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クエリ検索: "仕事率"
2,792件中 1-20の結果を表示しています
  • 申 京珠, 上林 博雄
    家政学雑誌
    1983年 34 巻 11 号 713-722
    発行日: 1983/11/20
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    家庭用電気掃除機の除塵性能の評価方法として日本では最大吸込
    仕事率
    のみをとり上げている.
    しかし諸外国の規定ではそれ以外にも生活の中で必要な種々の床面の特定条件での実際的な試験方法をとり入れている.そこで掃除機の国際規定IECおよび英国規定BSIにもとついて, 床のクレバスからの除塵性能, カーペットからの糸屑の除塵性能をとり上げ, これらの性能とJISの最大吸込
    仕事率
    および平滑な床面に床用ノズルを使用する場合に相当する吸込
    仕事率
    との相関を調べた.また集塵量の増加による吸込
    仕事率
    の変化を求め, 本実験使用のゴミ量の実験データへの影響を検討した.
    1) 機種別の吸込
    仕事率
    : 平滑な床に床用ノズルの使用を想定した場合の吸込
    仕事率
    は入力ワット数に正比例する.掃除機の機種を変えればこの関係はやや弱くなるが, 一応は成立する.また実使用時はどの機種も最大吸込
    仕事率
    の15%以下の性能になるが, 一応は最大吸込
    仕事率
    が高い機種ほど, 前述の吸込
    仕事率
    が高くなるといえる.
    2) クレバスからの除塵 : 採用掃除機のうち, シリンダー型とショルダー型はよく除塵するが, アップライト型はこの掃除にはむかない.したがってクレバスからの除塵は最大吸込
    仕事率や使用時の吸込仕事率
    との関係よりも掃除機の機種によるといえる.これは床用ノズルの吸込口付近の局部気流の様相に支配されるのである.
    3) カーペットからの除塵 : 毛が長いほど除塵率が低く, 機種別ではシリンダー型, アップライト型, ショルダー型順に低くなる.しかしどの機種も1サイクル掃除で20%以下, 5サイクル掃除で60%以下の低い除塵率であった.したがってカーペットの除塵用の機種の開発が望まれる.またカーペットからの除塵性能は前述の吸込
    仕事率よりもむしろ最大吸込仕事率
    との相関が見られた.
    4) カーペットの糸屑の除塵 : もっとも掃除機の機種に影響され, ピーター付のアップライト型は1サイクルで100%, シリンダー型57%は, ショルダー型は48%の除塵をした.
    5) 集塵による吸込
    仕事率
    : 無機質ゴミ35gを使用したカーペットの積塵の場合のみやや問題が残るが, この性能は使用時の吸込
    仕事率よりも最大吸込仕事率
    と相関することが明らかになったので, 本実験のデータは集塵量に影響されていないといえる.
    以上を結論すれば電気掃除機のJIS規格において消費者の機種選択に資するため, 「吸込
    仕事率
    」の規定のほかに, なおクレバスからの除塵およびカーペットからの糸屑の除塵に関してその能力を示す試験法と示度を追加すべきであると結論される.
  • 藤井 修
    物理教育
    1990年 38 巻 3 号 203-206
    発行日: 1990/09/10
    公開日: 2017/02/10
    ジャーナル フリー
    高校や大学の物理学の授業で
    仕事率
    の概念は学習するが,それを実測する機会は非常に少い。それで筆者はマブチモーター,小型モーター(1ps程度),小型エンジン(5ps程度)の
    仕事率
    測定機を手軽に作成する方法を考えてきました。今回は自転車の動力を測定する装置を試作して,人間の
    仕事率
    を測定したが,大学生の場合1ps程度でした。また人間が階段を昇る時の
    仕事率
    も,まとめてみました。
  • 穴井 博文, 葉玉 哲生, 荒木 賢二, 押川 満雄, 森 義顕, 重光 修, 宮本 伸二, 迫 秀則, 添田 徹, 吉松 俊英, 和田 朋之, 川脇 雄次, 内田 雄三
    人工臓器
    1998年 27 巻 1 号 59-62
    発行日: 1998/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    遠心, 斜流, 軸流ポンプの3種のターボポンプの溶血特性を比較検討した。各ポンプともインペラ最大径20mm, 同一設計点で設計, 試作した。閉鎖型模擬循環回路で, 様々な駆動点にで, 溶血試験を行った。各駆動点における単位時間のヘモグロビン遊離量(ΔfHb)を計測し, Δf-Hbとポンプの外的
    仕事率
    , 回転数および総合効率との関係を検討した。遠心ポンプでは, Δf-Hbはポンプの外的
    仕事率
    に比例した。斜流ポンプでのΔf-Hbは, ポンプの外的
    仕事率
    が1W以下では, ポンプの外的
    仕事率
    および回転数の増加に伴い増加するが, 1W以上では外的
    仕事率
    および回転数の増加に伴い減少した。軸流ポンプでは, 2群に分かれ, それぞれの群でΔf-Hbはポンプの外的
    仕事率
    に比例した。遠心および軸流ポンプでは, Δf-Hbは回転数に比例する傾向を示した。
  • 川初 清典, 猪飼 道夫
    体育学研究
    1972年 17 巻 1 号 17-24
    発行日: 1972/05/25
    公開日: 2017/09/27
    ジャーナル フリー
    前報に述べた荷重負荷法を適用し脚筋の速度-力関係および
    仕事率
    -力関係について, 幼児と一般成人の比較を行なった. 更にそれらの関係について運動選手の個人的特性を調べた. また最大
    仕事率
    発現時の速度と力について分析を行なった. 幼児と一般成人の差は, 最大速度では少なく, 筋力(負荷)が増加するにつれて脚伸展速度の差が大きくなった. 跳躍選手群は短距離選手群より高い
    仕事率
    を示したが, 最大速度と最大筋力は短距離選手群が大きかった. 最大
    仕事率
    が同じである短距離選手と跳躍選手を比較すると, 最大速度は短距離選手が大きく最大筋力は跳躍選手が大きかった. まだ最大
    仕事率
    発揮時の力と最大筋力との割合およびそのときの力と体重との割合はいずれも跳躍選手が高かった. 体操競技選手では競技成績にすぐれた選手が静的筋力においても, 大きい値を示した. さらに各運動種目の男子および女子の最大速度, 最大筋力および最大
    仕事率
    を比較検討した.
  • 赤羽 秀徳, 青木 和夫, 星川 秀利
    人間工学
    2003年 39 巻 4 号 169-179
    発行日: 2003/08/15
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    足関節運動パターンの習得および競技力の向上を目的としたペダリング動作時の足関節固定の影響について検討した. 一定
    仕事率
    (250W) の実験, クランク角度を固定し足関節を動かす実験, および10秒間の最大努力により最大
    仕事率
    を測定する実験を行い, 足関節固定の影響として以下の点が明らかとなった. 1) 関節
    仕事率
    は股関節で増加し, 膝関節では減少傾向にあったが有意差はなかった. 2) 関節トルクは膝・股関節ともに有意差はなかった. 3) 関節角速度は股関節において屈曲・伸展ともに全試行で有意に増加し, 膝関節では伸展で有意に減少した. 4) 最大
    仕事率
    は減少する傾向にあったが有意差はなかった. このことから, 足関節の固定は最大
    仕事率
    の向上には効果がないが, 膝股両関節角速度を変化させ, ペダリング動作時の股関節の活動を高めることから, 競技力の向上を目的とした関節運動パターンの習得法として有効であると考えられた.
  • 八田 章光
    日本エネルギー学会機関誌えねるみくす
    2023年 102 巻 2 号 162-169
    発行日: 2023/03/20
    公開日: 2023/03/31
    解説誌・一般情報誌 認証あり

