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18件中 1-18の結果を表示しています
  • 藤井 良知
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1987年 40 巻 5 号 933-945
    発行日: 1987/05/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    クラブラン酸カリウム・アモキシシリン (オーグメンチン (R)) は, 英国ビーチャム社研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤のクラブラン酸 (CVA) と合成ペニシリン剤アモキシシリン (AMPC) を1対2で配合した, 新しいタイプの経口抗生物質製剤である (Fig.1)。オーグメンチンは配合成分のCVAが耐性菌の産生するβ-Lactamase (特にPenicillinase) を強力に阻害して, AMPCの抗菌作用を相乗的に増大させることが認められている1~3)。AMPC単独に比べ有効菌種が拡大され, 幅広い抗菌スペクトルを有すると共に, AMPC耐性菌に対して感性菌と同様, 迅速で強い殺菌作用を発揮する。オーグメンチンは経口投与での吸収性に優れ, 高い血中, 尿中濃度が得られ, 組織内への移行も良好である。AMPC及びCVAの体内動態がほぼ一致しているので, 体内においても協力的抗菌作用が期待できる。
    オーグメンチン小児用顆粒による臨床試験は全国16施設において行われ, 本剤の有効性, 安全性, 体内動態等が検討された4~19)。又, 錠剤についてはすでに成人領域においてその有用性が高く評価されている20)
  • 市川 昭, 田中 地平, 浦部 大策, 田中 永一郎, 加藤 栄司, 小野 栄一郎, 山下 文雄, 江口 春彦, 坂本 博文, 松尾 宏, 荒木 久昭, 梶山 純子, 久保田 薫, 富永 薫, 木村 建, 弓削 建, 亀崎 健治, 永山 清高, 石本 耕治, 田中 耕一, 大山 幸徳, 藤松 雅彦, 吉本 賢良, 太田 正憲, 山本 正士, 原田 素彦, 田中 幹久, 冨田 尚文, 久田 直樹, 河野 信晴, 高城 信彦, 田中 信夫, 石原 修, 沖 重美, 武谷 茂, 津川 信, 竹中 伸一, 松浦 伸郎, 中村 司郎, 木下 昇平, 今井 昌一, 臺 俊一, 竹内 純孝, 友石 泰輔, 本廣 孝, 長井 孝之, 下飛田 喬, 湯浅 洗, 藤沢 卓爾, 藤本 保, 古賀 達彦, 西山 亨, 入来 典, 島田 康, 阪田 保隆, 小松 良治, 田中 祥視, 高崎 好生, 木村 嘉幸, 吉永 陽三, 山下 祐二, 片淵 幸彦, 原田 豊, 石川 豊
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1985年 38 巻 2 号 507-537
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    小児の皮膚・軟部組織感染症の起炎菌はStaphylococcus areusによることが多く, Penicillin系薬剤では耐性ブドウ球菌用ペニシリンを除き, 耐性菌が多い。
    Clavulanic acid (CVA) は, 英国ビーチャム研究所で開発されたβ-Lactamase阻害剤1) で, Fig. 1に示したような構造式を有し, 化学名はPotassium (Z)-(2R, 5R)-3-(β-hydroxyethylidene)-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo [3. 2. 0] heptane-2-carboxylateで, それ自体の細菌に対する抗菌力は弱いが, 細菌の産生するβ-Lactamaseと不可逆的に結合し, その活性を阻害するので本剤とAmoxicillin (AMPC) との1: 2の配合剤すなわちBRL 25000が製剤化され, AMPC耐性のS. aureusにも抗菌力の増強が認められており2, 3), 成人におけるS. aureusの皮膚・軟部組織感染症に対し良好な臨床成績が報告4~6) されている。
    そこで, 私たちはBRL 25000の粒剤を小児の各種皮膚・軟部組織感染症に投与し, これらの症例から分離したS. aureusの薬剤感受性を測定すると共に, 臨床効果及び副作用を検討したのでその成績を報告する。
  • 本廣 孝, 織田 慶子, 荒巻 雅史, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 富永 薫, 山下 文雄, 高城 信彦, 二宮 正幸, 清水 隆史, 佐久間 浩子, 岡林 抄由理, 山田 孝, 松元 透, 大部 敬三, 今井 昌一, 市川 光太郎, 高橋 耕一, 山田 秀二, 間 克麿, 山下 康博, 田中 洋子, 石井 正浩, 三宅 巧, 荒木 久昭, 村上 義比古, 後藤 安見児, 関 浩孝, 原田 博子, 山村 純一, 松元 康治, 石川 豊, 永山 清高, 安岡 盟, 橋本 武夫, 杉村 徹, 前野 泰樹, 徳永 泰幸, 稲田 浩子, 吉永 陽一郎, 村上 泰由, 赤木 禎治, 山下 裕史朗, 西見 寿博, 福田 清一, 原田 豊, 石本 耕治, 高木 純一, 西山 亨, 中村 秀文, 岩永 理香子, 雪竹 美穂子, 沖 真一郎, 山川 良一, 佐々木 宏和
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1990年 43 巻 3 号 503-523
    発行日: 1990/03/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    β-Lactam系抗生物質のMonobactam系薬剤に属するAztreonam (AZT) を新生児4例, 未熟児2例, 計6例に20mg/kg, One shot静注で投与し血漿中, 尿中濃度及び尿中回収率を測定, AZTを単独で0生日から43生日の新生児, 未熟児の細菌感染症6例と感染予防を目的として11例に本剤を1目量平均70.9mg/kg, 分2~4, いずれもOne shot静注で, 平均8日間投与, AZTとAmpicillin (ABPC) の併用では0生日から79生日の新生児, 未熟児の細菌感染症28例, 感染予防を目的として18例にAZTは1日量平均46.6mg/kg, 分2か分3, One shot静注か点滴静注で, 平均8日間投与, ABPCは1日量平均78.6mg/kg, 1日投与回数, 静注方法, 平均投与日数はAZTと同じで投与し, 臨床効果, 感染予防効果, 細菌学的効果をみると共に副作用と臨床検査値への影響について検討したところ, 次のような結果を得た。
