承認後10年目を迎えたイミダゾール系外用抗真菌剤Bifonazoleの足白癬に対する有用性を評価するために, 141例の足白癬患者に対してBifonazole 1%含有のマイコスポール®クリームを1日1回, 4週間投与し, その臨床効果と副作用, 分離真菌の薬剤感受性と
真菌学
的効果との関係および過去の成績との比較を検討し, 以下の成績が得られた。
1.
真菌学
的効果真菌陰性化率は, 小水疱型63.2% (36/57), 趾間型94.1% (32/34), 足白癬全例では, 74.7% (68/91) であった。
2. MIC別
真菌学
的効果原因真菌に対するBifonazoleのMICと真菌消失率との間に相関性が認められなかった。
3. 皮膚症状改善度皮膚症状の改善率は, 小水疱型82.5%, 趾間型85.7%, 足白癬全例では83.7%であった。
4. 総合臨床効果有効率は, 小水疱型61.4%, 趾間型88.6%, 足白癬全例では71.7%であった。
5. 安全性副作用は, 127例中5例 (3.9%) に接触皮膚炎と考えられるものがみられたが, いずれの症例も軽快または消失した。
6. 有用性有用率は, 小水疱型64.9%, 趾間型88.6%, 足白癬全例では73.9%であった。
7. 過去の成績との比較今回の臨床試験で得られた成績は, 新規外用抗真菌剤の開発段階で実施された二重盲検比較試験で本剤が投与された足白癬症例の成績とほぼ同等であった。
以上の結果から, マイコスポール®クリームは, 承認後10年にわたり皮膚真菌症の局所療法として汎用されておりながら, 今日においても有用な薬剤であることが確認された。
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