    エネルギーをはかるものさしとして1人力約100 Wを用いる。自転車人力発電機の効率を改善し実際に100 Wの

    仕事率
    を体感できるようにしたことで,
    仕事率
    ×時間としてのエネルギーを定量的に把握できるようになった。またkWで表記される発電出力や,PJで表記される日本のエネルギー事情について,リアリティをもって理解することができるようになった。

  • 竹内 正雄, 渡辺 慶寿, 阿部 徳之助, 大井 淑雄, 谷岡 淳, 御巫 清允
    日本体育学会大会号
    1982年 33 巻 16-1050-1101
    発行日: 1982/10/15
    公開日: 2017/08/25
    会議録・要旨集 フリー
  • 上村 さと美, 秋山 純和
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O1-146
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】起立と着座動作は,運動療法において多様な目的で活用されている。ADL練習のほか,両運動を反復する運動負荷(以下,起立運動負荷法)は,下肢筋力の評価や心肺機能評価,前頭葉の賦活に応用されている。運動強度は起立
    仕事率
    (回/分)や環境設定から調整されるが,心肺機能の側面から運動強度の調整がされないと,過負荷を招く危険性がある。仕事量の設定は自転車エルゴメータなどの機械的負荷装置とは異なり,未だ定量化されていない。仕事量について,機械的負荷装置の
    仕事率
    を基準にした換算式の作成から,定量化を試みたので報告する。
    【方法】対象は,運動の妨げとなる心血管系および整形外科的疾患を有さない健常な20歳代の男性43名と70歳代の男性17名(平均年齢74.4(歳),身長1.61(m),体重60.4(kg))とした。なお,20歳代のうち31名により(平均年齢20.1(歳),身長1.72(m),体重63.6(kg))両運動負荷法の換算式を作成し,12名により(平均年齢19.8(歳),身長1.69(m),体重59.6(kg))換算式の精度を検討した。方法は,起立運動負荷法と自転車エルゴメータによる運動負荷(以下,エルゴメータ法)の
    仕事率
    と酸素摂取量の関係を基準として検討を行った。同一日に,両運動負荷を1時間以上の休憩をとり無作為に負荷した。リスク管理は,運動前と運動時に分けて実施した。70歳代の被験者には,心血管系の評価として血圧,心音,12誘導心電図の評価と服薬の状況,骨関節への負担を十分に確認した後に運動を負荷した。運動の中止基準は,一般的なリスク管理基準への該当や動作が発信音に追随できなくなった場合などとした。環境設定は起立運動負荷法では,椅子の高さを床から腓骨頭高とした。運動負荷プロトコルは各負荷段階を3分間とした多段階運動負荷プロトコルを設定した。起立運動負荷法では一段階6(回/分)を設定し,メトロノームの発信音に合わせて,30(回/分)まで増加させた。エルゴメータ法では,無酸素性代謝閾値の
    仕事率
    の120から125(%)に到達するまで,一段階20から25(%)の増加率でペダルの回転数50(rpm)により負荷した。測定項目は,事前に身長,体重,座高,下肢筋力を測定した。運動中は酸素摂取量(Cortex社製Metalyzer3B),心拍数および心電図,血圧などを設定し,酸素摂取量と心拍数は連続的に記録を行い,血圧は各負荷段階終了30秒前に測定した。分析は,被験者ごとにエルゴメータ法における酸素摂取量を目的変数に,
    仕事率
    を説明変数に設定した単回帰式を作成した。起立運動負荷法における各負荷段階の酸素摂取量を求めた式に代入し,起立
    仕事率をエルゴメータの仕事率
    に置換した(以下,起立
    仕事率
    と一致するエルゴメータの
    仕事率
    )。両運動負荷法の
    仕事率
    の換算式の作成は,年代ごとに,目的変数に起立
    仕事率
    と一致するエルゴメータの
    仕事率
    を,説明変数に身長および体重,座高,下肢筋力を設定した重回帰分析を行った。換算式の精度は,両運動負荷法において100W に相当する負荷を,起立運動負荷法では3分間,エルゴメータ負荷法では6分間負荷した。測定項目は酸素摂取量(ミナト医科学株式会社,AERO MONITOR AE-300S)を設定した。分析は,終了30秒間の酸素摂取量の平均値と相関を検討した。統計ソフトはSPSS13.0Jを用い,危険率の有意水準は5%未満とした。
    【説明と同意】所属施設における倫理委員会の承認の後,対象の候補者に事前に本研究の目的と内容を紙面と口頭にて十分に説明の上,紙面による記載を持ち同意を得た。
    【結果】
    仕事率
    の換算式は,20歳代ではy=-222.259+3.604×回数(回/分)+1.192×体重(kg)+86.384×身長(m)(R2=0.94),70歳代ではy=-62.368+2.702×回数(回/分)+1.252×体重(kg)-23.668×筋力(kgf/kg)(R2 = 0.83)であった。
    仕事率
    100Wを負荷したところ,起立運動負荷法の酸素摂取量は25.0±0.86(ml/min/kg),自転車エルゴメータ法では23.5±0.93(ml/min/kg)となり,相関係数はr=0.94であった(p<.01)。
    【考察】年代ごとに換算式を検討すると,20歳代では移動距離に関する項目,70歳代では自重のコントロールに関与する項目を調整することにより,両運動負荷法の仕事量が一致すると考えられる。定量化は起立
    仕事率
    (回/分)の設定のみならず,個人の身体的要素を取り入れて検討を進めることにより,個人を考慮した運動強度の設定が行える可能性がある。
    【理学療法学研究としての意義】定量化から,機械的負荷装置を利用できない対象者の運動負荷試験における質とリスク管理の向上を考えられる。
  • 陳 石, 加藤 信介, 姜 允敬, 中尾 圭佑
    生産研究
