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吉田 雄一, 中山 樹一郎
日本皮膚科学会雑誌
2008年
118 巻
5 号
897-903
発行日: 2008/04/20
公開日: 2014/12/03
ジャーナル
認証あり
神経線維腫症
1
型
(NF1)は皮膚をはじめ,神経系,眼,骨など各種臓器に多彩な病変を生ずる遺伝性の疾患である.1990年にその原因遺伝子が明らかにされたが,根治療法はいまなお極めて難しいのが現状である.しかしながら,各症状に応じた対症療法は少しずつ工夫されつつある.本稿においては,NF1の臨床症状に応じた治療法について具体的に解説する.
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大塚 藤男
日本皮膚科学会雑誌
2005年
115 巻
6 号
843-847
発行日: 2005/05/20
公開日: 2014/12/10
ジャーナル
認証あり
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鈴木 英章, 金城 徹, 外間 昭, 田村 元
日本消化器内視鏡学会雑誌
2023年
65 巻
6 号
1123-1127
発行日: 2023年
公開日: 2023/06/20
ジャーナル
フリー
HTML
68歳,男性.大腸がん検診で便潜血陽性のため,当院にて下部消化管内視鏡検査を施行した.内視鏡検査では,上行結腸に直径6mm程度の隆起と横行結腸に直径3mm程度の平坦で境界明瞭な病変を認めた.診断的治療目的にて,2病変に対して内視鏡的切除を施行した.病理学的検討では,切除した2病変とも,大腸粘膜固有層に好酸球,リンパ球の浸潤を伴う紡錘形細胞の増生を認めた.免疫染色にて紡錘形細胞はCD34陽性,c-kit,EMA,GLUT-1,S-100,α-SMAは陰性であった.以上より,炎症性線維状ポリープ(inflammatory fibroid polyp:IFP)と診断した.微小で,更に複数病変で発見されるIFPは稀であり,内視鏡的に切除し得た1例を経験したので報告する.
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上條 崇裕, 阿部 修, 佐瀬 航, 禹 潤, 相澤 拓也, 雫石 崇, 坂口 雅州, 菊田 潤子, 前林 俊也, 矢野 希世志, 原留 弘樹, 阿部 克己
日大医学雑誌
2012年
71 巻
1 号
2-5
発行日: 2012/02/01
公開日: 2013/11/01
ジャーナル
フリー
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守護 晴彦, 方堂 祐治, 渡邉 剛史, 上藤 聖子, 杉森 順二, 林 泰生, 原田 憲一, 中沼 安二, 米島 學
日本消化器病学会雑誌
2014年
111 巻
8 号
1579-1586
発行日: 2014/08/05
公開日: 2014/08/05
ジャーナル
フリー
症例は神経線維腫症1型の60歳女性.59歳より慢性骨髄性白血病にてnilotinib hydrochloride hydrateの内服中だったが,下血のために入院した.造影CT検査,小腸内視鏡検査によって小腸多発性GISTと診断され,その後も著変を認めなかった.診断目的に手術を行い,上部空腸に2 cm大の2個の粘膜下腫瘍を認め同病変部の小腸部分切除術を施行したが,他にも小腸に多発性に小結節を認めた.
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吉田 雄一
日本皮膚科学会雑誌
2015年
125 巻
12 号
2259-2266
発行日: 2015/11/20
公開日: 2015/11/21
ジャーナル
認証あり
神経線維腫症1型はRASの機能を制御する遺伝子の変異により特徴的な皮膚病変を生じる.近年,皮膚症状を伴う様々な先天性疾患や遺伝的モザイクにより発症する一部の疾患の原因がRAS/mitogen activated protein kinase(MAPK)経路に関与する遺伝子の異常であることが明らかになってきている.RAS/MAPK経路は様々な悪性腫瘍の発症にも関与しており,この経路を特異的に阻害する薬剤に注目が集まっている.
