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クエリ検索: "日本リハビリテーション専門学校"
98件中 1-20の結果を表示しています
  • -回復期におけるADL向上を目的としたリハビリテーション-
    加藤 省吾, 石塚 渉, 進藤 晃, 水流 聡子, 飯塚 悦功
    品質
    2012年 42 巻 4 号 553-566
    発行日: 2012/10/15
    公開日: 2017/08/30
    ジャーナル 認証あり
    日本では,社会の高齢化による病気や怪我のリスク増大に伴い,リハビリテーションの重要性が高まっている.一方, 2006年4月に実施された診療報酬制度の改訂により,医療保険が適用されるリハビリの期間が発症から最大180日に制限された.リハビリに対するニーズの高まり,保険制度面からの時間的制約により,リハビリの効果的・効率的な提供が求められている.リハビリは,医師が処方を出した後で,療法士が設計する訓練計画に基づいて行われる.しかしながら,療法士が訓練計画を設計する科学的な方法論は確立しておらず,訓練計画の設計は療法士個人に依存しているのが現状である.本研究では,療法士が訓練計画を設計する思考プロセスを可視化・構造化し,リハビリ訓練設計のための方法論を確立することを目的とする.回復期の患者に対して病院で行われる,日常生活の基盤であるADL (Activity of Daily Living)向上を目的とするリハビリテーションを対象として,リハビリ訓練設計過程の論理モデル,実装モデルを提案する.また,仮想患者に対して療法士が訓練計画を設計するワークショップにおいて,提案モデルの妥当性を確認する.
  • 塩澤 和人
    日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
    2016年 9 巻 1 号 46-47
    発行日: 2016年
    公開日: 2019/09/26
    ジャーナル フリー
  • 木村 哲彦
    バイオフィリア リハビリテーション研究
    2010年 6 巻 1 号 1-10
    発行日: 2011/03/31
    公開日: 2011/04/30
    ジャーナル フリー
    褥瘡は治り難いもの,そして治し難いもの,然し予防できるものと言うことは多くの症例を扱ってきた医療者は知っていた.それを科学的根拠に基づいて学会に提言したのは1960年代の半ば頃からであった.著者はロダンアンモン発色方で1),
    2),KOSIAKはバルーンによる圧力測定を根拠にほぼ同じ結果を報告している3).褥瘡,床擦れと言われた100年前より発生原因,物理学的対策,薬物学的対策について多くの研究が成され,病理学的な特性,生化学的特性に関する病態についても判明した事実は多い4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),
    17),18).褥瘡の発生機序,組織学的変化などに関する報告は多くの学術雑誌に見られたが,褥瘡についての知識の普及に反し,予防すれば予防可能である筈の褥瘡患者の数の減少する気配は一向に薄く,厚生労働省も健康保険点数に於いて未対策の医療機関の入院患者に対する減点政策を採るに至った.更に2年後の改正時に予防対策を前提とした入院点数を付するに至っている.然し,褥瘡管理が行き届かぬ医療機関に対し,健康保険点数減算措置がとられた後に,医療機関は本腰を入れて予防に力を投入するところとなった結果,行政は素早く減算措置から予防体制を整えた医療機関に保険点数の加算を行う所となった.我々研究班は,予防の至らぬ点を憂い,現状を究めて解決策を得んと意図し,長年にわたり啓発に努めてきた所であるが,平成17-18年文部科学省科研費19)と平成18-19年財団法人テクノエイド協会研究助成金20)により,予防効果に関する研究に従事した.その利用器具開発,研究手法,内容,結果の詳細は,長岡ら21),滝沢ら22),村上ら23)が報告している.特に長岡は, 長岡病院グループはKOSIAKの提唱する徐圧による予防の効果を立証し,"コジャックの法則(局所圧力200mmHg以下・2時間以内の体位変換)に則して,体位変換を実施すれば褥瘡の発生を見ない" を実現した病院の状況について報告した24),25).しかし,一般の医療機関に於いては40年来学会等を介して我々が褥瘡の弊害と予防の可能なことを提唱してきたことが殆どの医療機関では生かされてこなかった実態がある.本稿では以下,実施したアンケート調査から,政策として,褥瘡対策未実施減算導入がどのような影響を与えたかを述べる.著者を含め,直接データ採集に関わった本研究グループを構成するメンバーは次に挙げる医療機関及び人員による.平成17-18年度文部科学省科研研究:(当時) 木村哲彦(国際医療福祉大学・大学院・教授),滝沢茂男(リハビリエイド有限会社・バイオフィリア研究所・研究員),長岡健太郎(医療法人湘南健友会長岡病院・診療科・理事長),牛澤賢二(産能大学・経営情報学部・教授),山下和彦(東京電機大学・工学部情報メディア学科・ポスドク),森田能子(川崎病院・リハビリテーション科・部長),村尾俊明(財団法人テクノエイド協会・常務理事)平成18-19年度財団法人テクノエイド協会研究:(当時) 木村哲彦(前出),滝沢茂男(バイオフィリア研究所有限会社・研究所長),森田能子(前出),岡本雄三(医療法人帰厳会岡本病院 院長),長岡健太郎(前出),長澤弘(神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科・教授),牛澤賢二(前出),川合秀治(社団法人全国老人保健施設協会副会長),和田里佳(立花整形外科通所リハビリテーションセンター・所長),白澤卓二(東京都老人総合研究所分子老化研究グループ・研究部長),塚田邦夫(高岡駅南クリニック院長),足立かおる(岡本病院副院長),村上亜紀(湘南看護専門学校専任教員),高田一(横浜国立大学教授)
  • ―「他職種と協働するための実践力」と「連携を促進する実践力」との関係―
    塩澤 和人
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 O-0664
