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クエリ検索: "焼き干し"
18件中 1-18の結果を表示しています
  • 福留 奈美
    日本調理科学会誌
    2023年 56 巻 2 号 71-75
    発行日: 2023/04/05
    公開日: 2023/04/12
    ジャーナル フリー
  • 小櫛 満里子, 原田 禄郎
    日本栄養・食糧学会誌
    1997年 50 巻 4 号 295-301
    発行日: 1997/08/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    生あごを塩干しした干しあごと
    焼き干し
    した焼きあごについてエキス成分を比較した。干しあごでは天日乾燥により生あごよりもIMPが減少し, また, 生あごに大量に含まれた遊離Hisも一部減少したが, 他の遊離および結合アミノ酸は増加し, とくにGlu, Asp, Ala, Lys, Argなどうま味に富む遊離アミノ酸類が著しく増加した。多量に残存するHisも他のアミノ酸と共存するときうま味を与え, 多量の乳酸, NaClも呈味に関与すると思われるが, 結局干しあごの呈味にはおもに多量に増加した遊離アミノ酸系の成分と水分の減少による濃厚化が大きく寄与している。
    焼きあごは製造の際, 最初の焼く工程でIMPが著しく増加し, クレアチニンも増加したが, 遊離アミノ酸類は減少し, 酵素の失活により乾燥工程ではほとんどアミノ酸類は増加しなかった。焼きあごエキスには多量のIMPが含まれ, カツオ節と共通した呈味成分を多くもつ良好な出しのもとである。
  • 神饌を通してみる伝承料理の成立と展開 (第2報)
    冨岡 典子
    日本家政学会誌
    2001年 52 巻 6 号 511-521
    発行日: 2001/06/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The following are the results of a study of the introduction and the spread of edible burdock into Japan as a food material for Japanese cooking.
    The edible burdock was first used for medicinal purpose, but in the Heian Period, “nisime-gobou” and “tataki-gobou” appeared. In modern times, “nisime-gobou” becomes popular as a nationwide dish prepared for New Year's, whereas “kinpira-gobou” is popular in the northern part of Kantou, and “tataki-gobou” in the Kinki area. These dishes are thought to have originated from “nanukadaki-gobou, ” “kara-gonbo” and “denbugobou” which had been handed down throughout Japan. The edible burdock was used in folk remedies and was highly evaluated for nutritious and medicinal food.
    From the facts combined with previous reserch, it is inferred that the edible burdock which formed an indispensable part of New Year's festivals in ancient times becomes an important food of the Japanese New Year's as one of “osechi ryouri (special dishes with simbolic meanings of longevity and good fortune).”
    Also, the eating of the edible burdock in Japan was influenced by the eating of the foreign edible burdock which was similar to Japanese wild thistles generally eaten at that time.
  • ―調理教育におけるだしの取扱い―
    福留 奈美
    日本調理科学会誌
    2024年 57 巻 4 号 258-262
    発行日: 2024/08/05
    公開日: 2024/08/08
    ジャーナル フリー
  • 白水 忠隆
    生活協同組合研究
    2017年 495 巻 50-51
    発行日: 2017/04/05
    公開日: 2023/04/05
    ジャーナル フリー
  • -だし材料より汁中に溶出する食塩量-
    秋永 優子, 瀬尾 弘子, 畑江 敬子, 島田 淳子
    日本家政学会誌
    1988年 39 巻 12 号 1295-1301
    発行日: 1988/12/05
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    市販のだし材料95種類を用いてだし汁を調製し, 塩素をモール法により定量し, 食塩に換算した.
    その結果, だし汁の食塩含量は, 昆布だしが最も多く0.13~0.44%で, ついで煮干しの0.10~0.22%であり, 節および焼きあごは少なく, それぞれ 0.03~0.14%, 0.03~0.06%であった.また, 全般に個体差が大きく, とくに真昆布に顕著で, 鰹節のカビつけのもの, 片口鰯の煮干しは比較的変動が少なかった.
    昆布, 節, 煮干し, 昆布・節混合の4種のだし汁について, おのおの食塩量が0.9%になるよう調整した吸物と, 食塩を0.9%添加した吸物の2種類を調製し, 官能検査を行ったところ, いずれのだし汁も食塩を0.9%添加した試料のほうが有意に塩味が強いと判定され, パネルは0.064%の食塩濃度差を識別しうることが認められた.
    吸物の塩味の好ましさについては, 昆布だしにおいて有意に食塩を0.9%に調整した吸物が好まれた.
  • -いろりの熱灰・煙・周辺熱の利用-
    *高橋 洋子, 五十嵐 由利子
    日本調理科学会大会研究発表要旨集
    2005年 17 巻 P-52
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/09/13
    会議録・要旨集 フリー