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喜田 裕一, 澤田 つな騎, 石川 恵里, 榊原 綾子, 山村 健史, 前田 啓子, 江﨑 正哉, 濱崎 元伸, 村手 健太郎, 中村 正直
日本消化器内視鏡学会雑誌
2023年
65 巻
7 号
1232-1238
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/20
ジャーナル
フリー
HTML
症例は50歳女性.基礎疾患に神経線維腫症1型があり,42歳時に前医で小腸の壁肥厚と拡張を指摘されたが原因不明とされた.今回,下痢に伴う電解質異常のため前医に入院となったが,腸管拡張も高度となり,精査のため当院へ転院となった.ダブルバルーン内視鏡検査を施行したところ空腸は高度に拡張し,回腸末端に炎症性ポリープと縦走潰瘍を認めた.非潰瘍部の生検組織よりganglioneuromatosisの診断を得た.腸管のびまん性ganglioneuromatosisは神経線維腫症1型の稀な合併症であり,小腸病変を内視鏡で観察,診断し得た貴重な症例と考えられた.
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安田 謙, 村瀬 永子, 大谷 良, 岡 伸幸, 中村 道三
臨床神経学
2018年
58 巻
1 号
21-24
発行日: 2018年
公開日: 2018/01/26
[早期公開] 公開日: 2017/12/22
ジャーナル
フリー
症例は40歳男性.20歳時に慢性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy; CIDP)と診断加療された.その後20年間,運動感覚障害をきたさなかったが,胸背部痛で来院した.MRIで全身の神経根で著明な結節性の神経肥厚を認めた.CIDPの電気診断基準ではdefiniteで,Charcot-Marie-Tooth病遺伝子に変異はなく,他の神経肥厚を示す疾患も否定された.CIDPによる多発神経肥厚と診断し,ステロイドパルス療法を行ったところ症状は軽快した.本症例はCIDPで臨床的再発なく経過していたが20年後に神経根肥大による神経根性疼痛をきたしたもので,CIDPの長期経過の臨床像で注意すべき病態である.
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大野 善太郎, 安田 憲生, 玉木 英俊, 中村 勝重, 大須賀 健, 岩田 啓之, 鷹津 久登, 田中 孜
会議録・要旨集
フリー
【症例】64歳女性。
【既往歴】5年前より関節リウマチの診断あり近医にてフォローされていた。【主訴】背部痛
【現病歴】来院2~3日前から自制内の腰痛があった。来院当日、呂律障害および意識消失発作あり同日救急搬送された。なお再三の問診にて転倒等による側胸部への打撲の自覚はなかった。
【入院時現症】収縮期血圧70mmHg 、GCS E3V5M6 右前胸部全体にcoarse cracklesを聴取する。体幹部に小結節の多発を認めた。SpO
2=94%(酸素10L/分Mask)
【入院後経過】入院時胸部X-rayにて右大量胸水を認めた。頭部CT検査にて異常なく、胸部造影CTにてAortic Dissectionの所見はなかった。胸腔穿刺にて胸水は血性であり、胸水LDH=182/血清LDH=151>0.6にてLight’s criteriaよりExudativeと判断された。(胸水ADA=13.2 IU/L)カテコラミン投与にて血圧80mmHgと低値で維持されたが外傷性血胸の可能性もあった為胸部外科手術可能な施設へ転院となった。
【術中所見】開胸術にて、右奇静脈と上大静脈の合流部に血管腫を認め同部位の破裂による血胸と判断し血管腫除去及び止血術が施行された。
【考察】本症例は体表面にneurofibromaを認め、虹彩にLisch nodulesを確認しNurofibromatosis-1(NF-1)と診断した。今回の病態は血管腫破綻による血胸およびhypovolemic shockと推測した。Duongらの1226人のNF-1の予後を追跡したCohort研究(Orphanet J of Rare Diseases 2011,6:18)では5.5%と高率な死亡率が記載されているが本症例では適切な救急対応によって幸いにも救命することができた。病理所見を追加して報告する予定である。
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宇佐美 佳恵, 丸山 常彦, 金野 直言, 大川原 健, 柏村 浩, 大谷 明夫, 小田 竜也
日本消化器病学会雑誌
2023年
120 巻
5 号
410-415
発行日: 2023/05/10
公開日: 2023/05/12
ジャーナル
フリー
神経線維腫症
1
型
(NF1)に合併した消化管間質腫瘍(GIST)は,一般的なGISTと異なる発生機序と特徴をもつとされる.今回76歳男性のNF1患者に対し,十二指腸水平部粘膜下腫瘍の切除を施行した.4病変を摘出し,病理学的に低リスクGISTと診断された.過去の症例報告からも径の小さなNF1合併GISTは悪性頻度が低いことが推測され,その治療方針について議論を要すると考える.