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】医療分野における専門職による連携は重要である。連携に必要な実践力として,①他職種と協働するための基本となる力,②連携を促進しチームを動かす力があることが示されている(大塚:2011)。臨床では「他職種の尊重と自らの専門性を発揮すること」が重要であり,これは①他職種と協働するための基本となる力であると考える。より良いチーム医療サービスを提供するために連携に必要な行動特性の検討が必要である。そこで本研究では,課題別に「他職種と協働するための基本的な実践力」と「連携を促進しチームを動かす実践力」との関係を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は,療養病床,回復期リハビリテーション病棟,認知症病棟を有するA病院の保健医療福祉関連の専門職191名とした。対象者には自記式質問紙による専門職連携に関する調査を実施した。調査では連携可能と思わる4つの課題(患者のゴール(目標)設定,退院支援,褥瘡予防,転倒・転落予防)を設定し,課題毎に連携内容(①職種個別(カンファレンス以外)の情報交換(収集・伝達),②カンファレンスでの意見交換,③カンファレンス等でのコーディネート(調整),④チームの目標・計画の共有,⑤明確な役割分担,⑥協働作業の共有化,⑦チーム活動のリフレクション(振り返り))について必要性が高いと思うものから順番(1~7)をつけさせた。また,課題全体を通じた調査として専門職連携実践力自己評価票(大塚:2011)を使用し連携に必要な行動特性を調査した。本評価票は専門職連携に関する実践力について8要素37項目で構成され,回答は「4:している,3:時々している,2:あまりしていない,1:していない」の4件法とした。分析方法について,「他職種と協働するための基本的な実践力(以下,基本的実践力)」と「連携を促進しチームを動かす実践力(以下,応用的実践力)」の関係を明らかにするために,必要性が高いと思うものから順番をつけた6つの行動内容を基本的実践力群と応用的実践力群の2群に分類,2群における課題毎の中央値を比較した(Wilcoxonの符号付き順位検定)。有意水準は5%とした。また,協働するための実践力を検討するために,専門職連携実践力自己評価票のうち,パートナーシップ(5項目)とコミュニケーション(10項目)の4件法の割合を算出した。【結果】調査票の配布数191名に対し,回収数は135件(回収数70.7%)であった。「基本的実践力」と「応用的実践力」の比較では,4課題とも「基本的実践力」の方が「応用的実践力」より有意に低い得点(必要性が高い)を示した(p<0.05)。専門職連携実践力自己評価票のパートナーシップ(5項目)について,回答者の8割超の者が他の専門職に対して『対等な仲間として尊重する』,『立場や状況を考慮して行動する』,『立場や状況を知ろうとする』行為を実施していたが,『自分の立場や状況を伝える』,『役割分担する』行為は7割前後であった。同評価票のコミュニケーション(10項目)について,回答者の8~9割の者が患者の情報を『聞く』,『伝える』,『相談し合う』というコミュニケーション行動をとっていたが,『アセスメントのやり取り』や『変化に関する話し合い』は6割,『交渉』,『議論』,『納得できるまで話し合う』は5割超にとどまった。【考察】連携に必要な行動について,4課題とも「基本的実践力」の方が「応用的実践力」より有意に低い得点(必要性が高い)を示した。このことより,連携に必要な行動特性は,課題の種類に関係なく“連携を促進しチームを動かす力”よりも“他職種と協働するための基本的な力”すなわち「他の専門職を尊重しながら,自らの専門性を発揮すること」がより必要性が高いことが示された。実際の行動について,8割超と多くの回答者が他者を尊重し,理解しようと努めていたが,自分を知ってもらう行為や役割分担は7割前後であった。また,患者の情報を伝える,聞く,相談する行為は8~9割の回答者が行っていたが,アセスメントのやり取りや交渉および議論するという行為は5~6割であることが明らかとなった。このことより,他者の尊重については概ね実施されていたが,自らの専門性を発揮することや交換した情報を深めることは十分でなく,これらの強化が必要であると考えられた。【理学療法学研究としての意義】理学療法士を含む保健医療福祉の専門職が他職種と連携していく上で,必要性の高い行動内容が示されたことに意義がある。
  • ―医療におけるNeedsと工学分野における開発技術力―
    *木村 哲彦
    バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
    2009年 2009 巻
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/06
    会議録・要旨集 フリー
    昨今、医学分野も生物学も、更に理科学・工学も自然科学のルーツに迄遡った研究、即ち境界分野の領域の研究に多くの力が割かれるようになり、ボーダーレスな連携プレーが盛んになってきたと言える。バイオフィリア・リハビリテーション学会は「心身に弱点・障害を持つ人間を中心に、自然科学分野のみならず、社会科学領域の英知をも結集して心身の安寧永続、更には寿命の尽きる迄健康で自立生活可能であるよう、努力をしようではないか」、との心を一にした者の集団である。21世紀の大きなテーマとして選んだ名称で、共通の認識の下に“世の為人の為”を旗印にしている。
  • 福山 勝彦, 細木 一成, 鈴木 学, 木村 哲彦, 二瓶 隆一
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P1-573
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】臨床実習において「学内では問題にならなかった学生が現場で適応できない」というケースを時々経験する.また当校では一部の病院においてクリニカルクラークシップ形式の実習をお願いしているが、実際にどの程度の臨床能力があるかについて事前に評価していない.このような問題を解決するために昨年度より、客観的臨床能力試験(OSCE)を応用した実習前教育(OSCEモイドと名づけている)を取り入れた.今回はこの方法を紹介し、臨床実習終了後に学生にアンケートを行なったのでその結果を報告する.
    【方法】当校では評価実習の1ヶ月前にOSCEモイドを試験(Examination)としてではなく練習(Exercise)として実施している.課題は片麻痺と人工股関節置換術後の症例で、それぞれ一つのステーションで問診から検査、治療手技まで数項目を実施する.標準模擬患者役は全総合臨床実習を終了した4年生の学生、チェック・指導役も同じく全総合臨床実習を終了した4年生の学生と教員の3名で行い、事前にこれらの学生には患者役の仕方、チェック項目等を説明、教員指導の下、十分練習を行なわせる.最大の特徴はOSCEモイド終了直後、チェック表に従ってその場でフィードバックすることである.今回、評価実習を終了した学生(対象者)43名に対し、OSCEモイドの効果について無記名のアンケート調査を行なった.それぞれ肯定的か否定的かを4段階(4が肯定、1が否定)で回答し、それぞれにコメント欄を設けた.なお学生(対象者)にはアンケート調査の趣旨を説明し同意を得ている.
