他のメンバーに
    ロコト
    レを指導する形式の事業である。定期的な評価として,
    ロコト
    レ開始前と3か月ごとにロコモ5を用いてロコモの度合いを評価している。ロコモ5とは0~20点のスコア化ができる自記式調査票であり,高得点なほどロコモの重症度が高く,6点以上ではロコモ陽性と判定される。本研究では,2017年度に初めてサロン型
    ロコト
    レ事業に参加した地域在住高齢者2,855人のうち,欠損データがない者1,211人を解析対象とした。解析は,
    ロコト
    レ開始前の状態によってロコモ群(ロコモ5の得点:6点以上)と非ロコモ群(5点以下)に分類し,開始前,3か月後と6か月後のロコモ5の得点およびロコモ陽性者の割合を算出した。

    活動内容 対象者の平均年齢は77.5歳,男性は301人(24.9%),ロコモ群は237人(19.6%)であった。ロコモ5の平均得点±標準偏差は,非ロコモ群では開始前1.39±1.67点,3か月後1.62±2.35点,6か月後1.59±2.26点,ロコモ群では開始前9.47±3.50点,3か月後8.35±4.82点,6か月後8.22±4.66点であった。ロコモ陽性者の割合は,非ロコモ群では3か月後54人(5.5%),6か月後57人(5.9%),ロコモ群では3か月後165人(69.6%),6か月後167人(70.5%)であった。サロン型

    ロコト
    レ事業の特徴としては,多くのロコモ陽性者をリクルートできたこと,
    ロコト
    レ事業の運営側の労力が少なかったことが挙げられた。

    結論 ロコモだった者は3か月でロコモ5の得点が低下し,ロコモ陽性者の割合も減少したが,6か月後は横ばい傾向であった。一方でロコモでなかった者は,良い状態が維持されていた。

