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クエリ検索: "加藤みのり"
55件中 1-20の結果を表示しています
  • 市來 征仁, 渡邊 修, 岡本 裕嗣, 池田 賢一, 高嶋 博, 有村 公良
    臨床神経学
    2008年 48 巻 4 号 267-270
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/25
    ジャーナル フリー
    症例は51歳女性である.排便中に1回,入浴中に2回,のたうち回る激しい頭痛が突然に出現した.2回目の頭痛消退後,痙攣発作を呈した.頭部CT,くりかえし施行した髄液検査でくも膜下出血は否定された.頭部MRIで両側後頭葉・両側頭頂葉に拡散強調画像およびFLAIR画像で高信号域をみとめた.脳血管造影でびまん性分節状攣縮をみとめた.三回目の頭痛以降,無症状で,また4カ月後の脳血管造影では,異常は消失しており,Reversible cerebral vasoconstriction syndromeと診断した.発症誘因として,強力な鼻腔鬱血除去作用のある葛根湯加川きゅう辛夷の関与が考えられた.本例は,漢方薬が誘因と考えられた最初の報告である.
  • 古賀 優子, 磯部(黒木) 紀子, 立石 貴久, 小副川 学, 大八木 保政, 吉良 潤一
    臨床神経学
    2008年 48 巻 5 号 355-358
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/25
    ジャーナル フリー
    症例は56歳女性である.雷鳴頭痛を主訴に当院へ救急搬送されるも,頭部CT,髄液検査で異常なく帰宅した.しかし数日後,ふたたび雷鳴頭痛が出現し当院へ搬送され,来院時左下肢の痙攣をみとめた.MRIにて両側後頭葉を中心にADC値上昇をともなうT2延長領域をみとめ,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)と診断した.高血圧や免疫抑制剤の使用歴はなかった.MRAにて両側後大脳動脈を中心に脳血管攣縮をみとめたため,Ca拮抗薬を投与し,約2週間でMRI所見と共にMRA所見も改善し,ほぼ後遺症なく回復した.雷鳴頭痛およびPRESの発症に,脳血管攣縮が強く関与していることが示唆された.
  • 菅  幸生, 朝倉 英策, 吉田 知孝, 森下 英理子, 山崎 雅英, 青島 敬二, 御舘 靖雄, 水谷 朋恵, 加藤 みのり, 伊藤 貴子, 宮本 謙一, 中尾 眞二
    日本血栓止血学会誌
    2002年 13 巻 2 号 169-174
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    DICにおいて, 強力な血管収縮性ペプチドであるエンドセリン (ET) の果たす役割を明らかにするため, LPS誘発ラットDICモデルに対してET受容体拮抗薬であるTAK-044 (以下TAK) を投与し, DIC病態に対する影響を検討した. DICモデルは, Wistar系雄性ラットに対して, 尾静脈よりLPS50mg/kgを4時間かけ点滴静注し作成した. TAK投与群では, 同薬を-30分から4時間後まで持続点滴した (TAK2, 10, 50mg/kg/4. 5hr) . DICモデルに対するTAK投与により, 血中トロンビン-アンチトロンビンIII複合体 (TAT) , 血小板数, プロトロンビン時間, フィブリノゲンに対する影響はみられなかったが, 血中Dダイマーは有意に上昇し, 臓器障害のマーカーである血中クレアチニン, ALTは用量依存性に有意に抑制された. また, 腎糸球体におけるフィブリン沈着は, 同薬投与により有意に抑制された. 以上の結果より, DICの臓器障害進展にはエンドセリンも関与しているものと考えられた.