    【結果】自分に欠けている点が明確になったか」に対し、4が26名(60.5%)、3が13名(30.2%)、2が4名(9.3%)であった.「フィードバックは適切だったか」に対し、4が20名(46.5%)、3が14名(32.6)、2が9名(20.9%)、であった.「不足していた部分を実習前に自己学習したか」に対し、4が19名(44.2%)、3が17名((39.5%)、2が7名(16.3)であった.「OSCEモイドは実習で役立ったか」に対し、4が23名(53.5%)、3が11名(25.6%)、2が8名(18.6)、1が1名(2.3%)であった.
    【考察】OSCEの問題点の一つにフィードバックが十分行なえないということが指摘されている.試験として行なった場合、その場で指摘されることは少なく、後日結果を知らされることが多い.我々の方法ではその場でフィードバックされるので、指摘された点を受け入れやすく、不十分な点や自分で気づいていなかった点を把握し次の準備にもつながったものと思われる.また学生に協力してもらうことで一人に十分時間を取れることもメリットと言える.しかしフィードバックの内容に関しては学生が行なうことに若干不満もあり、チェック項目の徹底指導や教員主体のフィードバックを検討する必要があると思われる.さらに実習指導者の意見も取り入れ効果を検証していきたい.
  • 細木 一成, 鈴木 学, 福山 勝彦, 橋谷 美智子, 郭 丹, 安村 寿男, 二瓶 隆一, 木村 哲彦
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P1-561
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】当校では4年次総合臨床実習において急性期病院、回復期病院などで8週2回の臨床実習を行なっている.これに加え、介護老人保健施設(以下老健と略)に対して7週間の臨床実習を全員に課している.病院ではほとんどが患者担当制の実習を行なっているのに対し、老健では体験主体の実習を展開している.その内容として初日はオリエンテーション、1週目は老健臨床実習指導者(以下実習指導者と略)に終日同行、2週目は介護職、看護職など他部門見学・体験、3週目以後に専門職部門(理学療法)評価、リハプランの立案、実施計画書作成などを経験するマニュアルを作成し、平成19年より実施してきた.この中で問題解決型の学習効果を上げるために従来のディリーノートに代えポートフォリオを用いて実施している.実際に老健臨床実習でこの方式が効率よく実施されたか、学生のアンケート調査をもとに報告する.
    【方法】実習前に実習指導者と当校の学生各々に、実習の進め方、ポートフォリオ作成方法(最初に目標を設定し、日々の記録をアクションシートという一定の書式を用い、1日ごとに問題解決型の記載方法をとる)の説明を行った.学生には規定の臨床実習2回と老健実習が終了した時点でポートフォリオ使用後の感想について、アンケート調査を行った.回答は、「整理しやすいか」、「指導者から助言がもらえたか」の2項目については、4.3.2.1の4段階(4を肯定、1を否定)で評価させ、「ポートフォリオと従来のディリーノートではどちらが使いやすいか」をポートフォリオ、ディリーノート、比較不能の3項目より選択させた.対象は平成19年度理学療法学科昼間部4年生37名で、事前にアンケートの趣旨説明し、同意を得ている.
    【結果】「整理しやすさ」に対し、4が14名(37.8%)、3が17名(46.0%)、2が4名(10.8%)、1が1名(2.7%)、無回答が1名(2.7%)であった.「指導者から助言がもらえたか」に対し、4が11名(29.7%)、3が15名(40.6%)、2が6名(16.2%)、1が4名(10.8%)、無回答が1名(2.7%)であった.「使いやすさ」に対し、「ポートフォリオ」が23名(62.2%)、「ディリーノート」が6名(16.2%)、「比較不能」が6名(16.2%)、無回答が2名(5.4%)であった.
    【考察】安田らのポートフォリオは、学生にとって簡潔で記載量が少ないため、実習現場での実習時間を有効に過ごすことを期待した.結果としては期待通り「整理しやすい」、「指導をもらいやすい」が多数であった.しかし「ディリーノートと比較した使いやすさ」では、期待通りの結果では無かった.これは深めたい知識の量が増えると、記載の量が増えてしまうことや資料が多くなり整理が煩雑になると考えられる.実習前の学生にポートフォリオでの問題解決型学習方法を徹底させることにより、このような問題点は少なくなると考えている.
  • 郭 丹
    理学療法科学
    2009年 24 巻 6 号 879-882
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/01/28
    ジャーナル フリー
    〔目的〕胸腰部の回旋に伴う胸骨の動きを明らかにするために,空間での位置変化を計測した。〔対象と方法〕対象は健常成人男性12名であった。被検者は骨盤を固定した端座位より,左右にそれぞれ30°の胸腰部回旋動作を行った。動作前後の胸骨の上下端の空間座標値を自作した簡易空間測定装置を用いて測定し,胸骨の3次元空間上での運動を分析した。〔結果〕級内相関係数(ICC)およびCronbachの α係数を用いた2回の計測間の計測信頼性の検証では,高い相関が認められた。胸骨の正中位での空間位置は,前額面内では垂直,矢状面では内後傾しており,解剖学上の位置と一致した。胸腰部回旋時の胸骨上下端の移動距離はほぼ同程度であった。また,右回旋時には胸骨の右傾斜が,左回旋時には左傾斜する傾向が顕著に認められ,胸腰部の回旋と同方向への側屈も確認できた。〔結語〕胸腔の安定性に働く胸骨であるが,胸腔の動きと異なる固有の動きも認められた。
  • 木村 哲彦
    バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
    2013年 2013 巻
    発行日: 2013/08/31
    公開日: 2017/07/22
    会議録・要旨集 フリー

