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クエリ検索: "新生児低酸素性虚血性脳症"
74件中 1-20の結果を表示しています
  • 窪田 和, 泉 修司, 本間 悠介, 和田 匡史, 高橋 姿
    AUDIOLOGY JAPAN
    2010年 53 巻 5 号 571-572
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/12/05
    ジャーナル フリー
  • 早川 昌弘
    周産期学シンポジウム抄録集
    2014年 32 巻
    発行日: 2014年
    公開日: 2024/03/01
    会議録・要旨集 フリー

     はじめに

     低酸素性虚血性脳症(hypoxic ischemic encephalopathy:HIE)は,脳性麻痺,精神発達遅滞,てんかんなどの神経学的後障害の原因となる疾病であり,周産期医療においては,最も重要な疾病の一つである。

     2012年に日本周産期・新生児学会の周産期学シンポジウム運営委員会が中心となり本邦における中等度〜重度のHIEの発症状況ならびにそのリスク因子の解析を行うことを目的としてアンケートによる全国調査を行った。第31回周産期学シンポジウムプレコングレスにて,調査結果の一部を「周産期学シンポジウムアンケート調査報告 〜本邦における

    新生児低酸素性虚血性脳症
    の現状と病態に関する研究〜」として,在胎37週以上の児の概要について報告した1)。わが国における在胎37週以上の中等度〜重度のHIEは出生1,000に対して0.38であり,中等度〜重度のHIEにおける予後は,臍帯異常,院外出生,蘇生の程度,Apgarスコア,入院時血液ガス所見,入院時検査における白血球数,乳酸値,LD値,CK値,AST値,頭部MRI所見と関連があることを明らかにした2)

     在胎34〜36週出生の児は,正期産に近いためほとんどの症例で出生体重が2,000gを超えており,near-termとよばれて正期産児と準じて管理されていた。しかしながら,これらの児は正期産児と比べ新生児合併症が多く,発達予後が悪いことが報告されており3,4),早産児であることを認識するためにlate pretermとよばれるようになった3)。HIEにおいても,late preterm児と正期産児に差異があることが予想されるが,late preterm児におけるHIEの報告はわずかに散見されるのみである5,6)。今回は,「周産期学シンポジウム運営委員会報告 Late preterm児(在胎34〜36週)の低酸素性虚血性脳症」として,late preterm児におけるHIEの概要について検討した。

  • 菅沼 広樹, 東海林 宏道, 北村 洋平, 奥村 彰久, 清水 俊明
    周産期学シンポジウム抄録集
    2013年 31 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2024/03/01
    会議録・要旨集 フリー

     背景

     脳は脂質含有量が高い組織であり,他の組織と比べ長鎖多価不飽和脂肪酸(LCPUFA)を多く含み,そのなかでもドコサヘキサエン酸(DHA)は主要構成成分となっている。特に,網膜細胞や脳灰白質には大量のDHAが含まれている。このような脂肪酸構成は膜の流動性,膜酵素の活性あるいはエイコサノイドの基質として数多くの細胞機能に関係しているためである。

     さらに,LCPUFAは中枢神経ニューロンやシナプスの成長に関与し,神経細胞間の相互作用,神経伝達機能などの脳の発達に不可欠な役割を果たすと考えられ,乳幼児における視機能や知的発達への影響が注目されてきた。DHAは妊娠後期から出生後早期において脳内に蓄積し,DHAの欠乏は記憶障害や学習障害,視力障害の原因になるとされる1〜5)

     新生児仮死に伴う低酸素性虚血性脳症(HIE)は発達障害の原因の1つである。HIE後の神経細胞死のメカニズムとしてはネクローシスとアポトーシスが考えられている。ネクローシスは虚血の中心部に起こるが,アポトーシスはその周囲の病変部に生じる。ネクローシスは受傷後直ちに進行するが,アポトーシスは受傷後少なくとも7日間は継続する6,7)