  • ―凝血学的マーカー・血管作動性物質に対する影響―
    高橋 葉子, 朝倉 英策, 表 美香, 荒幡 昌久, 門平 靖子, 前川 実生, 御舘 靖雄, 林 朋恵, 山崎 雅英, 森下 英理子, 吉田 知孝, 宮本 謙一, 中尾 眞二
    日本血栓止血学会誌
    2004年 15 巻 6 号 535-540
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    我々はこれまでの検討で,TF誘発DICモデルにおいては,一酸化窒素 (NO) の代謝産物である血中NOXが著増するが血中エンドセリン (ET) は微増にとどまることを明らかにしてきた.本研究では,同モデルに対してメシル酸ナファモスタット (FUT) を投与することによるDIC病態および血管作動性物質の動態への影響を検討した.Wistar系雄性ラットを用いて,TF 3.75単位/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注しTF誘発DICモデルを作成した.薬物投与群については,FUT 0.1mg/kg/4.5hおよび1.0mg/kg/4.5hをTF投与開始30分前から投与し,TF投与終了まで4.5時間持続点滴をした.その結果,いずれの濃度のFUTを用いた場合も,同DICモデルにおける血小板数・フィブリノゲンの低下やTATの上昇を有意に抑制し,Dダイマーの上昇を完全に抑制した.また,血尿の出現は著明に抑制された.同モデルにおける著しい血中NOX上昇は,両濃度のFUT投与によりほぼ完全に抑制された.以上,TF誘発DICモデルにおける著明な出血症状および線溶活性化 (Dダイマーの上昇) に対しFUTは著効し,本モデルに類似した臨床病態に対して,FUTは極めて有効な薬剤でないかと考えられた.また,今回の結果から,FUTのNO産生に対する強い抑制効果が明らかになり,その機序についてさらに検討すべきと考えられた.
  • 平良 翔吾, 照喜名 重朋, 安達 崇之, 玉寄 しおり, 喜久村 祐, 永山 聖光, 西平 守邦, 小禄 雅人, 下地 國浩, 潮平 芳樹, 井関 邦敏
    日本透析医学会雑誌
    2019年 52 巻 8 号 491-496
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/28
    ジャーナル フリー

    27歳, 女性. 感冒後に多関節痛と両下腿の皮疹を認め入院となり, 入院3日目より肉眼的血尿と蛋白尿を認めた. 皮膚・胃組織へのIgA沈着と腎組織でメサンギウム領域へのIgA沈着を伴う管内増殖性糸球体腎炎を認めIgA血管炎の診断となった. ステロイドパルス療法への効果は乏しく, 血漿交換・免疫抑制薬併用となり, 3回目の血漿交換翌日に全身性強直間代性痙攣を認めた. 痙攣直後のMRIにて大脳皮質の多発白質病変を認め, 痙攣16日後のMRIにて同病変の消失を認め, 可逆性白質脳症の診断となった. IgA血管炎や免疫抑制薬, ネフローゼ症候群への血漿交換など多様な要因から可逆性白質脳症をきたしたと考えられる1例を報告する.

  • 吉田 知孝, 朝倉 英策, 表  美香, 山崎 雅英, 森下 英理子, 中尾 眞司
    日本血栓止血学会誌
    2002年 13 巻 2 号 187-190
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
  • 水谷 実, 中森 良樹, 坂口 春奈, 景山 裕紀, 大矢 瑛子, 伊野 和子, 鈴木 圭, 関根 隆夫
    臨床血液
    2013年 54 巻 3 号 269-272
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/04/03
    ジャーナル 認証あり
    症例は61歳女性。右顎下部腫瘤の生検とCT検査結果からびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)病期IIIAと診断された。初回CHOP療法の8日目に行った初回リツキシマブの投与中に,見当識障害,痙攣,意識障害,視覚障害,低ナトリウム血症,血圧上昇が認められた。MRI検査では後方優位の両大脳,両小脳にT2強調,FLAIR画像の高信号を認め,同部位での拡散強調画像では高信号なしの所見を認め,可逆性後頭葉白質脳症(reversible posterior leukoencephalopathy syndrome, RPLS)と診断した。また,低ナトリウム血症の原因は抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)であった。血清電解質と血圧の補正に伴い意識は回復し,痙攣出現から40時間後には全ての神経障害は回復した。以後RPLSの再燃なく7回のCHOP療法と7回のリツキシマブ投与を行った。RPLSはDLBCLに対する化学療法の稀な合併症だが,治療中に急性神経症状を呈した場合に考慮する必要がある。
  • 伊藤 泰広, 河合 真, 安田 武司
    日本集中治療医学会雑誌
    2008年 15 巻 4 号 480-484
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2009/04/20
    ジャーナル フリー
  • 中埜 秀史, 佐塚 太一郎, 内藤 克美
    有病者歯科医療
    2002年 11 巻 2 号 91-95
    発行日: 2002/08/31
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    慢性DICを併発していた抜歯後出血患者に対し止血に苦慮した症例を経験したので報告する. 右側上顎中切歯抜歯窩からの出血で酸化セルロース (サージセル®) を挿入, 縫合止血した. 再出血を繰り返したため入院となった. 血液検査でPLT 154×103/μlであったが血清FDP 200μg/ml以上と異常線溶充進状態であった. 止血処置はセルロイドシーネにて圧迫をしたが, 翌日には出血する状態であった. 心臓血管外科にコンサルトした結果, 大動脈瘤解離腔残存による慢性DICと判明した. そこで第5病日よりメシル酸ガベキサート (FOY®) およびヘパリンを使用したところ血清FDPは11.56μg/mlまで低下し徐々に止血された. 第15病日, セルロイドシーネを除去し第25病日, 創部治癒良好にて退院となった.
