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クエリ検索: "服部裕昭"
67件中 1-20の結果を表示しています
  • 伊藤 元博, 國枝 克行, 八幡 和憲, 井川 愛子, 松橋 延壽, 加藤 浩樹, 河合 雅彦
    日本外科系連合学会誌
    2007年 32 巻 4 号 657-660
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2008/10/03
    ジャーナル フリー
    症例は68歳, 男性。2006年2月他院にて血液透析中に突然腹痛, 腹部膨満が出現し, 同院に緊急入院した。翌日血圧低下を来たし, ショック状態にて当院に搬送された。下腹部を中心とした圧痛および筋性防御を認め, 腹部CTにて腹腔内遊離ガス像を認めたため, 大腸穿孔による汎発性腹膜炎を疑い緊急手術を施行した。S状結腸に径6cm大の穿孔を認め, 同部位より腹腔内に硬便が脱出していた。手術はHartmann手術を施行した。術後レスピレーター管理下にPMX, CHDFを施行し, 術後3日目よりHDを施行した。術後5日目のHD中に脳梗塞を発症したが軽快し, 56日目にレスピレーターより離脱し, 80日目に転院した。血液透析患者は水分制限を受けているため硬便になりやすく, 宿便性大腸穿孔を回避するため, 便通コントロールが重要であると考えられた。
  • 中島 裕一, 橘 球, 山口 恵実, 小野田 敏尚, 下条 芳秀, 内田 正昭
    日本臨床外科学会雑誌
    2006年 67 巻 10 号 2490-2493
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    大網裂孔ヘルニアは,比較的稀な疾患であり術前診断も困難であるが,腹部CT検査により術前診断しえた症例を経験したので報告する.症例は78歳,女性.意識混濁により救急車にて搬入された.開腹既往なし.入院後より腹部膨満を認め,腹部CT施行したところ,腹水および右上腹部結腸の腹側に液体貯留を伴う拡張した小腸,さらに腸間膜の集束像を認め,大網裂孔ヘルニアによる絞扼性イレウスと判断し,緊急開腹手術を施行した.小腸はTreitz靱帯から約120cmの部位より大網裂孔内を通過し,約160cmにわたり壊死していたため,同部位を切除し,小腸ストマを造設した.全身状態改善した後,人工肛門閉鎖術施行し,軽快退院となった.開腹歴のないイレウス症状を呈した場合,本症も念頭に置き,腹部CT検査にて臓器の位置関係,腸間膜の集束像の有無を確認することが重要であると考えられた.
  • 石丸 啓, 中村 利夫, 宇野 彰晋, 深沢 貴子, 柏原 秀史, 丸山 敬二, 今野 弘之, 中村 達
    日本腹部救急医学会雑誌
    2003年 23 巻 7 号 1083-1086
    発行日: 2003/11/30
    公開日: 2010/09/24
    ジャーナル フリー
    症例は75歳, 男性. 開腹手術の既往なし. 主訴は腹痛で, CT検査で内ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し手術を施行した. 術中所見ではTreitz靱帯より約70cm肛門側の小腸が大網裂孔に入り込んでおり, 血流障害を認めた約1mの腸管を切除した. 開腹歴のないイレウスの原因として大網裂孔ヘルニアなどの内ヘルニアを念頭におく必要がある.
  • 碓井 麻美, 一瀬 雅典, 嶋尾 仁, 竹田 明彦, 深澤 公朗, 松原 久裕
    日本臨床外科学会雑誌
    2012年 73 巻 1 号 143-147
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/07/25
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,大網裂孔ヘルニアによるイレウスの1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は40歳,男性.2010年6月に腹痛と嘔吐で当院受診.造影CT検査では腸管拡張および胃の背側に嵌り込んでいるような腸管を認め,腸閉塞の診断でイレウス管を挿入した.保存療法では改善が認められず手術を施行したところ,小腸が大網の裂孔より網嚢に入り込み,ゴルフボール大に嵌頓している状態であった.嵌頓部分を含めて小腸を部分切除し,裂孔部を広く切開して網嚢腔を大きく開放した.大網裂孔ヘルニアは比較的まれな疾患であるが,手術歴のない腸閉塞の際には本症も念頭に置く必要があると思われた.