     臨床研究ではHIEに対して脳低温療法が神経発達予後を改善したと報告されているが,この治療は適応基準や開始時間の制限などがある8)。最近の報告では,DHAが低酸素性虚血性脳障害に対して神経保護作用があるとされている9,10)。これはDHAのアポトーシスの制御や炎症性蛋白の発現制御,抗酸化作用などによるためである11〜13)

  • ―新生児低酸素性虚血性脳症に対する自己臍帯血幹細胞治療について―
    藤田 由布, 田中 達也, 柴田 綾子, 丸尾 伸之, 豊 奈々絵, 佐野 博之, 鍋谷 まこと, 新宅 治夫
    産婦人科の進歩
    2019年 71 巻 2 号 87-94
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/28
    ジャーナル 認証あり

    最近幹細胞を使用した再生医療の進歩とともに出産の臨床現場における臍帯血採取に関する注目度が高まっている.本論文では,

    新生児低酸素性虚血性脳症
    (hypoxic ischemic encephalopathy;HIE)に対する自己臍帯血幹細胞治療の進展および再生医療等安全性確保法に基づいた臍帯血幹細胞の取り扱いについて述べる.産婦人科医は,臍帯血幹細胞を用いた再生医療の進展状況および法的対応について理解を深め,家族や研究機関等からの要請に対して分娩時の臍帯血採取を検討する必要がある.〔産婦の進歩71(2):87-94,2019(令和元年5月)〕

  • 清水 正樹
    医科器械学
    2004年 74 巻 8 号 413-418
    発行日: 2004/08/01
    公開日: 2022/06/24
    ジャーナル フリー
  • 杉山 裕一朗
    周産期学シンポジウム抄録集
    2014年 32 巻
    発行日: 2014年
    公開日: 2024/03/01
    会議録・要旨集 フリー

     はじめに

     Late preterm(LP)児は正期産児と比べて,脳性麻痺や小児期の行動・情緒の異常の頻度が高いことが知られている1,2)。新生児脳の受傷部位や侵襲の強さ,時期の推定には頭部MRIが有用であることは,多くの論文で示されている3,4)

    新生児低酸素性虚血性脳症
    (hypoxic-ischemic encephalopaty:HIE)は,①受傷の強さ,②受傷時間,③成熟度を軸に分類して考えると理解しやすい。新生児HIEにおける頭部MRI異常の模式図を図1に示す。近年ではLP児でも撮像される症例が増えている。しかしながら多くの研究では早産児型,正期産児型と分類して検討されており,その移行期であるLP児についてのMRI所見に関する検討はまだ少ない。

  • 周産期学シンポジウム アンケート調査報告
    早川 昌弘
    周産期学シンポジウム抄録集
    2013年 31 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2024/03/01
    会議録・要旨集 フリー

     周産期医療の進歩により重症新生児の生存率は著しく向上したが,神経学的後障害については改善の余地が残されている。神経学的後障害の1つである脳性麻痺については,その発症率は減少しておらず出生1,000に対して1.5〜2.0例の発生で推移している1)。低酸素性虚血性脳症(hypoxic ischemic encephalopathy:HIE)は,脳性麻痺,精神発達遅滞,てんかんなどの神経学的後障害の原因となる疾病であり,その発生率は西オーストラリアからの報告では出生1,000に対して3.8とされているが2),わが国におけるHIE発症率の報告はない。

     胎児心拍数モニタリングや胎児超音波検査などの出生前管理,低体温療法などの新生児管理が発展したにもかかわらず,HIEに起因する神経学的予後を克服できない理由としてHIEの発症機序が完全には解明されていないことが挙げられる。また,HIEはその受傷機序により新生児期の臨床像が異なってくることが知られており,新生児医療において少なからずHIE症例が見逃されている可能性があることが推測される。

