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クエリ検索: "国際助産師連盟"
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  • 古賀 裕子, 岩田 昇
    桐生大学紀要
    2022年 33 巻 57-61
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/21
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 全国助産師教育協議会国際関連活動委員会(2017年~2018年), 笹川 恵美, 大田 康江, 松﨑 政代, 新福 洋子, 大石 時子
    日本助産学会誌
    2021年 35 巻 1 号 48-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/30
    [早期公開] 公開日: 2021/02/15
    ジャーナル フリー

    目 的

    本研究は,

    国際助産師連盟
    (International Confederation of Midwives:ICM)のデータに含まれる指標のうち,助産師教育に関する項目を分析し,世界の助産師教育の可視化を通じ,その現状と多様性の理解促進を目的としている。

    方 法

    ICMのウェブサイトから,入手可能なデータ113ヵ国中,109ヵ国のデータを用いて二次分析を行った。具体的には,(1)助産師教育卒業時の学位,(2)助産師教育の課程,(3)助産師教育施設毎の卒業生数を分析し,結果を世界地図上にマッピングして可視化した。結果は,世界保健機関(World Health Organization:WHO)の区分による6地域(アフリカ,米州,南東アジア,欧州,東地中海,西太平洋地域)で比較した。

    結 果

    助産師教育卒業時の学位は,有効データがある87ヵ国を分析した。高等専門学校課程修了による助産師資格は47ヵ国(54.0%),学士は65ヵ国(74.7%),修士は35ヵ国(40.2%)が有していた(複数回答)。助産師教育の課程を94ヵ国について調べた結果,ダイレクトエントリー課程を採用しているのは76ヵ国(80.9%),看護教育後の助産師教育課程を採用しているのは57ヵ国(60.6%)であり,修行期間の平均は,それぞれ36ヵ月,19.4ヵ月だった。助産師教育施設毎の卒業生数は,80ヵ国のデータを分析し,年間卒業生の中央値は22.5人であった。

    結 論

    ICMデータを基にした世界地図は,世界の助産師教育課程と助産師教育機関の多様性を示した。世界では,助産師教育にダイレクトエントリー課程を採用している国が多いことが明らかとなった。妊産婦死亡率や合計特殊出生率が高いアフリカ地域の国では,高等専門学校課程による助産師育成が多く,1施設毎の助産学生の数は増加する傾向が示唆された。

  • 山内 まゆみ, 伊藤 幸子
    日本看護研究学会雑誌
    2014年 37 巻 3 号 3_178
    発行日: 2014/07/22
    公開日: 2018/11/03
    ジャーナル フリー
  • 山内 まゆみ, 伊藤 幸子, 松浦 和代
    日本看護研究学会雑誌
    2009年 32 巻 3 号 3_255
    発行日: 2009/07/03
    公開日: 2019/09/30
    ジャーナル フリー
  • ―モデル構築に向けた文献研究
    石井 邦子, 川城 由紀子, 北川 良子, 川村 紀子
    千葉県立保健医療大学紀要
    2024年 15 巻 1 号 1_3-1_12
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/04/19
    研究報告書・技術報告書 フリー

     子育て世代包括支援における助産師の活動の現状と課題を明らかにすることを目的に,助産師の活動報告38文献を分析した.助産師の活動に関する記述をコード化し,所属機関別にサブカテゴリー・カテゴリー化し,事業ごとに分類した.

     自治体の助産師の活動は39コードであり,【母子保健事業全般】,【個別相談】,【家庭訪問】等の5カテゴリーに集約された.医療機関の助産師の活動は57コードであり,【産後ケア】,【地域の連携システムへの参画】,【担当保健師との情報共有】等の6カテゴリーに集約された.助産師の活動は,産前・産後サポート事業,産後ケア事業,養育支援訪問事業等に該当した.

     助産師は,保健師や他の専門職と共に自治体が提供する支援活動に加わり,地域の連携システムの一員として医療機関を拠点に助産ケアを提供する機会を拡大していた.しかし,他の専門職との役割分担や多職種連携における助産師固有の支援の実態は解明できなかった.

  • 森川 由紀, 三輪 聖恵
    日本看護科学会誌
    2024年 44 巻 1083-1094
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/13
    ジャーナル フリー HTML

    目的:分娩期の助産実践能力自己評価尺度を開発する.