  • 原田 直樹, 中島 幸一, 佐竹 信祐, 山崎 良定
    日本腹部救急医学会雑誌
    2008年 28 巻 5 号 643-647
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2008/09/02
    ジャーナル フリー
    内ヘルニアは比較的まれな疾患であるが,その中でも大網に生じた異常裂孔に腸管が陥入する大網裂孔ヘルニアの報告は少ない。今回,われわれは大網裂孔ヘルニア嵌頓にて手術を行った6例を経験したので報告する。年齢は41歳から85歳で男性4人,女性2人で,Body Mass Index(以下,BMI)は18.8から27.6であった。陥入型式は山口分類1)でA型が5例,C0型が1例であった。3例に画像上大網裂孔ヘルニアを疑い腹腔鏡を先行した手術を行った。腸管壊死を認めた症例は4例あり,腸切除を必要とした。切除した腸管の長さは40cmから100cmであり,1例に術後重篤な合併症が発生した。手術既往のない腸閉塞に対し同疾患の鑑別診断として腹部CTは有用であった。また,内ヘルニアを疑う症例に腹腔鏡下手術は診断,治療の両面において優れた方法であると考えられた。
  • 伊藤 勝彦, 山下 純男, 鈴木 裕之, 尾本 秀之, 石川 文彦, 諏訪 敏一
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 9 号 2396-2399
    発行日: 2004/09/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    イレウス術後にイレウス管留置が誘因と考えられた腸重積を2例経験した.症例1は72歳の男性,症例2は75歳の男性,ともに癒着性イレウスにてイレウス管を留置するも改善せず,癒着剥離術・小腸―小腸吻合術を施行し,イレウス管は回盲部にバルーンを拡張した上で留置した.症例1では術後10日目(イレウス管抜去後5日目),症例2では術後31日目(イレウス管抜去後21日目)に嘔気と腹痛を認め,小腸造影・腹部CTにて腸重積と診断し開腹術を施行した.症例1では空腸に順行性の重積を認め腸切除を施行,症例2では回腸に逆行性の重積を認め整復術を施行した.イレウス術後に留置したイレウス管は文献的には腸蠕動が回復する際に腸重積をおこしやすいとされるため,できるだけ早期に抜去し,その前後においては腸重積の合併に十分注意する必要があると考えられた.
  • 山口 和盛, 上野 彩子, 藤本 優里, 櫻井 玲央, 河本 和幸
    日本臨床外科学会雑誌
    2017年 78 巻 9 号 1988-1992
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.右乳房にしこりを自覚し当科を受診.右CD領域に5×3cmの腫瘤を触知し,腋窩リンパ節腫大も認めた.針生検では浸潤性乳管癌 ER(-),PgR(-),HER2(3+),胸腹部造影CTで多発肝転移が認められた.cT2N1M1(HEP)Stage IVの診断で,まずはtrastuzumab併用化学療法を開始した.肝転移は消失したが,乳腺腫瘍は増大傾向にあった.急速な増大による疼痛が出現したため,乳房切除術+腋窩リンパ節郭清術を施行した.術後の病理組織学的検査ではHER2陽性浸潤性乳管癌の組織と共存してsmall cell carcinoma,ER(-),PgR(-),HER2(-)が認められた.術後には化学療法を継続したが,脳転移をきたし治療開始から2年9カ月で死去した.HER2陽性進行乳癌治療中に乳腺原発小細胞癌が発生した極めて稀な症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
  • 渡邉 純, 高橋 正純, 望月 康久, 杉田 昭, 嶋田 紘
    日本臨床外科学会雑誌
    2007年 68 巻 11 号 2881-2884
    発行日: 2007/11/25
    公開日: 2008/08/08
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性で, 心窩部痛, 嘔吐を主訴に当院受診. 開腹手術, 外傷の既往はなし. 心窩部に強い圧痛, 反跳痛を認めた. 腹部単純X線ではニボーを伴う小腸ガスを認めた. 腹部CT検査では, 上行結腸の上腹側に浮腫状の小腸壁の肥厚, 腹水を認めた. Multiplanar reformation冠状断では, ヘルニア門, 腸間膜の収束像, ヘルニア門より脱出し絞扼した回腸が描出された. 以上より, 大網裂孔ヘルニアなどの内ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急開腹手術を施行した. 開腹所見では, 血性腹水を認め, 約50cmにわたり回腸が大網裂孔をヘルニア門として脱出し, 嵌頓, 絞扼していたため小腸部分切除術施行した. 大網裂孔ヘルニアは内ヘルニアのなかでも比較的頻度が低くまれな疾患とされ, 術前診断が困難なことが多い. 今回われわれは術前診断にCTが有用であった大網裂孔ヘルニアの1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.