  • 冨田 伸次郎, 貝田 英二, 宮崎 洋一, 河合 尚志, 中村 隆幸, 鳥越 雄史, 森 圭介, 渡邊 精一郎
    整形外科と災害外科
    2016年 65 巻 4 号 813-814
    発行日: 2016/09/25
    公開日: 2016/12/06
    ジャーナル フリー
    筆者の赴任先の公立新小浜病院に通院および入院している患者を対象に,短期的にロコモティブトレーニング(
    ロコト
    レ)効果を検証したので報告する.対象と方法:
    ロコト
    レ実践に同意が得られた運動器疾患患者20例(男性5例,女性15例),うちわけは,外来通院患者10例,入院患者10例.年齢は,平均79.6±7.5歳(66~94歳).方法は,対象患者に
    ロコト
    レを2015年3月より1か月間実施した効果について,ロコモ度テストを含む
    ロコト
    レ効果を把握する指標を用いて,前期高齢者(以下前期群)7例と後期高齢者(以下後期群)13例で検定を行った.結果:対象となる後期群では,介護利用が8例(62%),歩行補助具使用が10例(77%)とロコモ度が高く,前期群ではこれらの利用は認めなかった.考察と結語:今回の結果から,短期的な
    ロコト
    レ効果が伺われ,継続的な訓練の継続が必要と考えられた.
  • 新井 智之, 加藤 剛平, 藤田 博曉, 細井 俊希, 丸谷 康平, 森田 泰裕, 石橋 英明
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 C-O-06
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】高齢化が進む我が国では、変形性膝関節症・変形性腰椎症・骨粗鬆症のいずれかの運動器障害を抱える人は、4700万人と推定されている。そのため高齢者の介護予防だけでなく、一般市民の健康増進においても、運動器の障害、すなわちロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防が重要である。ロコモとは、運動器の障害により日常生活の自立度が低下し要介護の状態や要介護の危険のある状態と定義され、2007年に提唱された概念である。またロコモの予防にはロコモーショントレーニング(
    ロコト
    レ)と呼ばれる運動があり、特にスクワットと片脚立ち運動が推奨されている。我々の先行研究では、2ヶ月間の自宅での
    ロコト
    レを行った結果、下肢筋力、バランス能力といった運動機能が有意に改善することを明らかにした(石橋・他、2011)。しかし今までの研究における
    ロコト
    レの効果は、運動機能に対する限定的な効果しか検討できていない。そこで本研究では
    ロコト
    レの効果を運動機能だけでなく、転倒リスク、生活機能、社会参加の状況などの要因を含めて総合的に検証することを目的とする。【方法】対象はシルバー人材センターに登録している60歳以上の地域在住中高年者30人とした。平均年齢は69。8±4。9歳(61-80歳)であり、男性22人、女性8人であった。
    ロコト
    レは理学療法士の指導のもと、週2回、4週間(全8回)行った。
    ロコト
    レは日本整形外科学会で推奨しているスクワット、片脚立ちトレーニングに加え、かかと上げを追加して行った。測定項目は運動機能として最大等尺性膝伸展筋力、足趾把持力、5回立ち上がりテスト、片脚立ち時間、Functional Reach Test(FRT)、10m最大歩行時間、Timed “Up and Go” Test(TUGT)を測定した。またアンケート調査では老研式活動能力指標、転倒21スコア、Fall Efficacy Scale(FES)、外出に対する自己効力感、改訂版 Frenchay Activities Index(FAI)、Life Space Assessment(LSA)を調査した。運動機能と質問紙の調査は介入前と介入直後に行い、対応のあるt検定を用い、
    ロコト
    レの効果を検証することとした。統計解析にはPASW 18。0J for Windowsを用いた。【倫理的配慮、説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に従い、対象者全員に対し、研究の概要と目的、個人情報の保護、研究中止の自由などが記載された説明文書を用いて十分な説明を行い、書面にて同意を得た。また本研究は埼玉医科大学保健医療学部倫理委員会の承認(承認番号78)を得て実施している。【結果】1ヶ月間の
    ロコト
    レを行った結果、運動機能では足趾把持力が14.3±5.1kgから16.2±4.4kg、片脚立ち時間が66.7±41.5秒から90.6±37.3秒、FRTが36.5±5.3cmから38.3±4.3cm、TUGが6.3±1.0秒から5.7±0.8秒に変化し、有意な改善を示した。さらにアンケート調査では転倒21スコアの合計点が6.0±2.7点から5.0±2.3点、外出に対する自己効力感が20.9±3.2点から22.8±2.6点、FAIが31.9±5.4点から34.1±4.8点に変化し、1ヶ月間の
    ロコト
    レの結果、有意な改善を示した。なおその他の運動機能検査、アンケート調査項目に有意な変化はみられなかった。【考察】本研究の
    ロコト
    レの運動介入は、セルフトレーニングではなく専門家の指導のもとで行った介入である。本研究の結果から短期集中的な
    ロコト
    レ介入は、地域在住中高年者の下肢筋力やバランス能力などの運動機能を向上させるだけでなく、転倒リスクを減らし、外出に対する自己効力感を向上させ、生活機能を改善する効果があることが明らかとなった。本研究で行った
    ロコト
    レはスクワット、片脚立ち運動、かかと上げという誰でも簡単に行なうことができる運動で構成されている。今後は専門家の少ない地域の健康教室や一般市民の健康増進運動として普及していく取り組みが必要である。【理学療法学研究における意義】生産年齢人口が減少し高齢化が急速に進行する我が国の現状を踏まえれば、医療費を抑制するためにも、高齢者の介護予防だけでなく、一般市民の健康増進分野に応用できるような効果的な運動が必要である。本研究の
    ロコト
    レは、運動内容がわかりやすく、かつ効果的な運動であり、今後高齢者の介護予防領域だけでなく、一般市民への健康増進分野への応用も十分可能であるといえる。