    目的: 住宅の変遷と共に、住宅内外で行われていた調理や食品加工・保存等が難しくなったり、消滅したりしたものがある。本報では、燃料革命によって急速に姿を消した「いろり」に着目し、食材や燃料を有効活用してきた先人の智恵に学ぶ。
    方法: 県史・市町村史の民俗編や、『日本の食生活全集』等を資料として、いろりの熱灰・煙・周辺熱を利用して行われていた調理・食品加工・保存法について、および、いろりが消滅した後に行われている、それらの代替手段などについて調査した。
    結果: (1)熱灰:徳利を熱灰に差し込んで酒を燗したり、栗・芋・団子などを熱灰に埋めて焼いたり、加熱や保温に広く利用されていた。草木の葉や竹の皮、濡らした紙などに包んだ食品を熱灰の中に入れ、蒸し焼きにする例もみられた。おやき(長野)・豆しとぎ(青森)・がねみそ(高知)など、いろりが消滅した現在、蒸す・茹でる・揚げるなど、別な方法で作られているものもある。(2)煙:いろりの上の火棚やその周辺に食品を吊して燻製にし、独特の風味と保存性を付加した。燻し大根漬(秋田ほか)・燻り豆腐(岐阜) ・甲子柿(岩手)など、現在では専用の燻煙設備を用いて製造され、商品化されているものもある。(3)周辺熱:いろりで継続的に火を焚くことにより、周辺はやや高温で乾燥した環境になったと考えられる。そのような環境を利用して、味噌や納豆を作る、
    焼き干し
    魚を作る、芋類(里芋・蒟蒻芋・山芋等)を貯蔵するなどしていた。また、いろりの脇の床下に専用の設備を設けて芋や大根等を貯蔵したり(新潟・岐阜・秋田ほか)、いろりの上の屋根裏部屋や中二階で、蒟蒻芋を保管したり雑穀を貯蔵したりしていた。
  • 持丸 由香, 筒井 和美, 西田 淑男, 舟橋 由美, 宮澤 洋子, 山本 淳子
    日本調理科学会誌
    2025年 58 巻 2 号 94-102
    発行日: 2025/04/05
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル 認証あり

     2022~2024年度特別研究「多様な調理法と家庭料理の伝承」の一部として,家庭料理の現状を把握し,家庭料理の伝承のための方策を検討することを目的とした。本報告では,愛知県と愛知県以外の東海北陸他6県(富山県・石川県・福井県・長野県・岐阜県・三重県),愛知県において居住形態が自宅と自宅外について比較した。

     調査期間は,2022年10月1日~2023年2月28日,調査項目は,基本属性,調理機器・器具の使用状況,複合調味料,家庭料理とした。分析対象は東海北陸の大学及び短期大学の学生1,417名であった。

     地域別の比較において,愛知県の現住居で使用していると回答した割合が高値であったものは,電子レンジ,フライパン,炊飯器,ピーラーであった。他6県に対して有意に高値であったものは,ガスコンロ,土鍋,味噌こし等であった。居住形態別では,フライパンとキッチンばさみ以外で有意な差が認められた。IHコンロと電気ケトルにおいては,自宅外の方が高値であった。