    2013年 65 巻 1 号 9-12
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/05
    ジャーナル フリー
    本研究は運動から生じた抗力が室内気流に与える影響に着目をして, CFDによって解析した. 本研究の目的は人の移動が室内汚染物質の拡散に与える効果を解明するための基礎研究になるためである. 移動による影響の指標として, 気流速度分布, 圧力分布, 抗力と
    仕事率
    , 四つのパラメータを計算した. 解析結果により, 直線移動が空気へする
    仕事率
    のほうが, 換気が空気へする
    仕事率
    に比べて支配的だと考えられる.[本要旨はPDFには含まれない]
  • 水本 淳, 鈴川 芽久美, 島田 裕之
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O2-222
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    高齢期には速筋線維の萎縮が著しく,等尺性収縮より高速度でのアイソキネティック運動時の筋力低下が著しい.しかし,アイソキネティック運動時の筋力測定には高価な機器が必要とされ,誰もが測定できる状況にはない.本研究では,運動療法機器であるステップエルゴメーター(Biostep,BIODEX)を用いて,地域在住高齢者におけるアイソキネティック運動時の
    仕事率
    と身体機能評価の関連について調べることを目的とした.
    【方法】
    地域在住高齢者女性12名(年齢78.3±2.6)を対象として,ステップエルゴメーターを用いた筋力測定と身体機能検査を実施した.
    筋力測定はアイソキネティックモードで,目標回転数を60回転,90回転と設定し,それぞれ1回ずつ全力で15秒間駆動するように指示した.各回転数では目標回転数に達するように事前に十分な練習を行った.筋力の指標とした駆動時の
    仕事率
    (W)は,解析ソフト(SpErgo2,酒井医療株式会社)を用い,駆動開始から1秒毎に
    仕事率
    を測定した.身体機能評価として,等尺性最大筋力,Timed up and Go Test(以下TUG)の測定を行った.等尺性最大筋力はハンドヘルドダイナモメーター(μTasF-1,Anima)を用い,膝関節90度の椅子座位での等尺性収縮による最大膝伸展筋力,最大膝屈曲筋力(N)を測定し,アームの長さ(m)を乗じ,体重で除した値(Nm/kg)を解析値とした.TUGは椅子座位から3m往復歩行の所要時間を計測した.
    解析はステップエルゴメーター駆動時に目標回転数に達した後に生じたピークの
    仕事率
    を代表値とし,各身体機能評価との関係についてPearsonの相関係数を算出した.次に,TUG時間を従属変数とし,
    仕事率
    (60と90回転),膝伸展,膝屈曲トルクを独立変数としたステップワイズ重回帰分析を施行した.
    【説明と同意】
    本研究は東京都健康長寿医療センターの倫理審査委員会の承認を得ており,対象者には本研究の主旨と目的,方法を十分に説明し,書面による同意を得た上で測定を実施した.
    【結果】
    ステップエルゴメーター60回転の
    仕事率
    とTUG,膝伸展トルクで有意な相関(それぞれr=-0.672,r=0.893)を認め,90回転の
    仕事率
    とはTUG,膝伸展,膝屈曲トルクで有意な相関(それぞれr=-0.890,r=0.716,r=0.638)が認められた.また,TUG時間は
    仕事率
    に加え,膝伸展トルク,膝屈曲トルクとの相関を認めた(それぞれr=-0.729,r=-0.639).
    TUG時間を従属変数とし,60回転,90回転の
    仕事率
    ,膝伸展,膝屈曲トルクを独立変数としたステップワイズ重回帰分析では,TUG時間に関連する項目として90回転の
    仕事率
    が抽出され,高い重決定係数(R2
    =0.792(p<0.05))を示した.
    【考察】
    アイソキネティック駆動時の
    仕事率
    のピークと身体機能評価との関係は,60回転時にTUG時間,膝伸展トルク,90回転時にTUG時間,膝伸展,膝屈曲トルクとの高い相関を認めた.ステップエルゴメーター駆動は下肢の複合的な運動であるため,下肢の主要な筋群である膝の伸展筋,屈曲筋と有意な相関を示したものと考えられる.この結果は,ステップエルゴメーターを用いた筋力測定が,対象者の筋力を反映した指標として用いることが出来ることを示唆している.
    また,TUGの所要時間を従属変数としたステップワイズ重回帰分析では,90回転の
    仕事率
    が有意な変数として抽出された.これはTUGの所要時間が,膝伸展トルクや膝屈曲トルクのような単一の筋の静的な活動よりも,ステップエルゴメーターの駆動のように下肢筋群の動的状態での筋力と高い関係にあることを示唆したものと考えられた.また,エルゴメーターの
    仕事率
    は角速度とトルクで表わされるため,静的なトルクに加えて,より速く関節を回転させるための筋の機能,すなわち高齢期に顕著な低下を示す速筋の働きを反映した指標であると考えられる.重回帰分析で,より速い回転数の
    仕事率
    がTUGと関連したことは,速度を要求されるパフォーマンス課題には高速域での筋出力を高めることが重要であることを示唆している.これらの結果から,ステップエルゴメーターを用いた筋力評価は,高齢者の筋機能を評価する指標として妥当であると考えられた.
    【理学療法学研究としての意義】
    TUGは地域在住高齢者の転倒予測として有効であるとされており,理学療法の身体機能評価として頻繁に用いられている.TUGと高い関連が認められた
    仕事率
    による筋機能評価法は,高齢者の重要な身体機能を説明する指標として有益であると考えられ,運動処方の検討や予測指標としての活用が期待できる.この指標の妥当性を示した本研究は,理学療法研究として意義あるものと考えられた.