    慢性DIC患者は, 血小板数が正常でも止血は困難であった.
  • 康 秀男, 山根 孝久, 中根 孝彦, 武岡 康信, 坂本 恵利奈, 金島 広, 中前 美佳, 中前 博久, 高 起良, 望月 邦三, 林 紀子, 日野 雅之
    臨床血液
    2006年 47 巻 12 号 1539-1543
    発行日: 2006/12/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    骨髄異形成症候群 (18歳女性) に対し, 平成17年5月25日に臍帯血移植を行った。前処置治療は全身放射線照射, cytarabineおよびcyclophosphamide併用療法を施行, 急性GVHD予防にはcyclosporine A (CsA) と短期methotrexateを用いた。移植後第30病日に好中球生着, 第45病日に急性GVHD II度を発症したためステロイド投与を開始した。第68病日に意識消失, 血圧上昇, 左上下肢麻痺出現後, 全身性痙攣を発症した。頭部CTでは右基底核にmass effect, MRIでは両側基底核, 両側後頭葉に高信号が認められ, 腫瘍あるいは感染病変が疑われた。しかしapparent diffusion coefficient (ADC) map, 髄液検査の検討により血管性浮腫によるmass effectが疑われ, 非典型的CsA脳症を考えた。CsAの中止後, 速やかに症状, 画像所見ともに改善した。本症例はmass effectを伴った稀なatypical reversible posterior leukoencephalopathy syndromeであり, その診断にはMRIによるADC mapが有用であった。
  • 臨床およびMRI画像の検討
    小一原 玲子, 浜野 晋一郎
    脳と発達
    2008年 40 巻 5 号 375-380
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Posterior leukoencephalopathy syndrome (PLES) の小児8例を高血圧性緊急症の有無と, 病変の可逆性で分類して, 臨床徴候を検討しPLESの病態について考察した. 結果は高血圧群の半数において病変は非可逆性変化を示した. それらは治療介入までの時間が長く, PLESの神経学的予後に治療開始遅延が関与すると推測された. 非高血圧群では全例で可逆性変化を示し, 機序として血管内皮障害を示唆するものが含まれた. 小児期では, 著明な高血圧を呈さなくともPLESを引き起こす可能性がある. 著明な高血圧を伴う場合は, 非可逆性変化を来し後遺症を残すこともあり, 迅速な対応に留意することが肝要と思われた.
