本研究では,中学生を対象に,学習者の情報活用の実践力(収集力,判断力,表現力,処理力,
創造力
,発信・伝達力)に対する熟慮・衝動型認知スタイルの影響について検討した.中学生188名を対象に,認知的熟慮性-衝動性尺度(滝聞・坂元 1991)及び情報活用の実践力尺度(高比良ほか 2001)を用いた調査を実施した.熟慮性(2)×性(2)の2要因分散分析の結果から,熟慮性の主効果が有意であった情報活用の実践力の各因子を用いて仮説的因果モデルを構成し,共分散構造分析を用いてその妥当性を検証した.その結果,学習者の熟慮性は,表現力を除く収集力,判断力,処理力,
創造力
,発信・伝達力の形成に有意な影響力を示し,特に処理力と
創造力
に対する影響力が強いことが明らかとなった.
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