    方法:自由記述式調査と文献検討を基に,分娩期の助産実践能力自己評価尺度項目を作成し,内容妥当性を検討した尺度原案48項目からなる質問紙を作成した.78施設1,824名の助産師を対象に質問紙調査を実施し,尺度の信頼性と妥当性を検証した.

    結果:1,252名から回答が得られ,1,117名を分析対象とした.探索的因子分析により5因子35項目となり,確証的因子分析によるモデルの適合度は,GFI = .988,AGFI = .986,SRMR = .048であった.併存的妥当性の助産師の専門的自律性測定尺度との相関係数は.72であった.尺度の信頼性では,尺度全体のCronbach’s α係数は.95,再テスト法による級内相関係数は.83であった.

    結論:5因子35項目からなる分娩期の助産実践能力自己評価尺度を開発し,尺度の信頼性と妥当性が検証された.

  • 加藤 千穂, 片岡 弥恵子, 五十嵐 ゆかり, 蛭田 明子
    日本助産学会誌
    2015年 29 巻 1 号 77-86
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/29
    ジャーナル フリー
    目 的
     助産師を対象とした,分娩後出血に関する知識習得のためのe-learningによる教育プログラムを評価することである。
    対象と方法
     研究対象者は関東圏内で産科病棟を有し,分娩を取り扱う病院·診療所,助産所に勤務する助産師である。e-learningは目標に沿って4つのチャプターで構成した。測定用具は分娩後出血対応に関する23項目の知識テストおよびプログラム評価の自記式質問紙とし,e-learning前後で回答を得た。
    結 果
     48名を分析対象とした。知識テスト合計得点の平均値は事前テスト15.85点(range 11-21点, SD2.78),事後テスト20.02点(range 14-23点, SD2.21)であり,有意に知識得点が上昇した(t=10.27, p<.001)。実施前後で正答率が有意に上昇した項目は「弛緩出血の特徴」「出血に関連する凝固因子」「ショックを起こす循環血液量喪失の割合」「成人の循環血液量」「出血性ショック時の対応」「希釈性凝固障害の特徴」「細胞外液の構成」「産科DICの特徴」「循環血液量増加の理由」「ショックインデックスからの出血量予測」「産科出血時に必要な輸血製剤」「血漿中の成分」の12項目であった。正答率が低かった項目は「膠質浸透圧に関わる物質」「晶質浸透圧に関わる物質」の2項目であった。また,合計得点の平均値と参加者の特性について2元配置分散分析を行ったが,有意差は認められなかった。e-learningの操作方法,教材の適切性,内容の満足度ともに肯定的な評価が得られ,プログラムの構成は有用であった。
    結 論
     分娩後出血対応に関するe-learningは,知識習得に効果があると言える。出血時の輸液療法に関連する生理学の理解が得られにくかったため,内容の修正と知識の維持に関する長期的評価,ガイドライン等の周知徹底のためのプログラム内容の検討が今後の課題である。
  • 山内 まゆみ, 伊藤 幸子, 中村 惠子
    日本看護研究学会雑誌
    2020年 43 巻 1 号 1_119-1_132
    発行日: 2020/04/20
    公開日: 2020/04/20
    [早期公開] 公開日: 2020/01/24
    ジャーナル フリー

    2012年度に北海道・東北圏に勤務する助産師経験10年目までで,平均年齢が29歳,助産師経験平均月数が56か月,分娩介助平均件数が208件の助産師228名は,周産期に関する助産実践能力の到達度が82%であり,正常経過の支援に必要な能力の到達度は良好と評価した。周産期のなかでも応用能力の到達度は妊娠期66%,分娩期54%,産褥期64%であり,国際社会で求められる広義の助産実践能力の到達度は保健専門職に必要な一般的知識や技術に関する能力が63%,専門職の態度に関する能力73%,妊娠前のケアや家族計画の方法に関する能力58%であった。産科施設や教育機関は,応用能力や広義の助産実践能力を扱う継続教育を協同して行う必要がある。産科施設の6割は継続教育を実施したが,その多くが看護師と合同で行う看護実践能力への企画であった。助産師に行う産科施設は1割未満で,助産実践能力に関する継続教育を増やす必要がある。