  • 橋本 万里, 安村 誠司, 中野 匡子, 木村 みどり, 中村 耕三, 藤野 圭司, 伊藤 博元
    日本老年医学会雑誌
    2012年 49 巻 4 号 476-482
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/26
    ジャーナル フリー
    目的:訪問型介護予防事業としてのロコモーショントレーニング(以下
    ロコト
    レ)の実行可能性を明らかにすることを目的とした.方法:介護保険における運動器の二次予防対象者のうちの通所型介護予防事業への不参加者246人を対象に,
    ロコト
    レの参加者を募った.参加者に対し,初回調査で,聞き取り調査,開眼片足立ち時間測定及び
    ロコト
    レ指導を行った.
    ロコト
    レは,参加者が自宅で,開眼片足立ち左右1分ずつ,スクワット5~6回を1セットとし,原則3セット行うこととした.初回調査後,3カ月間の
    ロコト
    レ実施期間中,定期的な電話連絡(ロコモコール)による状況確認をした.最終調査で聞き取り調査及び開眼片足立ち時間測定を実施した.結果:参加者は60人(男性15人,女性45人)で,対象者(246人)の24.4%であった.運動器の二次予防対象者313人のうち,市が実施する通所型介護予防事業に参加したのは67人(21.4%)であった.
    ロコト
    レの実施により,通所型介護予防事業または
    ロコト
    レへ参加した者は127人(40.6%)となり,通所型介護予防事業のみの参加率(21.4%)と比較して19.2%増加した.3カ月間
    ロコト
    レを継続した継続群は55人(男性13人,女性42人),継続率は91.7%であった.最終調査時の開眼片足立ち時間は,男性と女性いずれも初回調査時(男性13.9±16.1秒,女性26.7±28.7秒)と比較して有意に延長していた(男性16.2±17.7秒 p<0.05,女性57.2±79.7秒 p<0.01).年齢別の比較でも,前期高齢者と後期高齢者ともに,最終調査時の開眼片足立ち時間が初回調査時(前期高齢者34.4±31.0秒,後期高齢者17.7±22.3秒)と比較して有意に延長していた(前期高齢者62.2±67.9秒 p<0.01,後期高齢者39.2±73.8秒 p<0.01).結論:今回実施した訪問型介護予防事業としての
    ロコト
    レは,継続しやすい運動プログラムであること,身体機能についても一定の効果があることが認められ,従来の通所型介護予防事業では対応できなかった対象者への,有効かつ実行可能性の高いプログラムである可能性が示された.
  • ~ランダム化比較対照試験における検討~
    入山 渉, 加藤 仁志, 松澤 正
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 O-0202
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】近年,運動器の障害の1つとしてロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)が注目されている。ロコモとは2007年に日本整形外科学会が提唱した概念であり,「運動器の障害による要介護の状態や要介護のリスクの高い状態」と定義される。ロコモはロコモーションチェック(以下,ロコチェック)にて判定される。ロコチェックは運動機能に関わる7つの質問項目から構成され,その項目に1つでも該当した場合にロコモと判定される。ロコモと判定された者は,片足立ちとスクワットに加え,ストレッチなど対象者が自由に選択して行う運動を含めたロコモーショントレーニング(以下,
    ロコト
    レ)をセルフトレーニングで行うことが推奨されている。このように,
    ロコト
    レのコンセプトはセルフチェックとセルフモニタリングであり,運動内容も高齢者に分かりやすく道具を使わずに行えることが特徴である。そのため,高齢者を対象にした研究が盛んに行われており,地域在住高齢者を対象にした細井ら(2011)や橋本ら(2012)は身体機能の改善を,整形外科医院へ外来通院している要支援高齢者および要介護1の高齢者を対象にした藤野ら(2010)は要介護度の維持・改善を報告している。しかし,これらの先行研究では対照群を設けておらず,先行研究の結果が
    ロコト
    レによる効果であるか明らかではないと考えられる。そこで本研究では,通所リハビリテーション(以下,通所リハ)を利用している要支援高齢者を対象にランダム化比較対照試験を行い,
    ロコト
    レの効果を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は通所リハを利用している要支援高齢者38名(男性12名,女性26名,平均年齢81.6±9.6歳,53~94歳)であった。全対象者をランダムに
    ロコト
    レ群と対照群に割り付けた。
    ロコト
    レ群は通所リハで通常実施している理学療法に加え,通所リハの担当理学療法士が
    ロコトレを指導しロコト
    レを自宅で自主トレーニングとして実施させた。対照群は通所リハで通常実施している理学療法を継続しその他の運動習慣を変化しないように指示した。介入期間は12週間とし,介入前後で身体機能測定(等尺性膝伸展筋力,握力,開眼片足立ち時間,Functional Reach test(以下,FR),5m最大歩行速度,Timed Up and Go test(以下,TUG),長座位体前屈距離)と質問紙調査(変形性膝関節症患者機能評価尺度,腰痛症患者機能評価質問票,肢位強度法身体活動量推定法,Life-Space Assessment,Fall Efficacy Scale-International(以下,FES-I),Euro QOL日本語版5項目法)を行った。統計学的解析は介入前の各評価の群間差と介入前後の変化量の群間差を,独立サンプルのt検定およびウィルコクソンの符号順位検定を用いて比較した。なお,対象者の割り付け,介入前後の評価,統計学的解析は研究者および通所リハの理学療法士以外の理学療法士に依頼し盲検化を図った。解析ソフトはR2.8.1を使用し,有意確率は両側5%未満とした。【結果】介入前の評価項目は全ての項目で群間差は認められなかった。介入後調査を実施できなかった
    ロコト
    レ群5名,対照群2名を除いた対象者において,介入前後の各評価項目の変化量を群間比較した結果,等尺性膝伸展筋力,5m最大歩行速度,TUG,FES-Iで有意差が認められた。それ以外の項目では有意差は認められなかった。【考察】介入前では,全ての評価項目で有意差が認められなかったため,介入前の