     今回,日本周産期・新生児医学会の周産期学シンポジウム運営委員会が中心となり本邦における中等度〜重度のHIEの発症状況ならびにそのリスク因子の解析を行うことを目的としてアンケートによる全国調査を行った。

  • —脳低温療法か?薬物療法か?—
    清水 正樹
    脳と発達
    2009年 41 巻 2 号 111-117
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/05/11
    ジャーナル フリー
     新生児の低酸素性虚血性脳症 (HIE) は, 新生児仮死や急性呼吸循環不全に起因する脳循環障害により, 脳内エネルギー代謝障害が起こり, 脳性麻痺, てんかん, 精神運動発達障害など恒久的な脳障害へ発展する重篤な疾患である. HIEに対する新生児脳低温療法が臨床応用されるようになり, HIEに対する治療戦略が大きな転換期を迎えた. 一方, HIEに対する様々な薬物療法が研究されている. フリーラジカル消去剤は, HIEの病態メカニズムからすると十分にその効果が期待される薬剤である. 新生児脳低温療法とフリーラジカル消去剤との併用療法が, HIE症例とその家族に対して, より良い福音となる可能性があるかもしれない.
  • 桂木 真司, 池田 智明, 池ノ上 克
    脳と発達
    2011年 43 巻 4 号 265-272
    発行日: 2011年
    公開日: 2014/12/25
    ジャーナル フリー
     新生仔ラットの脳内におけるグリア細胞由来神経栄養因子 (GDNF) の発現量は発達とともに変化する. 低酸素虚血負荷を与えたラットの脳内では結紮側の受傷部位において特にGDNFが増加する. 外因性のGDNFを脳に直接作用させるため, 細胞にGDNFの遺伝子を導入し, 半透膜製カプセル内に充填し, 大脳実質内に移植する方法を開発した. この方法は長期間, 低用量の薬剤を安全に供給できる特徴を持つ. 同方法を低酸素虚血負荷を与えた新生仔ラットに応用した. 梗塞面積は著明に減少し, 神経保護効果を持つことが示された. また, 同方法は低酸素虚血負荷後の記憶と学習障害に関しても長期にわたり優れた改善効果を示した.
  • ―低酸素虚血受傷後の脳へのライフライン確保を目指す薬物治療アプローチ―
    谷口 英俊
    周産期学シンポジウム抄録集
    2013年 31 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2024/03/01
    会議録・要旨集 フリー

     1

    新生児低酸素性虚血性脳症
    (HIE)の病態における血管内皮細胞傷害

     

    新生児低酸素性虚血性脳症
    (HIE)は,周産期に起こりうる胎児および新生児の循環不全によって脳の低酸素虚血状態により生じる病態である。その原因は胎盤早期剥離,子宮破裂,感染症,母体の外傷と多岐にわたり,結果として起きる神経学的後遺症は恒久的である場合が多く,患児だけではなく,家族や社会に及ぼす影響は著しい。現時点で有効性が認められている治療法は脳低温療法であるが1),実施可能な施設が限られ,装置が高額で,効果に限りがあり,代替療法や併用療法の必要性が認識されている。

     HIEの病態は脳内で起きる血流の低下と酸素枯渇による細胞死(一次性細胞傷害),興奮性アミノ酸やフリーラジカルによる細胞傷害によって活性化したミクログリアによるサイトカインの産生,浸潤細胞による炎症反応が指摘されている2)。この炎症反応によって引き起こされた遅発性細胞死(二次性細胞傷害)はHIEの予後を決定するうえで,また低酸素虚血後の治療のターゲットとして重要であると考えられている2)。一方,受傷細胞に着目すると神経学的後遺症へと直結するニューロンやオリゴデンドロサイトの傷害/死滅とアストロサイトやミクログリアの活性化による炎症反応が受傷病変の拡大に関与していることは周知されている。しかし,血管内皮細胞の受傷がもたらす影響も多大である。

