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クエリ検索: "原節子"
579件中 1-20の結果を表示しています
  • 占領期における原節子のスターペルソナ
    北村 匡平
    映像学
    2016年 96 巻 68-88
    発行日: 2016/07/25
    公開日: 2016/08/19
    ジャーナル フリー

    【要旨】

     本稿の目的は、占領期のスターダムのなかでなぜ

    原節子
    の価値が最も高まり、どのような大衆の欲望によって彼女のペルソナが構築されたのかを、敗戦後の社会・文化的条件に即して実証的に明らかにすることにある。これまでスターを対象とする研究は映画の表象に傾斜した分析が多かったが、スター研究の視座から、スターを取り巻く言説、とりわけファン雑誌におけるイメージやテクストと映画との関係を重視し、複数のメディア・テクストにおける
    原節子
    の個性的アイデンティティ構築が、占領期のジェンダー・セクシュアリティ規範のなかでいかなる価値を形成していたのかを探究する。

     

    原節子
    は、敗戦後に求められる理想的な女性像としての「理知的」で「意志」の強い主体的なイメージを戦中から準備し、戦前と戦後の連続性を引き受けることで、占領期に最も人気の高いスターとなった。彼女の映画のパフォーマンスと、雑誌のパーソナリティに通底する他者の身体から「離れている」ペルソナは、日本女性の身体をめぐるアメリカと日本の占領の言説において、文化的価値を高めることになった。彼女は戦後に現れた敗戦の歴史的トラウマを喚起するパンパンなどの「敗者の身体」とは決して重なることない〈離接的身体〉としての理想的ペルソナを言説によって構築していたのである。本稿では、占領期という歴史的コンテクストのなかで
    原節子
    がいかに価値づけされ、欲望されているのかを分析し、アメリカへの抵抗を可能にする
    原節子
    のスターペルソナを通して大衆の戦後意識を解明する。

  • 書評
    菅野 優香
    映像学
    2019年 101 巻 192-196
    発行日: 2019/01/25
    公開日: 2019/06/25
    ジャーナル フリー
  • 原 節子
    オレオサイエンス
    2010年 10 巻 12 号 453-460
    発行日: 2010/12/01
    公開日: 2013/06/01
    ジャーナル フリー
    本研究においては貴重な天然資源である油脂の品質管理と有効利用を目指して下記の検討を行った!まず, 「油脂の品質管理のための各種分析法の開発に関する研究」では油脂の酸化劣化を正確かつ簡便に把握することを目的とした電位差滴定法による過酸化脂質微量定量法の開発が挙げられる。この測定法は, 当初は血清脂質中のヒドロペルオキシド量の微量定量法として開発されたが, 過酸化物価の測定溶媒が環境問題に配慮して非塩素系溶媒に変換されるに伴い, 電位差適定法は終点判定の正確さと着色試料へ応用可能であることなどの利点から, 『基準油脂分析試験法』に登録され, 現在, 各方面で利用されている。
    次に「油脂の酸化挙動の解明と酸化防止法の開発に関する研究」では油脂の利用において常に問題となる酸化劣化について各種脂質の酸化挙動を明らかにするとともに, それらの酸化防止について種々の天然化合物の酸化防止能の有効利用を基本として検討した。その結果, ホスファチジルエタノールアミンや天然ポリアミンがトコフェロールに対して優れた酸化防止相乗効果を示すこと, また, ロイボスティ抽出物, 茶抽出物などの各種ポリフェノール化合物は特に油脂の加熱劣化防止に対して有効であることなどを明らかにした。
    最後に「天然油脂・油糧資源の有効活用法の開発に関する研究」では, 各種天然油脂にn-3系高度不飽和脂肪酸, 共役不飽和脂肪酸 中鎖・短鎖脂肪酸などの機能性脂肪酸を酵素的アシル基変換反応により導入して機能性油脂を調製する条件を明らかにした。また, 米脱臭スカムからの超臨界流体クロマトグラフィーを用いたスクアレンとフィトステロールの分画など, 各種未利用油糧物質から機能性化合物を分画・濃縮する方法を開発した。
  • 黒澤明『わが青春に悔なし』のオーディエンス
    北村 匡平
    マス・コミュニケーション研究
    2017年 90 巻 123-142
    発行日: 2017/01/31
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー
     The idea of youth differed significantly between the prewar generation and the wartime generation, who sacrificed their adolescence in the Second World War. The crucial gap in film reception—which was actualized in visual culture in the early stages of the U.S. occupation period—can be observed by comparing the discourses from those generations with Kurosawa Akira’s No Regrets for Our Youth. The film was released at a political-cultural turning point in Japanese society; and while the young generation commended this film, the prewar generation criticized it. This paper aims to analyze why their evaluations conflicted with each other, and explore how the representation of youth— depicted by Kurosawa and embodied by star actress Hara Setsuko—functioned for the young audience.   The film’s reception by the audience is conditioned by its reading position —here, a society living through a wartime experience. In addition, their social attributes strongly influence the cultural meanings they receive from the screen. In other words, there is a gap in film experience between those who are allowed to sensibly watch films as amateurs and critics who are required to analytically watch them as experts. This paper reveals that the exaggerated and dynamic cinematic expression of youth by Kurosawa—which was prohibited during the wartime period—is affectively connected to the young generation, for whom youth was an impalpable idea. The “lost youth,” for them, was visually reconstructed as tangible and concrete through moving images and a lively cinematic body.