    1.6生日と7生日の新生児各1例にAZTを20mg/kg One shot静注で投与しての血漿中濃度はいずれも投与後5分が最高濃度で, 各々62.9μg/ml, 72.7μg/ml, AUCはそれぞれ216.6μg・hr/ml, 231.6μg・hr/ml, 半減期は各々2.80時間, 2.97時間であった。5生日と6生日の未熟児に20mg/kgをOne shot静注しての血漿中濃度は前者では投与後15分, 後者では投与後5分が最も高い濃度で, それぞれ59.8μg/ml, 67.7μg/ml, AUCは各々356.6μg・hr/ml, 363.2μg・hr/mlで, 前述の新生児より大を示し, 半減期はそれぞれ5.74時間, 4.87時間で, 前述の新生児より延長した。8生日と13生日の新生児に20mg/kgをOne shot静注しての血漿中濃度は前者では投与後30分, 後者では投与後5分でピーク値を示し, 各々43.4μg/ml, 76.9μg/ml, AUCはそれぞれ202.9μg・hr/ml, 189.8μg・hr/mlで, 前述の新生児, 未熟児のAUCに比べ小を示し, 半減期は各々3.11時間, 2.00時間で前述の6生日と7生日の新生児の半減期に類似か延長した。
    2.血漿中濃度測定と同一の症例で尿中濃度を測定したところ, いずれの症例も投与後0~2時間か2~4時間が最高濃度で338~1,053μg/mlを示し, 6例中5例は投与後8時間まで, 1例は投与後6時間までに48.6~75.3%回収でき, 測定できた日齢内での回収率では著しく異なるとは言えなかった。
    3.AZTを単独で投与した細菌感染症の臨床効果は6例中著効2例, 有効3例, 無効1例で, 感染予防を目的とした11例ではすべてに予防効果が得られた。一方AZTとABPCを併用で投与した細菌感染症の臨床効果は28例中著効例はなく, 有効25例, やや有効2例, 無効1例で, 有効以上の有効率は89.3%を示し, 感染予防を目的とした18例ではすべてに予防効果が得られた。
    4.AZTを単独で投与した症例での細菌学的効果はEscherichia coli2株とE.coliKlebsiella pneumoniaeの混合感染例で判定でき, いずれも消失したが, E.coliの単独感染1例はEnterococcus faecalis, 混合感染例もE.faecalisへ菌交代した。AZTとABPCの併用例ではHaemophilus influenzaeとE.coliの各1株, Klebsiella oxytocaの2株で判定でき, いずれも消失した。
    5.副作用はAZTの単独投与例での出現はなかったが, AZTとABPC併用例で発疹が1例にみられ, いずれの薬剤によるかは不明であるが, 関連はあるかもしれないとされた。臨床検査値への影響ではAZTの単独投与例で10%以上への好酸球増多が2例, GOT, GPT, LDHの同時異常上昇が1例に出現し, 前者の2例は本剤との関連があるかもしれない, 後者の1例は本剤との関連は多分ありとされた。AZTとABPCを併用で投与した症例では10%以上への好酸球増多が7例, GOT単独, GOTとGPTの同時異常値が各1例に出現し, いずれの薬剤によるかは不明であるが, 関連があるかもしれないとされた。
  • 佐藤 肇, 中澤 進, 成田 章, 中澤 進一, 松本 貴美子, 鈴木 博之, 中西 好子, 近岡 秀次郎, 神垣 昌人, 新納 憲司
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1988年 41 巻 8 号 1053-1064
    発行日: 1988/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児に対するCeftizoxime (CZX) 静注時の基礎的, 臨床的検討を行い, 以下の成績を得ることができた。
    1. 20mg/kg One shot静注時の成熟児の血中濃度は日齢2, 3日児ではPeakは1時間後の49.0, 57.9μg/ml, 8時間値は14.4, 24.9μg/ml, T 1/2は3.9, 5.6時間で5日児以上の症例ではPeakは1時間後の20.9~38.0μg/ml, 8時間値は1.31~7.32μg/ml, T 1/2は1例を除き1.6~3.0時間であつた。
    2. 同量One shot静注時の未熟児3日児の血中濃度のPeakは1時間後の45.7μg/ml, 8時間値は15.7μg/ml, T 1/2は4.2時間で5~15日児では1例を除きT 1/2は2.3~3.1時間であつた。
    3. 20mg/kg 1時間点滴静注時の日齢1, 2日児では晦中濃度のPeakは点滴静注終了時の49.4~115.0μg/ml, T 1/2は1例を除き4.0, 5.1時間と高い値であつた。
    4. 日齢3日児までと5日児以上の血中濃度を比較すると血中濃度のPeak, T 1/2は日齢の増加と共に低下傾向をたどつた。
    5. 20mg/kgの静注を連続投与しても血中濃度に影響はみられなかつた。
    6. 20mg/kg One shot静注時の8時間 (1例は6時間, 2例は9時間) 目までの尿中排泄率は日齢3日児まででは5日児以上に比較して少ない傾向にあつた。
    7. 新生児各種感染症11例をCZX One shot静注並びに点滴静注によって治療した。使用量は36~148mg/kg/日 (分2~3), 投与日数は3~12日で, 急性気管支炎, 急性肺炎, 胎内感染による敗血症の疑い, 急性中耳炎, 蜂窩織炎, Klebsiella pneumoniaeEscherichia coliの混合感染の証明された髄膜炎, 急性尿路感染症, 肛門周囲膿瘍等に対し明らかな治療効果がみられた。
    11例の各種検体から5種類の菌種が培養上証明されたが, CZXの投与によって培養上いずれも陰性化した。
    8. 本剤投与による臨床的な全身的, 局所的副作用はみられなかつたが, 3例に血小板数の増加, 1例にGOTの上昇がみられた。