     脳血管内皮細胞は血流の調節以外にも,受傷時にさまざまなサイトカインやケモカインを産生するが,血管内皮細胞由来の炎症物質が新生児HIE脳においても上昇していることが報告されている3)。また,受傷後の神経再生には脳血管を含むニッチェが必要であることも明らかにされており4),脳血管内皮細胞傷害は神経再生を阻んでいる可能性がある。つまり,血管内皮細胞が低酸素虚血によって受ける傷害は,一次性・二次性細胞傷害だけでなく回復期にもインパクトをもたらすものであるといえる(図1)。

  • 洲鎌 盛一, 草野 薫, 落合 幸勝
    脳と発達
    1995年 27 巻 3 号 211-215
    発行日: 1995/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, 低酸素性虚血性脳症による基底核, 視床病変をもつ症例の報告が多数みられ, それらは一つの臨床病理学的症候群と考えられている. 我々は両側視床, 脳幹および側脳室周囲白質を主な障害部位とする周産期異常による満期産脳障害児2例を経験した. その病変の分布および臨床症状からは先に我々が報告した基底核, 視床障害例とは異なる発症機序により生じたものと考えられた. 両者が異なった臨床病理学的症候群である可能性について考察した.
  • 脇田 諭, 松田 清香, 渡邊 寛輝, 森 晃, 和多田 雅哉, 平田 孝道, 小林 千尋
    日本AEM学会誌
    2018年 26 巻 1 号 59-64
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/05/30
    ジャーナル フリー

     Although the mechanism of action remains unclear, new biomedical applications of plasma have been found. In addition, umbilical cord blood is clinically applied by hematopoietic stem cell transplantation. It was confirmed that mesenchymal stem cells capable of differentiating into brain and bone tissues exist in umbilical cord blood. It is expected that umbilical cord blood will be applied to the field of regenerative medicine from the existence of mesenchymal stem cells. On the other hand, hypoxic-ischemic encephalopathy (HIE) is a condition in which the brain does not receive enough oxygen. HIE is a fatal condition for brain falls into acid deficient state. Cause of HIE is various, for example, respiratory failure and circulatory failure, neonatal asphyxia. We want to conduct an experiment on the functional recovery of the HIE by atmospheric pressure plasma inhalation. We guessed the effect of the plasma and umbilical cord blood to the HIE model rats, was studied administration method.