    褥瘡の実態についての知識、原因、病理については医療者総て無知であったわけではなく、圧迫により局所の血流が妨げられた結果生ずる組織壊死に基づく瘡であり難治性であることも知られていなかった訳ではない。然し、医療者の多くは仕方の無いことと考え、看護の限界を超えているかの如き、原疾患のため治療に難渋する成り行きと考える者が多かったと考えられる。高齢者の場合も、重傷者の場合も、さらに、中枢神経麻痺患者の場合もリハビリテーション学が真剣に治療学の分野で検討されるに至ってから後に、学会活動として真剣に活動を開始したと考えてよい。

    昭和40年(1965年)をリハビリテーション元年と譬えるが、当時、日本国内に少なかったリハビリテーション関連病院、療養所では事の重大さに気付いた医療者が検討を開始した。この事は文献検索の結果、明白であり、著者が耐圧分散との関連を調べる手段を調べた際も海外の文献に頼らざるを得なかったし、工学部の技術者の知恵を借りて体圧分散測定装置を考え作成しベッド作成に座面クッション作成にと及んだ時期を経験している。

  • 細木 一成, 福山 勝彦, 鈴木 学, 丸山 仁司
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P2-076
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    国立社会保障・人口問題研究所が発表した西暦2050年の日本人の平均寿命は、男性80.9歳、女性89.2歳と予測している。このように平均寿命は伸び今後、高齢者の数がますます増加してくるのは明白である。時間的に制約のある病院、介護老人施設、訪問リハビリテーションで理学療法士が行う個別の理学療法は限界があり、病院や施設内、在宅で後部体幹筋などのリラクゼーション効果を得ることは不十分で、理学療法を有効に活用できないと考える。体幹筋の筋緊張の軽減や、リラクゼーション効果を得る手段として、乗馬療法やフィットネス機器のジョーバなどが多く研究され紹介されている。その中でもジョーバは簡便に行えるが、立位、座位バランス能力が低下した高齢者においては、使用することが困難であろうと予測する。これに対する一つ手段として、座位にて振幅運動を利用したロッキングチェアによる運動により同様の効果が得られないかと考えた。ロッキングチェアよるリラクゼーション効果判定の手段として、施行前後のFFD(finger-floor distance)および重心の前方移動距離の変化を測定し、若干の知見を得たので報告する。