  • ―凝血学的マーカー,血中サイトカイン濃度に対する影響―
    久保 杏奈, 朝倉 英策, 表 美香, 荒幡 昌久, 門平 靖子, 前川 実生, 御舘 靖雄, 林 朋恵, 山崎 雅英, 森下 英理子, 吉田 知孝, 宮本 謙一, 中尾 眞二
    日本血栓止血学会誌
    2005年 16 巻 4 号 372-377
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/05/15
    ジャーナル フリー
    lipopolysaccharide(LPS)誘発ラットdisseminated intravascular coagulation(DIC)モデルに対して,PGI2誘導体であるベラプロストナトリウム(BPS)を投与することに伴う病態への影響を検討した.Wistar系雄性ラットを用いて,LPS 5.0 mg/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注し,LPS誘発DICモデルを作成した.BPS単独とLPS+BPS投与群については,BPS 0.2 mg/kgをLPS投与開始30分前から投与し,LPS投与終了まで4.5 時間持続点滴した.その結果,BPSはLPSによる血小板数およびフィブリノゲンの低下を有意に抑制し,thrombin-antithrombin complex(TAT)およびD-ダイマーの上昇を有意に抑制した.また,肝,腎障害も有意に改善した.同モデルにおいては血中tumor necrosis factor-α(TNF-α)およびinterleukin-6(IL-6)濃度の上昇がみられたが,BPS投与により有意に抑制された.以上より,LPS誘発ラットDICモデルに対するBPSの投与は,炎症性サイトカインの抑制,及びDICの改善効果が確認された.
  • —抗線溶剤投与に伴う影響—
    佐野 陽子, 朝倉 英策, 吉田 知孝, 浅村 梨沙, 山崎 雅英, 森下 英理子, 御舘 靖雄, 水谷 朋恵, 金田 みのり, 伊藤 貴子, 宮本 謙一, 中尾 眞二
    日本血栓止血学会誌
    2002年 13 巻 4 号 319-325
    発行日: 2002年
    公開日: 2009/04/02
    ジャーナル フリー
    組織因子(TF)誘発DICモデルにおいては, 臓器におけるフィブリン沈着は軽度で, 臓器障害をきたしにくいという特徴があることを, 今までの我々の検討より明らかにした. 本研究では, 同モデルにおいて臓器障害がみられないのは, 線溶活性化が主因であるかどうかを明確にするため, 抗線溶薬投与による影響を検討した. また, DICモデルにおける出血症状の発現機序についても検討した. TF誘発DICモデルは, Wistar系雄性ラットを用いてTF3. 75単位/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注し作成した.薬物投与群については, トラネキサム酸 (TA) 50mg/kgまたは低分子ヘパリン (LMWH)200U/kgをTF投与開始30分前から投与し, TF投与終了まで4. 5時間持続点滴した. TF誘発DICモデルにおいては腎障害および腎糸球体フィブリン沈着はほとんどみられなかったが, TAを投与するといずれも有意に出現した. 同モデルにおける出血症状としての血尿は, 4~8時間後に高頻度に出現したが, TAおよびLMWHのいずれの薬物投与によっても有意に抑制された. 以上より, TF誘発DICモデルにおいて臓器症状があまりみられないのは, 線溶活性化が主因であると考えられた. また, 出血症状は消費性凝固障害と高度な線溶活性化が合併して初めて出現するものと考えられた.
  • 内藤 裕之, 山崎 雄, 高橋 哲也, 越智 一秀, 岐浦 禎展, 松本 昌泰
    臨床神経学
    2013年 53 巻 7 号 518-525
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/26
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性である.未破裂脳底動脈先端部脳動脈瘤に対しコイル塞栓術を受けた約3週間後から新たに後頭部を中心とした頭痛が出現した.頭部MRIにて両側小脳,右上小脳脚,左視床,両側後頭葉皮質白質から側頭葉白質にT2強調画像およびFLAIR画像で高信号を示す多発性病変を指摘され,入院精査を受けた.髄液蛋白は69 mg/dlと上昇していたが,その他基礎疾患を示唆する所見はみとめなかった.コイル塞栓術後約12週間の時点で頭痛および臨床所見は改善し,MRI 所見は消退傾向を示した.脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後に発症したposterior reversible encephalopathy syndromeのまれな1例であり,比較的軽微な症状でコイル塞栓術後亜急性期に発症した点が特徴的と考えられた.