  • 各種疾病患者の血清過酸化脂質量
    原 節子, 清水 勝彦, 戸谷 洋一郎
    油化学
    1988年 37 巻 12 号 1153-1157
    発行日: 1988/12/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    The lipid peroxide levels in sera of ca. 500 patients suffering from various diseases were determined by the potentiometric POV method.
    The average values of serum lipid peroxide levels in patients suffering from cerebrovascular disease, heart disease, hypertension, hepatic disease, cataract and glaucoma, bronchitis, ulcer and bronchial asthma were found to exceed those of the normal human group. In patients with cerebrovascular disease, hypertension and hepatic disease, the levels of serum lipid peroxides were particularly higher statistically than those of the normal human group with a 5% significance level.
    The large standard deviations in average peroxide levels of these groups were considered to arise from differences in age, sex, the particular diseases of the patient and his /her condition. The ratios of samples showing high levels of peroxide exceeding the normal range (40.9±22.8 neq/mL) were calculated for all the patients. The ratios of high level were observed in more than 30% of patients with cerebrovascular and hypertension, and in more than 20% with cancer and hepatic disease.
    Moreover, it was obvious that lipid peroxide levels in the sera of patients suffering from these 4 diseases rose more than in normal humans, although no correlation between lipid peroxide and lipid levels could be found.
  • 中沢 弥
    日本文学
    2018年 67 巻 4 号 84-85
    発行日: 2018/04/10
    公開日: 2023/05/10
    ジャーナル フリー
  • 原 節子, 戸谷 洋一郎
    オレオサイエンス
    2002年 2 巻 1 号 13-17,12
    発行日: 2002/01/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    種々の脂肪酸を導入した新規リン脂質を調製するために, リパーゼを用いたアシル基変換反応について検討した。その結果, 脂肪酸基質としてモノアシルグリセリンを用いることにより, 非水系での変換反応が可能となり, 炭素数4~18の飽和脂肪酸, 炭素数18のモノエン, ジエン, トリエン脂肪酸, EPAおよびDHAを導入したリン脂質が高回収率で得られることが判明した。また, 非水系アシル基変換反応はリパーゼによる副反応である加水分解反応をともなわないので, 繰り返し反応によりさらにアシル基変換率が向上することも確認した。
  • 原 節子
    脂質栄養学
    1997年 6 巻 1 号 92-95
    発行日: 1997/03/21
    公開日: 2009/04/10
    ジャーナル フリー
  • 河野 善行, 阪本 興彦, 富田 健一, 堀井 和泉, 宮澤 陽夫
    油化学
    1991年 40 巻 9 号 715-718
    発行日: 1991/09/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    The peroxidation of human skin surface lipids was investigated by the CL-HPLC (chemiluminescence-high performance liquid chromatography) system, using a reversed phased HPLC column and hydroperoxide-specific luminescent reagent consisting of cytochrome c and luminol. Squalene hydroperoxide was detected as the most prominent chemiluminescent peak in oxidized skin surface lipids, and the retention time was identical with that of hydroperoxide of the autoxidized squalene. The chemiluminescent peak disappeared by sodium borohydride treatment. Skin surface lipids oxidized by natural exposure to sunlight were analyzed quntitatively and squalene hydroperoxide formation was confirmed.