  • 本廣 孝, 荒巻 雅史, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 西山 亨, 久田 直樹, 富永 薫, 山下 文雄, 坂口 祐助, 木村 建, 市川 光太郎, 森田 潤, 荒牧 修一, 大滝 悦生, 広瀬 富士子, 市川 紀子, 安藤 寛, 原 貴美子, 織田 慶子, 松元 透, 中尾 光善, 高城 信彦, 吉本 賢良, 中野 光郎, 木下 昇平, 大部 敬三, 江口 春彦, 藤沢 卓爾, 橋本 信男, 今井 昌一, 永山 清高, 湯浅 洸, 津川 信, 田中 祥視, 荒木 久昭, 石川 豊, 山下 祐二, 坂本 博文, 田中 信夫, 武石 卓, 入来 典, 原田 素彦, 長 博雪, 原田 豊, 石本 耕治, 師井 敏裕, 太田 正憲, 久保田 薫, 松行 真門, 松尾 宏, 平田 克彦, 弓削 建, 木村 嘉幸, 臺 俊一, 浦部 大策, 田中 永一郎, 堀川 瑞穂, 梶山 純子
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1989年 42 巻 12 号 2720-2734
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1~28生日の新生児, 未熟児14例に対し, Cefsulodinを20mg/kg, One shot静注で投与し, 投与6時間後までの血漿中濃度, 尿中濃度及び尿中回収率を測定し, 感染予防の目的として2~16生日の3例に本剤を1日量平均52.8mg/kg, 分2~3, One shot静注で, 平均 7日間投与し, 感染予防効果をみると共に副作用と臨床検査値異常を検討したところ, 次のような結果を得た。
    1. 生下時体重2, 500g以上の9例における血漿中最高濃度は投与5分後が6例, 15分後が2例, 1時間後が1例で, 全例が35.8~60.6μg/ml域にあり, 以後漸減か2峰性の濃度推移を示して漸減し, 投与15分後あるいは1時間後に最も高い濃度を示した3例と2峰性の濃度推移を示した3例の原因は不明であった。濃度曲線下面積 (AUC) では日齢の若い例ほど大の傾向にあり, 半減期も日齢が若い例が長い傾向を示し, いずれの例も一般の小児における同量One shot静注時の半減期より延長した。
    2. 生下時体重2,500g未満の5例における血漿中最高濃度は7生日以内の測定例はなかったが投与5分が4例, 15分後が1例で, 全例が41.5~56.0μg/ml域にあり, 以後漸減か 2峰性の濃度推移を示して漸減し, 投与15分後に最も高い濃度を示した1例と2峰性の濃度推移を示した2例の原因は不明であった。AUCでは生下時体重2,500g以上群と同じく日齢が若い例ほど大の傾向にあり, 半減期も生下時体重2,500g以上群と同じく日齢が若い例ほど長い傾向を示し, いずれの例も一般の小児における同量One shot静注時の半減期より延長した。
    3. 生下時体重2,500g以上の9例における尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかの時間に測定でき120.0~1, 890.0μg/ml域, 生下時体重2,500g未満の5例はいずれの時間帯でも測定でき65.1~619.0μg/ml域を示した。
    4. 生下時体重2, 500g以上群の3生日以内, 4~7, 8~14, 15~21, 22~28生日例の投与 6時間後までの単独あるいは平均での尿中回収率は各々29.7%, 46.2%, 45.6%, 49.2%, 55.5%で, 3生日以内例はわずか1例ではあったが, 他の日齢群より低率で, 生下時体重2,500g未満群では7生日以内例はなかったが, 8~14, 15~21, 22~28生日例の投与6時間後までの単独あるいは平均での尿中回収率は各々40.7%, 48.9%, 29.9%で, 22~28生日例が他の日齢群より低率であったが, その原因は不明であり, 生下時体重2, 500g以上群の3生日以内例と生下時体重2, 500g未満群の22~28生日例は一般の小児における同量One shot 静注時の回収率と比較しても低率であつた。
    5. 感染予防の目的で3例に本剤を投与したところ, その予防効果は1例に認められ有効, 他の2例は不明であった。
    6. 感染予防の目的で投与した3例では副作用の出現はなく, 臨床検査値の異常例もなかつた。
  • 大倉 完悦, 山本 初実, 山岡 幸司, 久保 桂子, 光吉 出, 春田 恒和, 小林 裕
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1988年 41 巻 2 号 152-164
    発行日: 1988/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新生児におけるCeftriaxone (CTRX) の血中, 髄液中濃度及び臨床使用成績を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 本剤静注1時間後の血中濃度は, 約10mg/kg投与の2例で平均39μg/ml, 約20mg/kg投与の2例で平均70μg/ml, 52.6mg/kg投与の1例では208μg/mlと, 用量依存性が認められ, 24時間でも3.7~12.4μg/ml残存しており, これら5例の新生児での半減期は7.13~10.6時間であつた。なお, 生後53日の43.4mg/kg静注例では1時間値140μg/ml, 半減期3.68時間の値を得た。別の日齢0~5日の5例に17.3~20.0mg/kg静注36時間後の血中濃度は4.6~13.7μg/mlであった。
    2. Escherichia coli髄膜炎例で49.6mg/kg静注4時間後の髄液中濃度は治療開始翌日9.7μg/ml, 3, 4, 5日それぞれ23.6, 25.2, 31.0μg/mlと上昇, 以後漸減したが, 22日目の回復期でも5.8μg/mlの値が得られ, ピーク値では起炎菌に対するMICの1,000倍, 最低値でも100倍を遙かに超えていた。
    3. 13例の新生児, 3例の乳児に本剤1日11.0~39.5mg/kgを1回又は2回に分割静注した。治療に用いた10例, 11疾患 (敗血症1疾息, 肺炎4疾息, 尿路感染症4疾患, 胎児愚染症2疾患) ではすべて有効以上で, 起炎菌 (Streptococcus agalactiae1株, E. coli3株, Klebsiella pneumoniae2株, Citrobacter diversus1株) はすべて消失した。感染予防に使用した6例では, いずれも感染はおこらなかつた。他に新生児E. coli髄膜炎1例に49.6mg/kgを1日2回静注し, 著効を得た。
    4. 副作用は全くみられなかった。検査値異常として,軽度の好酸球増加を4例に認め, 1例は追跡できなかったが, 他の3例では次回の検査で正常化していた。