  • ―両脚支持期と片脚支持期におけるエネルギー変化の相違―
    *神先 秀人, 南角 学, 米田 稔彦
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 1032
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】健常者の歩行において,両脚支持期には片脚支持期と比較して重心位置が下がり,重心の移動速度が相対的に速くなる.一方,片脚支持期には逆の現象がみられる.そこには位置エネルギーと運動エネルギーの交換とともに,主に下肢の筋群によるエネルギー産出や吸収のメカニズムが効率よく働いている.しかし,その詳細に関しては不明な点も多く,各歩行周期を追ったエネルギーの産出・吸収に関する情報もその一つである.今回,歩行中のエネルギー変化に要する
    仕事率
    および仕事量に注目することで,エネルギー面からみた下肢筋群等による働きを検討した.
    【方法】対象は健常男女各15例で、男性の年齢は25.9±4.7歳 (21-35 歳) で,体重は62.1±6.8 kg,身長は170.3±5.1 cm であった.女性の年齢は23.4±4.7歳 (20-37歳)で,体重は54.6±6.3 kg,身長は160.3±5.3 cm であった.
    各被験者に,床反力計上を自由速度で歩行させ,3回の試行を分析対象とした.3次元計測を同期して行い,一歩行周期中の進行方向平均速度を求めた.床反力2回積分法を用いて重心の速度,変位,エネルギー変化,
    仕事率
    (パワー)を算出しグラフに描いた.さらに,
    仕事率
    を時間で積分することで,両脚支持期及び片脚支持期における仕事量を求めた.
    【結果】歩行速度は,男性の平均が72.4±7.6m/min,女性の平均が71.5±4.5m/minであった.重心変位や仕事量を表す指標に関しては男女差は認められなかった.
    パワー曲線のパターンは,男女全試行においていくつかの共通した特徴がみられた.すなわち,一歩行周期中に合計8回の増減の繰り返しがみられること,一歩行周期中の各2回の両脚支持期と片脚支持期にそれぞれ1回の「山」を持つこと,両脚支持期の「山」は急勾配で,ピーク値も高いのに対し,片脚支持期では比較的なだらかな曲線を描き,ピーク値も基線を少し超える程度で,全体として負の値をとる場合が多いことなどである.両脚期支持期における正の値から負の値を差し引いた仕事量は,男性が平均7.61±5.22 (J),女性が6.40±5.08 (J)であった.一方,片脚支持期における仕事量は,男性が平均 -7.06±5.28 (J),女性が -5.80±5.16 (J)であった.
    【考察】本結果は,両脚支持期が,主に身体を前進させるためのエネルギー産出の時期であり,そのために下肢筋群による求心性の活動が必要であること,逆に片脚支持期はエネルギーの吸収時期で,慣性力をコントロールして安定した歩行を獲得するために遠心性の収縮が主に行なわれていることを示唆するものと考えられる.これらのパワー曲線のパターンおよび仕事量は,臨床での種々の異常歩行を運動力学的に判断する上で貴重な指標になると考えられた.
  • 上村 さと美, 秋山 純和
    理学療法科学
    2010年 25 巻 6 号 913-918
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/28
    ジャーナル フリー
    〔目的〕起立仕事量を自転車エルゴメータ法の
    仕事率
    に換算する式を作成した。〔対象と方法〕健常な若年男性31名により換算式を作成し,12名で換算式を検証した。起立運動負荷と自転車エルゴメータによる運動負荷法では多段階プロトコルを設定し,酸素摂取量と心拍数を測定した。換算式は重回帰分析から分析した。目的変数は各起立回数の酸素摂取量と同じ酸素摂取量になる自転車エルゴメータ法の
    仕事率
    とし,説明変数は身長,体重などを設定した。換算式の検証は,両運動負荷法において同じ
    仕事率
    を負荷した。〔結果〕換算式には起立回数,身長,体重が関与した。交差検証により両負荷法において同じ
    仕事率
    を負荷したところ,酸素摂取量に相関を認めた。〔結語〕換算式は若年者に利用可能と考えられる。
  • イネの葉に対するレーザ照射の影響
    佐藤 邦夫, 梅崎 輝尚, 法貴 誠, 高木 滋樹
    農業機械学会誌
    2000年 62 巻 5 号 98-103
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    物理的な除草・殺虫の方法としてレーザの使用を検討する研究の一環として, レーザのイネの葉に対する影響を調べた。その結果, 緑色光レーザ (波長532nm) による照射実験では, 4回の照射に対し, 56.6×4GW/m2と144×4GW/m2の中間の単位面積
    仕事率
    において, イネの葉に影響を与える閾値があることが分かった。また単位面積
    仕事率
    342GW/m2では1回の照射でも影響を与えることが分かった。次に, 赤外レーザ (波長1064nm) を単位面積
    仕事率
    83.8×4~375×4GW/m2の範囲でイネの葉に照射したが, 外観的な影響は一切確認されなかった。
  • 竹中 正雄, 渡辺 慶寿, 阿部 徳之助, 大井 叔雄, 谷岡 淳, 御巫 清允
    日本体育学会大会号
    1981年 32 巻
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2017/08/25
    会議録・要旨集 フリー
  • 蔵本 憲信, 綾部 誠也, 荒瀬 大輔, 熊原 秀晃
    生体医工学
    2022年 Annual60 巻 Abstract 号 239_1
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/01
    ジャーナル フリー