  • 松永 篤志, 浦上 秀次郎, 石 志紘, 島田 敦, 大石 崇, 磯部 陽
    日本腹部救急医学会雑誌
    2014年 34 巻 8 号 1485-1488
    発行日: 2014/12/31
    公開日: 2015/04/02
    ジャーナル フリー
    症例は48歳,男性。特に既往歴はなく,排便習慣も良好であったが,2日前よりの便秘症状を認め,突然下腹部を中心とした腹痛で搬送された。精査の結果,S状結腸穿孔による汎発性腹膜炎を疑い緊急開腹術を施行した。S状結腸に約10mm大の穿孔を認め,同部には便塊が貯留しており,泥状便が腹腔内に流出していた。穿孔部を含めてS状結腸を切除し,口側に単孔式の人工肛門造設を行った。術後エンドトキシン吸着療法を必要としたものの経過は良好であった。切除標本には明らかな腫瘍性病変や憩室を示唆する所見は認めず,宿便性の大腸穿孔と考えられた。宿便性の大腸穿孔は長期臥床の高齢者や精神疾患の既往のある患者に散見される。既往歴がなく,排便コントロール良好な40歳代の健常者で宿便性大腸穿孔を発症することはまれであり,文献的考察を加え報告する。
  • 島本 強, 岩田 尚, 片桐 義文, 山内 一, 鬼束 惇義, 広瀬 光男, Hiroto Shima
    日本腹部救急医学会雑誌
    2003年 23 巻 1 号 75-78
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2011/06/03
    ジャーナル フリー
    症例1は15歳, 女性. 腹痛, 嘔吐を自覚し, 入院した. 現症は体温39.7℃. 臍周囲から右下腹部に圧痛, 反跳痛を認めた. 抗生物質を投与したが改善せず手術を施行した. 腹腔鏡補助下に観察すると, 淡血性の腹水を認め, 虫垂に炎症はなく回腸末端の小腸が発赤し, 腸間膜リンパ節が腫脹していた. 症例2は17歳, 女性. クラミジア感染の診断を受け, 抗生剤で治療中であったが, 急に右下腹部痛を自覚して, 当院を受診した. 現症は体温40.1℃. 右下腹部に反跳痛があり, 急性虫垂炎を否定しえず手術を施行した. 開腹すると虫垂に炎症はなく, 黄色の腹水を認めた. 2症例とも血清クラミジア抗体が陽性であった. 近年, 若年のSTDの増加が指摘されており, 若年女性の急性腹症においてもクラミジア性腹膜炎も鑑別すべき疾患の1つであると考えられた.