    5. 本剤の抗菌域, 抗菌力を考慮すると, 以上の成績は新生児期感染症に対する本剤の適性を示すものであり, 特に起炎菌判明前の選択剤として極めて有用と考えられた。
  • 本廣 孝, 荒巻 雅史, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤木 保, 久田 直樹, 富永 薫, 山下 文雄, 坂口 祐助, 木村 建, 市川 光太郎, 安藤 寛, 山下 祐二, 藤沢 卓爾, 大滝 悦生, 広瀬 富士子, 利光 紀子, 荒牧 修一, 森田 潤, 今井 昌一, 高城 信彦, 江口 春彦, 大部 敬三, 木下 昇平, 吉本 賢良, 伊藤 雄平, 永山 清高, 坂本 博文, 石川 豊, 荒木 久昭, 田中 祥視, 津川 信, 湯浅 洸, 入来 典, 原田 素彦, 原田 豊, 石本 耕治, 太田 正憲, 久保田 薫, 松行 眞門, 松尾 宏, 薹 俊一, 浦部 大策, 木村 嘉幸, 田中 永一郎, 梶山 純子, 弓削 建, 平田 克彦
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1986年 39 巻 9 号 2466-2482
    発行日: 1986/09/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cephem系注射用抗生剤の中のCefotiam (CTM) は種々のグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して強い抗菌力を有し1-5), すでに成人及び小児期の各種細菌感染症に頻用されている薬剤で, 優れた臨床成績が得られている。
    そこで私たちは本剤を新生児・未熟児に投与し, 血漿中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率を測定すると共に肺炎, 尿路感染症例及び感染予防を目的とした症例に使用し, その臨床効果, 細菌学的効果, 感染予防としての効果及び副作用を検討したので, その成績を報告する。
  • 本廣 孝, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 西山 亨, 石本 耕治, 富永 薫, 山下 文雄, 木村 建, 高城 信彦, 吉本 賢良, 木下 昇平, 藤沢 卓爾, 江口 春彦, 今井 昌一, 永山 清高, 湯浅 洗, 津川 信, 田中 祥視, 荒木 久昭, 石川 豊, 山下 祐二, 坂本 博文, 田中 信夫, 久田 直樹, 小野 栄一郎, 藤本 保, 片淵 幸彦, 入来 典, 原田 素彦, 山本 正士, 小松 良治, 田中 地平, 松永 伸二, 松浦 伸郎, 藤松 雅彦, 原田 豊, 太田 正憲, 松尾 宏, 弓削 建, 木村 嘉幸, 田中 永一郎, 臺 俊一, 浦部 大策, 梶山 純子
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1984年 37 巻 11 号 2152-2168
    発行日: 1984/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftriaxone (Ro 13-9904, CTRX) はスイスのエフ・ホフマソ・ラ・ロシュ社で開発された新しい注射用Cephem系抗生物質1) であり, その化学名は (Z)-(6R, 7R)-7-[2-(2-Amino-4-thiazolyl)-2-(methoxyimino) acetamido]-3-{[(2, 5-dihydro-6-hydroxy-2-methyl-5-oxo-as-triazin-3-yl)thio] methyl}-8-oxo-54thia-1-azabicyclo-[4. 2. 0]oct-2-ene-2-carboxylic acid disodium saltで, Fig. 1に示した構造式を持ち, グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広域抗菌スペクトルを有するが, グラム陰性桿菌の中ではHaemophilus influenzae, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae,Proteus mirabilis, Indole陽性Proteus, Serratia marcescensなどに強い抗菌力を示し1, 2, 6), β-Lactamaseに安定で1, 3, 6), 本剤を成人に静注した場合の半減期は既存のCephem系注射剤に比較し, 非常に長い特微4~7)を有している。
    本剤については, すでに1982年の第29回日本化学療法学会東日本支部総会において, 新薬シンポジウムにとりあげられ, 基礎的検討及び成人における臨床評価が論じられており6), その成績から, 小児科領域でも有用な薬剤の1つとなり得ることが十分に考えられる。
    そこで私たちはCTRXを小児に投与し, その血清中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率, 髄液中濃度の測定を行うと共に, 種々の細菌感染症に本剤を投与し, 臨床効果, 細菌学的効果及び副作用について検討したので, その成績を報告する。
  • 松本 慶蔵
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1987年 40 巻 7 号 1221-1242
    発行日: 1987年
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aspoxicillin (ASPC) は田辺製薬株式会社で開発された注射用ペニシリン剤である。その構造をFig.1に示すが, Amoxicillin (AMPC) のフェニル基に結合した水酸基に着目して体内動態の改善を計り, アミノ基にN4-Methyl-Dasparaginyl基を導入して抗菌スペクトルを拡大したアミノ酸型ペニシリン剤である。ASPCは強い殺菌作用を保持し, 高い血中濃度と長い血中半減期によりin vitro効果から予想されるよりも優れたin vivo効果を発揮することを特長としている。本剤の臨床的有効性及び安全性については, 第30回日本化学療法学会総会の新薬シンポジウム (1982年6月, 東京) にて報告された1)。今回, それらの成績並びに呼吸器感染症, 術後創感染及び化膿性中耳炎に対する他剤との比較試験, 小児科領域の試験等において, 優れた有効性と安全性が確認された成績をも含めて報告し, 本剤の特長を明らかにしたい。