  • 江原 絢子
    日本味と匂学会誌
    2014年 21 巻 2 号 121-127
    発行日: 2014年
    公開日: 2018/05/30
    ジャーナル 認証あり
    日本の食文化は、自然環境と外来の食文化を融合させて独自の文化を構築してきたところに特徴がある。温暖、夏の高温多湿により、多くの農産物を定着させ、周囲が海のため、多様な魚介類、海藻類を利用してきた。豊富で良質な水は、酒、豆腐などの加工食品、煮物、蒸し物、あえ物、汁物など水を使う調理法を発達させてきた。「飯、汁、菜、漬物」の食事の基本形、だしのうま味を基本とするなど、日本の食文化を次世代に伝える食育には、みようみまね、繰り返しの体験を通した訓練、心を育てる食の体験などこれまで家庭で行われてきた食育の見直しが求められる。
  • 畦 五月
    日本調理科学会誌
    2015年 48 巻 4 号 308-319
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/05
    ジャーナル フリー
     本研究では近現代に焦点をあてて,サメの食習慣を食用地域とその調理方法の観点から,あるいは特性の類似するエイとの対比において明らかにした。
     現代においてサメは東北地方で,エイは中四国を中心に利用されている地域性のみられる魚である。サメの調理法は時代の変遷とともに若干多様性を示しながら変化したものの,刺身・湯引きや煮物を主な調理法とし現代まで受け継がれている。一方,エイは煮物を主な調理法として食べられている特徴が見られ,サメとエイでは若干調理法に違いが見られた。
     含有される尿素によって鮮度低下が遅れるため長期間保存ができる共通した特徴を両魚は持つ。そのため山間部でも刺身を食べることができること,また様々な調理法で食べられること,地理的要因などが関係し,類似した地域性を維持しながら,今日まで両魚がハレの日の食材となりその食習俗を継承してきたと考えられる。
  • 島田 淳子
    栄養学雑誌
    1992年 50 巻 3 号 113-126
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 渡邊 智子
    栄養学雑誌
    2019年 77 巻 1 号 4-12
    発行日: 2019/02/01
    公開日: 2019/03/05
    ジャーナル フリー

     「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(以下,成分表2015)を補完する成分表として,文部科学省は2016年に「成分表2015追補2016年(以下,追補2016)」,2017年に「成分表2015追補2017年(以下,追補2017)」を公表した。そこで,成分表2015,組成表(アミノ酸,脂肪酸,炭水化物),追補2016及び2017を基に検討し,追補成分表の留意点と課題を明らかにした。食品成分表は公表された時点の日本の食生活を反映したものであるため,現時点の食品成分表の収載食品数は成分表2015に追補2016及び2017の収載食品を加え,本編2,236,アミノ酸編1,627,脂肪酸編1,817,炭水化物編945となった。追補成分表の食品選択を適切に行うためには,備考欄及び資料や付表が役立つ。追補2016では,大根おろしとその汁,生姜おろしとその汁などが追加され,追補2017では成分表2015のでんぶが,でんぶしょうゆ入りに名称変更された。ナイアシン当量が追加され,日本人の食事摂取基準のナイアイシン量に対応する栄養計算が可能になった。今後の課題は,炭水化物やエネルギーに関する事項などである。

     これらのことから,追補2016及び2017を成分表2015と合わせて利用すると,日本人の食生活をより正確に調査・研究でき,献立作成や栄養指導,栄養行政などを充実させ日本人の健康づくりに寄与できる。