    【方法】
    被験者は理学療法士養成校に在学する腰痛等に既往のない成人男女10名(男性5名、女性5名、平均年齢24.1±6.2歳)とした。
    5分間の安静座位を取らせた後FFDおよび重心の前方移動能力の測定を行なった。方移動能力の測定は福山らの方法に順次、アニマ社製グラビコーダGS-10を使用した。被検者を床反力計上に5cm開脚位、2m前方の目の高さにある目標点を注視して起立させた。まず10秒間の安静時重心動揺を測定した。次に体幹を屈曲させたり踵を浮かせたりすることなく身体を前方に最大移動した状態で保持させ、10秒間の重心動揺を測定した。前方移動時のMY(MEAN OF Y:動揺平均中心偏位)値から安静時のMY値を減じ、さらに足長(踵の後面から第1趾先端までの距離)で除し前方移動能力とした。次に被験者をロッキングチェア(風間家具のヨーロッパタイプ)上に安楽と思われる姿勢で座らせた。床に足底を接地した状態で、下肢の筋力を使わず体幹筋の運動により10分間、前後に揺らすことを指示した。振幅させる周期は被験者の任意とし10分間安楽に行なえるように配慮した。ロッキングチェアでの10分間の運動後、運動前と同様の方法でFFDと前方移動能力の測定を行なった。
    運動前後のFFDおよび前方移動能力の値についてウィルコクソンの符号順位和検定を用いて比較検討した。有意水準は5%未満とした。なお統計処理には統計解析ソフトSPSS 11.5J for Windowsを使用した。
    【説明と同意】
    被験者に対し目的・方法を十分説明し理解、同意を得られた方のみ実施した。実施中に体調不良となった場合は速やかに中止すること、途中で被験者自身が撤回、中断する権利があり、その後になんら不利益を生じず、また個人情報は厳重に管理することを伝えた。
    【結果】
    FFDは運動前で平均2.1cm±10.9cm、運動後で平均5.2cm±11.4cmと運動後に有意に増加した(p<0.05)。前方移動能力は平均27.4%±8.2%、運動後で平均31.7%±4.8%と運動後に有意に増加した(p<0.05)。
    【考察】
    今回のロッキングチェアでの運動によりFFD、前方移動能力が増大したことについては、後部体幹筋、下腿後面筋に対するリラクゼーション効果により体幹、下肢の柔軟性が増大したものと推察する。佐々木らによれば体幹の筋緊張、体幹回旋筋力といった体幹部分の機能異常や能力低下が、寝返り、起き上がりなどの動作を困難にしていると述べている。高齢者の寝返り、起き上がりなどの基本動作能力の維持・向上を考えると個別に行なう理学療法以外に、高齢者自身が行う自主的な運動が必要となってくる。このような運動は継続することが重要で、簡便さが必要になり複雑な運動や、負荷が強ければ継続が困難となる。簡便で安価に導入できるロッキングチェアの持続運動は、体幹筋の過緊張が原因で寝返り、起き上がりが困難となっている高齢者に対して、有効で動作の遂行に好影響を及ぼすものと推測する。
    【理学療法研究としての意義】
    ロッキングチェアを使用した持続運動は後部体幹筋、下腿後面筋に対するリラクゼーションに効果があり、高齢者自身が行う運動に対し有効であると考える。
  • 木村 哲彦
    バイオフィリア
    2015年 2015 巻 2 号 195-206
    発行日: 2015/05/05
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    褥瘡は治り難いもの,そして治し難いもの,然し予防できるものと言うことは多くの症例を扱ってきた医療者は知っていた。それを科学的根拠に基づいて学会に提言したのは1960年代の半ば頃からであった。著者はロダンアンモン発色方で1),2),KOSIAKはバルーンによる圧力測定を根拠にほぼ同じ結果を報告している3)。褥瘡,床擦れと言われた100年前より発生原因,物理学的対策,薬物学的対策について多くの研究が成され,病理学的な特性,生化学的特性に関する病態についても判明した事実は多い4),5),6),7),8),9),10),11),12),13),14),15),16),17),18)。褥瘡の発生機序,組織学的変化などに関する報告は多くの学術雑誌に見られたが,褥瘡についての知識の普及に反し,予防すれば予防可能である筈の褥瘡患者の数の減少する気配は一向に薄く,厚生労働省も健康保険点数に於いて未対策の医療機関の入院患者に対する減点政策を採るに至った。更に2年後の改正時に予防対策を前提とした入院点数を付するに至っている。然し,褥瘡管理が行き届かぬ医療機関に対し,健康保険点数減算措置がとられた後に,医療機関は本腰を入れて予防に力を投入するところとなった結果,行政は素早く減算措置から予防体制を整えた医療機関に保険点数の加算を行う所となった。我々研究班は,予防の至らぬ点を憂い,現状を究めて解決策を得んと意図し,長年にわたり啓発に努めてきた所であるが,平成17-18年文部科学省科研費19)と平成18-19年財団法人テクノエイド協会研究助成金20)により,予防効果に関する研究に従事した。その利用器具開発,研究手法,内容,結果の詳細は,長岡ら21),滝沢ら22),村上ら23)が報告している。特に長岡は, 長岡病院グループはKOSIAKの提唱する徐圧による予防の効果を立証し,「コジャックの法則(局所圧力200mmHg以下・2時間以内の体位変換)に則して,体位変換を実施すれば褥瘡の発生を見ない」を実現した病院の状況について報告した24),25)。しかし,一般の医療機関に於いては40年来学会等を介して我々が褥瘡の弊害と予防の可能なことを提唱してきたことが殆どの医療機関では生かされてこなかった実態がある。本稿では以下,実施したアンケート調査から,政策として,褥瘡対策未実施減算導入がどのような影響を与えたかを述べる。著者を含め,直接データ採集に関わった本研究グループを構成するメンバーは次に挙げる医療機関及び人員による。平成17-18年度文部科学省科研研究:(当時) 木村哲彦(国際医療福祉大学・大学院・教授),滝沢茂男(リハビリエイド有限会社・バイオフィリア研究所・研究員),長岡健太郎(医療法人湘南健友会長岡病院・診療科・理事長),牛澤賢二(産能大学・経営情報学部・教授),山下和彦(東京電機大学・工学部情報メディア学科・ポスドク),森田能子(川崎病院・リハビリテーション科・部長),村尾俊明(財団法人テクノエイド協会・常務理事)平成18-19年度財団法人テクノエイド協会研究:(当時) 木村哲彦(前出),滝沢茂男(バイオフィリア研究所有限会社・研究所長),森田能子(前出),岡本雄三(医療法人帰厳会岡本病院 院長),長岡健太郎(前出),長澤弘(神奈川県立保健福祉大学リハビリテーション学科・教授),牛澤賢二(前出),川合秀治(社団法人全国老人保健施設協会副会長),和田里佳(立花整形外科通所リハビリテーションセンター・所長),白澤卓二(東京都老人総合研究所分子老化研究グループ・研究部長),塚田邦夫(高岡駅南クリニック院長),足立かおる(岡本病院副院長),村上亜紀(湘南看護専門学校専任教員),高田一(横浜国立大学教授)
  • 3年間使用によるアンケート結果を含めて
    福山 勝彦, 細木 一成, 鈴木 学, 畠山 敦, 二瓶 隆一, 木村 哲彦
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 1284
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【背景】当校は平成12年より臨床実習を行なっており、これまで臨床実習評価表について検討、改良を重ねてきた。当初は関東地区で使用されてきた評価表を使用していたが、平成16年より、1. 情意領域の評価の改良、2. 実習開始前に学生による今回の実習目標設定と中間時、最終時における見直し、自己評価の記載、3. 実習終了後、担当教員が学生に指導したことや次実習施設への引継ぎの記載を加え、評価実習、総合臨床実習を通して一冊の評価表として作成した。特に情意レベルの評価に関しては、臨床実習教育の手引き(日本理学療法士協会)を参考に、習慣の側面と態度の側面(さらに信頼関係と学ぼうとする態度に分ける)からそれぞれの小項目を評価することとした。評定法は従来の「優、良、可、不可」から、習慣の側面に関しては「習慣化されている、不十分である」、態度の側面に関しては「行動できる、努力している、改善が必要」と評定することとした。また、問題点に関しては具体的にコメントをいただく欄を設けた。
    【目的】現在使用している評価表を紹介し、実習指導者(SV)に対し評価表についてのアンケート調査を行なったので、その結果を報告する。
    【対象、方法】当校の臨床実習を受け入れている病院、施設136ヶ所のSVに郵送にてアンケート調査を行なった。アンケートの内容は、平成16年度改定した部分について肯定的か否定的かを、4,3,2,1の4段階(4を肯定、1を否定)で回答していただいた。またそれについて意見があれば記載していただいた。
    【結果】アンケートの回収率は、59.6%であった。「学生の目標設定、見直し、自己評価の記載の必要か」については、4が69.1%、3が25.9%であった。「情意レベルは評価しやすいか」については、習慣の側面では、4が55.6%、3が39.5%、態度の側面では、4が53.1%、3が43.2%であった。また、「情意レベルの評価方法は現在のほうが良いか」については、4が71.6%、3が22.2%であった。「教員の所見は必要か」については、4が71.6%、3が23.5%であった。「教員の所見は実習指導の上で参考になるか」については、4が50.6%、3が30.9%であったが、2が16.0%みられた。
    【考察】今回の調査から、現在使用している評価表はSVからは肯定的であると思われる。
    特に情意レベルの評価は、成長過程においてすでに身についている習慣と理学療法士としてふさわしい行動がとれる態度の側面から、臨床実習教育の手引きにもあるように、受け入れ、反応、内面化の成長過程を評価することを目的とした。従来の「優、良、可、不可」の違いが分かりづらいのもであるのに対し、多少一貫性のあるものになったのではないかと考える。さらにSVからの意見を取り入れ検討していきたい。
  • 介護老人保健施設における実習カリキュラムの試作
    畠山 敦, 木下 修, 篠田 良平, 鈴木 雅男, 阿部 靖, 木村 哲彦, 二瓶 隆一
    理学療法学Supplement
    2008年 2007 巻 828
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/13
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    介護老人保健施設(以下、老健)は理念と役割が明確に示され、リハビリテーションの重要な部分を担っている。養成校としてこの老健のニーズに即した人材養成のための実習が必須と考える。このため当校では、新たな実習教育カリキュラムとして(1)実習前特別授業、(2)体験実習、(3)学内発表と教員および学生からのフィードバックの3項目を柱にしたカリキュラムを試作した。平成18年3年次9月に「老健における体験実習」という新たな実習形態を開始し、現在まで2回を終えている。体験実習の目的は「老健の理念と役割を理解し、実践できること」、「老健、通所施設、在宅等での利用者様の生活状況を体験し、問題点を捉えること」、「老健におけるPTと他職種の役割を理解し、実践すること」である。今回、夜間部特有の老健実習のあり方とカリキュラム編成の若干の知見を得たので、アンケート結果とともに報告する。