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今門 純久
日本皮膚科学会雑誌
2010年
120 巻
7 号
1461-1464
発行日: 2010/06/20
公開日: 2014/11/28
ジャーナル
認証あり
神経疾患と皮膚との関係について,1)母斑症,2)神経疾患による皮膚病変,3)神経症状と皮膚症状の両方を持つ疾患,の3つに分けて概説した.母斑症は,母斑あるいは母斑様病変を主体とする先天性疾患であり,
神経線維腫症
1
型
,神経線維腫症2型,結節性硬化症,基底細胞母斑症候群などの疾患が代表的である.神経疾患による皮膚病変の代表として褥瘡を取り上げた.日本褥瘡学会の局所治療ガイドラインが有用である.
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田代 直子, 石橋 洋則, 高崎 千尋, 角田 悟, 明石 巧, 小林 正嗣, 大久保 憲一
肺癌
2021年
61 巻
3 号
195-200
発行日: 2021/06/20
公開日: 2021/06/30
ジャーナル
オープンアクセス
背景.胸腔頂部に発生した縦隔腫瘍に対する手術では鎖骨下の脈管や神経の展開,肩関節機能温存および神経機能温存が重要となる.症例.25歳女性.幼少期より神経線維腫症1型と診断されていた.1年前より左肩痛が悪化し,胸部CT検査で左胸腔頂部51×42 mmの腫瘍を認め,1年前に比較し増大傾向であった.Transmanubrial approachにて手術を施行,術中運動神経誘発電位測定検査で神経温存に留意した.病理学的診断は悪性末梢神経鞘腫であった.術後は神経障害なく,無再発外来通院中である.結論.Transmanubrial approachにより摘出した左胸腔頂部悪性末梢神経鞘腫の1例を経験した.また術中運動神経誘発電位測定検査は摘出する神経腫瘍の神経機能温存確認のために有用であった.
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松尾 美希, 伊藤 宏太郎, 今福 信一, 中山 樹一郎
西日本皮膚科
2010年
72 巻
5 号
491-493
発行日: 2010/09/15
公開日: 2010/11/19
ジャーナル
認証あり
症例は62歳の男性。生後よりカフェ・オ・レ斑,20歳ごろより全身の皮膚に多発性の神経線維腫が認められるようになり神経線維腫症1型の診断であった。初診の1年前より後頭部右側に皮下腫瘤が出現し増大してきた。腫瘍部の病理組織検査では腫瘍内に複数の胚中心様構造を呈した中型~大型の腫瘍細胞の密な増殖が認められ,免疫組織化学染色では,CD20陽性,CD10陽性,Bcl-2陽性,Bcl-6陽性,CD3陰性,MUM-1陰性で濾胞性リンパ腫Grade3a(WHOの分類)と診断した。全身精査で,脾臓に腫瘍の浸潤像が認められた。R-CHOP療法8クールが行われ,後頭部腫瘍は平坦化,脾臓病変は縮小した。神経線維腫症とB細胞性リンパ腫の合併の報告は少なく偶発的合併と考えられた。
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小柳 年正, 増本 陽秀, 田尻 博敬, 矢田 雅佳, 千住 猛士, 本村 健太, 大屋 正文
肝臓
2012年
53 巻
4 号
231-236
発行日: 2012年
公開日: 2012/04/27
ジャーナル
フリー
症例は69歳男性.出生時より
神経線維腫症
1
型
(von Recklinghausen病)が発症していた.2006年5月より腹部膨満感を自覚し,症状が改善しないため8月当科受診.肝左葉に巨大な腫瘍を認め精査にて肝内胆管癌と診断した.同年9月血性腹水と貧血の進行を認めた.肝血管造影にて外側区域に大きく不均一な腫瘍濃染を認め,腫瘍破裂の可能性が考えられた.左肝動脈塞栓術を施行したところ,貧血の進行は止まったが肝腎機能悪化のため患者は死亡した.剖検の結果,肝腫瘍は中分化型肝内胆管癌であり,腫瘍壊死と脈管浸潤を伴い,両肺,肺門リンパ節,臓側胸膜,右腎,脾周囲脂肪織および両副腎に転移を認めた.神経線維腫症1型と肝内胆管癌の合併は稀である.