  • 極東ロシアの森林開発・森林保護とウデヘの人々
    *佐々木 史郎
    北方民族文化シンポジウム網走報告書
    2015年 29 巻
    発行日: 2015年
    公開日: 2024/09/20
    会議録・要旨集 フリー
    The Udehe people, living in the foothills of Sikhote Alin' Mountains passing through the Primorye Region of the southern part of the Russian Far East, have been at the mercy of the contradictory policies of the forest development and conservation. They were washed out by the drastic change of the economic system from planned socialistic economy to free, market economy after the collapse of the Soviet Union, and, at the same time, they should have fought against the mammonism overdevelopment of their forests. Some of them established ethnic companies to protect their forests and to survive the severe time of the transition of the political and economic systems. In this paper, I will consider the problems on the forest development and conservation in the Russian Far East from a point of view of the indigenous people, comparing the successful and unsuccessful cases of the ethnic companies of the Udehe people.
  • *齋藤 玲子, *渡部 裕
    北方民族文化シンポジウム網走報告書
    1998年 12 巻
    発行日: 1998年
    公開日: 2024/09/21
    会議録・要旨集 フリー
    The Ainu people have had a culture that depended on salmon resources that were rich in Hokkaido, Southern Sakhalin and Kurile Islands. Especially in Hokkaido, salmons like chum salmon, pink salmon and cherry salmon were used as stable resources that which they could catch from spring to early winter. It could be said that the Ainu could potentially use a lot of chum salmons, over one hundred per year before the spread of commercial salmon fishing in the Edo era. Salmons were used not only as self-diet but also as a trading article, and their beliefs in salmon indicates its importance. Chum salmon is special food and special fish for the Ainu. In this paper we would like to examine the position of salmons in the Ainu culture in relation to subsistence, food and spiritual world. The salmon usage in the Ainu society weakened gradually due to commercial fishing in Edo era and catch control from early Meiji era. Thereafter the Ainu people were not allowed to catch salmons except for some fishermen. Nevertheless, the recent move to recover salmon culture in the Ainu born fruit in the form of salmon ceremonies held in several cities of Hokkaido. Today salmon resource is rich in the coast of Hokkaido due to the improvement of hatching and discharge program. Chum salmon was a delicacy, but now its status is not so high. From the view point of conservation of limited marine resources, we should to recover the status as kamui-chep, god fish.
  • 魚食文化に関する研究 (第3報)
    今田 節子, 藤田 真理子
    日本家政学会誌
    2003年 54 巻 2 号 171-181
    発行日: 2003/02/15
    公開日: 2010/03/10
    ジャーナル フリー
    The traditional habits of eating the fermented and preserved foods, shiokara and gyosyou, and their regional characteristics were investigated by studying Nihon-no-Shokuseikatsu-Zenshu which records the traditional eating habits of each prefecture in Japan. One hundred and fourteen kinds of shiokara and gyosyou are recorded in Nihon-no-Shokuseikatsu-Zenshu throughout the entire country. However, most of these records are for fishing villages and nearby farming villages in the Sea of Japan coastal areas and the Pacific coastal areas. The fish most commonly used to make shiokara and gyosyou are cuttlefish, sweetfish, sardines, bonito, mackerel and their internal organs. shiokara and gyosyou are grouped into three types : type A, in which the fish is mixed in fermented liquid, account for 70%; type B, a pureed form, account for 25%; and type C, a liquid form, account for 5%. Types A and B are eaten as side dishes with sake and rice. The fish of type A are also used as cooking ingredients for boiled, grilled and dressed food, and the fermented liquid of type A and types B and C are used as condiments. shiokara and gyosyou are very common foods; in fishing villages, this preservation method efficiently uses very large catches of fish, and in the Tohoku and Hokuriku areas, the fish are preserved to insure a food supply throughout the winter.
  • 綾部 園子, 平尾 和子, 名倉 秀子, 升井 洋至, 大野 智子, 安田 智子, 柳沢 幸江, 福留 奈美, 中澤 弥子, 新澤 祥惠, 橘 ゆかり, 髙橋 啓子, 岡本 洋子, 高松 伸枝, 梅木 美樹
    日本調理科学会誌
    2024年 57 巻 2 号 126-137
    発行日: 2024/04/05
    公開日: 2024/04/12
    ジャーナル フリー