  • 本廣 孝, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 久田 直樹, 石本 耕治, 富永 薫, 山下 文雄, 高城 信彦, 橋本 信男, 藤沢 卓爾, 木下 昇平, 中野 光郎, 今井 昌一, 永山 清高, 山下 裕史朗, 田中 信男, 武石 卓, 石川 豊, 松元 康治, 荒木 久昭, 田中 祥視, 湯浅 洸, 橋本 武夫, 赤木 禎治, 黒岩 泰直, 佐藤 登, 加畑 寿明, 原 貴美子, 西見 寿博, 坂口 耕三, 広瀬 富士子, 木村 嘉幸, 津末 美和子, 福田 清一, 中嶋 博文, 松尾 宏, 荒巻 雅史, 梶山 純子, 芝尾 京子, 堀川 瑞穂, 山下 祐二
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1986年 39 巻 8 号 2171-2192
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftazidime (CAZ) は英国グラクソ社で開発された新しいCephem系の注豺用抗生物質で, 広域抗菌スペクトルを有するが1, 2), 特にグラム陰性桿菌のSerratia marcescensやPseudomonas aeruginosaなどに強い抗菌力があり3~5), β-Lactamaseに対しても極めて安定であると述べられている6)。
    本剤はすでに1982年の第30回日本化学療法学会総会の新薬シソポジウムで成人における有用性が論じられ7), その後小児科領域でも基礎的, 臨床的検討が実施され, 優れた臨床成績が報告されている8~5)。しかし本邦では新生児, 未熟児に対する検討はほとんどなされていないことから, 私たちは本剤を新生児, 未熟児に投与し, 血漿中濃度, 尿中濃度及び回収率を測定すると共に, 主に新生児, 未熟児の各種細菌感染症, 細菌感染症疑い例や感染予防が必要な症例に投与し, 臨床効果及び副作用について検討したので, その成績を報告する。
  • 藤井 良知, 柱 新太郎, 有益 修, 藤田 晃三, 室野 晃一, 坂田 宏, 梯 仁志, 岡 敏明, 帰山 雅人, 吉岡 一, 丸山 静男, 早苗 信隆, 印鑰 史衛, 佐藤 吉壮, 岩田 敏, 城 裕之, 楠本 裕, 老川 忠雄, 小佐野 満, 砂川 慶介, 中澤 進, 佐藤 肇, 近岡 秀次郎, 新納 憲二, 豊永 義清, 中村 弘典, 杉田 守正, 河村 研一, 瀬尾 究, 堀 誠, 岩井 直一, 柴田 元博, 溝口 文子, 中村 はるひ, 片山 道弘, 種田 陽一, 猪熊 和代, 西村 忠史, 高島 俊夫, 田吹 和雄, 春田 恒和, 大倉 完悦, 黒木 茂一, 山本 初実, 吉岡 三恵子, 小林 裕, 本廣 孝, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 久田 直樹, 石本 耕治, 富永 薫, 山下 文雄, 高城 信彦, 橋本 信男, 藤沢 卓爾, 木下 昇平, 中野 光郎, 今井 昌一, 永山 清高, 山下 裕史朗, 田中 信男, 武石 卓, 石川 豊, 松元 康治, 荒木 久昭, 田中 祥視, 湯浅 洸, 橋本 武夫, 赤木 禎治, 黒岩 泰直, 佐藤 登, 加畑 寿明, 原 貴美子, 西見 寿博, 坂口 耕三, 広瀬 富士子, 木村 嘉幸, 津末 美和子, 福田 清一, 中嶋 博文, 松尾 宏, 荒巻 雅史, 梶山 純子, 芝尾 京子, 堀川 瑞穂, 山下 祐二, 由良 二郎, 神谷 保廣, 鶴賀 信篤, 橋本 俊, 成田 洋, 赤毛 義実
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1986年 39 巻 8 号 2048-2067
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Ceftazidime (CAZ) は, 英国グラクソ社で開発された注射用Cephem系抗生物質 (Fi9.1) で, グラム陰性桿菌の外膜透過性が優れ, β-Lactamaseにも安定であるので, グラム陽性菌及びPseudomonas aeruginosa, Serratiaを含むグラム陰性菌に幅広い抗菌スペクトルを有し, しかもその作用は殺菌的であり, 従来のCephem剤に比べて各種の細菌に対して平均したMICを示す1~3)。
    本剤の小児を対象とした臨床治験は全国17機関の協同研究により昭和57年6月~昭和58年6月にかけて基礎及び臨床の両面から検討され, 本剤が小児の各種感染症の治療に有用な薬剤であることを報告した4~20)。この成績から本剤は新生児領域においても重要な薬剤であろうと考えられたので, 昭和59年2月からCAZ周産期感染症研究会を組織し, 新生児, 未熟児に対する本剤の有効性並びに安全性を検討した。以下その成績を報告する。
  • 本廣 孝, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 西山 亨, 石本 耕治, 富永 薫, 山下 文雄, 永山 清高, 山下 裕史朗, 田中 信男, 武石 卓, 木村 嘉幸, 石川 豊, 松元 康治, 荒木 久昭, 田中 祥視, 湯浅 洸, 松尾 宏, 荒巻 雅史, 梶山 純子, 堀川 瑞穂, 山下 祐二, 久田 直樹, 久保田 薫, 吉本 賢良, 阪田 保隆, 藤本 保
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1986年 39 巻 4 号 1177-1200
    発行日: 1986/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Cefixime (CFIX) は藤沢薬品工業株式会社の中央研究所で開発された新しい経口用セフェム系抗生物質で, その化学名は (6R, 7R)-7-[(Z)-2-(2-Amino-4-thiazolyl)-2-(carboxymethoxyimino) acetamidol]-8-oxo-3-vinyl-5-thia-1-azabicyclo-[4.2.0]-oct-2-ene-2-carboxylic acid, 構造式はFig.1に示すとおりである。
    本剤は広域抗菌スペクトルを有するが, 特にグラム陰性桿菌に対して優れた抗菌力があり, しかも各種のβ-ラクタマーゼに安定で1, 2), 1984年の第31回日本化学療法学会東日本支部総会の新薬シンポジウムにおいてその有用性が論じられた3)。私たちは本剤を小児に投与し, 血清中濃度, 尿中濃度及び回収率を測定すると共に, 種々の細菌感染症に投与し, 臨床効果, 細菌学的効果, 薬剤感受性, 副作用について検討したので, その成績を報告する。