  • 山﨑 由美子
    日本助産学会誌
    2022年 36 巻 1 号 137-146
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー

    目 的

    裁判における助産師の主張に着目し,助産師が行ったケア及び説明責任を検討することは,医療過誤防止につながる重要な課題を導くと考える。本研究は,患者家族と対立した助産師の主張が認められず,過失が認定された医療過誤裁判における裁判所の事実認定を通し,医療過誤防止への課題を見出すことを目的とする。

    対象と方法

    法律データベースを用い,1999~2020年の医療過誤裁判を検索し,主要な争点のうち助産師の主張の多くが否認された裁判例の収集及び分析を行う。分析は,時系列に沿って作成した診療経過表をもとに争点,当事者の主張,問題の背景を整理する方法である。

    結 果

    2020年4月~12月の期間で「医療事故」and/or「出産」でキーワード検索し,2件を研究対象とした。何故,助産師の主張が認められなかったのか,裁判所の事実認定を検討したところ,書証では「記録及び保存方法の不備」,「提出された資料による助産師の手技の推定」,人証では「一貫性及び整合性の評価」,「他の医療者の不一致証言による心証形成」,その他として「裁判における初期対応の影響」が課題として挙げられた。

    結 論

    書証の検討では,記録及び保存方法の不備が証拠としての価値に疑義をもたらすこと,提出された資料により助産師の手技に問題があると推定されること,人証の検討では,一貫性及び整合性の評価や医療者の不一致証言が心証形成に影響を及ぼすことがわかった。助産師として従事している間の行動は,提出された証拠や助産師の証言等をもとに検証されるため,この過程において自らの行動に対する責任を持つことが重要と考える。

  • Kaori YONEZAWA, Minako KIDO, Megumi HARUNA, Emi TAHARA-SASAGAWA, Yuriko USUI
    日本助産学会誌
    2023年 37 巻 3 号 265-272
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/11/24
    ジャーナル フリー

    Purpose

    Cultural differences in complementary infant foods across countries and regions are unclear. Therefore, this study aimed to clarify the differences in guidelines and recommendations for complementary infant foods worldwide, especially focusing on foods that infants eat first and the order in which they are consumed.

    Methods

    Web questionnaires were sent to midwifery associations or nurses' associations in 166 countries that are members of the International Council of Midwives (ICM) or the International Council of Nursing (ICN). Midwives or nurses were asked about recommended foods for infants to eat first and recommendations for the order in which they should be eaten. For the analysis, we categorized the recommendations for complementary foods in each country, focusing on the order in which they were consumed. Chi-square test was used to analyze the differences in eating order classification and region.

    Results

    Responses were received from a total of 46 countries. Thirty-seven out of 46 countries, or 80.4%, responded that they had guidelines on complementary foods. Six patterns were found for complementary diets, including 2 patterns starting with grains and 3 with vegetables and patterns of parents' and infant-led diets. Grains were the most common starting pattern in Asia and Africa, while vegetables were the most common in Europe and America.

    Conclusion

    We believe that international nutritional intake and disease prevention guidelines should be considered as recommendations for complementary foods suitable for each country and region.

  • 山本 佳奈, 田淵 紀子
    日本助産学会誌
    2022年 36 巻 1 号 93-104
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    [早期公開] 公開日: 2022/01/28
    ジャーナル フリー

    目 的

    近年,日本において硬膜外麻酔分娩(以下,無痛分娩)は増加傾向を示しており,ニーズの増加が予想される一方,助産師の中には,無痛分娩に対して否定的で,受容しがたいと感じるものがいるとされている。本研究の目的は,無痛分娩に携わる助産師が,どのような思いを抱きケアを行っているかを明らかにすることである。

    対象と方法

    研究デザインは質的記述的研究である。無痛分娩に携わった経験のある助産師16名を対象に,半構造化面接を行った。得られたデータから逐語録を作成し,無痛分娩に携わる助産師の思いが語られている部分を抽出し,コード化し,カテゴリに分類した。

