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クエリ検索: "助詞"
7,153件中 1-20の結果を表示しています
  • 「よ」「ね」「な」を中心として
    中川 裕志, 小野 晋
    自然言語処理
    1996年 3 巻 2 号 3-18
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    助詞
    「よ」「ね」「な」は, 書き言葉の文には殆んど用いられないが, 日常会話において頻繁に使われており, 文全体の解釈に及ぼす影響が大きい. そのため, 機械による会話理解には, 終
    助詞
    の機能の研究は不可欠である. 本論文では, 代表的な終
    助詞
    「よ」「ね」「な」について, 階層的記憶モデルによる終
    助詞
    の機能を提案する. まず, 終
    助詞
    「よ」の機能は, 文の表す命題が発話以前に記憶中のある階層に存在することを表すことである. 次に, 終
    助詞
    「ね」「な」の機能は, 文の表す命題を記憶中に保存する処理をモニターすることである. 本稿で提案する機能は, 従来の終
    助詞の機能が説明してきた終助詞
    「よ」「ね」「な」の用法を全て説明できるだけでなく, 従来のものでは説明できなかった終
    助詞
    の用法を説明できる.
  • 福島 和郎
    読書科学
    2008年 51 巻 2 号 66-73
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2020/01/23
    ジャーナル フリー

    The sentence final particles “yo” and “ne” have been studied from various perspectives, such as Japanese grammar, cognitive science, and autism. However, most studies have characterized “yo” and “ne” according the researcherʼs individual interpretations of a small set of examples. This study established some impression items based on definitions from previous studies and presented participants with seven typical sentence patterns involving either “yo”, “ne” or no particle, and obtained impression ratings for each sentence utilizing the questionnaire method. The results indicate that sentences without a particle elicit impressions of being “easy to understand”, sentences with “yo” have the effect of directing listener attention to the speakerʼs thoughts and feelings, and sentences with “ne” evoke impressions of being “comfortable to hear” and have the effect of eliciting the listenerʼs thoughts and feelings. These results highlight how speech functions in conveying messages and prompting interaction, for while sentences without particles are associated mainly with conveying the message, the particles of “yo” and “ne” emphasize interaction.

  • ―前接詞が助詞の場合を中心に―
    李 坤
    ことば
    2023年 44 巻 91-108
    発行日: 2023/12/31
    公開日: 2023/12/31
    ジャーナル フリー

    本稿では主に中国語母語話者日本語学習者の「を」の不使用と過剰使用の誤用データを手掛かりに、前接詞が

    助詞
    の場合における、「を」の後接の可否および学習者の誤用要因について検討した。結果は以下のとおりである。①学習者の過剰使用は主に格
    助詞ととりたて助詞
    に集中しており、不使用は主に並列
    助詞ととりたて助詞
    に集中している。②格
    助詞
    、並列
    助詞
    の誤用は主に学習歴が短い学習者に集中しているが、とりたて
    助詞
    の誤用は学習歴の増加につれ、誤用率も上がっていく。③格
    助詞と並列助詞
    の場合、学習者の誤用は主に文法ルールを理解できていないことが原因である。④とりたて
    助詞
    の場合、学習者の誤用要因は文法ルール違反、名詞成分と述語との関係の混乱、「を」の後接の有無と文体との関係の不理解、使用条件の不理解という4点が考えられる。

  • 福島 和郎
    読書科学
    2010年 53 巻 3 号 72-82
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2019/05/20
    ジャーナル フリー

    This study examines the functions of the sentence final particles and interjections“yo”and“ne”within interpersonal communication. The following hypotheses are proposed. First, “yo”and “ne”function in providing information about the speakerʼs attitudes which facilitates the interpretation of their message within interpersonal communication,similar to non-verbal communication represented by paralanguage. Secondly, “yo”marks attitudes that relate to utterances within the speakerʼs cognitive framework,such as the speakerʼs experience,recognitions,judgments,estimations, and wishes. In contrast, “ne”signifies utterances that relate to the listenerʼs cognitive framework, such as confirming meanings,connecting to matters under consideration,and deciding to consent. Thirdly,“yone”is regarded as being a combination of “yo”and “ne”. In order to investigate these hypotheses, this study attempts to apply interpretations based on these hypotheses to utterances within conversational and counseling data. The results support the hypotheses and suggest that “yo”and “ne”function to facilitate the communication of information and to adjust interpersonal relations.