  • 川上 晃, 田中 地平, 加藤 栄司, 山下 文雄, 松尾 宏, 荒木 久昭, 梶山 純子, 久保田 薫, 富永 薫, 織田 慶子, 永山 清高, 田中 耕一, 石本 耕治, 松元 康治, 芝尾 京子, 松行 眞門, 吉本 賢良, 荒巻 雅史, 山本 正士, 中野 光郎, 堀川 瑞穂, 原田 素彦, 冨田 尚文, 久田 直樹, 高城 信彦, 橋本 信男, 田中 信夫, 松浦 伸郎, 今井 昌一, 本廣 孝, 湯浅 洸, 武石 卓, 藤沢 卓爾, 藤本 保, 古賀 達彦, 松元 透, 西山 亨, 師井 敏裕, 入来 典, 黒岩 泰直, 島田 康, 阪田 保隆, 田中 祥視, 木村 嘉幸, 山下 祐二, 山下 裕史朗, 原田 豊, 石川 豊
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1985年 38 巻 11 号 3358-3377
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aztreonam(SQ26, 776, AZT)は米国スクイブ社で開発されたMonobactam系抗生物質の注射剤であり, 化学名は(-)-2-[(Z)-[[1-(2-Amino-4-thiazolyl)-2-[((25,3S)-2-methyl-4-oxo-1-sulfo-3-azetidinyl)aminol-2-oxo-ethylidene]aminoloxy]-2-methylpropionic acid, その構造式はFig.1に示したとおりで, Pseudomonas aeruginosaを含む種々のグラム陰性の桿菌と球菌に対し強い抗菌力を有し1~3), β-LactamaseやDehydropetidaseに対して極めて安定であるという特徴がある3~5)(Fig.1)。本剤はすでに1983年の第30回日本化学療法学会東日本支部総会における新薬シンポジウムで, 基礎的検討及び成人での臨床評価が発表されている3)が小児での成績はないことから私たちは小児に対してもAZTの有用性を論ずる目的で, 小児に投与し, その血清中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率の測定を行うと共に種々の細菌感染に本剤を投与し, 臨床効果, 細菌学的効果及び副作用について検討したので, その成績を報告する。
  • 藤井 良知, 奥野 晃正, 藤田 晃三, 角谷 不二雄, 丸山 静男, 坂田 宏, 印鑰 史衛, 阿部 敏明, 柱 新太郎, 中里 豊, 杉浦 正俊, 田島 剛, 長井 志津佳, 舟本 規昭, 杉森 澄子, 西村 修一, 吉村 公一, 近藤 康夫, 川生 泰子, 寺嶋 周, 目黒 英典, 竹内 豊, 寒竹 正人, 砂川 慶介, 岩田 敏, 秋田 博伸, 横田 隆夫, 佐藤 吉壮, 楠本 裕, 豊永 義清, 石原 俊秀, 中村 弘典, 新納 憲司, 岩井 直一, 中村 はるひ, 櫻井 實, 伊藤 正寛, 西原 秀宏, 西村 忠史, 小林 裕, 春田 恒和, 大倉 完悦, 本廣 孝, 阪田 保隆, 長井 健祐, 森田 潤, 高岸 智也, 松尾 勇作, 橋本 武夫, 吉永 陽一郎, 林 眞夫, 豊田 温, 藤本 保, 和田 雅臣, 神園 慎太郎, 辻 芳郎, 冨増 邦夫, 吉永 宗義, 高柳 俊光, 中下 誠郎, 楠本 隆, 田中 博弥, 林 克敏, 宮野 武, 大谷 俊樹, 細田 弥太郎, 真辺 忠夫, 清水 保延, 音部 好宏, 橋本 俊, 八木澤 守正
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1996年 49 巻 7 号 678-702
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    注射用セフェム系抗生物質Cefozopran (SCE-2787, CZOP) について, 新生児・未熟児における基礎的・臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1. 体内動態
    (1) 0日齢 (生後24時間未満) の新生児, 未熟児は共に1日齢以降の患児に比べ, 血中半減期 (T 1/2) の延長が認められた。さらに, 0日齢の新生児と未熟児とを比べると, 未熟児においてこの傾向が大きかった。
    (2) 1日齢以降の新生児及び未熟児にCZOP20mg/kgを静注後30分以降の血中濃度並びにT 1/2は, 新生児と未熟児間で差がなかった。
    (3) 10, 20, 40mg/kg投与時の血中濃度には用量依存性が認あられた。
    (4) 1日齢以降の新生児・未熟児の尿中排泄率は, 投与後6時間までで約30~60%であった。0日齢の新生児・未熟児の尿中排泄率は投与後6時間までで約20%と低かった。
    2. 臨床成績
    (1) 総投与症例136例中臨床効果評価可能症例は96例で, 安全性評価可能症例は132例であった。
    (2) 臨床効果は起炎菌検出例 (A群) 28例で有効率78.% (22/28), 起炎菌非検出例 (B群) 68例で97.% (66/68), A群B群併せて91.% (88/96) と優れた成績であった。
    (3) 細菌学的効果はA群28例から分離された33株で検討し, 菌消失率はグラム陽性菌で88.2% (15/17), グラム陰性菌で92.% (12/13), 全体では90.% (27/30) であった。菌交代症はみられなかった。
    (4) 副作用は下痢が1例 (0.%) 認められた。臨床検査値異常は15例 (12.3%) に認められ, その主なものは好酸球増多, GPT上昇, γ-GTP上昇などいずれも一過性で, 重篤なものはなかった。
    以上の体内動態及び臨床成績から, CZOPは新生児・未熟児領域適応感染症に極めて有用性の高い薬剤であると考えられ, 新生児・未熟児への標準用法・用量は本剤1回20mg/kgを0日齢 (生後24時間未満) には1日1~2回, 1 (生後24時間以降) ~7日齢には1日2~3回, 8日齢以降には1日3~4回静脈内又は点滴で静脈内投与し, 重症又は難治性感染症には1回40mg/kgまで増量して投与することができると考えられた。