    結 果

    無痛分娩に携わる助産師の思いは,6のカテゴリに集約された。【無痛分娩にも良さがあるという実感】【無痛分娩を受け入れようとする思い】では,無痛分娩に携わる助産師だからこそ持つ肯定的な意見と,それゆえに無痛分娩の増加に対応していこうとする語りがみられた。一方,助産師は【分娩が安全かつ順調に進行するように支援する難しさ】【無痛分娩に関する知識不足による不安や難しさ】を抱いており,無痛分娩の支援の難しさを感じていた。【無痛分娩に携わることによる自然分娩の良さの再認識】では,無痛分娩と関わる中で生じる自然分娩の良さへの実感が語られていた。以上のカテゴリを背景に,【産婦の希望に沿い無痛分娩の支援をする中で生じる自身の助産師としての思いとの葛藤】がみられた。

    結 論

    無痛分娩に携わる助産師は,無痛分娩の良さや支援の難しさを感じ,葛藤していた。その中でも,妊産婦の希望に沿い,安全な無痛分娩となるよう関わっているということが明らかとなった。安全で満足度の高い無痛分娩を提供するためには,助産師が無痛分娩に関する正しい知識を身に付け,また妊産婦の希望や想いに寄り添い,その選択を支える姿勢で関わる事が必要である。

  • 佐々塚 恵美, 佐々木 睦子, 石上 悦子
    香川大学看護学雑誌
    2022年 26 巻 1 号 1-11
    発行日: 2022/03/30
    公開日: 2022/04/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス HTML

    目的

    分娩を取扱わない開業助産師の活動に対する思いを明らかにすることである.

    方法

    A県およびB県で分娩を取扱わない助産所を開業する助産師10名を対象に,半構造的面接を行い,質的帰納的に内容の分析をした.本研究は,香川大学医学部倫理委員会の承認後に実施した.

    結果

    対象者の平均年齢は58.7歳.分析結果より,5カテゴリーが抽出された.分娩を取扱わない開業助産師は,【母乳ケアならできる】という気持ちで助産所の開業を決心していた.開業してみると,病院ではできなかった【じっくり関わり母親に寄り添う】や,【母親に支えられ助産師として地域で活動する】ことを実感していた.さらに,開業助産師一人で関わる不安や迷いの経験から,地域で【多職種との連携で安心する】ことを痛感していた.そして,今後も【今の生活ペースで続ける】ことを望んでいた.

    考察

    分娩を取扱わない開業助産師は,母親や地域住民の支えで活動できると実感していた.また,地域での活動は,その効果を身近に感じることでやりがいとなり,助産所の質の向上を目指していた.さらに,病院ではできなかった母乳育児確立への継続支援と,産後ケア事業への取り組みは,開業助産師が地域で担う役割になる.そして,開業助産師が実施する健康支援は,母子への切れ目ない支援や女性の生涯にわたる健康支援に寄与できると考える.

    結論

    分娩を取扱わない開業助産師は,病院ではできなかった,母親にじっくり寄り添うことや,地域住民に支えられて活動ができていると実感していた.また,一人で関わる不安や迷いの経験から,母親のみならず地域の多職種のおかげで活動ができると痛感していた.さらに,開業助産師が,あらゆる世代の女性を対象とした助産所作りをめざして活動することは,母子への切れ目ない支援における一翼を担い,助産師が地域で担う役割になる可能性が示唆された.

  • -埼玉県の産科医療施設看護管理者の認識-
    齋藤 恵子, 鈴木 幸子, 延原 弘章, 金野 倫子, 萱場 一則
    日本保健福祉学会誌
    2019年 25 巻 2 号 3-17
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2020/05/25
    ジャーナル フリー

    目的:出産に関する文化的な伝統的プラクティスは、妊産婦の健康にとって重要な役割を果たすと報告されている。本研究の目的は日本の産科医療施設におけるラオスの産後の4つの伝統的プラクティス(火の傍で過ごすユーファイ、薬湯の摂取であるキン・ナム・ホーン、食禁忌であるカラム・キン、ハーブによる蒸気浴であるホーム・ヤー)に関して、埼玉県内の産科医療施設の産科病棟看護管理者を対象に、認知度、実践への支援の意向、自施設での実践の可能性について明らかにすることである。