    ロコト
    レ群と対照群には差がなかったことが考えられた。介入後では,等尺性膝伸展筋力,5m最大歩行速度,TUG,FES-Iの変化量で群間差が認められたことから,
    ロコト
    レを実施することでこれらの項目が良好な変化を示す効果があると考えられた。また,開眼片足立ち時間,FR,TUGにおいて,本研究の対象者の身体機能と先行研究の対象者の身体機能を比較すると,先行研究の対象者の方が良好な数値であり,本研究は先行研究に比べ身体機能の低い者を対象にしていた。そのため,本研究で対象にしたような身体機能の低い者に対しても
    ロコト
    レは有効であることが明らかになった。【理学療法学研究としての意義】
    ロコト
    レを行うことで,下肢筋力・移動能力・転倒関連自己効力感への効果を期待できることが明らかになった。本研究の結果は,通所リハで理学療法内容を検討する際の資料として有意義であると考えられた。
  • 松本 砂希, 石橋 英明, 藤田 博曉
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-MT-21-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】近年,わが国では超高齢化社会が問題となっている。その中で介護予防は重要な課題であり,骨折や関節症など運動器の障害は要介護認定の主因となっている。ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは,運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態であり,進行すると要介護になる危険が高まるとされている。ロコモの予防・改善のための運動として,日本整形外科学会よりロコモーショントレーニング(
    ロコト
    レ)が推奨されているが,その運動機能改善効果に関する研究は少ない。そこで,本研究では,地域在住の自立した中高年者を対象として,
    ロコト
    レによる運動介入効果を検討した。【方法】測定対象は,住民票データから抽出した60代70代の要支援・要介護認定非該当者303名(男性150名,女性153名)である。対象者を介入群と対照群に割り付けした後,介入群には
    ロコト
    レとして,スクワット,片脚立ち保持,ヒールレイズを指導し,ウォーキングの実施を推奨した。運動機能の評価は,
    ロコト
    レ開始前,3ヶ月後,6ヶ月後の計3回とし,評価項目は握力,開眼片脚立位時間,FRT,5回立ち上がり時間,6m通常/最大歩行速度,膝伸展筋力,足趾把持力の計8項目とした。解析は,対象者を年代で分類した上で,各運動機能測定値において
    ロコト
    レ開始前と3ヶ月後,6ヶ月後の経時的変化を反復測定の二元配置分散分析により比較した。【結果】開始時より継続して評価できたのは60代男性62名,女性61名,70代男性61名,女性55名,計239名(78.9%)であった。男性の60代では握力,開眼片脚起立時間,6m最速歩行速度,膝伸展筋力,足趾把持力,70代では握力,開眼片脚起立時間,6m最速歩行速度,膝伸展筋力において介入群に有意な改善がみられ,女性の60代では握力,開眼片脚起立時間,FRT,膝伸展筋力,70代では開眼片足起立時間,膝伸展筋力,足趾把持力において介入群に有意な改善がみられた。男性では60代と比較して70代の握力,膝伸展筋力において早期に改善がみられ,女性では70代と比較して60代の握力,FRTにおいて早期に改善がみられた。【結論】6ヶ月継続率は約80%と高率であったことから,
    ロコト
    レは簡単で継続しやすい運動であると考えられる。60代と70代とを比較すると,運動機能が改善した項目数は,男女ともに60代の方が多かった。一方,早期から介入効果が認められた項目は,男性では70代に女性では60代にあり,男女に違いがみられた。そのため,
    ロコト
    レを指導する際は,年齢や性別を考慮し実施期間で負荷量を調整する事で,より運動機能改善に効果的であると考えられる。
  • *新井 智之, 藤田 博曉, 森田 泰裕, 細井 俊希, 大塚 雅恵, 石橋 英明
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2011年 30 巻 O2-15-098
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    超高齢社会を迎えた我が国では,膝・腰・骨などの運動器に障害を抱えた高齢者が増加している.日本整形外科学会は2007年にロコモティブシンドローム(運動器症候群)の概念を提唱し,運動器の衰えに対してセルフチェック(ロコチェック)、セルフトレーニング(ロコモーショントレーニング:
    ロコト
    レ)を行うための取り組みを行っている.今回我々は地域在住高齢者を対象に
    ロコト
    レの指導を行い,6ヶ月間の
    ロコト
    レの効果を検討することを目的とした.
    【方法】
    対象は65歳以上の地域在住高齢者で,初回・3ヶ月・6ヶ月の3回の運動機能と痛みの評価が可能であった116人(平均年齢76.7±5.6歳,男19人,女97人)とした.測定項目は運動機能の評価として左右の最大等尺性膝伸展筋力,左右の足趾把持力,左右の片足立ち時間,Functional Reach Test(FRT),Timed Up and Go Test(TUGT),10m最大歩行時間,痛みの評価としてJapanese Knee Osteoarthritis Measure(JKOM)痛みスコア8項目とJapan Low back pain Evaluation Questionnaire(JLEQ)痛みスコア7項目を質問紙により調査した.対象者は初回の運動機能評価を行った後,
    ロコト
    レの方法に関する集団指導の講習会を行い,自宅にて自主トレーニングを行うように指導した.運動機能と痛みの評価を初回評価時から3ヶ月後・6ヶ月後に同様に行い,
    ロコト
    レの効果を検証した.
    【結果】