  • 小倉 礼, 鈴木 淳一郎, 今井 和憲, 西田 卓, 加藤 隆士, 安田 武司, 伊藤 泰広
    臨床神経学
    2013年 53 巻 8 号 618-623
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    症例は59歳女性である.雷鳴頭痛で発症し,画像上皮質性くも膜下出血(cSAH)を呈し,脳血管造影でreversible cerebral vasoconstriction syndrome(RCVS)と診断した.脳血管収縮は当初MRAでは検出できず,後にWillis動脈輪周囲に収縮像が出現し,頭痛と血管収縮の出現には時間差があった.臨床症状も頭部CT/MRI/MRA所見も可逆性で転帰は良好に思われたが,脳血流シンチグラフィー(SEPCT)eZIS画像でcSAHをきたした部位の血流低下は15ヵ月後も回復せず非可逆的な可能性が示唆された.SEPCTはRCVSの障害部位を検出する上で有効と考えられた.
  • 奥平 真理子, 朝倉 英策, 佐野 陽子, 菅 幸生, 山崎 雅英, 青島 敬二, 森下 英理子, 斉藤 正典, 御館 靖雄, 水谷 朋恵, 加藤 みのり, 伊藤 貴子, 宮本 謙一, 中尾 眞二
    日本血栓止血学会誌
    2001年 12 巻 4 号 273-279
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/05/12
    ジャーナル フリー
    DICにおける多臓器不全 (MOF) の進展は, 多発した微小血栓による微小循環障害が主因と考えられてきた. この度, これに加えて, 血管作動性物質である一酸化窒素 (NO ; 代謝産物はNOX) およびエンドセリン (ET) がDIC病態に関連していないかどうかラットDICモデルを用いて検討した. Wistar系ラットを用いて, LPS誘発DICモデルはLPS50mg/kg, TF誘発DICモデルはTF3.75単位/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注し作成し, 血中D-dimer, NOX, ETを測定し, 腎糸球体フィブリン沈着 (GFD) を病理学的に検討した. LPS誘発DICモデルにおいては, 血中ETの有意な上昇, 腎糸球体フィブリン沈着は高度であったが, D-dimerの上昇は軽度であった. 一方, TF誘発DICモデルにおいては, 血中D-dimer, NOXの上昇は著明であったがフィブリン沈着はまったくみられなかった. 血管作動性物質は, LPSモデルにおいては臓器障害の進展 (ETによる微小循環障害) に, TFモデルにおいては臓器障害の阻止 (NOによる血流維持) に関連している可能性があり, 今後検討すべき点と思われた.
  • 辻 裕丈, 近藤 直英, 山本 亜紀子, 藤田 嘉子, 西田 卓, 鈴木 淳一郎, 米田 厚子, 宮崎 みどり, 清水 由美子, 安田 武司, 伊藤 泰広
    脳卒中
    2008年 30 巻 5 号 651-659
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/30
    ジャーナル フリー
    急性期の脳卒中患者のトリアージと,特にt-PA療法の適応のある脳梗塞患者のトリアージを目的にして,救急隊と脳卒中プレホスピタルスケール(TOPSPIN:TOYOTA prehospital stroke scale for t-PA intravenous therapy-経静脈的t-PA療法のためのトヨタ脳卒中プレホスピタルスケール-)を導入した.今回,このTOPSPINに連動し,特に超急性期t-PA療法に対する院内体制の迅速化,標準化を計るため,(1)救急外来で脳卒中の鑑別と,特に脳梗塞ではt-PA療法の適否決定のための諸検査を実施するパス(TOPSPIN path),(2)ICUでt-PA療法を遂行するパス(TOPSPEED:TOYOTA path for stroke with t-PA therapy after emergency evaluation and decision-緊急評価と決定後のt-PA療法のためのトヨタ脳卒中パス-),(3)ICU/SUで後療法を行うパス(TOPSTAR Jr.:TOYOTA path for stroke treatment, activity and rehabilitation judged by reexaminations-再評価で決定された治療,活動度,リハビリテーションのためのトヨタ脳卒中パス-)からなる,電子パス診療システム(3 TOP system)を構築した.
    2007年4月1日の3 TOP system導入後,96例がTOPSPINで搬送され,11例でt-PAが投与された.TOPSPINと,これに連動した3 TOP systemは,t-PA療法の迅速・確実な診療に有効である.