    方法:埼玉県内の分娩を扱う全121施設(病院38、診療所59、助産所24)の産科病棟看護管理者を対象に、自記式調査票の郵送調査を実施した。調査内容は年齢、施設概要、伝統的プラクティスの認知度、実践支援の意向、自施設での実践の可能性等とした。施設種別と各項目の関連について検討し、有意水準は5%(両側)とした。

    結果:81人(病院30、診療所37、助産所14)の回答を分析した。プラクティスについて、知っている者はユーファイ3.7%、カラム・キン、ホーム・ヤーは1.2%でキン・ナム・ホーンはいなかった。実践支援の意向はキン・ナム・ホーン、カラム・キンは肯定的回答の割合が高かった。施設の種別では、ユーファイは助産所の否定的回答の割合が低く、有意な差を認めた。実践の可能性は、ユーファイ、キン・ナム・ホーン、カラム・キンで肯定的回答の割合が高かった。助産所はユーファイ、キン・ナム・ホーン、ホーム・ヤーで肯定的回答の割合が著しく高く、施設の種別では有意な差を認めた。

    考察:ラオスの産後の伝統的プラクティスについての認知度は低く、その理由は在日ラオス人が少ないためと考える。通訳等を活用して妊娠期から意思疎通を図り、看護者が少数派の在日外国人の文化的慣習を知ることが重要である。キン・ナム・ホーン、カラム・キンのような飲食に関する伝統的プラクティスへの対応は比較的可能な施設が多く、助産所は小規模施設であるため、特別なニーズを持つ女性への対応ができる可能性が他施設より高いと考えられた。この様な伝統的プラクティスの対応に関する情報をラオス人女性に提供することが必要であり、医療施設において在日外国人女性の母国の伝統的プラクティスの実践を支援するための情報提供システムの構築と教育・研修の充実が急務である。

  • 鈴木 由美, 古賀 裕子, 島田 葉子
    桐生大学紀要
    2015年 26 巻 33-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/06/24
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    国際助産師連盟
    (以下ICM)では1年6ヶ月以上の教育を推奨している。これに対して日本では保健師助産師看護師法学校指定規則において1年以上の教育課程を必須としている。1年間でICM が提唱する教育内容を取得するには過密スケジュールが予測される。  日本では1年制の助産師養成課程においてはほぼ30単位以上の単位履修をもって修了となり、指定規則の28単位より多くの単位取得にて卒業する1)。このように1年課程ではカリキュラムの過密状態が前提であるため、クリアできるのは学生の強い動機などが要因となっていると推測する。  また助産学実習では看護学実習とは異なり、分娩介助等の実践が単位取得の必須要件であり、学生は時間を問わず厳しい実習状況下におかれる。このため身体的にも精神的にも強さが要求される。田中ら2)は、助産学実習は対象者との関わりが多い、学生に求められる能力が高い、学生としての責任が重い、実習体制などが看護学生の実習とは異なることを指摘している。従って学生はこれまで体験した実習よりも厳しい状況下におかれる。  助産学実習はウェイトの大きいものであり、保健師助産師看護師学校養成所指定規則で助産学実習は11単位を必須とされている。助産学実習以外の講義においても、学生にとって学習内容が濃厚で課題が多く、1年課程であるために過密スケジュールとなることが前提となる。  大学専攻科、別科又は専修学校など助産師養成の1年課程は、学費の負担が少ない、看護大学の卒業生のほか、看護師などの臨床経験者、社会人経験者などが入学できるメリットがあると考える。高野ら3)による社会人経験のある新人看護師を対象とした報告や、高橋4)の社会人経験者の実態などの報告、渡邉ら5)の社会人経験がある看護学生に対する教育側からの困難感などの報告があるものの、助産師学生を対象とした報告はみられないため、追究する意義があると考える。  中島ら6)は、助産学教育の質的向上を図るためには、学生の特性を踏まえた教育法の開発や教育的支援を強化する必要性を指摘している。このため学生の特性として、育児経験者、臨床経験者、社会人経験者などを対象とし、その背景を踏まえた教育を検討することが期待される。  そこで今回本研究では、育児中の助産師学生の1年間の学生生活の実態に焦点をあて、今後の教育側の対応への検討に資する目的で半構成的面接を行い、質的帰納的に分析したので報告する。
  • 井村 真澄
    日本薬理学雑誌
    2021年 156 巻 2 号 97-102
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/01
    ジャーナル フリー