  • 石井 雅宏
    日本重症心身障害学会誌
    2021年 46 巻 2 号 252
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/13
    ジャーナル フリー
    緒言 重症心身障害児(者)において、反復する誤嚥性肺炎の対応として、喉頭気管分離術の有効性は広く知られており、頻用されている。しかし、空気嚥下症を引き起こし、摂食等の問題になることも知られている。多くの場合は一過性の現象でその間は用手的脱気等により対応できるが、今回短時間で著明な腹部膨満を来し、消化管穿孔で緊急手術なった一例を経験したので報告する。 症例 片側巨脳症を原疾患とする最重度精神運動発達遅滞、症候性てんかんで当科フォロー中の20歳男性。誤嚥性肺炎で当院入院した。入院後呼吸状態が悪化したため気管内挿管と人工呼吸管理を行った。その後呼吸状態が改善したため抜管を試みたが抜管後数時間で呼吸不全に陥るため再挿管を行った。誤嚥性肺炎反復のリスクを考慮し、X月Y日喉頭気管分離術を施行した。術後呼吸器を装着し経過を見ていたが、術中に挿入した気管カニューレの安定性が悪く、一回換気量が時折低下していた。そのためY+23日15時に他社製のカニューレに交換した。その後から苦悶様表情が出現したが一回換気量の低下は認めずバイタルサインも安定していたため経過を観察していた。18時ごろに腹部膨満と顔色不良が出現した。呼吸器設定の変更で状態改善を試みたが変化なく、20時に発熱、21時にはショック状態になった。腹部造影CT検査でフリーエアーと腹水を認めたため消化管穿孔疑いで緊急手術になった。開腹し盲腸部の穿孔を認めた。 考察 カニューレ交換の直前までは全身状態やバイタルサインも安定しており、交換後の違和感から多量に空気を嚥下し、それにより急速に消化管の内圧が高まり、消化管で最も圧に弱い盲腸部が穿孔したと考えられた。 Take home message 喉頭気管分離術後の重症心身障害児(者)で、空気嚥下症から重篤な状態に短時間で陥る可能性もある。
  • 細川 洋輔, 大萱 俊介, 丸山 幸一, 三浦 清邦
    日本重症心身障害学会誌
    2021年 46 巻 2 号 252
    発行日: 2021年
    公開日: 2024/03/13
    ジャーナル フリー
    はじめに 誤嚥性肺炎の予防として喉頭気管分離術が有効とされるが、術後も肺炎管理に難渋した重症心身障害児を2例経験したので報告する。 症例1 4歳女児、原因不明の先天性関節拘縮、四肢麻痺、大島分類1の重症心身障害児。喉頭軟化症に対して単純気管切開術を受け、生後9か月で人工呼吸器療法となった。誤嚥性肺炎を繰り返し、3歳で肺炎治療困難となったため喉頭気管分離術を施行した。しかし、術後も肺炎を繰り返した。胸部CT画像は気管支透亮像を伴う浸潤影、スリガラス状陰影、小葉中心性粒状影を呈し、KL-6は1480U/mlと上昇を認めた。二次性間質性肺炎を疑い、ステロイド内服を開始したところ病状の安定が得られた。 症例2 10歳男児、
    新生児低酸素性虚血性脳症
    、痙性四肢麻痺、大島分類1の重症心身障害児。生後より人工呼吸器療法となり、生後4か月で単純気管切開術を受けた。3歳より誤嚥性肺炎を繰り返し、7歳で肺炎治療困難となったため喉頭気管分離術を施行した。術後も肺炎を繰り返し、胸部CT画像は気管支透亮像を伴う浸潤影、スリガラス状陰影を認め、KL-6 2120U/mlと上昇を認めた。二次性間質性肺炎を疑いステロイド内服を開始し、病状安定が得られた。 考察 細菌性肺炎後に二次性間質性肺炎を発症することは知られている。画像、臨床所見とも細菌性肺炎と類似し、病理組織で診断される。また、ステロイド治療反応性は良好といわれる。本例も画像所見とステロイドへの反応性から二次性間質性肺炎として矛盾はしなかった。反復性誤嚥性肺炎が病態に寄与した可能性があり、より早期に喉頭気管分離術を施行すべきであったと考える。重症心身障害児(者)で二次性間質性肺炎を発症したという報告は認められなかった。 結語 反復性誤嚥性肺炎は二次性間質性肺炎を合併することがあり、より早期に誤嚥性肺炎予防を行うべきである。
  • 平澤 恭子
    脳と発達
    2020年 52 巻 2 号 78
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー
  • 出澤 真理
    体力科学
    2023年 72 巻 1 号 7
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/01/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 松井 智浩
    山口医学
    2016年 65 巻 2 号 81-85
    発行日: 2016/05/01
    公開日: 2018/03/16
    ジャーナル フリー