    【対象および方法】
    対象は、平成18年度夜間部3年生35名、平成19年度夜間部3年生38名である。方法は、実習形態にご理解いただいた38施設において「利用者様の日常生活場面と各職種の業務を可能な限り見学、体験すること」とした。(1)実習前特別授業として、実習前の1週間で、まずはPBLチュートリアルを行い老健について学習し、その後、老健で臨床に携わるPTおよび他職種を講師に招き、「老健のシステムと現状」、「PTと他職種の役割」、「介護保険制度」、「国際生活機能分類について」、「訪問リハビリ」などの講義を実施した。(2)3週間の体験実習。(3)実習終了後は学生発表と科内教員および学生によるフィードバックを行った。評価方法は、合否判定をせず当校独自に成果表を作成した。主な項目は医療人としての資質、学生の学ぶ姿勢、体験項目内容である。なお学生の実習記録はポートフォリオを使用した。

    【結果】
    年次ごとの回答内容の差はほとんどなく、学生の8割が「利用者様の生活を見学でき、一部は体験できた」と答えた。一方、実習指導者の7割が「体験実習の目的が適切だった」と答え、3割が「改善が必要」と答えた。

    【考察およびまとめ】
    老健での体験実習は、社会における高齢者、障害者の生活を理解するうえで、学生および実習指導者に好評であった。その理由は、ほとんどの学生に社会経験があり、実習開始より積極的に行動し、3週間という短期間でも成果を挙げることができたと推察される。また夜間部の特性に社会性の成熟度が挙げられる。今後はこの特性を生かし、老健における実習形態の確立に取り組みたい。
  • 中村 伴子, 田城 孝雄
    日本重症心身障害学会誌
    2015年 40 巻 2 号 217
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/03/10
    ジャーナル フリー
    緒言・目的 2010年4月30日「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」厚生労働省医政局長通知があった。重症心身障害児(者)は重度の知的障害と重度の肢体不自由を重複しているためにチーム医療には困難さが予測された。そこで本研究では重症心身障害児(者)についての多職種チーム・ケアの成果と今後の在り方を検討したので報告する。 方法 全国の重症心身障害児(者)施設189施設にアンケート調査を郵送法で2015年2月25日から3月25日までを調査期間として実施した。調査内容は療法士がチーム・ケアに関して成果の有無の意識を調査し「チーム・ケアの成果があった」をA群、「チーム・ケアの成果がなかった」をB群としてチーム・ケアの成果の背景因子を職種数、職員数、カンファレンス実施、必要な単位数に関することと効果的対策として利用者のQOL、家族や職種間の関係性に関して割合を求め、対応のない場合の2群間の分散分析を行い解析した。 結果 1.回収率は65.4%であった。 2.調査結果は、(1)A群が63施設、B群が49施設であった。(2)A群とB群で差が見られなかった項目はチーム・ケアに関わる職種数、カンファレンスの実施はほぼ全施設が実施されていた。(3)チーム・ケアの成果として「利用者のQOL向上」や「専門性を生かされている」、「家族に喜ばれた」、「職種間で苦労を分かち合える」などの割合がA群に多かった。(4)A群はB群より利用者に対して必要な単位数の実施、専門的な情報提供や職員間の相談実施、摂食嚥下の病棟での実施、リスクマネージメントチームの参加など効果的な取り組みの割合が多かった。また、療法士数でもA群がB群よりも多く、5%水準で有意差が見られた。 考察 今後、チームケアの効果的な対策として、利用者に対して必要な単位数が実施できるような療法士数の配置、職員間の関係性の向上、専門性を利用者の生活の場で生かす取り組みなどがさらに必要と考えられた。
  • ―ストレスコーピングスキルに注目して―
    *武田 要, 藤沢 しげ子, 二瓶 隆一
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 560
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】臨床実習において学校でさほど問題にならなかった学生が中止、不可になるケースがある。そこでこのような学生の特性を探り臨床実習への対応を検討したい。今回は実習開始前の時点で情意傾向を捉える方法を試みた。
    【目的】1.心理テストバッテリーで情意領域を評価することにより学生の特性を把握し、個々のストレスに対する対処傾向を捉える。2.実習において中止、不可となった学生群の特性を捉えることで、心理テストバッテリーが使用できるかどうかの可能性をみる。
    【対象と方法】個人情報の守秘義務と研究の目的と方法を説明し承諾を得たN養成校専門学校のPT3、4学年生127名(男性69名、女性58名、平均年齢26.1±5.11)を対象にした。方法は評価実習、インターン実習前(平成15年10月から平成16年1月)にストレスコーピング・インベントリー(以下SCIと記す)と自我態度スケール(以下EASと記す)を実施した。その後インターン実習、評価実習終了後に中止、又は不可と評価された学生のSCIとEASの特性を問題のなかった学生群と比較した。統計方法としてクラーメルの係数Vを用い比較した。
    【結果】1.実習時中止・不可になった学生群と他の学生群の比較:自己中心型は問題のあるなしにかかわらず段階点に当てはめると特性傾向が比較的低値を示した。批判性、円熟性、合理性、自然性、直感性、適応性は中止・不可になった学生群でその特性傾向が比較的低値を示した。2.クラーメル係数Vによる実習時問題のなかった学生群と中止・不可になった学生群との比較:実習にて中止・不可になった学生はクラーメルの係数Vにおいてしっかり型:χ2=9.551、合理性:χ2=9.579、自然性:χ2=9.579、直感性:χ2=11.80の値を示し、有意水準5%において『しっかり型、合理性、自然性、直感性の各項目において問題のなかった学生と中止・不可になった学生との間に差がある』となった。
    【考察】中止・不可になった学生群の特性として自己コントロール型(自分の感情を表に出さない)の高い傾向がみられる。また合理性、自然性、直感性が問題のなかった学生群と比べ低く、このことは感情に流されやすい、暗く無気力、カンが鈍いといったイメージになぞられる。実習というマンツーマンの中でのストレスがかかり、見えなかった学生の情意という部分がクローズアップされるのではないだろうか。早期の段階で学生にテストを実施し、学生に性格特性をフィードバックしやすくし情意問題への対処の仕方を示唆するものとなった。
  • 望月 彬也
    日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
    2024年 2.Suppl.No.1 巻 YP-08-6
    発行日: 2024/03/31
    公開日: 2024/03/31
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    介護予防の理念は高齢者等が日々の暮らしを自立し、最期まで活き活きとした生活を持続することである。介護予防には①心身の状態を整える②日々の暮しを自立する③自分が望むことをする3段階がある。わが国は人生100年時代を迎え、近未来には人口の半数が65歳以上となり高齢者が急増する。これは「高齢社会」先進国の日本だけでなく世界的な課題になりつつある。ほとんどの理学療法士が病院等の医療関連に従事しているが、介護予防等地域支援にももっと関心を向けていただきたい。高齢者の自立支援は残存機能の最大限活用にある。理学療法士の動作・歩行分析に基づく身体機能評価から適切な福祉用具の選択で今まで不可能だったことが、使用時点から出来るようになることもある。福祉用具の活用は努力目標がよく理解でき、動機付けの助けになり自立支援に役立つ。