  • 森川 孝則, 和田 靖, 坂田 直昭, 有明 恭平, 三宅 一央, 富永 剛
    日本臨床外科学会雑誌
    2006年 67 巻 6 号 1423-1427
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は50歳代,女性.開腹手術の既往はない.心窩部痛と嘔気を主訴に来院した.腹部X線写真上小腸ガス像を認め,イレウスの診断で入院となった.イレウス管による保存的治療を行っていたが,イレウス管からの小腸造影にてループ状に拡張した腸管を認め, CT上胃および横行結腸腹側に小腸拡張像が存在したため,大網裂孔ヘルニアと診断し手術を施行した.腹腔鏡にて観察するとTreitz靭帯より約100cm肛門側の空腸が20cmにわたり大網の異常裂孔に嵌入していた.回腸の壊死はなく,腹腔鏡下に大網切開を行い嵌入小腸を還納し手術を終了.患者は術後経過良好で第6病日に退院された.本疾患を術前に診断し腹腔鏡下に治療した報告はないが,鑑別診断の一つとして念頭に置けば腹部CTでの診断は比較的容易であると思われた.また内ヘルニアを疑う症例に対し,腹腔鏡下手術は診断および治療の両面において非常に優れた方法であると考えられた.
  • 酒井 龍司, 沖田 光昭, 繁本 茂憲
    日本臨床外科学会雑誌
    2003年 64 巻 7 号 1658-1663
    発行日: 2003/07/25
    公開日: 2009/08/24
    ジャーナル フリー
    症例は88歳,女性. 20歳代に虫垂穿孔性腹膜炎で虫垂切除・右卵巣摘出術施行. 2000年1月から数回の腸閉塞を発症したが保存的に改善. 2001年12月20日,腹痛出現.腸閉塞の診断で入院.イレウス管による保存的療法を開始.しかし,症状の増悪寛解を繰り返し,炎症所見の遷延と低栄養状態が改善されないため, 2002年3月19日,手術施行. Treitz靱帯より約15cmの空腸に20cmにおよぶ腸重積を認め,空腸部分切除術を施行.術後49日目に退院した.切除標本に腫瘍や憩室などの器質的病変を認めなかったことから,発症原因はイレウス管操作や留置刺激によるものと考えた.本症例の反省点は腹部CT所見から腸重積症の診断に至れず,腸閉塞の保存的療法を継続し,病悩期間を長期化し,全身状態の悪化を招いたことが挙げられた.今後イレウス管操作を頻回に行う場合,何らかのトラブル発生の可能性を念頭に置いた慎重な対応が必要であると考えた.
  • 鈴木 史恭, 清水 文彰, 福島 健太郎, 土屋 拓司
    信州医学雑誌
    2015年 63 巻 3 号 167-172
    発行日: 2015/06/10
    公開日: 2015/06/30
    ジャーナル フリー
    Spontaneous isolated dissection of a visceral artery is rare. We report here two cases of isolated dissection of visceral arteries. Case 1 was a 57-year-old man and Case 2 was a man of 46, both of whom suddenly experienced severe abdominal pain without signs of peritoneal irritation. A subsequent abdominal CT scan demonstrated dissection of the superior mesenteric artery, and dissection of the celiac artery and its branches, such as splenic, hepatic, and gastroduodenal arteries, respectively. Both patients were successfully managed by conservative medical therapy with antihypertensive drugs without exacerbation. Two years have passed since onset, and there have been no findings of recurrence. There is a possibility of aneurysm formation and relapse, so it is necessary to continue close observation. It has become possible to make a definitive diagnosis of this disease at an early stage due to recent developments in diagnostic imaging. It is considered important always to keep this disease in mind as one of the differential diagnoses of sudden abdominal pain in emergency medicine.
  • 愛甲 聡, 山藤 和夫, 高橋 哲也, 朝見 淳規, 藤井 俊史, 服部 裕昭, 戸倉 康之, 田嶋 信男
    日本臨床外科医学会雑誌
    1997年 58 巻 2 号 363-368
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    悪性疾患の関与しない後天性食道気管支瘻の発生は比較的まれといわれているが,われわれは呼吸器感染症が原因と思われる後天性食道気管支瘻の1例を経験した.症例は60歳の男性で, 47歳時より気道感染のため頻回に入院を必要とし, 60歳で近医にて上部消化管造影を行い,食道気管支瘻の診断で当院を紹介された.食道内視鏡にて胸部中部食道左壁に瘻孔を認め,気管支鏡では,左肺下葉区域枝の発赤,腫脹,内腔の狭窄を認めた.手術所見では,肺と胸膜および中部食道周囲に高度な炎症性癒着がみられ, S6後方と食道との間にみられた線維性の瘻管を含め左肺下葉切除を行った.本症例の発症機序と治療法の選択につき考察を加えた.