     全国の大学・短大などの学生を対象に,調理器具や調理器具,家庭料理状況などについてアンケートを実施し,ウェブブラウザを用いて回答を収集した。調査は2022年9月から2023年2月に実施し,有効回答数は7,153件(有効回答率49.1%)だった。

     その結果,使用割合の高い調理器具は電子レンジ,炊飯器,フライパン,ピーラーであり,使用割合が低かったのは蒸籠,かつお節削り器,中華鍋であった。「おもに家で作る」料理は,卵焼き,ご飯,野菜の煮物,味噌汁が8割以上であった。一方,煮豆や赤飯は2割未満で,外食や調理済み食品を利用することが多かった。調味料・香辛料類では,めんつゆ,和風だしの使用率は80%を超えた。料理に関する最な情報源は,インターネットのレシピサイト,動画,学校での調理学実習であった。

     電子レンジやフライパンは種々の調理法に使用され,めんつゆや和風だしなどの調味料・香辛料も多用され,例えば青菜のごま和えのような伝統的な家庭料理は調理法の変化が明らかになった。これらの結果から,家庭料理の調理の簡便化あるいは時短化傾向が示唆された。

  • 牧野 厚史
    環境社会学研究
    2017年 22 巻 41-58
    発行日: 2017/02/20
    公開日: 2019/02/20
    ジャーナル フリー

    現代の農業の持続性を考えたとき,サステイナブルな農業,つまり生態系と調和した農業という回答の仕方もあるが,水田の保全に限ってみても,その持続性の理解について合意があるとはいえない。その理由の1つに生態系というエコロジーの考え方と農民の考える農業の持続性とのズレがある。本稿では,水田と水との関係に強い関心が向けられてきた有明海に面した水辺コミュニティを取り上げ,そこでの「むら」の組織を用いた稲作農業の維持への取り組みを事例として,なぜ,この地区の人々が水田稲作にこだわるのかについて考察した。この地区では,農業と生活の近代化のなかで水と住民との関わりがほぼ失われた結果,水への住民の関心の低下が著しい。本稿では,水田での稲作は地域の水環境に住民が働きかける数少ない機会となっており,稲作の衰退はむらの領土保全の中核となる農家にとってゆゆしき問題として理解されていることを明らかにした。稲作と水との関係が意識される背景には,むら人のノリ養殖の場所である有明海の環境が悪化したことによって,ますます高度な水管理が求められるようになっていることがある。水社会の一員としての現代水辺コミュニティにおける水と人との関わりの鍵となっているのが,稲作なのである。

  • 煎本 孝
    民族學研究
    2001年 66 巻 3 号 320-343
    発行日: 2001/12/30
    公開日: 2018/03/27
    ジャーナル フリー
    北海道阿寒湖畔において50年間続けられてきたまりも祭りは、アイヌの伝統的送り儀礼の形式を取り入れて創られた新しい祭りである。当初、この創られた伝統は、アイヌ本来の祭りではない、あるいはアイヌ文化を観光に利用しているという批判を受けることになった。しかし、祭りを主催するアイヌの人々は、この祭りは大自然への感謝祭であると語る。本稿では、まりも祭りの創造と変化の過程、それをめぐる語り、阿寒アイヌコタンと観光経済の関係、さらに現在行われているまりも祭りの分析から、アイヌの帰属性と民族的共生の過程を明らかにする。その結果、(1)アイヌの民族性の最も深い部分にある精神性の演出により、新しいアイヌ文化の創造が行われていること、(2)この祭りの創造と実行を通して民族的な共生関係が形成され、それが維持されていること、(3)そこでは、アイヌとしての民族的帰属性が、アイヌと和人とを含むより広い集団への帰属性に移行していること、が明らかになった。さらに、最後に、民族的共生関係の形成を可能にするのは、経済的理由や語りの技術によるだけではなく、異なる集団を越えて、それらを結び付ける人物の役割と人間性が重要であることを指摘した。
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