  • 岡田 美穂, 林田 実
    日本語教育
    2016年 163 巻 48-63
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/04/26
    ジャーナル フリー

     本研究は,①「あの喫茶店コーヒーを飲む」のような誤用がどのような用法の「に」と動作場所を表す「で」の混同によるものであるかに焦点を当て,日本語学習者の「に」と「で」の習得の様子を探ったものである。まず,①の「に」を用いるという中級レベルの中国語話者計47人に対し翻訳調査などの予備調査を実施した。次に,日本語能力試験のN2に合格している中国語話者49人に対し「あの食堂(に・で・を・から)食事する」のような格

    助詞
    選択テスト式の調査を行い,49人の内10人にフォローアップインタビューを行った。回帰分析の結果,①の「で」→「に」は移動先を表す「に」と動作場所を表す「で」の混同による可能性があることが分かった。日本語学習者の習得は「場所への移動がある」と判断された場合に①の「に」が産出されるという段階を経て,その後,移動先を表す「に」と動作場所を表す「で」を正しく用いる段階に至るのではないかと考えられた。

  • ―教材のオンライン化を目指して―
    家田 章子, 中村 かおり
    日本語教育方法研究会誌
    2018年 24 巻 2 号 114-115
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    Following face-to-face JSL lessons in which particles were presented with the images that L1 users would associate with each of them, we developed online materials to further help learners internalize what they learned. A post-test revealed that beginning students' scores improved regardless of the use of the online materials. On the other hand, intermediate and advanced students' scores did not improve after using the online materials, although those who attended the face-to-face sessions scored higher than those who did not. The result of a student survey suggested that the online materials would be improved with sound, more explanations and exercises.
  • 玉岡 賀津雄
    自然言語処理
    2006年 13 巻 2 号 169-179
    発行日: 2006/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    SPSS社のAnswerTree3.0Jに搭載されたCHAIDで決定木を描く統計手法が, コーパスから得られる2つ以上の変数からなる共起頻度を分析するのに有効であるかどうかを検討した・本研究では, 3種類の接続
    助詞
    「から」「ので」「のに」が, 7種類の副詞「何しろ」「何せ」「せっかく」「現に」「どうせ」「実際」「本当に」と共起する場合に, 文中と文末の表現でどちらが使われるかを, 新潮文庫100冊を使って解析した.決定木 (図1を参照) は, 3種類の接続
    助詞
    と7種類の副詞の共起頻度によって, 接続
    助詞
    の位置が文中にくるか文末にくるかを予測するという分析結果を描いたものである.決定木から5つの特徴を読み取ることができる.まず第1に, 接続
    助詞
    「ので」と「から」が副詞との共起頻度において文中・文末で顕著な違いを示した.「ので」は文末ではほとんどみられず (5回あるいは4.59%), 「から」は頻繁にみられた (220回あるいは31.56%).第2に, 副詞「何しろ」と接続
    助詞
    「から」がもっとも典型的な文末表現であることが分かった (この種の組み合わせの合計324回のうち140回あるいは43.21%).第3に, 接続
    助詞
    「から」と副詞の「せっかく」の共起は, かなりあるものの, 文末では非常に少ないことも分かった (この種の組み合わせの合計67回のうち6回あるいは8.96%).第4に, 接続
    助詞
    「から」と副詞「何せ」「現に」「どうせ」「実際」「本当に」はいずれも, 文中・文末にほぼ同じようなパターンで共起していることも示された.第5に, 接続