    脳低温療法は,

    新生児低酸素性虚血性脳症
    や心肺停止後蘇生後脳症等の脳障害時にニューロン(脳)を保護する治療法であるが,その機序には未だ不明な点が多い.脳損傷後,早期に活性化されるマイクログリアは,サイトカインや一酸化窒素(NO)等のニューロン傷害性因子を放出し,脳障害増悪に関与する.T細胞は遅発性に脳内に浸潤し,サイトカインやプロテアーゼ等のニューロン傷害性因子産生を介して,持続的な脳障害増悪に関与する.本研究では,脳低温療法による脳保護作用機構を解明するため,マイクログリアおよびT細胞由来ニューロン傷害性因子産生に低温・高温が及ぼす影響を調べた.その結果,マイクログリアからのTNF-α,IL-10およびNO産生ならびにT細胞からのIL-17とグランザイムB(GrB)産生は,各々,37℃に比べ33℃では低値,39℃では高値を示した.また,それらの因子の脳内障害的作用をニューロン死で評価すると,TNF-α,IL-10,NO,IL-17およびGrBとも,各々,濃度依存的にニューロン死を誘導した.以上をまとめると,TNF-α,IL-10,NO,IL-17およびGrBの温度依存的産生動態とこれらの因子による濃度依存的ニューロン死誘導動態は比例関係となり,33℃でのマイクログリアからのTNF-α,IL-10およびNOの産生低下ならびにT細胞からのIL-17とGrBの産生低下はニューロン死抑制に,一方,39℃での産生増加はニューロン死増加に繋がると考えられた.

  • 齋藤 茂芳, 田上 穂, 大木 明子, 高橋 佑典
    日本放射線技術学会雑誌
    2019年 75 巻 10 号 1194-1199
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/20
    ジャーナル 認証あり
  • 山本 啓之, 前垣 義弘
    脳と発達
    2020年 52 巻 4 号 238-239
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/08/06
    ジャーナル フリー
  • 大西 聡
    日本周産期・新生児医学会雑誌
    2021年 56 巻 4 号 590-594
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/26
    ジャーナル フリー

     はじめに

     昨今の新生児医療の発展により超未熟児の生存率は向上したが,合併症である慢性肺疾患(Chronic lung disease:CLD)は減少していない.詳細な病態は解明されておらず,有効な治療法がない.CLDは長期呼吸機能だけでなく脳性麻痺や発達遅延等の神経学的問題をきたすため,治療法の開発は重要命題である.CLDの要因としては出生前因子として絨毛膜羊膜炎,胎児発育遅延や出生前ステロイド,遺伝的素因が挙げられ,出生後因子としては人工呼吸管理,酸素毒性,感染,呼吸窮迫症候群,動脈管開存症,栄養因子,出生後ステロイド等が挙げられる1).肺は脳とともに出生時点でも臓器としての完成度が低く,超未熟児はcanalicular〜Saccular stageという器官が未発達の状態で出生するが,それ故に早期の傷害に対しては可逆性の余地が大きい1).CLD成立には種々のカスケードが働き,有効な治療法が乏しいことから,再生医療への期待が高まってきた.

     現在CLDに対して有効と考えられる治療としては,出生前ステロイドはRDSを減少させ,破水例ではCLDを減少させる2).ビタミンAは肺の発達と修復の調節に関与し,修正36週での死亡またはCLDを減少させ3),メタアナリシスではCLD減少を確認しているが,弱いエビデンスにとどまる4).クエン酸カフェインは無呼吸発作軽減作用に加え,抗炎症作用が指摘されており,Cap trialによりCLDを減少させると報告されている5).アジスロマイシンはウレアプラズマの根絶によりCLD減少効果を有するとされる6).ステロイドについては,生後早期投与はアメリカ・カナダ小児科学会共同提言にて推奨されておらず,過去の報告においても研究中に消化管穿孔の合併症により研究中断を余儀なくされた報告もあった.ステロイド生後早期投与において投与量・投与期間について様々な検討がなされたが,2016年のフランスからの報告では,在胎24〜28週未満の児に出生後早期の少量ハイドロコルチゾン予防投与(1mg/kg/day×7日間+ 0.5mg/kg/day×3日間)によりCLD発症を抑制したと報告された(Odds ratio=1.48(95% CI:1.02-2.16),NNT12)7).しかしCLDへの効果は限定的であり,さらなる新たな治療法として再生医療がフォーカスされるようになった.

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