  • 田村 麻子, 佐々木良元, 賀川 賢, 中谷 中, 小坂 仁, 冨本 秀和
    臨床神経学
    2014年 54 巻 3 号 200-206
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/04/04
    ジャーナル フリー
    症例は35歳女性である.亜急性に知的機能低下が進行し,血漿総ホモシステイン(tHcy)上昇,葉酸低下,MRI FLAIR画像で後方優位の白質,両側錐体路に高信号をみとめた.メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(methylenetetrahydrofolate reductase; MTHFR)欠損症をうたがい,葉酸,ビタミンB12,B6を投与し,臨床症状,tHcy値,画像所見が改善した.MTHFR活性測定の結果,いちじるしい酵素活性の低下をみとめ,遺伝子解析の結果,二つの一塩基多型(single nucleotide polymorphism; SNP)をホモ接合性に有していることが原因と考えられた.
  • 太田 裕, 小西 莉奈, 恒遠 啓示, 大道 正英
    産婦人科の進歩
    2022年 74 巻 1 号 136-141
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル 認証あり

    可逆性後頭葉白質脳症(posterior reversible encephalopathy syndrome;PRES)は後頭葉の白質を中心に一過性の脳浮腫をきたし,痙攣,意識障害,視野障害などの症状をきたす.今回,子宮筋腫に対する腹腔鏡下子宮全摘出術後にPRESを発症した1例を経験したので報告する.患者は48歳,未妊,既往歴・家族歴はとくになく,過多月経を主訴に近医を受診し子宮筋腫を認めた.前医にてGnRHアンタゴニストにより偽閉経療法を施行され,手術による加療を希望し当院へ紹介となった.骨盤MRIでは最大6 cm大の多発筋腫を認め,腹腔鏡下子宮全摘出術を施行した.術前の血圧が160/97 mmHgと高値であったが,高血圧の既往なく経過観察とした.術中には195/101 mmHgまで上昇したが,ニカルジピン塩酸塩の静脈内投与により降圧をはかった.術後3時間後と8時間後に収縮期血圧が200 mmHg前後となったが,自覚症状はなく降圧薬頓服で経過観察とした.術後13時間の時点で収縮期血圧>200 mmHgが持続し頭痛も出現したため,降圧薬の点滴による持続投与を開始したが軽快せず,術後15時間後にJCSIII-200の意識障害,強直性痙攣を認めた.頭部CTで頭頂葉から後頭葉に低吸収域を認め,MRIで同部位にDWI高信号を認めたためPRESを疑った.降圧療法を継続したが,術後16時間後に再度強直性痙攣を認めたため抗てんかん薬を開始し,その後は痙攣なく経過した.PRES発症後より視力障害・視野障害を認めたが,術後30時間後ごろより血圧のコントロールが安定し症状は改善傾向となった.また術後7日目に撮影した頭部MRIでは病変は縮小していた.術後,血圧高値が持続し突然の意識障害・痙攣を認めた場合は,PRESの発症を念頭において速やかに原因精査と治療を行うことが必要である.〔産婦の進歩74(1):136-141,2022(令和4年2月)〕

  • 川口 真弓, 緒方 浩美, 岩崎 桂子, 井上 朱実
    糖尿病
    2012年 55 巻 2 号 129-135
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/03/09
    ジャーナル フリー
    症例は75歳女性.58歳発症の1型糖尿病として,インスリン強化療法を施行されていた.意識障害にて救急搬送.救急外来での診察時には,中心部しか見えないという訴えあり,右側同名性半盲を認めた.頭部MRIで両側後頭葉,小脳半球にFLAIR像で高信号,拡散強調画像でもやや高信号の病変を認めた.脳梗塞も疑われたが,血糖改善とともに意識,視野の速やかな改善を認めた.第11病日の頭部MRIでも著明な改善を認め,PRES(posterior reversible encephalopathy syndrome)と考えた.急性期のMRI撮影が可能となり,PRESという疾患概念が広がるにつれ,糖尿病患者における,PRESの報告も増えてきている.多くは血圧等,他の要因も重なっており,高血糖のみでPRESが発症しうるのかは,まだ不明である.いくつかの報告から,その考察もおこなった.治療,予後とも脳梗塞やてんかんとは異なるところがあり,疾患の認識が必要である.
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