    助詞
    「のに」は副詞の文中・文末の共起パターン (文中が78。82%, 文末が21.18%) が, 全体の共起頻度 (文中が72.73%, 文末が27.27%) と類似していた.以上のように, AnswerTree3.0Jによる決定木の手法は, 複数の変数からなる共起頻度データを構造的に分析することができ, 今後のコーパス研究において有効な手段の一つとなるであろう.
  • テレビゲーム『ドラゴンクエスト3』を例に
    麻 子軒
    計量国語学
    2019年 32 巻 2 号 103-116
    発行日: 2019/06/20
    公開日: 2020/09/20
    ジャーナル オープンアクセス
    役割語をテレビゲームという新しい言語資料を用いて,計量的アプローチで分類・抽出した.『ドラゴンクエスト3』のキャラクターの発話における代名詞や
    助詞
    などの特徴量をクラスター分析と特化係数で解析した結果,①格
    助詞
    「が/を」,副
    助詞
    「は」があまり用いられない「異人ことば」,②代名詞「あたし」,助動詞「ちゃう」,副
    助詞
    「ったら/なんて」,接続
    助詞
    「けれど」,終
    助詞
    「かしら/もの/わ/の/ね」,感動詞「きゃー/まあ/あら」が多用された「女ことば」,③特徴語が観察されない「中立ことば」,④代名詞「そなた/わし」,助動詞「じゃ/とる/である/まい」,副
    助詞
    「なぞ」,終
    助詞
    「のう/ぞい/ぞ」,感動詞「やれやれ」が多く見られる「老人ことば」,⑤代名詞「おめえ/オレ/あんた」,助動詞「やがる/ちまう/てやる」,副
    助詞
    「なんか」,終
    助詞
    「ぜ/い/さ」,感動詞「へい/おい」が特徴的な「男ことば」,⑥代名詞「ボク」,終
    助詞
    「よう/さ/や/なあ」,準体
    助詞
    「ん」,感動詞「わーい/ねえ」が多用された「少年ことば」の6つの分類を得た上,従来では注目されていない副
    助詞と接続助詞
    も役割語的要素である可能性を示した.
  • —助詞と動詞の結びつきを中心に—
    餅田 亜希子, 小嶋 知幸, 中野 洋, 加藤 正弘
    失語症研究
    1995年 15 巻 4 号 329-337
    発行日: 1995年
    公開日: 2006/06/02
    ジャーナル フリー
    われわれは先に,失語症者の
    助詞選択のストラテジーについて主に名詞と助詞
    の結合率という観点から検討し,名詞と
    助詞
    との音韻的/意味的結合頻度,動詞からみた格
    助詞
    の意味役割,文理解の障害などが
    助詞
    選択のストラテジーに影響を与えているとの知見を得た (小嶋ら1995)。今回は同一の基礎資料をもとに,さらに
    助詞
    と動詞の結合という観点から検討した。対象 (慢性期失語症者40例),基礎資料 (正常者の話し言葉の計量言語データ),問題文および出題方法 (「名詞 (
    助詞
    ) 動詞」の2文節文に5者択一で
    助詞
    を挿入する方式) は前回の報告と同一である。結果,
    助詞
    と動詞の結合率は,名詞と
    助詞
    の結合率とは異なり,2文節文における
    助詞
    選択の難易度に影響を与えていなかった。また,失語症者における
    助詞
    の運用の障害とその訓練法を考える上で,現実の発話現象をもとに算出した「
    助詞
    と他の品詞との結合率」という概念を導入することの意義について論じた。
  • 藪崎 淳子
    日本語教育
    2017年 166 巻 15-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/26
    ジャーナル フリー

     本稿は,「取り立て」とは何かを再考するものである。「係

    助詞
    」「副
    助詞
    」という伝統的カテゴリーの別を排し,両者に共通するところを括る「取り立て」は,日本語学だけでなく,日本語教育の分野においても用いられる術語である。しかし,「取り立て」とは何かについて一定の見解はなく,範列関係を表すものを「取り立て」とする立場と,範列関係を表すことに加えて「要素をきわだたせる」ものを「取り立て」とする立場がある。この定義の差によって扱いの異なる,概数を表すグライ・バカリ,順序を表すカラ・マデの検証を通じ,「取り立て」の意味を考える。そして,「取り立て」とは範列関係を表すものであると捉えると,形式間に見られる分類基準の差を解消でき,さらには
    助詞
    だけでなく,類義の副詞も含めた「取り立て」形式の体系を成す上でも有意であると主張する。また,本稿の議論が日本語教育にどう関わるのかにも言及する。