    【方法】

    台東区在住の一人暮らし男性の個別訪問指導事例で検 証する。自宅は4階建て鉄骨造り。日々の暮しを自立するため 4階まで昇りたい。相談は本人来られず、社会福祉士評価では詳細な身体状況等はなく危険度を考えるとノー。本人の強い希望で自宅訪問し、身体状況等理学療法的評価では結果はイエス。既存の福祉用具では対応不可能のため直ちにオーダーメイド階段昇降補助具を創る。高齢者の身体状況等は変化しやすいため、間を置かずにすぐに対応することが大切である。

    【結果】

    オーダーメイド階段昇降補助具を使用し1年半ぶりに階段昇降自立。去年台風で自宅付近の荒川が氾濫しかかった。この付近の水位は自宅一階より高く、もし氾濫すれば確実に水死する。昇降補助具で直ちに2階に避難。2階まで水が来たら 3階と自分の判断で出来る。

    【考察】

    福祉事務所で日々の暮しを自立のため2階まで昇りたいと相談したところ1階での生活が安全と言われたので専門家の派遣を要請したとのこと。水害や地震など避難時の対応は想定外のことが起こりやすく、介護者を当てにするのは危険である。適切な福祉用具の活用は介護予防(自立支援)の即効薬であるが、誤使用はもっと危険なので理学療法士など専門家の助言が必要である。

