容器入り飲用
海洋深層水
14種類と原水1種類の計15種類の一般性状と食品衛生学的性状を検討した。飲用
海洋深層水
については製造方法とその表示調査を行った。
(1) 製造方法はほとんど逆浸透圧法であった。
(2) 飲用
海洋深層水
の一般性状は全蒸発残留物663±592.2ppm, 遊離炭酸3.7±1.89ppm, 総アルカリ度8.9±9.28ppm, 硬度344±360.3ppm, pH6.81±0.483, 過マンガン酸カリウム消費量1.1±0.84ppm であった。
(3) 飲用
海洋深層水
のミネラル成分はNa43.7±29.21ppm, Mg83.3±87.42ppm, K10.5±17.00ppm, Ca14.7±17.88ppm, B13.7±13.92ppm, Li6.1±7.77ppb, Al1.3±1.30ppb, Si1.67±2.666ppm, P41.7±30.57ppb, V12.5±7.36ppb, Cr0.3±0.21ppb, Mn1.0±2.12ppb, Fe12.9±3.64ppb, Ni0.4±0.35ppb, Cu0.95±0.76ppb, Zn1, 502.6±4, 311.94ppb, Ge1.2±0.72ppb, Se2.7±3.81, Rb3.6±4.82ppb, Mo0.7±0.71ppb であった。
(4) 無機陰イオンについては飲用
海洋深層水
ではF5.4±8.56ppm, Cl252.2±207.55ppm, Br3.7±1.19ppm, NO
33.8±6.28ppm, SO
494.3±116.39ppm, SiO
212.9±16.39ppmであり, 原水ではCl 8, 396.7ppm, NO
214.2ppm, SO
42, 277.7ppm, SiO
26.4ppmであった。
(5) 飲用
海洋深層水
のおいしい水の指標はK-Index-23.3±27.33, O-Index1.1±1.55であった。おいしい水に分類される割合はMW類には68~76%であるのに対し, 飲用
海洋深層水
では14%だった。
(6) 低沸点有機ハロゲン化合物は飲用
海洋深層水
では総THM2.7±4.93ppbであり, その内CF0.7±0.47ppb, BDCO.6±0.4gPPb, DBC1.6±1.47ppb, BF5.4±4.99ppbであった。原水は総THMO.8ppbであり, その内CFは0.7ppbであった。飲用
海洋深層水
, 原水いずれもMCF, TCE, PCEは検出限界以下であった。(7) 微生物検査については普通寒天培地では5試料の飲用
海洋深層水
と1試料の原水に菌が検出された。TCBS培地, GAM寒天培地で検出される菌はなかった。容器入り飲用
海洋深層水
は容器入り飲用水 (ナチュラルミネラルウォーター) に比べ, Na, Mg, K, Cr, Zn, ClイオンおよびFイオンが多く含まれていた。
抄録全体を表示