  • —名詞と助詞の結びつきを中心に—
    小嶋 知幸, 宇野 彰, 餅田 亜希子, 中野 洋, 加藤 正弘
    失語症研究
    1995年 15 巻 3 号 249-261
    発行日: 1995年
    公開日: 2006/06/02
    ジャーナル フリー
    失語症者の
    助詞
    選択のストラテジーについて,主に名詞と
    助詞
    の結び付きという観点から検討した。課題は選択式による
    助詞
    穴埋め課題である。問題文は「名詞 (
    助詞
    ) 動詞」の2語文で,あらかじめ名詞の出現度数 (語頻度) と,5つの格
    助詞
    が名詞に結合する頻度を調査した。語頻度調査は,正常者の話し言葉の計量言語データ (総語数494, 956語) を用いた。問題文は総数233で,含まれる
    助詞
    は「を」 (76) 「から」 (4) 「が」 (67) 「で」 (25) 「に」 (30) である。また,名詞句 (名詞+
    助詞
    ) の意味役割が動詞にとって必須成分である文197,任意成分である文27である。対象は慢性期失語症者40例(Wernicke 14 例, Broca 9 例,混合3例,伝導4例,健忘10例) 。結果, 1. (a) 名詞と
    助詞
    との結合頻度, (b) 動詞からみた名詞句の意味役割の必須/任意性が
    助詞
    選択の難易度に影響を与えていた。 2.理解障害の重症度が
    助詞
    選択能力に反映されていた。
  • ——無助詞と「の」と「が」の相互関係——
    金 銀珠
    日本語の研究
    2016年 12 巻 4 号 118-134
    発行日: 2016/10/01
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー

    本稿は中古語の名詞節において主語を表示する「の」と「が」および無

    助詞
    の機能の違いを節内の主語,述語,被修飾語の総合的特徴と構造体系の相互関係に注目して明らかにした。中古語の名詞節における主語の表示は「構造の大きさ」と「指示」という二つの指標で条件づけられ,無
    助詞
    は節の内部の小さい構造の主語を表示する形態で,「の」は節の構造が拡張されている時の主語を表示する形態として機能している。「が」は「の」と無
    助詞
    の中間に位置する。各形態には特異な使用分布が観察されるが,これは本質的には構造の大きさに依拠して現れる相互補い合いの現象である。「が」は前接語を強く「指示」する機能を持ち,これにより主語の表示には「構造の大きさ」とは別の新たな指標が加わる。「が」は前接語に人を指す語を取ることが多かったことが機縁で節内述語が活動述語に偏るようになったと考えられる。

  • ―格助詞「ガ」を中心に―
    宮本 恵美
    敬心・研究ジャーナル
    2017年 1 巻 2 号 87-92
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/09/20
    ジャーナル フリー

     軽度失語症者の格

    助詞
    「ガ」の構文ネットワーク構造について明らかにするために、軽度失語症者に対して文想起課題を実施した。文想起課題の結果から、軽度失語症者は、プロトタイプである「動作主」の用法は、比較的良好に保たれていることが明らかとなった。

     以上の結果をもとに、軽度失語症者の格

    助詞
    「ガ」に関する評価法と訓練法について提案した。格
    助詞
    「ガ」の評価法は、中心的な用法である「動作主」の用法について調査し、その後、周辺的な用法に移行していく。また、訓練方法は、状況画とイメージ図を用い、評価結果から明らかとした障害された意味用法から周辺的用法に向けて改善を図っていくことを提案した。

  • 斎藤 里美
    人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
    2021年 93 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/20
    会議録・要旨集 フリー