    助産師は,個人,家族,コミュニティーにおける性と生殖に関する健康や権利,安寧に責任を持つ専門職である.特に,助産師は女性とパートナーシップを築いて,妊娠,出産,産褥の各期において必要なサポート,ケアおよび助言を行う.助産師は自身の責任において正常な出産を介助し,母乳育児を支援し,新生児および乳児のケアを提供し,女性と子どもの潜在力を最大限に引き出す.また,助産師は,予防的に対応して出産や母乳育児がより順調に進むようにかかわり,合併症を早期に発見し,救急処置を実施し,必要な場合には医療やその他の適切な支援につなげる.女性や母親と子どもに最良のケアを提供するために,助産師は,女性の健康,妊娠,出産,産褥,授乳,新生児に関する生理学的な機能や,生体内のホルモンや神経伝達物質等の機序に関する知識を修得し,正常からの逸脱や障害が起こった場合には,これらの生理機能を補完し支えるための薬物療法や,補完代替療法に関する知識を学ぶことも必要となる.同時に,助産師は,産科救急救命や新生児蘇生に対応できる知識と技能を習得する.開業助産所では,嘱託医との契約において「包括指示書」を取り交わして緊急時に薬剤を使用する場合もある.助産基礎教育においては,これらの状況に対応できるための薬理学の知識や医療処置技術の修得も促している.今回の助産師カリキュラム改正をふまえた新たな助産基礎教育とそれに続く卒後の現任教育において,女性,母親,子ども,家族,コミュニティーを支える個別的で当事者中心の薬理学教育を構築していきたい.