  • 高度不飽和アシル基をもつリン脂質と油脂の自動酸化挙動の比較
    武内 将, 原 節子, 日比野 英彦, 田中 幸久, 戸谷 洋一郎
    日本油化学会誌
    1997年 46 巻 12 号 1489-1494
    発行日: 1997/12/20
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    トリアシルグリセリン (TG) とリン脂質 (PL) を含むサケ卵油が, TGのみからなるサケ油に比較して酸化に対して非常に安定であること, またこのサケ卵油の高い安定性はその脂質組成とトコフェロールやアスタキサンチンの含有量に依存することが前報において明らかになったため, 高度不飽和TG, 高度不飽和PL及びこれらの3 : 1混合試料の自動酸化挙動について検討した。サケ卵油から分画したPL, TG及びこれらの3 : 1混合試料をトコフェロール添加系または無添加系において30℃暗所にて自動酸化させた。これらの試料の自動酸化挙動は過酸化物価 (PV), カルボニル価 (CV) 及び脂肪酸組成により追跡した。
    TGではPVが上昇した後にCVが上昇したのに対し, PLでは酸化の初期段階においてCVがPVと同時に上昇し始めた。PLとTGの自動酸化挙動の差は, PLでは主な酸化一次生成物であるヒドロペルオキシドの安定性が悪いこと, あるいは脂質ペルオキシラジカルから二次生成物であるカルボニル化合物への経路が異なることによると思われた。
    これらの試料にトコフェロールを0.1%添加するといずれにおいても酸化が抑制され, ラジカル捕捉剤としてのトコフェロールの酸化防止作用はPLやTGにおいてよりもTGとPLの混合試料において, より顕著に観察された。これらの結果から, TGにPLとトコフェロールが共存することは高度不飽和TGを自動酸化条件下で安定化させるために非常に有効であることが示唆された。
  • 尾藤 朋子, 北原 節子
    日本水処理生物学会誌
    1992年 28 巻 2 号 89-93
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
  • 鎌田 正純, 原 節子, 戸谷 洋一郎
    日本油化学会誌
    1998年 47 巻 1 号 51-56,86
    発行日: 1998/01/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    キャベツ起源のホスホリパーゼDを用いて90%のホスファチジルコリン (PC) と10%のホスファチジルエタノールアミン (PE) から成る大豆リン脂質 (PC-90) からホスファチジルセリン (PS) 調製条件を検討した。種々の条件検討の結果, 0.13mmolのPC-90に対して, ジエチルエーテル : 5mL, pH 6.5酢酸緩衝液 : 3mL, 塩化カルシウム濃度 : 1M, セリン : 8.6mmol, キャベツ起源ホスホリパーゼD : 0.5IUを37℃, 2hの恒温振盪で混合することによって, PC-90からPSを含有率約37%まで高めることができた。この最適条件下にPCは加水分解または変換反応により著しく減少したが, PEのPSへの変換は僅かであった。
    本酵素の変換活性はpH 5.6の酢酸緩衝液で酵素を1h前処理することにより向上し, 30minの短時間でPS含有率が52%まで高めることが可能となった。
  • 西垣 文敬, 笹木 剛志, 平野 哲夫, 新藤 純理, 脇坂 明美, 吉木 敬
    日本組織適合性学会誌
    1994年 1 巻 1 号 55-56
    発行日: 1994年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    HLAタイピングは腎移植の際に重要な役割を果たし,特にDR型のマッチングが重要とされているが,血清学的方法とDNAタイピング結果との不一致が指摘されている.そこで,我々は献腎移植希望透析患者106名を対象に,市販DNAタイピングキットを用い,その結果について検討した.106名中,不一致が認められたのは8名(7.5%)であった.原因としてはB細胞分離,良質抗血清獲得の困難性が考えられ,DNAタイピングの必要性が示唆された.また今回我々が使用したSSP法によるキットは簡便で短時間で実施可能なことから,新たにDNAタイピングを導入する施設にとってはその導入が容易であると考えられたが,全体の50%の抗原については遺伝子型までは決定できなかった.今後は,全ての遺伝子型をSSP法で判定可能なキットの開発が待たれる.