    背景と目的:日本人の日常会話では終

    助詞
    「ね」の使用が欠かせないと言われる一方、日本語学習者の「ね」の過剰使用が失礼に感じられるとの指摘がある。そこでI-JAS「多言語母語話者の日本語学習者横断コーパス」の海外環境、国内自然環境、国内教室環境の学習者および日本語母語話者計875人分の対話データから「ね」の使用を調べた。結果:100万語あたりの「ね」の使用頻度は母語話者>国内自然環境>国内教室環境>海外環境の順に多かった。「ね」の過剰使用ではなく、母語者とは異なる使用が学習者過剰使用の印象につながっている可能性がある。また、母語話者は男女、年代問わず協力者50人全員が終
    助詞
    「ね」を使用していた。今後の展望:「ね」の調査から、母語話の対話に「共話」的な特徴や、終
    助詞
    「か」から終
    助詞
    「ね」での応答、終
    助詞
    「よね」で共感するような対話が見られた。今後そうした点を数値的に明らかにしていきたい。

  • —2歳以降の助詞の使用分析から—
    山﨑 志穂, 小坂 美鶴
    音声言語医学
    2022年 63 巻 3 号 163-170
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/29
    ジャーナル フリー

    日本語を母語とする2歳前後の幼児を対象とした構文発達に関する総合的な研究は少なく,その過程は明らかとなっていない.本研究の対象は,継続的な観察に同意を得ることのできた女児3名である.観察期間は2歳0ヵ月〜2歳6ヵ月までであり,母子相互作用のなかでの

    助詞
    の使用頻度を縦断的に観察し,個人差や共通性について比較検討した.3名ともに2歳0ヵ月にはすでにいくつかの
    助詞
    の出現が見られた.観察期間中に3名が獲得した
    助詞
    は,終
    助詞
    ,格
    助詞
    ,接続
    助詞
    ,係
    助詞
    とさまざまであった.係
    助詞
    「は」「も」は早期に獲得されたが,格
    助詞
    「が」は他の
    助詞
    よりも数ヵ月遅れた.また,個人差も大きく,2語文が遅かった児はその後の観察においても
    助詞
    の数量や種類ともに少なく,緩やかな発達であった.自然発話場面での2歳以降の
    助詞
    の種類や使用頻度の観察は,その後の構文発達において重要な指標となりうると考えられた.

  • ——今昔物語集の「より」「を」——
    松本 昂大
    日本語の研究
    2016年 12 巻 4 号 86-102
    発行日: 2016/10/01
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー

    本稿では,移動動詞に係る格

    助詞
    「より」と「を」が,「起点」と「経路」のどちらを表すかを検討する。「より」「を」を承けるかどうかと,その
    助詞
    が「起点」と「経路」のどちらを表すかという観点から,移動動詞をA~D類の4種に分類した。A類の動詞は,「より」「を」を承け,「より」は「起点」と「経路」を表し,「を」は「起点」のみを表す。B類の動詞は「より」,C類の動詞は「を」,D類の動詞は「より」「を」を承け,それらはすべて「起点」のみを表す。D類の「出づ」は「出現」を表す場合は「より」,「出発」を表す場合は「を」と結びつくという傾向が見られ,「出現」はB類,「出発」はC類の動詞と意味的特徴が共通する。以上のことから,
    助詞
    の用法は移動動詞の意味的特徴によって決定されるということを主張する。

  • 富岡 宏太
    日本語の研究
    2017年 13 巻 4 号 84-68
    発行日: 2017/10/01
    公開日: 2018/04/01
    ジャーナル フリー

    本稿では、中古和文資料を対象に、

    助詞
    カシの意味を明らかにする。

    まず、カシの上接句の特徴を検討した。その結果、事実そのものも、事実であると確信しうるだけの根拠も他者と共有できない事柄(以下、非共有事項と呼ぶ)を表すものに限られることがわかった。次に、カシ自体が担う意味を擬似的不定化であると仮定した。ここまでの仮定は、終止形終止の例とカシの下接する例とにおける、助動詞の分布の違いを調査することにより、裏付けられる。