    初回評価に比べて3ヶ月後の評価では,左右の足趾把持力,左右の片足立ち時間,TUGT,10m最大歩行時間,JKOM痛みスコアは有意な改善を認めた.6ヶ月後の評価では,初回評価に比べて右足趾把持力とJKOM痛みスコアは有意な改善を認めた.一方,左足趾把持力と10m最大歩行時間の6ヶ月後の値は,3ヶ月後と比較して有意に低下がみられた.また,左右の最大等尺性膝伸展筋力,FRT,JLEQ痛みスコアは初回・3ヶ月後・6ヶ月後で有意な変化を示さず,維持された.
    【考察】
    ロコト
    レはスクワットと片足立ちの2種類の運動を行うことを基本としており,高齢者が自宅で運動を継続出来るように,わかり易い内容となっているトレーニングである.本研究でも集団指導方式による介入においても3ヶ月後の評価では筋力,バランス能力,移動能力,膝の痛みの改善がみられたことから,
    ロコト
    レは運動機能や痛みを総合的に改善することができる有用な介入方法であることが示された.一方6ヶ月後の長期効果の検討では筋力,バランス能力,痛みスコアが維持,向上されているのに対し,移動能力の低下がみられたことから,
    ロコト
    レに加え移動能力の向上を目的としたトレーニングを定期的に指導する必要があると考えられた.
    【まとめ】
    本研究では6ヶ月間の
    ロコト
    レの効果の検討を行い,筋力,バランス,痛みの維持,改善がみられた.
  • ロコモーショントレーニング(ロコトレ)実施者を対象とした検討
    細井 俊希, 新井 智之, 藤田 博曉
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 OF1-096
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、2007年に日本整形外科学会(以下、JOC)により提唱され、高齢者の要介護や寝たきりを来たす要因として注目されている。JOCは、ロコモに対するセルフトレーニングの方法として、ロコモーショントレーニング(以下、
    ロコト
    レ)を推奨している。我々は、地域高齢者の運動継続を主眼に置いて、
    ロコト
    レ指導の際に、行動科学の理論に基づいたアプローチを加えて実施した。本研究では、地域高齢女性を対象とした運動プログラム「
    ロコト
    レ」に継続して参加した対象者の、運動継続に影響する心理的要因について調査することを目的とする。
    【方法】対象は、埼玉県毛呂山町の老人福祉センターに通う地域在住高齢女性のうち、行動科学の理論に基づいた運動プログラム「
    ロコト
    レ」に、月1回、6か月間の6回すべて参加した地域高齢女性12名を対象とした。平均年齢74.7±3.7歳、身長150.1±7.0cm、体重51.9±4.4kg、BMI23.1±2.9%であった。主要評価項目として、プログラム終了時に、体調の変化や効果の自覚、目標設定したか、楽しかったかを聴取した。運動機能については、1か月ごとにFunctional Reach Test(以下、FRT)、Timed Up and Go Test(以下、TUGT)、足趾把持力の測定を行った。介入は、スクワット、片足立ち、かかと上げ+かかと落としの3種類の
    ロコト
    レの指導を実施した。指導の際、括弧内に示した行動科学の理論に基づいたアプローチを取り入れた。トレーニングは、環境によるバリアの影響を受けないように、すべて屋内でも行えるものとした(社会的認知理論:バリア要因の排除)。また、
    ロコト
    レの理論的背景や効果について十分説明し(社会的認知理論:結果期待の向上)、目標設定を行った(目標設定理論)。また、トレーニングノートを配布し、実施回数や頻度をセルフモニタリングし(自己知覚理論)、さらに規定された運動以外にも自分が好きな運動を組み合わせて行い記入するよう指導した(自己決定理論)。加えて、楽しく運動できるよう、歌に合わせてトレーニングするよう指導した。特に、かかと上げについては、ほぼ毎日放映される高齢者に人気のテレビ番組主題歌に合わせて実施することで習慣化を図った。また、運動機能について、測定ごとに結果のフィードバックを行った(社会的認知理論:セルフエフィカシーの向上)。統計学的処理は、PASW Statistics 18を使用し、運動機能に関してTukeyの多重比較を行った。危険率は5%未満とした。
    【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に基づき実施した。本研究開始前に、研究の目的、方法、研究への参加は自由であること、一度研究への協力に同意した後でもいつでも撤回できること、研究へ参加しない場合や同意を撤回した場合でも不利益を受けることがないことなどを説明し、署名をもって同意を得た。
    【結果】12名すべてが
    ロコト
    レの目標を設定しており、11名(91.6%)が
    ロコト
    レは楽しかったと答えていた。「体調が良くなった」と答えたものが7名、「悪くなった」と答えたものはいなかった。「膝が良くなった」が8名、「腰が良くなった」が6名、「体が楽になった」が9名であり、膝・腰・体のいずれかが良くなったと答えたものは10名(83.3%)であった。6か月間の運動機能の測定結果は、開始時に比較して、足趾把持力は4,5,6か月後に、FRTは5,6か月後に、TUGTは6か月後に有意な改善が認められた。
    【考察】本研究で実施した、行動科学の理論に基づいた介入を行った
    ロコト
    レを継続した者は、トレーニングの際に目標を設定しており、
    ロコト
    レを楽しんで実施していた。また、体調や膝・腰が良くなったと答えていたものが多かった。「目標を設定する」、「楽しんで運動する」、「効果を自覚する」といった因子が運動の継続につながったと考えられ、継続することにより運動機能も向上したと考えられる。今後は、継続者の心理的要因についてより明らかにするために、継続者と非継続者を比較する必要があると思われる。
    【理学療法学研究としての意義】
    いくら効果のある運動でも続けられなければ意味がない。運動の継続に影響する要因を明らかにすることは、運動の介入方法を考えるうえで重要である。本研究の結果は、退院時の自主トレ指導などにも応用できると思われ、理学療法における患者教育分野での研究として大変意義深いと考える。
  • ―運動療法を中心に―
    芳賀 信彦
    The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
    2016年 53 巻 12 号 900-902
    発行日: 2016/12/18
    公開日: 2017/02/14
    ジャーナル フリー

     ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の予防の中で,運動療法は重要な位置を占めている.日本整形外科学会はロコモーショントレーニング(以下,

    ロコト
    レ)を提唱し,ロコモと判断される以前からのロコモそのものの予防と,ロコモと判断されたのちの進行予防を呼び掛けている.
    ロコト
    レとして片脚立ち,スクワット,ヒールレイズ,フロントランジが挙げられており,下肢の筋力,柔軟性,バランス能力の向上に役立つ.これら以外にも水泳,ウォーキング,ランニング,太極拳などにも効果があると考えられ,日本では各地でロコモ予防としてオリジナルの体操などさまざまな取り組みが行われている.

  • 八木 知徳, 上田 大輔, 小野寺 純, 小野寺 伸, 山脇 慎也, 安田 和則, 鎌田 圭子, 菅原 美咲
    日本臨床整形外科学会雑誌
    2018年 43 巻 2 号 81-88
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/03
    ジャーナル 認証あり

    目的:当院ではロコモティブシンドローム(locomotive syndrome,運動器症候群,以下ロコモ)教室を開催しているが,その経過と結果を報告する.

    方法:2014年5月から2016年11月までに当院のロコモ教室でロコモーショントレーニング (locomotion training,以下

    ロコト
    レ)の指導を受けた81人に対し,2ステップテストとロコモ25の調査を行い,下肢筋力,10mの歩行に要する時間,骨密度を計測するとともに,computed tomography (CT)により大腿中央での膝の伸筋と屈筋の断面積を測定し,これらから得られたデータの6カ月間の推移を調べた.

    結果:6カ月後にロコモ教室を修了した40人の結果では,2ステップ値が1.18から1.24に,ロコモ25の点数が18.4点から10.8点に改善していた.膝伸展筋力は47.6Nmから52.9Nmに,膝屈曲筋力は20.9Nmから26.6Nmに増強した.10mの歩行に要する時間は8.2秒から6.6秒に短縮したが,骨密度と筋断面積は変わらなかった.

    考察:6カ月間

    ロコト
    レを行うことにより下肢筋力は増強し,歩行速度,2ステップ値などの運動能力が改善したことから,
    ロコト
    レにより転倒や骨折のリスクが低減することが推測された.

    結語:

    ロコト
    レにはロコモを予防する効果を期待することができる.

  • 松島 憲一, Orapin Saritnum, 濵渦 康範, 安達 諒, 原田 浩平, 南 峰夫, 根本 和洋
    園芸学研究
    2010年 9 巻 2 号 243-248
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/04/25
    ジャーナル フリー
    冷涼な気候での栽培に適するとされるトウガラシ‘
    ロコト
    ’および‘ぼたんこしょう’の機能性成分についての評価を行った.‘ぼたんこしょう’は辛味が弱く,カロテノイド含量は‘京波’と同等であった.また,総フェノール含量および抗酸化活性についてみると,緑色果実が特に高く,比較品種よりも優れ,かつ系統間変異がみられた.さらに,GABA含量はBK-4の赤色果実およびBK-2の緑色果実で比較的高い結果であった.‘
    ロコト
    ’に関しては,カプサイシノイド含量は,系統間変異はあるもののいずれの系統も辛味は‘鷹の爪’より強かった.赤色果実系統のカロテノイドは‘ししとう’や‘鷹の爪’と同等であり,また,‘
    ロコト
    ’の総フェノール量は比較品種より高く,GABA含量は比較品種と同程度の結果となった.以上のように,成分によっては比較品種より高いものや,系統間変異が認められたことから,今後はより多くの系統を収集・評価して,‘
    ロコト
    ’および‘ぼたんこしょう’の冷涼な気候に適しているという形質に,高機能性という付加価値を付与した品種開発を進めていくこととする.
  • 眞田 千晴, 千 雅子, 西野 玲子, 北浦 喜久子, 宮本 みのり, 鮫島 敬子, 岡部 佳代子, 園尾 広志, 新井 桂介, 小林 亮
    総合健診
    2018年 45 巻 5 号 626-634
    発行日: 2018/09/10
    公開日: 2018/12/01
    ジャーナル オープンアクセス

    【背景】ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは、「運動器の障害のため移動機能の低下をきたした状態」であり、転倒リスクが高まり寝たきりにつながる状態である。特に運動習慣のない者の場合、運動器機能低下の進行の悪循環を起こすため、早い段階で運動習慣を持つことが望ましい。