    【目的】規則正しい食事は,生活習慣の予防治療の基礎である.日常生活の食習慣・食行動の客観的評価法は確立されていない.本研究は,偏食の客観的評価のための行動情報解析アルゴリズム開発のための基礎的研究として,前腕加速度から得られる歩行速度の低下をトリガーとする偏食同定の可能性について検討した.【方法】対象者は男子大学生10名(体格指数 20.9 ± 2.8 kg・m-2)であった.実験は,異なる食事条件の前後にて歩行を行うクロスオーバーデザインであった.食事条件は,過食条件と対照条件とし,それぞれの摂取量が1677±464 kcalと650 kcalであった.歩行試験は,100 mの普通速度での歩行を行った.歩行試験中は,前腕に3軸加速度計(wGT3X-BT,ActiGraph)を装着し,歩数と合成加速度指標を得た.所要時間から歩行速度を得た.また,仕事量(kg・m),

    仕事率
    (kg・m・sec-1),体重1kg当たりの
    仕事率
    (kg・m・sec-1・kg-1)を算出した.【結果】体重,歩行速度,仕事量,
    仕事率
    ,体重1kg当たりの
    仕事率
    ,合成加速度指標は,条件と時間の有意な交互作用が認められた(p < 0.05).歩数と歩行率は,有意な交互作用が認められなかった.【考察】本研究は,過食の急性影響として,体重の増大,歩行速度と合成加速度指標の減少を認めた.これらの結果は,3軸加速度計から得られた合成加速度の顕著な低下として過食を同定できる可能性を示唆する.