    【倫理的配慮】

    研究対象にとって不利益となるような属性 (人名、施設名等)を記載しない

  • 塩澤 和人, 大部 令絵, 田口 孝行
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-TK-01-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】専門職連携の重要性が指摘されているが,連携の効果を検証した報告は少ない。より良いチーム医療サービスを提供するために連携の効果を検証する必要がある。本研究では,連携の重要性が指摘されている課題の一部を選択し,その課題別に連携による医療専門職の主観的に感じる効果を明らかにすることを目的とした。【方法】対象はA病院の保健医療福祉関連専門職191名とした。連携可能と思われる4つの課題(患者のゴール設定,退院支援,褥瘡予防,転倒・転落予防)を選択し,課題毎に1)連携が図れていると思うか(①思う,②思わない),2)連携による効果(①課題解決,②患者・家族の満足,③スタッフの満足,④作業の効率向上,⑤課題解決に向けた目標・計画の共有と実施)(複数回答可)を調査した。分析方法について,連携状況を明らかにするために,「連携が図れていると思う」の回答者割合を課題別に算出した。また,連携の効果を課題別に明らかにするために,「連携が図れていると思う」の回答者について連携による効果(①~⑤)の割合を課題別に算出した。【結果】調査票の回収数は135件(回収率70.7%)であった。「連携が図れていると思う」の回答者割合は,「転倒・転落予防:53.5%」,「退院支援:50.4%」,「患者のゴール設定:45.7%」,「褥瘡予防:42.9%」であった。連携による効果について,「患者のゴール設定」は①課題解決:40.7%,②患者・家族の満足:54.2%,③スタッフの満足:11.9%,④作業の効率向上:11.9%,⑤課題解決に向けた目標・計画の共有と実施:74.6%であった。「退院支援」は①36.5%,②68.3%,③14.3%,④9.5%,⑤55.6%であった。「褥瘡予防」は①35.8%,②18.9%,③17.0%,④9.4%,⑤64.2%であった。「転倒・転落予防」は①50.7%,②29.9%,③16.4%,④17.9%,⑤64.2%であった。【結論】いずれの課題でも回答者の約半数が日常業務内で連携できていることを示したが,約半数が「連携が図れていない」と思っているため,各課題における連携が図れていない理由の明確化および連携体制の整備が必要と考えられた。課題別の連携の効果について,「退院支援」では回答者の約7割は「患者・家族の満足」につながったと認識しており,患者・家族を中心とした医療サービス提供に現状の専門職連携状況は有効であると考えられた。また,「転倒・転落予防」は回答者の半数超の者は連携による「課題解決」「目標・計画の共有」ができたと認識しており,現状の専門職連携体制が比較的機能していることが示された。一方,全ての課題で③スタッフの満足,④作業の効率向上の連携による効果があるとする回答者は少なく,連携には手間と時間がかかり疲労すると言われていることを裏付ける結果となった。
  • 竹田 智之
    小児理学療法学
    2022年 1 巻 Supplement_1 号 35
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 学, 細木 一成, 福山 勝彦, 郭 丹, 橋谷 美智子, 安村 寿男, 木村 哲彦, 二瓶 隆一, 丸山 仁司
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P3-570
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】PBLテュートリアルによる臨床推論能力の達成度とグループ間での達成度の差を検証することによりPBLテュートリアルによる臨床推論の可能性とテューターの介入方法の是非について検討する.
    【対象】4年制養成校の平成20年度理学療法学科3年生、男性26名、女性10名の計36名、年齢23.6±6.2歳を対象とした.学生を1グループ7~8名にて5グループに編成し、各グループに教員を専属のテューターとして1名配置した.尚、被験者には研究に際してその目的の趣旨を説明し、文書による同意を得ている.
    【方法】PBLテュートリアルは連続4日間施行した.模擬症例はCVA片麻痺に設定し、シナリオはPart1~3の3部構成で、シナリオPart1が医師からの処方箋情報、シナリオPart2が情報収集結果、シナリオPart3がPT評価結果、とした.各PartはStep1(ブレインストーミング)、Step2(自己学習、自己学習内容のグループ内発表、仮説の修正)という過程を踏み、最終的に総括としてグループごとに模擬症例の臨床推論をした.グループ討議ではテューターは必要最小限の介入にとどめるように努めた.その後、Step3として発表会を催し、各グループの臨床推論結果について、8名の教員による評価と学生による自己グループの評価を実施した.1:全体像、2:情報収集、3:評価項目、4:問題点抽出、5:ゴール設定、6:治療内容の6項目について達成度を4段階で評価し、それを4(優)~1(不可)と数値化して項目ごとに平均値を求め、各グループの達成度とした.教員評価ではKruskal-Walis検定にてグループ間の達成度の比較をした.有意水準は5%未満とした.
    【結果】グループA~Eの各グループの臨床推論の総合評価が教員評価では3.06~3.42、学生による自己の所属するグループの自己評価は2.35~2.71の範囲に分布し、教員評価は比較的良く、学生の自己評価はやや低い傾向がみられた.教員評価と学生自己評価はともに全グループで項目4、5が他項目に比較してやや低い達成度であった.教員評価で治療内容の設定においてグループ間に有意差がみられたものの(p<0.05)、その他の項目および総合評価において有意差はみられなかった.
    【考察】PBLテュートリアルによる臨床推論は教員評価からみると全体的に比較的達成度の高い学習ができていたものと思われる.比較的低い達成度となっている項目に関しては、一般的に臨床実習に臨んだ学生が実習指導者からよく指摘を受ける項目であり、この結果からも実習に向けて能力を高めていく必要性があるものと思われる.また、総合評価で臨床推論結果にグループ間に有意差がでていないことから現行のテューターの介入方法で学生に均等に学習効果をあげることができているものと思われる.
  • 福山 勝彦, 小山内 正博, 細木 一成, 矢作 毅, 丸山 仁司
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P1-366
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々は「立位時に足趾が地面に接していない状態」「歩行時に趾尖まで体重移動されない状態」を「浮き趾」と称して研究を進めてきた.これまで報告してきた内容は、浮き趾例では足趾把持力、前方重心移動能力が低下していること、感覚的要素を含む運動調節能力が低下していること、歩行時に趾尖まで体重移動されないことで推進力が低下し大殿筋の筋活動に異常がみられることなどである.しかし浮き趾の発生様式については明らかにされていない.当初、浮き趾は足趾屈筋群の筋緊張が低下しアーチが下降した状態と考えていたが、Pedoscopeの画像からアーチが保たれていても浮き趾を呈する例をみることがある.今回は浮き趾とアーチ高率の関係を調査し、浮き趾の発生様式について検討することを目的とした.
    【対象】整形外科疾患、耳鼻咽喉科疾患の既往が無い健常成人女性65名(22.1±2.1歳)を対象とした.なお被検者には事前に研究の趣旨を説明し文書による同意を得ている.
    【方法】被検者を自作のPedoscope上に5cm開脚位で起立、動揺が落ち着いたところで足底画像を撮影した.得られた画像から左右10本の足趾に対し、足趾が鮮明に映っているものを2点、不鮮明なものを1点、全く映っていないものを0点として20点満点のスコアを求めた(浮き趾スコア).第1趾が両側とも2点でかつ浮き趾スコアが18点以上のものを正常群(A群)、浮き趾スコアが10点以下のものを浮き趾群(B群)として2群を抽出した.アーチ高率は、床から舟状骨までの高さ(舟状骨高)と踵骨後面から第1趾先端までの長さ(足長)を計測し、舟状骨高を足長で除して求めた.計測肢位は椅子座位と安静立位とした.また座位時のアーチ高率から立位時のアーチ高率を減じアーチ下降率を求めた.各肢位のアーチ高率およびアーチ下降率について両群間でMann-Whitney の検定を用いて比較検討した.なお有意水準は5%未満とした.
    【結果】1. A群は23例、B群は18例であった.2. 座位および立位のアーチ効率は両群間に有意差はみられなかった.3. アーチ下降率はA群において有意に高値を示した(p<0.05).
    【考察】各肢位のアーチ高率について両群間に有意差がなかったことから、浮き趾例ではアーチが下降した例と上昇した例が存在することが推察される.前者は当初より予測していた足趾屈筋群の緊張が低下した状態、後者は足趾伸筋群の緊張が増大することでMP関節の伸展が起こり、これに伴い足底筋膜の緊張が増大した状態にあると考える.また浮き趾群でアーチ下降率が低下していたのは、前者の場合はもとよりアーチ形成が不十分であること、後者は足趾伸筋、足底筋膜の緊張などにより足部の柔軟性が低下していることが原因と考える.今後は履物、生活習慣、スポーツ歴等を加味しさらに検討を進めたい.
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