     そこで、移動能力を簡便に知ることができるロコモ度テストと運動習慣のない者でも安全で取り組みやすいロコモーショントレーニング(以下

    ロコト
    レ)の指導を特定保健指導実施時に取り入れ、
    ロコト
    レの継続状況をアンケート調査したので報告する。

    【対象と方法】対象は特定保健指導面接時に運動習慣のない者、もしくは軽度運動実施者で希望者73人。ロコモ度テスト(①立ち上がりテスト②2ステップテスト③ロコモ25)と

    ロコト
    レ(①片足立ち②スクワット)を指導し、実施状況に関するアンケート調査を3か月後と6か月後に行った。

    【結果】年代別のアンケート回答率は40代32.1%、50代61.3%、60代64.0%、70代90.9%で、年代が上がるごとに高くなった。このことから年齢が上がるにつれロコモへの関心が高くなることが示唆された。

     

    ロコト
    レの継続率は年代別に40代38.9%、50代68.4%、60代81.3%、70代70.0%であり、40代が最も低く、60代が最も高かった。できない理由は、70代のみに体の不調に関することが挙がり、それ以外は意識や時間に関することを挙げていた。

    【結論】運動に関する支援について、40代は個別での幅広い運動の提案が必要であり、50代は

    ロコト
    レが運動を始めるきっかけとなり得る。60代では運動の習慣化を図り、70代には身体状況の変化の確認と正しい運動方法を伝えることが重要である。このことから特定保健指導時にロコモ度テストを行い、
    ロコト
    レを指導することは運動習慣獲得のチャンスとなり得る。そして健康寿命の延伸のためにも、後期高齢者の年代になるまでに、個々に合わせた方法で運動の習慣化を目指したい。

  • ─地域高齢女性における運動の継続に関する検討─
    細井 俊希, 新井 智之, 藤田 博曉
    理学療法科学
    2011年 26 巻 4 号 511-514
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/22
    ジャーナル フリー
    〔目的〕本研究では,行動科学の理論に基づいた運動プログラム「
    ロコト
    レBBS」が,地域在住高齢女性の運動の継続につながっているかを検証すること,および指導した運動を継続することが地域高齢女性の身体機能にどのような影響を与えるかについて検討することを目的とした.〔対象と方法〕対象は,埼玉県M町の老人福祉センターに通う地域在住高齢女性のうち,運動プログラム「
    ロコト
    レBBS」に参加した地域高齢女性12名とした.評価および介入は,6ヶ月間,計6回実施し,運動の実施率,心理的要因,身体機能について調査した.〔結果〕運動実施率は84.2%であった.対象者12名中11名(91.6%)が,
    ロコト
    レは楽しかったと答えていた.また,対象者の多くが膝痛,腰痛などが改善したと感じていた.さらに,身体機能の向上も認められた.〔結語〕行動科学の理論に基づいた「
    ロコト
    レBBS」は,地域在住高齢女性の運動継続に寄与しており,指導した運動を継続することで身体機能を向上させる効果が認められた.
  • 細井 俊希, 新井 智之, 藤田 博曉, 石橋 英明
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PI1-467
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)は、2007年に日本整形外科学会により提唱され、高齢者の要介護や寝たきりを来たす要因として注目されている。ロコモの特徴は、医療機関への受診を促すのではなく、自分で症状を把握し、自分で運動するよう、セルフチェック(ロコチェック)、セルフトレーニング(
    ロコト
    レ)を推奨しているところである。本研究では、運動の継続に有効であるとされる行動科学の理論に基づいた運動介入「
    ロコト
    レ」が、運動の継続につながっているかを検討することを目的とした。
    【方法】対象は、地域在住の高齢者で、本研究に関する同意が得られた76名を対象とした。開始時に、行動科学の理論に基づいた運動プログラム「
    ロコト
    レ」を指導した。
    ロコト
    レは、ロコモーショントレーニングの略で、石橋らにより、ロコモに対し実施した2か月間のトレーニングでの有効性が明らかにされている。本研究では、指導の際、括弧内に示した運動の継続に有効であるとされる行動科学の理論に基づいたアプローチを取り入れた。トレーニングは、スクワット、片足立ちの2種類の運動で、環境によるバリアの影響を受けないように、すべて屋内でも行えるものとした(社会的認知理論:バリア要因の排除)。開始前に、
    ロコト
    レの理論的背景や効果について十分説明し(社会的認知理論:結果期待の向上)、目標設定を行った(目標設定理論)。また、トレーニングノートを配布し、実施回数や頻度をセルフモニタリングし(自己知覚理論)、さらに、規定された運動以外にも自分が好きな運動を組み合わせて行い記入するよう指導した(自己決定理論)。加えて、楽しく運動できるよう、歌に合わせてトレーニングするよう指導した。運動機能については、測定ごとに結果のフィードバックを行い、また、医師および理学療法士による健康相談なども適宜受け付けた(社会的認知理論:セルフエフィカシーの向上)。主要評価項目は、運動の継続率についての調査とし、指導した1年後に調査表を用い調査した。調査の内容は、調査時から過去1か月を振り返り、ウォーキングやその他の運動、および
    ロコト
    レの実施頻度を、5つの選択肢(ほぼ毎日・週3回以上・週2回・週1回・ほとんどしていない)から選ぶこととした。介入前に7項目のロコチェックを行い、ひとつでも当てはまるものがある場合を「ロコモ」とし、ロコモ群と非ロコモ群の2群に分け、運動実施率をカイ二乗検定にて比較した。統計学的処理は、PASW Statistics 18を使用し、危険率は5%未満とした。
    【説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に基づき実施した。本研究開始前に、研究の目的、方法、研究への参加は自由であること、一度研究への協力に同意した後でもいつでも撤回できること、研究へ参加しない場合や同意を撤回した場合でも不利益を受けることがないことなどを説明し、署名をもって同意を得た。
    【結果】対象者全員が、週1回以上、何らかの運動を実施しており、半数以上(55.3%)はほぼ毎日運動を実施していた。
    ロコト
    レ実施率は94.7%で、ほぼ毎日実施していたのは38.2%であった。ロコモ群では非ロコモ群に比べ、有意にほぼ毎日
    ロコト
    レを実施していた(p=0.007)。
    【考察】厚生労働省の「平成20年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、70歳以上で運動習慣のあるものの割合は36.6%である。また、Forcanら(2006)によると、自主トレ指導した患者が週1回以上の自主トレを4週間継続した割合は63.4%であったと報告している。本研究対象者は、全員が、週1回以上、何らかの運動を行っており、行動科学の理論に基づいた運動介入が、継続率の向上に寄与した可能性を示唆するものであった。また、ロコモ群は非ロコモ群に比べほぼ毎日
    ロコト
    レを行っていたことから、ロコチェックを用いたセルフチェックにより、自分が「ロコモ」であると自覚することが内発的動機づけとなり、運動の習慣化や継続につながっていると考えられた。
    【理学療法学研究としての意義】行動変容理論に基づいた運動介入は、運動を習慣化し、継続率の向上に寄与するものと思われる。本研究の結果は、介護予防事業での健康体操指導や、退院時に自主トレ指導する際の患者教育を行ううえで、運動の継続率を高めるアプローチの方法を示唆しており、地域リハビリテーション分野や維持期リハビリテーション分野において大変意義深いといえる。
  • 脇野 昌司, 藤田 修平, 田端 洋貴, 井上 美里, 大野 恭裕, 木村 保, 榎木 泰介
    理学療法学Supplement
    2019年 46S1 巻 O-DM-1-2
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    会議録・要旨集 フリー