    カシの意味を擬似的不定化と考えると、他の活用形や、

    助詞
    ゾにカシが下接した例についても説明できる。さらに、先行研究との関係についても、説明が容易になる。

  • ―世代別データに注目して―
    深尾 まどか
    日本語教育
    2019年 173 巻 31-45
    発行日: 2019/08/25
    公開日: 2021/08/28
    ジャーナル フリー

     『名大会話コーパス』を対象に終

    助詞
    「わ」の使用の実態を見た。世代別データの分析を通して次のことが明らかになった。60歳以上の女性の94%が「わ」類を使用し,「わ」「わね」「わよ」の1人あたりの使用頻度も高い。一方,10代~50代の女性の約70%~80%に「わ」類の使用が見られたが,1人あたりの使用頻度が60歳以上の女性に比べ低い。「わ」類の中で,10代~50代の女性は「わ」の使用が最も多く,次に「わね」,そして「わよ」と少なくなる。男性の「わ」類の使用率は20代が67%と高く,使用頻度も同世代の女性よりやや高い。若い世代では,単に感情を表出したり,事実や話し手の主張を伝える発話だけではなく,反論する,共感する,軽口をたたく,冗談を言うなど様々な場面で「わ」が単独で選択,使用され,会話が活発にやり取りされている様子が観察された。

  • ムフタル マフスット, 小川 泰弘, 稲垣 康善
    自然言語処理
    2001年 8 巻 3 号 123-142
    発行日: 2001/07/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    日本語とウイグル語は共に膠着語であり, 語順がほぼ同じであるなどの構文的類似性が見られる. そのため, 日本語-ウイグル語機械翻訳においては, 日本語文を形態素解析した後, 逐語訳を行うだけでもある程度の翻訳が可能となる. これは, 名詞や動詞などの自立語の文中での役割が
    助詞
    , 助動詞といった付属語によって示されており, そうした付属語においても, 日本語とウイグル語との間で対応関係があるからである. 特に名詞に接続する格
    助詞
    は, 文中での他の語との関係を決めるという, 言語構造上重要な機能を持っている. そのため, 格
    助詞
    を正しく翻訳できなければ, 違和感のある翻訳文になるだけでなく, ときには致命的に誤った意味となる翻訳文を生成することがある. そこで, 本論文では, 日本語-ウイグル語機械翻訳における格
    助詞
    の取り扱いについて論じる. まず, 計算機用日本語基本動詞辞書IPALを用いて動詞と格
    助詞
    の使われ方を調べるとともに, それぞれの格
    助詞
    の機能に対応するウイグル語格
    助詞
    を決定する. さらに, この調査結果から作成した動詞の格パターンを利用して複数の格
    助詞
    の訳語候補の中から, 適切な訳語を選択する手法を提案する. また, 本提案手法に対する評価実験では, 環境問題関連の新聞社説3編の日本語138文を対象にし, 我々が本論文で提案するアプローチに基づいて実験を行った. その結果, 99.3%の正解率を得ることができた.
  • ――伊良部集落方言を中心に――
    衣畑 智秀
    言語研究
    2016年 149 巻 19-42
    発行日: 2016/03/25
    公開日: 2016/06/22
    ジャーナル フリー
    疑問詞疑問専用の係
    助詞
    を持つ方言では,その係
    助詞
    が文を疑問文化しているのかは一見明らかでない。この問題について,本稿では,南琉球宮古語の伊良部集落方言を取り上げ,この方言では係
    助詞
    gaが文を疑問文化していることを示す。この方言では,直接疑問文では疑問詞と係
    助詞
    の分布は一致しているが,間接疑問文では分布が異なり,係
    助詞
    gaは話し手が節の答えを知らないなど疑問詞節の答えに対する確信度が低い場合にのみ使われる。この疑問詞節の答えを知らないということを疑問文の定義的性質とすると,係
    助詞
    gaが疑問文化の機能を担っていると言うことができる。しかし,他の宮古諸方言話者の中には,この係
    助詞
    の疑問文化の機能が認められないものもいる。ここには,既に形態的な呼応を失っている宮古語の係
    助詞
    が,さらに,文のタイプを決めるという係り結びの機能までを失っていくプロセスが観察される。
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