  • 本廣 孝, 川上 晃, 田中 耕一, 古賀 達彦, 島田 康, 冨田 尚文, 阪田 保隆, 藤本 保, 西山 亨, 久田 直樹, 富永 薫, 山下 文雄, 木村 建, 市川 光太郎, 中尾 光善, 松元 透, 織田 慶子, 原 貴美子, 安藤 寛, 市川 紀子, 広瀬 富士子, 大滝 悦生, 山下 祐二, 高城 信彦, 橋本 信男, 藤沢 卓爾, 木下 昇平, 中野 光郎, 今井 昌一, 永山 清高, 武石 卓, 田中 信夫, 坂本 博文, 石川 豊, 荒木 久昭, 田中 祥視, 津川 信, 湯浅 洸, 入来 典, 原田 素彦, 橋本 武夫, 佐藤 登, 山下 裕史朗, 西見 寿博, 江口 春彦, 臺 俊一, 津末 美和子, 福田 清一, 中嶋 博文, 原田 豊, 石本 耕治, 松行 真門, 久保田 薫, 太田 正憲, 師井 敏裕, 松尾 宏, 梶山 純子, 堀川 瑞穂, 田中 永一郎, 浦部 大策, 弓削 建
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1989年 42 巻 12 号 2672-2691
    発行日: 1989/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1~26生日の新生児, 未熟児23例に対しCefmenoxime (CMX) を10mg/kgか20mg/kg をOne shot静注で投与し, 投与6時間後までの血漿中濃度, 尿中濃度及び尿中回収率を測定し, 0生日から3カ月の新生児, 未熟児, 乳児の細菌感染症及び細菌感染症疑いと感染予防を目的として27症例に投与したが, 臨床効果と感染予防効果の判定できた症例は各々15, 7例で, それぞれの効果と細菌学的効果をみると共に副作用と症例によっては臨床検査値異常を検討したところ, 次のような結果を得た。
    1. 10mg/kgを投与した7例中生下時体重2, 500g未満の15~21生日, 22~28生日例, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日, 8~14生日例における単独か平均での血漿中最高濃度はいずれも投与5分後で, 各々42.6μg/ml, 45.9μg/ml, 36.9μg/ml, 38.9μg/mlを示し, 著しい違いはなく, 1例が2峰性の濃度推移を示したが, その原因は不明であった。単独か平均での半減期は各々1.5時間, 1.6時間, 2.4時間, 1.9時間で, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日例である5生日の1例が2.4時間で, 他の3日齢群より延長がみられた。
    2. 20mg/kgを投与した16例中生下時体重2, 500g未満の0~3生日, 8~14生日, 15~ 21生日例, 生下時体重2, 500g以上の8~14生日, 15~21生日例における平均血漿中最高濃度は生下時体重2, 500g未満例の3生日例で, 原因は不明であったが投与15分後に最高濃度を示したことも影響して, 0~3生日例は投与15分後が最も高い濃度で63.8μg/ml, 他の4群は各々68.1μg/ml, 59.4μg/ml, 109.9μg/ml, 79.7μg/mlで, 個々の例あるいは平均でみてもばらつきがあり, 3例が2峰性の濃度推移を示したが, その原因は不明であった。0~3生日例の平均半減期は生下時体重2, 500g未満の1生日例が6.0時間と著しく延長したことが影響して平均は4.0時間と最も延長し, 他の4群は各々1.9時間, 1.4時間, 1.5時間, 1.9時間であった。
    3. 10mg/kgを投与した7例の尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかで測定でき, いずれも9.86~1, 245.0μg/ml域を示し, 生下時体重2, 500g未満の15~ 21生日, 22~28生日例, 生下時体重2, 500g以上の4~7生日, 8~14生日例の投与6時間後までの単独あるいは平均での回収率は各々56.7%, 64.6%, 36.7%, 73.5%で, 生下時体重 2, 500g以上の4~7生日は1例ではあったが他の3群より低率であった。
    4. 20mg/kgを投与した16例の尿中濃度は投与後0~2, 2~4, 4~6時間のすべてかいずれかで測定でき, いずれも70.1~3, 330.0μg/ml域を示し, 生下時体重2, 500g未満の0~3生日, 8~14生日, 15~21生日例, 生下時体重2, 500g以上の8~14生日, 15~21生日例の平均回収率は各々50.1%, 57.6%, 82.5%, 73.3%, 56.6%であったが, 各々の例でみた場合, 生下時体重2, 500g未満の1生日例が20.6%と最も低率であった。
    5. 種々の細菌感染症及び細菌感染症疑い例の15例に本剤を1日量平均87.5mg/kg, 1例が1日1回, 他の14例は分2か分4のOne shot静注で, 平均8日間投与しての臨床効果は有効率86.7%と良好で, 感染予防を目的として7例に本剤を1日量平均63.1mg/kg, 分2~4, One shot静注で平均6日間投与しての予防効果は全例に認められた。細菌学的効果はEscherichia coliが起炎菌であった尿路感染症のわずか1例だけに判定でき, E. coliは消失した。
    6. 臨床効果及び感染予防効果の判定できた22例と本剤を3日以上投与したが脱落症例であった4例を加えた26例で副作用の出現した例はなく, 臨床検査値ではGPT単独とGOT, GPTの同時異常上昇が各々1例に認められた。
  • 木村 昭彦, 川上 晃, 田中 地平, 浦部 大策, 小野 栄一郎, 田中 永一郎, 加藤 栄司, 大滝 悦生, 広瀬 富士子, 山下 文雄, 江口 春彦, 坂本 博文, 安藤 寛, 松尾 宏, 長 博雪, 荒木 久昭, 森田 潤, 梶山 純子, 久保田 薫, 富永 薫, 平田 克彦, 織田 慶子, 大部 敬三, 木村 建, 弓削 建, 原 貴美子, 永山 清高, 田中 耕一, 石本 耕治, 市川 光太郎, 藤松 雅彦, 吉本 賢良, 太田 正憲, 山本 正士, 堀川 瑞穂, 原田 素彦, 冨田 尚文, 久田 直樹, 高城 信彦, 田中 信夫, 利光 紀子, 石原 修, 津川 信, 松浦 伸郎, 木下 昇平, 今井 昌一, 荒牧 修一, 臺 俊一, 西村 忠史, 本廣 孝, 湯浅 洗, 藤沢 卓爾, 藤本 保, 古賀 達彦, 西山 亨, 入来 典, 島田 康, 阪田 保隆, 小松 良治, 田中 祥視, 山下 祐二, 片渕 幸彦, 坂口 祐助, 原田 豊, 石川 豊