    【背景および目的】

    2型糖尿病(DM)患者は増加の一途であり、高齢での併存が高い。しかし、高齢DM患者に問題となるサルコペニア有病率及び運動療法に関する理学療法研究の報告は少ない。今回、DM教育入院患者のサルコペニア有病率を調査すると共に、ロコモーショントレーニング(

    ロコト
    レ)を用いた介入を行い、知見を報告する。

     

    【方法】

    対象は、DM教育入院患者33例(男/女:13/20)、平均年齢71.4±9.2歳、平均BMI23.8±3.2㎏/m、平均介入期間18.5±7.1日。病型は全例2型DM(インスリン20例/内服13例)。サルコペニア評価は、AWGSの握力、歩行速度、四肢骨格筋率を初回に実施。身体機能評価には、初回及び退院前に膝伸展筋力、10m歩行速度、TUG、活動量(歩数計)を行った。生化学評価は、空腹時血糖値とした。運動療法は、筋力トレーニングに

    ロコト
    レを用い、有酸素運動は自転車エルゴメーターを用いて、カルボーネン法により運動強度40%、40分×5回/週で実施した。分析には、対応2群のT検定を行った。

     

    【結果】

    本研究のサルコペニア有病率は、30.3%であった。各項目の変化は、初回評価→最終評価で記載する。膝伸展筋力19.1㎏→21.5㎏(p<0.05)、10m歩行速度10.6秒(0.94m/s)→8.8秒(1.14m/s)(p<0.01)、TUG9.7秒→7.7秒(p<0.01)、活動量4272±1162歩→4819±1679歩(p<0.05)と変化した。空腹時血糖値161.8mg/dl→124.7mg/dl(p<0.001)と院時に全ての項目で有意に改善した。

     

    【考察および結論】

    健常高齢者のサルコペニア有病率は10%程度であるが、DM入院患者は30.3%と高値であった。DM患者では、筋萎縮に先行して異所性脂肪である骨格筋細胞内脂質が関連し、脂肪変性の進行によりサルコペニア有病率を高めたと考える。また、継続率が高いトレーニングに推奨される

    ロコト
    レを用い、3週程度で身体機能の改善を示したことは、高齢DM患者の身体活動の向上がアドヒアランスを高める一助になると考える。

     

    【倫理的配慮,説明と同意】

    本研究の実施について、ヘルシンキ宣言に基づき、目的と方法、留意点に関する十分な説明を医師、理学療法士により行い、患者の同意を得た上で実施した。また、得られたデータは匿名化し、個人情報管理を厳密に行った。

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