  • 三秋 泰一, 前田 真一, 弓削 類, 染矢 富士子, 野村 忠雄, 立野 勝彦
    理学療法学Supplement
    1987年 1987.14.1 巻
    発行日: 1987/03/15
    公開日: 2017/07/05
    会議録・要旨集 フリー
  • 白石 直人, 齊藤 圭司, 田崎 晴明
    日本物理学会誌
    2017年 72 巻 12 号 862-866
    発行日: 2017/12/05
    公開日: 2018/09/05
    ジャーナル フリー

    熱力学は理工系の大学生のほぼ全員が学ぶ基礎的な物理学の分野である.第一法則と第二法則を中心にした独自の論法から非自明で実用的な結論が導かれる様子に感銘を受けた人も多いだろうし,一方で,力学や電磁気学とは違って曖昧模糊としたマクロな対象を扱う奇妙な学問だと感じた人もいるだろう.いずれにせよ,熱力学は遠い過去に完成された学問であり,その周辺には研究すべき素材など残されていないと思っている人がほとんどだろう.

    しかし,実際には,熱力学に関わる未解決問題は数多く残されていて,現代的な研究の対象にもなっている.本稿では,その一例として,熱力学の定番の対象である熱機関に関する我々の新しい定理を紹介する.我々は,おそらくカルノーの時代から多くの人が抱いただろう「許される最大の効率であるカルノー効率を達成し,かつ

    仕事率
    がゼロでない熱機関は可能か?」という疑問に対して「不可能だ」という一般的かつ決定的な結論を得たのである.

    熱力学の教科書に登場するような一般的な熱機関を考えよう.高温の熱浴から熱を吸収し,低温の熱浴に熱を放出し,吸熱量と発熱量の差を力学的な仕事として外に取り出す装置だ.熱機関は石炭による火力発電などで今も用いられている.

    効率(吸収した熱のうち仕事として利用された割合)は熱機関の性能を表す重要な指標である.熱力学で学んだように,効率は熱浴の温度だけで決まるカルノー効率を決して超えない.一方,実用性を考えると,

    仕事率
    (単位時間あたりに生み出される仕事)も重要な指標である.

    有名なカルノー機関の場合,効率は望みうる最大のカルノー効率を達成するのだが,準静的過程を用いるため

    仕事率
    の方はゼロになってしまう.これでは使い物にならない.この状況は,効率を高くしたために
    仕事率
    が犠牲になったように見える.これはどのくらい一般的なことなのだろうか? 物理法則が許す範囲で,ありとあらゆる仕掛けを用い,様々な賢い工夫をするとして,効率はカルノー効率に一致するが
    仕事率
    はゼロにならないような熱機関を設計できるだろうか? 我々はこの自然な疑問を解決した.我々は,一般的な熱機関の効率と
    仕事率
    がきれいなトレードオフの関係を満たすことを証明し,その帰結として,このような「夢の熱機関」は決して作れないことを示したのである.