  • 原 節子, 曽根 環, 戸谷 洋一郎
    日本油化学会誌
    2000年 49 巻 9 号 937-943,974
    発行日: 2000/09/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    乳化系における高度不飽和油脂の自動酸化に対する含窒素リン脂質の酸化防止能を評価し, その酸化防止機構を推察した。
    その結果, 乳化魚油にPCを添加した系ではいずれのpHにおいてもPVの抑制効果に差は無く, 同程度の酸化防止能を示したが, PEを添加した系ではエタノールアミンの等電点である9.4より酸性側において顕著な酸化防止能が認められた。
    そこでモデル化合物として1級アミン~4級アンモニウム塩のアミノ化合物を用いて, それぞれの等電点より酸性側であるpH7.5において自動酸化試験を行ったところ, いずれも顕著な酸化防止能を示したが, アミノ化合物の級により差が見られた。さらに, 脂溶性ラジカル発生剤 (AIBN) と水溶性ラジカル発生剤 (AAPH) を添加して自動酸化試験を行ったところ, PV抑制効果に異なる傾向が観察された。これはアミノ化合物が水層に存在するか, 界面に存在するかによる違いと考えられたことから, 乳化系ではPEのように脂溶性であるか, アミノ基に水素とアルキル基を併せ持つ方が脂溶性になるために酸化防止能を発揮しやすくなると推察した。
  • スキムミルク基質の馴養性について
    尾藤 朋子, 北原 節子
    日本水処理生物学会誌
    1975年 11 巻 2 号 12-18
    発行日: 1975/10/01
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    異質基質 (スキムミルク) に対する活性汚泥の馴養性を明らかにするために, 基質の濃度変化および短時間曝気による汚泥の馴養性保持について第II報1)と同様の手法を用いて検討を加え, つぎの結果を得た。
    1) 異質基質スキムミルクの濃度変化に対する馴養性は基質濃度BOD400ppmで10日以上, 700ppmで16日以上の馴致日数によって汚泥生物は基質に順応し, 高い基質分解能が得られた。しかし, 900ppmでは24日間の馴致をおこなっても馴養性が得られなかった。
    2) 異質基質の馴致日数は同質基質の場合より多くの日数が必要であった。また, 馴養性の限界濃度は同質基質より低濃度の700ppmであった。
    3) 2) の原因としては人工下水とスキムミルクの成分比の相異があげられるが, 特にC/N比と栄養塩類のアンバランスが考えられる。
    4) スキムミルク基質馴致汚泥は400ppm3時間, 700ppm4時間の曝気で最高除去率を示すことがわかり, 曝気時間を短縮することも可能であることが明らかとなった。
    5) 曝気時間短縮による処理法は400ppmの3時間曝気で長時間曝気よりかなり優れた処理効率が得られたが, 700ppmの4時間曝気では短時間処理法の効果が得られなかった。
    6) 以上の結果から, 異質基質のスキムミルクに対する活性汚泥の馴養性は同質基質の人工下水と比較して馴致日数, 馴致基質濃度の限界等はやゝおとるが, 対象基質に汚泥生物が十分馴致されれば同質基質と同程度の呼吸活性能および浄化活性能を持つことができ, 高い基質分解能が得られることがわかった。
    本研究の概要については第31回公衆衛生学会総会および第10回水処理生物学会において発表した。
  • 筋子リン脂質の自動酸化に対するアスタキサンチンの酸化防止効果
    武内 将, 原 節子, 日比野 英彦, 田中 幸久, 戸谷 洋一郎
    日本油化学会誌
    1997年 46 巻 6 号 641-647,712
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    n-3系高度不飽和脂肪酸に富む筋子リン脂質とサケ油の自動酸化に対するアスタキサンチンの酸化防止効果について, 30℃における自動酸化中の基質の過酸化物価 (PV), カルボニル価 (CV), アスタキサンチン残存率, トコフェロール残存率およびドコサヘキサエン酸残存率を追跡することにより試験した。
    トコフェロールを500 ppmおよびトコフェロール500 ppmとアスタキサンチン690 ppmを添加したリン脂質群の誘導期は無添加群よりも, それぞれ2.4倍と3.6倍に延長された。アスタキサンチンは高度不飽和トリアシルグリセリンよりも高度不飽和リン脂質に対して, 効果的な酸化防止作用を示した。また, 高度不飽和リン脂質の自動酸化はアスタキサンチンとトコフェロールを併用することにより, 効果的に抑制できた。
  • 戸谷 洋一郎
    日本油化学会誌
    1999年 48 巻 11 号 1233-1245,1319
    発行日: 1999/11/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    本総説は1999年度日本油化学会学会賞受賞論文に基づいたものである。先ず, ドコサヘキサエン酸 (DHA) やエイコサペンタエン酸 (EPA) のような機能性高度不飽和脂肪酸 (PUFA) を構成脂肪酸とするトリアシルグリセリン (PUFA-TG) やリン脂質 (PUFA-PL) の新規調製法について紹介している。