  • 佐藤 暢人, 猪俣 斉, 畠山 純一, 加藤 紘之
    日本消化器外科学会雑誌
    2005年 38 巻 5 号 539-544
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は55歳の男性で, 嘔気, 腹痛を主訴に近医を受診し, 入院. イレウスの診断でイレウス管挿入となったが, 改善しないため当院に紹介された. 受診時, 強い嘔気を認めた. 腹部単純写真で, イレウス管は弛みなく留置され, 胃は拡張していた. 超音波検査, CTで, イレウス管を中心にして小腸が蛇腹状に手繰り寄せられ, 一部に腸重積を疑わせる所見を認めた. 腹部症状が軽度であったため, 管抜去による保存的治療を選択したが, 症状は軽快し, 画像検査でも腸重積の所見なく経過した. また, イレウスの原因はSchonlein-Henoch 紫斑病によると考えられた. イレウス管による吸引療法を行う際, 合併症の一つに腸重積の発症があることを念頭において経過を観察すべきである. また, 腸重積が癒着で強く固定する前に早期診断することができれば, 保存的治療での改善が見込めるため, 疑わしい場合には, 画像診断を積極的に行って病態の把握に努めるべきである.
  • 佐々木 章公, 大野 靖彦, 山本 尚樹, 太田 和美, 須崎 紀一, 松尾 嘉禮
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 3 号 699-703
    発行日: 2004/03/25
    公開日: 2009/08/24
    ジャーナル フリー
    癒着性イレウスの術後に,減圧と腸管ステントとして留置したイレウス管が原因で発症した腸重積症を経験したので報告する.症例は61歳の女性. 30年前より急性腹症などで3回の開腹術を受けている.イレウスの診断でイレウス管を挿入.保存的に治療するも改善せず開腹術を施行し癒着剥離を行った.術中にイレウス管を回腸末端部まで挿入し術後も留置していた.術後5日目より突然イレウス管よりの排液が増量し嘔吐が出現した.造影検査でTreitz靱帯よりやや肛門側の空腸に全周性狭窄を認めた.腸管浮腫による通過障害と診断し経過観察したが軽快せず,再度イレウス管よりの造影と腹部CT検査で小腸腸重積症と診断した.術後15日目に再開腹術を行いTreitz靱帯より10cmの肛門側空腸に腸重積を認めたため腸切除術を行った.イレウス管留置中に嘔吐や排液の増量がみられる場合は腸重積の発症を念頭に置き,早期に診断治療が必要である.
  • 落合 大樹, 小野 成夫, 服部 裕昭, 田中 豊治, 北島 政樹
    日本臨床外科学会雑誌
    2001年 62 巻 9 号 2199-2204
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は63歳,男性. 15歳の時外傷性脾臓破裂で脾臓摘出術をうけた. 1999年12月から6カ月間にイレウスを6回繰り返し,そのつど保存的に改善した. 2000年6月17日腹痛,嘔吐を主訴に入院.イレウスの診断でイレウス管を挿入したが回復せず, 6月28日小腸癒着剥離術を施行し,イレウス管を回腸末端部まで挿入留置し,手術を終了した. 7日後にイレウス管を抜去したが,その直後から嘔吐,腹痛が出現し,腹部CT検査,腹部超音波検査,再挿入したイレウス管からの造影検査で小腸腸重積症と診断した.自然整復を期待し経過観察したが軽快せず,術後50日目に再開腹した所空腸の腸重積を認め, Hutchinson手技による用手的整復術を施行した.腸管には腸重積の原因となる器質的疾患を認めず,イレウス管抜去を契機に発症した腸重積症と考えられた.術後3週間で軽快退院した.