    この結果の背景には非平衡統計力学の研究の蓄積がある.そもそも,この研究では「マクロな系をマクロな視点から扱う」という熱力学の方法を離れ,無数の微小な粒子についての古典力学とマルコフ過程によって熱機関を記述している.このようなモデル化の方法はアインシュタインのブラウン運動の理論以来の長年の研究に支えられている.

    さらに,今回の結果が可能になったのは,非平衡統計力学の分野でこの20年ほどの間に急激に進展した「ゆらぐ系の熱力学」についての知見があったからだ.ゆらぎの定理,ジャルジンスキー等式などのキーワードを目にしたことがあるかもしれない.これらのテーマに関連して深められたエントロピー生成率の概念などが我々の仕事でも重要な役割を果たしている.「ゆらぐ系の熱力学」の従来の研究の多くはミクロな系で意味を持つ新しい物理を指向していたが,本研究のように,ミクロな視点に立つ非平衡統計力学からマクロな系のマクロな性質を議論する方向もこれからさらに発展していくことを期待している.

  • 川島 圭司, 秋富 末男, 城石 晴子, 豊永 敏宏
    理学療法学Supplement
    1984年 1984.11.1 巻
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2017/06/29
    会議録・要旨集 フリー
  • トレッドミル歩行とスクワット動作との比較
    *岩下 篤司, 市橋 則明, 池添 冬芽, 大畑 光司
    理学療法学Supplement
    2003年 2002 巻 NP194
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/03/19
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々はこれまで、ペダリング動作における負荷量や回転数の変化が筋活動量に及ぼす影響を検討してきた。しかし、歩行およびスクワット動作と、ペダリング動作において
    仕事率
    を変化させた場合との比較は未解明であった。本研究では、
    仕事率
    を変化させてペダリング動作を行ったときの下肢筋の筋活動を測定し、トレッドミル歩行およびスクワットにおける筋活動と比較・検討を行った。【対象と方法】対象は健常成人9名(年齢21.8±2.1歳、身長164±9.3cm、体重54.3±7.0kg)とした。筋電図の測定筋は右側の大腿直筋、内側広筋斜頭、外側広筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭、腓腹筋内側頭、腓腹筋外側頭、前脛骨筋の8筋とした。表面筋電図を用い双極導出し、整流平滑化筋電図(Rectified Filtered electromyography:以下RFEMG)を求めた。自転車エルゴメーターのサドルの高さは、下死点にて膝屈曲30度に設定した。
    仕事率
    は60W(1.0kp×60rpm)、120W(2.0kp×60rpm)、180W(3.0kp×60rpm)とし、ペダリング動作を行ったときの平均RFEMGを測定し、5周期分の筋活動量をデータとして用いた。歩行動作はトレッドミルにて4km/h、6km/hで歩行したときの平均RFEMGを測定し、5周期分の筋活動量をデータとして用いた。スクワット動作は膝屈曲角度を0゜から90゜の範囲で、屈伸反復速度60回/分で行ったときの平均RFEMGを測定し、5周期分の筋活動量をデータとして用いた。筋電図データは、各筋の最大等尺性収縮時の筋活動を100%として正規化した。統計処理には反復測定一元配置分散分析及び、Fisher’sPLSDの多重比較を用いて、
    仕事率
    を変化させたときのペダリング動作と歩行動作、およびスクワット動作との違いを分析した。【結果及び考察】大腿四頭筋のペダリング動作における%RFEMGは60Wでは9.9%から14.7%、120Wでは17.4%から25.8%、180Wでは22.4%から32.8%であった。ペダリング動作と比較すると、スクワット動作の%RFEMGは180Wと同じ程度の値であり、またトレッドミル歩行の6km/hは60Wと同じ程度の値であった。ハムストリングスのペダリング動作における%RFEMGは60W では12.9%から13.6%、120Wでは18.0%から19.9%、180Wでは22.2%から26.3%であった。ペダリング動作と比較すると、スクワット動作、およびトレッドミル歩行における6km/hの%RFEMGは、120Wと同じ程度の値であった。下腿筋のペダリング動作における%RFEMGは60Wでは7.6%から16.6%、120Wでは11.1%から21.9%、180Wでは17.2%から26.9%であった。ペダリング動作と比較すると、スクワット動作の%RFEMGは120Wと同じ程度の値であり、トレッドミル歩行の6km/hは180Wよりも高い値となった。今回の結果より、大腿四頭筋において、ペダリング動作やスクワット動作は、歩行よりも筋活動量を高めるのに有効であり、ハムストリングスでは高い
    仕事率
    でのペダリング動作が最も筋活動を高くするのに有効であった。しかし、下腿筋はペダリング動作やスクワット動作よりも、歩行時に最も高く活動することが示唆された。
  • 山本 純志郎, 岡田 哲明, 原田 鉄也, 田平 一行
    理学療法学Supplement
    2012年 2011 巻