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1985年 38 巻 8 号 2068-2086
    発行日: 1985/08/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aminoglycoside系抗生剤(AGs)の本邦における投与方法は筋注が主で, 薬剤によっては経口か外用薬で用いられている。しかし小児に筋注で投与することは大腿四頭筋拘縮をきたす恐れがあり, 静注での投与が望ましいが, AGsの中で小児での点滴静注が許可されている薬剤はTobramycin(TOB)だけである。
    そこで, 私たちは前述のTOB, Gentamicin(GM), Amikacinなどと共に重症細菌感染症やOpportunistic infectionに使用されているDibekacin(DKB)を小児の24例に30分間又は1時間点滴静注で投与し, 血清中濃度, 尿中濃度及び回収率を測定し, 薬動力学的解析を行うと共に, 慢性気管支炎, 肺炎, 肺化膿症, 尿路感染症に本剤を点滴静注で投与し, その有効性と安全性の検討を行つた。
  • 川上 晃, 田中 地平, 浦部 大策, 小野 栄一郎, 田中 永一郎, 加藤 栄司, 山下 文雄, 坂本 博文, 松尾 宏, 長 博雪, 荒木 久昭, 梶山 純子, 久保田 薫, 富永 薫, 織田 慶子, 木村 建, 永山 清高, 田中 耕一, 石本 耕治, 松行 眞門, 荒巻 雅史, 藤松 雅彦, 山本 正士, 堀川 瑞穂, 原田 素彦, 冨田 尚文, 久田 直樹, 高城 信彦, 田中 信夫, 津川 信, 松浦 伸郎, 木下 昇平, 今井 昌一, 本廣 孝, 湯浅 洸, 藤沢 卓爾, 藤本 保, 古賀 達彦, 西山 亨, 入来 典, 島田 康, 阪田 保隆, 小松 良治, 田中 祥視, 原田 豊, 石川 豊
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1985年 38 巻 7 号 1951-1971
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Aspoxicillin (AsPc) は田辺製薬株式会社で開発された新しいPenicillin系薬剤の注射剤で, 化学名は (2S, 5R, 6R)-6-[2R-2-(2R-2-Amino-3-N-methyl carbamoylpropionamido)-2-(4-hydroxyphenyl) acetamido]-3, 3-dime-thyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo [3.2.0]heptane-2-carboxylic acid trihydrateで, その化学構造式をFig.1に示した。本剤はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し幅広い抗菌スペクトルを有し1~5), in vitroよりはin vivoで優れた治療効果がある1,5~7)と言われ, すでに1982年の第30回日本化学療法学会総会における新薬シンポジウムで, 基礎的検討及び成人での臨床評価が発表8)されている。
    そこで私たちは小児科領域でも本剤の有用性を論ずる目的で, 小児における吸収, 排泄と胸水への移行を測定すると共に, 種々の細菌感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果及び副作用について検討したので, その成績を報告する。
  • 市川 昭, 田中 地平, 浦部 大策, 小野 栄一郎, 田中 永一郎, 加藤 栄司, 山下 文雄, 江口 春彦, 坂本 博文, 松尾 宏, 荒木 久昭, 梶山 純子, 久保田 薫, 富永 薫, 木村 建, 弓削 建, 亀崎 健治, 永山 清高, 田中 耕一, 石本 耕治, 大山 幸徳, 藤松 雅彦, 吉本 賢良, 太田 正憲, 山本 正士, 原田 素彦, 田中 幹久, 冨田 尚文, 久田 直樹, 河野 信晴, 高城 信彦, 田中 信夫, 石原 修, 沖 重美, 武谷 茂, 津川 信, 竹中 伸一, 松浦 伸郎, 中村 司郎, 木下 昇平, 今井 昌一, 董 俊一, 竹内 純孝, 友石 泰輔, 本廣 孝, 下飛田 喬, 長井 孝之, 湯浅 洗, 藤沢 卓爾, 藤本 保, 古賀 達彦, 西山 亨, 入来 典, 島田 康, 阪田 保隆, 小松 良治, 田中 祥視, 高崎 好生, 木村 嘉幸, 吉永 陽三, 山下 祐二, 片淵 幸彦, 原田 豊, 石川 豊
    The Japanese Journal of Antibiotics
    1985年 38 巻 2 号 481-506
    発行日: 1985/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年抗生剤の中でもCephem系, Aminoglycoside系の薬剤及び合成抗菌剤の開発がめざましく, Penicillin系薬剤 (PCs) は1歩遅れをとつているが, 既存のPCsとβ-Lactamase阻害剤との合剤が種々考案され, その最初として, Fig. 1に示したような構造式を有し, その化学名はPotassium (Z)-(2R, 5R)-3-(β-hydroxyethylidene)-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo [3. 2. 0] heptane-2-carboxylatoで, 一般名がClavulanic acid (CVA) であるβ-Lactamase阻害剤が英国ピーチャム研究所で開発1) され, PCsの経口剤であるAmoxicillin (AMPC) との合剤すなわちBRL 25000が製剤化された。
    BRL 25000はCVAとAMPCが配合比1: 2からなる薬剤で, AMPC耐性菌に対し感受性菌と同等の抗菌力を示すばかりでなく, Klebsiella pneumoniaeや嫌気性菌のBacteroides fragilisにまで抗菌スペクトルは拡大され2~7), 本邦ではすでに第29回日本化学療法学会総会の新薬シンポジウムでとりあげられ, その基礎的評価及び臨床面での有用性が論じられた8) が, 小児科領域での成績はない。
    そこで, 私たちは本剤の臨床分離株に対する抗菌力, 小児での体内動態, 種々の細菌感染症における臨床効果, 細菌学的効果及び副作用について検討したので, その成績を報告する。
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