    すなわち, 生理学的に利点のある90%PUFA含有率のPUFA-TGがRhizomucor miehei起源の固定化リパーゼと酵素活性発現に必須の水の代替物としてエチレングリコールまたはプロピレングリコールを用いて, 60℃, 7.5hの条件下にマグロ眼窩油とPUFAの3回繰り返しアシル基変換反応により調製できた。
    また, 38%PUFA含有率のPUFA-PLはCandida cylindracea起源の微生物リパーゼを用いて, 大豆リン脂質とPUFA-モノアシルグリセリン (PUFA-MG) の4回繰り返しアシル基変換反応により回収率83%で調製できた。
    ここで, PUFA-MGは酵素活性に必須である水の代替物であると同時に高度不飽和アシル基供与剤として用いることができた。
    次に, PUFA-TGの自動酸化に対するアミノ化合物の酸化防止および酸化防止相乗効果について概説している。すなわち, 試験した含窒素リン脂質, 数種のアルキルアミン, スペルミンのようなアミノ化合物はトコフェロール混合物と比較して, 僅かしか酸化防止活性を示さなかった。しかしながら, 非水系および乳化系におけるPUFA-TGの自動酸化において, 第1級アミノ基はトコフェロールに対して顕著な相乗効果を発揮することを見出した。これより, アミノ化合物の第1級アミノ水素は優れた水素ラジカル供与剤として機能し, トコフェロールが再生されると考えられた。
  • 戸谷 洋一郎, 原 節子
    日本油化学会誌
    1998年 47 巻 10 号 1043-1051,1147
    発行日: 1998/10/20
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    脂質の酸化は油脂および油脂含有製品の品質管理において, また生体内代謝においても重要な問題である。不飽和脂質は酸化の初期段階において, 主たる一次生成物としてヒドロペルオキシドを形成したのち, 二次生成物として種々の分解物や重合物を生じる。従って, ヒドロペルオキシドを測定する過酸化物価, カルボニル化合物に対するカルボニル価, 遊離脂肪酸に対する酸価, HPLC, GC, 各種スペクトル法のような, 脂質の各種酸化生成物を測定対象物質とする種々の分析法が提案されている。過酸化脂質の測定に際しては, 各測定法の特徴をよく理解した上で, 測定目的および試料の性状に応じて選択することが重要である。
    本稿においては, 脂質過酸化物の定量に優れた精度と再現性を有する新規電位差滴定法を含む過酸化物価法を中心に, 各種の実際的な過酸化脂質分析法の概略を紹介する。
  • トコフェロールに対する含窒素リン脂質の相乗作用の機構
    瀬川 丈史, 鎌田 正純, 原 節子, 戸谷 洋一郎
    油化学
    1995年 44 巻 1 号 36-42
    発行日: 1995/01/20
    公開日: 2009/10/16
    ジャーナル フリー
    The antioxidative and synergistic effects of nitrogen-containing phospholipids such as phosphatidylcholine (PC), phosphatidylethanolamine (PE), phosphatidyl-N-methylethanolamine (PMME), phosphatidyl-N, N-dimethylethanolamine (PDME), and phosphatidylserine (PS) were investigated using fish oil as the polyunsaturated substrate during autoxidation at 30°C in the dark. The phospholipids had remarkable synergistic effect on mixed tocopherol (Toc).
    Based on the increase in time for each Toc isomer to disappear due to the addition of phospholipids during autoxidation, the synergistic effects of the phospholipids appeared to result from the regeneration of Toc from tocopheryl radicals formed at the start of autoxidation.
    Amino groups may promote the regeneration of Toc since some amino compounds such as ethanolamine and n-butylamine exert strong synergistic effect.
    The order of synergistic effect intensity of phospholipids was PE >PMME>PDME · PS>PC, and was in direct proportion to the number of amino hydrogens.
  • 紙屋 牧子
    映像学
    2020年 103 巻 164-167
    発行日: 2020/01/25
    公開日: 2020/02/25
    ジャーナル フリー
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