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/08/10
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 自転車エルゴメータ運動において、回転数は筋収縮の速度・頻度に影響し、トルクは筋発揮張力に影響する。これは負荷設定条件の違いより運動時に異なる身体的応答が出現することを示している。先行研究の多くは同一
    仕事率
    における回転数の違いから検討している。しかし
    仕事率
    一定の場合、回転数の変化とともにトルクも変化するため回転数以外の要因も多く含まれる。そこで、本研究ではトルクによる影響と回転数による影響を比較し検討した。【方法】 自転車エルゴメータ(Corival, Load社)使用による20watt/minのramp負荷法(60rpm)による症候限界性心肺運動負荷試験を実施し、peak wattを算出した。その後、負荷設定条件の異なる2種類の心肺運動負荷試験を実施した。両試行は3分間の安静後、4分間の運動と4分間の安静をそれぞれ4セットで構成し、各運動(ex.)の
    仕事率
    はramp負荷法により求めたPeak Wattの30%・40%・50%・60% (30%ex.・40%ex.・50%ex.・60%ex.) とした。各試行の間は最低24時間以上をあけた。1)トルク変動運動(回転数一定)回転数を60rpmに一定とし、上記の
    仕事率
    で4種類のトルクを算出した。2)回転数変動運動(トルク一定)回転数の異なる4種類(60rpm・80rpm・100rpm・120rpm)の運動を上記の
    仕事率
    とそれぞれ対応させ一定のトルクを算出した。呼気ガス測定には、MetaMax3B(Cortex社)によりBreath by Breathで連続記録した。HRはRA800CX RUN(Polar社)により測定し、血圧・心拍出量はPORTSPRES(FMS社)により測定した。筋酸素動態は組織血液酸素モニターBOM-L1TRM(オメガウェーブ社)を用い右外側広筋筋腹で測定した。各運動の最終1分間の平均値を測定値とし、30%ex.の値を基準とした百分率で表した。統計処理としては、各試行間の比較は二元配置分散分析を、同一運動強度間の比較に対応のあるt検定を用いた。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は、ヘルシンキ宣言に基づいて被験者に対し、事前に実験の目的、プロトコルおよび考えられる危険性の有無を説明した上で、実験参加の同意を得た。【結果】 回転数変動運動はトルク変動運動と比較し酸素供給系の項目が有意に高値を示した。また回転数変動運動における値の増加率は一定ではなく、二次関数的に高回転になるほど大きく増加した。筋酸素動態ではDeoxy-Hbは両試行間、各運動強度において有意な差はみられなかった。(VO2:50%ex. p=0.016, 60%ex. p=0.027、VE:50%ex. p=0.002、60%ex. p<0.001、HR:50%ex. p=0.002、60%ex. p<0.001、CO:50%ex. p=0.004, 60%ex. p=0.043、Deoxy-Hb:50%ex. p=0.9978, 60%ex. p=0.1184)【考察】 トルク変動運動に比べ回転数変動運動で酸素供給系の因子は有意に高値を示した。つまり、回転数の増加は組織の酸素需要を増加させ、その反応として換気・血流系により酸素供給が増加、結果としてエネルギー消費を増大させたると考えられる。この要因には回転数上昇に伴う筋収縮頻度増加による筋の熱産生増大(Fenn効果)や、筋収縮速度増加による運動筋のATP消費増大、また高回転運動による筋線維タイプの動員比率の影響が挙げられる。また内的
    仕事率
    のO2コストは外的
    仕事率
    のそれより大きいと報告されており、回転数の増加に伴う内的
    仕事率
    の増加も影響すると考える。これらの総和として機械的効率が低下しているためと考えられる。次に筋酸素動態に関しては、Deoxy-Hbは2施行間の各運動強度に有意差はみられなかった。Deoxy-Hbは筋血流の変化に最も鈍感で筋酸素抽出能に最も反映するとされており、負荷設定条件の違いで運動筋の酸素抽出能に及ぼす影響に差はないと考えられる。また酸素抽出能に関してはFickの法則に基づいており、次式で表される。Deoxy-Hb∝VO2m/Qm本研究では、2施行間でDeoxy-Hbに差はないが、VO2は回転数変動運動で有意に上昇した。運動時におけるVO2の上昇は運動筋のVO2mの上昇に反映することから、回転数の上昇によりVO2と同様にQmの上昇も算出できる。よって負荷設定条件の違いは末梢機能へ与える影響の差は少ないと考えられる。【理学療法学研究としての意義】 回転数による負荷設定は酸素供給系・エネルギー消費系を賦活させ、同一運動強度であっても身体的負荷量を増大させる因子であることが示唆された。一方、末梢ではVO2同様に筋血流量の増大が示唆されたものの、筋酸素抽出能などの機能には大きな違いは示さなかった。臨床応用では、回転数の増加は筋張力の増大を伴わず身体的負荷量を上昇させる点での有用性と、高回転では二次関数的に身体的負荷が増加する危険性の両方を持つ運動であると考えられる。
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