  • 大関 信子
    日本助産学会誌
    2016年 30 巻 1 号 39-46
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    目 的
     過去30年間の国内外の文献レビューにより,助産ケアを受ける妊産褥婦の満足度について国際比較し,次の30年間の助産ケアの課題を検証していくことを目的とした。
    方 法
     国内の文献検索では医中誌web,国外文献はPubMedを用いて文献検索した。キーワードは,国内は「助産ケア(妊娠期のケア/分娩期のケア/産褥期のケア)」「妊産褥婦(妊婦/産婦/褥婦/母親)」「満足度/評価」のキーワードを組み合わせ,「原著」,「1985年から現在まで」の条件で検索した。海外文献のキーワードは,[midwifery care/midwifery practice/midwifery service],[mothers/pregnant women/women in labor/postpartum women/clients],[satisfaction/evaluation]で,これらを組み合わせ,「原著」,「1985年から現在まで」の条件で検索した。
    結 果
     国内文献では317件が,国外文献では114件がヒットした。ほとんどの研究は量的研究であり,母親の視点から助産ケアに対する満足度を調査した研究は少なく,国内は12件,国外は28件が条件を満たし分析対象とした。
     国内文献の分析結果,1997年の調査では,助産ケアの満足度が8割で,2012年には9割と上昇がみられたが,信頼性・妥当性を確保する根拠となる研究の数が少なかった。国外では,ニュージーランドの調査で,助産ケアに対する母親の満足度は77%であったが,国外でも信頼性・妥当性を確保する根拠となる研究の数が少なかった。
    結 論
     今回の文献レビューから,日本の助産師が取り組むべき次の30年間の課題を検証した。まず,助産ケアに対する母親の満足度の研究の数を増やすことが最優先課題であることが明らかになった。特に1997年に開発された尺度開発の研究を継続していくことは重要である。助産ケアのレベルを,全国均一に上げていくことは,助産ケアの満足度を全国に提示するためには必要なことである。最後に,自然出産を希望する母親たちのために,革新的な助産ケアの在り方の研究が次の30年間の課題であることがわかった。
  • 礒山 あけみ
    日本助産学会誌
    2015年 29 巻 2 号 230-239
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/24
    ジャーナル フリー
    目 的
     勤務助産師が行う父親役割獲得を促す支援の実態とその関連要因を明らかにし,周産期における家族ケアシステムの構築を検討するための示唆を得ることを目的とする。
    対象と方法
     病院・診療所に勤務している助産師を対象に,自記式質問紙調査を行った。父親役割獲得を促す支援の項目について因子分析を行い,助産師の属性による得点の差をt検定および一元配置分散分析を用いて分析した。
    結 果
     研究協力者は422名(有効回答率93.6%)であった。因子分析の結果,“父親への支援に対する姿勢”“分娩時の父親役割準備”“父親意識の促進”“ピアサポート促進”“妻へのサポート促進支援”“アタッチメント促進”“父親のニーズに応じた支援”“夫婦間コミュニケーション促進”の8因子が抽出された。各因子に対するCronbachのα係数は0.72~0.95であった。実施率が高かった因子は“妻へのサポート促進支援”,“アタッチメント促進”,“分娩時の父親役割準備”,“父親への支援に対する姿勢”,“夫婦間コミュニケーション促進”であった。父親役割獲得を促す支援は,助産師経験年数や助産師数,両親学級や夫立ちあい分娩および夫への育児指導の有無により有意な差が認められた。
    結 論
     勤務助産師の父親役割獲得を促す支援には助産師経験年数や助産師数が関連していた。父親役割獲得を促すためには,まず助産師が父親自身も親移行の当事者であることを認識すること,そのうえでシステマティックな父親同士の交流の場の提供や,父親になる夫に対するクラス運営・立ちあい出産の導入が有用であることが示唆された。
  • 正岡 経子, 丸山 知子
    日本助産学会誌
    2009年 23 巻 1 号 16-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/26
    ジャーナル フリー
    目 的
     産婦ケアにおいて助産師が着目している情報を明らかにし,その情報と助産師経験年数および分娩介助件数の関連について分析すること。
    対象と方法
     対象は助産師768名(病院・診療所553名,助産院215名)で,データは自記式質問紙を用いて収集した。質問紙の内容は正常分娩のケアに関する情報177項目で,情報への着目度について5件法で回答をもとめた。分析はSPSS15.0を用いて因子分析を行い,助産師経験年数と分娩介助件数の2要因で分散分析を行った(P<0.05)。経験年数は熟達の10年ルールに基づき10年未満とそれ以上で分類し,分娩件数は10年未満の助産師の中央値を基に300件未満とそれ以上に分類した。
    結 果
     質問紙は437名から回収され(回収率56.9%),有効回答数は433名(有効回答率56.4%)であった。177項目の因子分析の結果,助産師の着目情報は17因子(82項目)に分類された(累積寄与率67.9%)。17因子には,産婦の身体面や心理面,ケアの希望,家族や出産環境の情報が含まれていた。17因子について助産師経験年数10年以上と10年未満で比較した結果,10年以上の助産師は9因子の着目度が有意に高かった(P<0.01)。その内容は,産婦の心理面や家族,臍帯切断の時期や会陰保護などケアの希望,月と潮の動きに関する情報であった。経験年数で有意差のなかった8因子は,産婦の身体的変化や医療機器のデータ,室内の環境などの情報であった。17因子と分娩介助件数300件未満と300件以上では,有意差はなかった。
    結 論
     17因子は,助産師が産婦ケアを行う上で大切にしている具体的な情報の全体像を示している。経験年数で差のなかった8因子は視覚的・客観的な情報であり,9因子は洞察力やコミュニケーション能力,多様なニーズの対処能力が関連する情報である。この9因子は,10年以上の経験の中で獲得した助産師の能力を反映していると考える。
  • 望月 千夏子
    日本シミュレーション医療教育学会雑誌
    2022年 10 巻 38-42
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    【目的】内診演習におけるシミュレーション教育を評価し、今度の課題を見出すことを目的とする。【方法】助産学生を対象とし、内診モデルを活用した 2 段階構成の内診演習を実施後、学び・感想を自由記述により回答した。【結果・考察】各内診演習の結果から、「分娩進行に沿った児頭回旋の変化を理解する」知識、「ビショップスコア・児頭回旋を観察する」技術、「安楽に配慮した関わりをする」態度を統合した教育成果が示された。さらに、3 次元画像を内診演習に活用することは、内診時に必要となる知識・技術習得をより促進することが示唆された。
  • 國井 修
    日本助産学会誌
    2007年 21 巻 1 号 1_68-1_74
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/07/07
    ジャーナル フリー
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