  • 材木 良輔, 桐山 正人, 武居 亮平, 金本 斐子, 東 勇気, 月岡 雄治
    日本臨床外科学会雑誌
    2019年 80 巻 7 号 1284-1290
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/01/31
    ジャーナル フリー

    症例は52歳,女性.左乳房上方の腫瘤を自覚し当科を受診した.乳腺超音波検査で同部に低エコー腫瘤を認め,針生検による組織検査では,N/C比の高い小型細胞が密に増殖しCD56が一部で陽性を示す腫瘍で,小細胞癌の疑いと診断された.全身検索の結果,リンパ節転移は認めず,また他臓器に転移や原発を示唆するような病変は認めなかった.乳腺原発小細胞癌の診断で乳房切除+センチネルリンパ節生検を施行した.病理組織検索では上記所見に加え乳管内病変も認められ,乳腺原発小細胞癌と診断した.術後補助療法としてepirubicin/cyclophosphamide followed by weekly paclitaxel療法を施行した.術後7カ月現在,無再発生存中である.乳腺原発小細胞癌は非常に稀で,確立した治療法はなく,今回術後の治療法に関しても文献的考察を加えたので報告する.

  • 秋山 芳伸, 尾曲 健司, 松原 健太郎, 北郷 実, 服部 裕昭, 鈴木 文雄, 大高 均
    日本消化器外科学会雑誌
    2008年 41 巻 8 号 1619-1624
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の男性で, 尿管結石経過観察目的のCTにて上腸間膜動脈 (superior mesenteric artery; 以下, SMA) の解離が診断され当科紹介となった. 小腸虚血を疑わせる腹部症状なく, CT上解離動脈の拡張なく解離腔より分枝する空腸動脈も認められなかったため, 抗血小板剤の内服および血圧コントロールにて経過観察とした. 1年目のCTにて解離腔の完全な血栓閉塞が認められた. この時点でSMAに解離腔による真腔の圧迫や解離腔の拡張所見なく, 小腸虚血, 腹部症状も認められなかった. 大動脈解離を伴わない孤立性のSMAの解離は比較的まれであり, 小腸虚血症状を呈し緊急大量腸切除を必要とすることもあるが, 解離腔による真腔の圧迫や血栓塞栓を原因とする虚血症状, 動脈瘤化を呈さない場合は, 保存的に治療し良好な成績が得られることもあるため, 症状および検査所見を十分に検討し, 治療方針を決めることが肝要であると考えられる.
  • 小松 大介, 小池 祥一郎, 金井 敏晴, 三原 基弘, 中村 俊幸, 清水 忠博, 岩浅 武彦
    日本腹部救急医学会雑誌
    2003年 23 巻 5 号 709-712
    発行日: 2003/07/31
    公開日: 2010/09/24
    ジャーナル フリー
    1999年10月から2002年9月までに国立松本病院で高気圧酸素療法 (Hyperbaric Oxygenation Therapy: HBO) が施行された癒着性イレウス症例につきretrospectiveに検討を行った. 保存的療法として, 胃管およびイレウス管を併用せずHBOを単独施行した. 対象となったのは57例で, 男性34名 (60%), 女性23名 (40%) で, 平均年齢は62.8歳 (15~90歳) であった. 胃・大腸・直腸癌術後の症例が約半数 (51%) を占めていた. HBOによりイレウスが解除されたのは49例 (86%) で, 経口開始までの期間は平均2.4日であった. HBO無効は8例 (14%) 存在し, イレウス管により5例解除され, 3例で外科的治療を要した. 副作用は重篤なものはなく, 軽度の耳痛が認められたのみであった. HBOは低侵襲であり, 癒着性イレウスに対する保存的治療として積極的に試みられるべき治療法であると考えられた.
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