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柴﨑 俊一, 谷 直樹, 磯部 隆, 荒木 真, 佐藤 泰吾, 谷内 法秀
ジャーナル
フリー
神経線維腫症
1
型
(Neurofibromatosis types 1, 以下NF-1) は国内患者数が約4万人で, プライマリ・ケア医が遭遇する疾患である. 腫瘍性病変が有名で予後規定因子として知られるが, 他に動脈瘤を合併しうる. これは従来高血圧の結果とされ, また予後規定因子として注目されていない. 今回, 高血圧のないNF-1患者が腰動脈瘤破裂で急激にショックとなった1例を経験した. NF-1の55歳女性が, 突然の左鼡径部痛で救急搬送された. 造影CT, 動脈造影にて腰動脈瘤破裂と診断された. 来院後にショックとなり, コイル塞栓術が行われ, 救命された. 動脈瘤がNF-1の予後規定因子となる可能性, その成因は高血圧以外に, 近年いわれるNF-1自体の血管脆弱性による可能性が臨床的にも支持された.
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吉田 雄一, 久保田 由美子, 金田 眞理, 土田 哲也, 松永 佳代子, 中川 秀己, 新村 眞人, 大塚 藤男, 中山 樹一郎
日本皮膚科学会雑誌
2008年
118 巻
9 号
1657-1666
発行日: 2008/08/20
公開日: 2014/12/03
ジャーナル
フリー
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嘉島 相輝, 齋藤 満, 土谷 順彦, 齊藤 元, 南條 博, 沼倉 一幸, 鶴田 大, 秋濱 晋, 井上 高光, 成田 伸太郎, 南谷 佳弘, 佐藤 滋, 羽渕 友則
日本泌尿器科学会雑誌
2015年
106 巻
3 号
178-184
発行日: 2015/07/20
公開日: 2016/08/10
ジャーナル
フリー
神経線維腫症1型は,NF1遺伝子の異常によりRASが活性化する疾患である.悪性神経鞘腫などの神経堤由来の腫瘍や,一部の非神経堤由来の悪性腫瘍を高頻度に発症することが知られているが,胚細胞腫瘍との関連は明らかではない.症例は神経線維腫症1型の29歳,男性.前縦隔に巨大な腫瘍と頸部リンパ節腫大を指摘され,当院を紹介受診.頸部リンパ節生検でyolk sac tumorの病理結果を得,縦隔原発胚細胞腫と診断した.化学療法と残存腫瘍切除により完全寛解を得た.これまで,神経線維腫症1型に合併した性腺外胚細胞腫の報告はない.胚細胞腫瘍の発生にはRASとの関連が指摘されており,自験例の縦隔原発胚細胞腫の発生とNF1との関連性が示唆される.
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山田 朋子, 村田 哲, 森田 亜希, 小堀 洋一, 平賀 教子, 清澤 智晴, 大槻 マミ太郎, 中川 秀己
日本皮膚科学会雑誌
2003年
113 巻
1 号
43-48
発行日: 2003/01/20
公開日: 2014/12/13
ジャーナル
認証あり
症例1,19歳,女.
神経線維腫症
1
型
(NF1と略す).1年ほど前より右小指の爪下に疼痛があり,切除.組織はグロムス腫瘍であった.症例2,37歳,女.NF1.5~6年前より左環指に,4~5年前より左母指に疼痛を認めるようになった.切除行われグロムス腫瘍であった.両症例とも,家族歴にNF1があるが,グロムス腫瘍の家族歴はなかった.非常にまれながら,NF1にグロムス腫瘍の発生の報告例があり,特に多発性に爪甲下に発生する.近年,家族性グロムス腫瘍領域VMGLOが1p22-p21にマッピングされた.
NF1は17q11.2である.これまでの報告例と自験例を解析したところ,NF1に発生するグロムス腫瘍は,家族性グロムス腫瘍よりは,孤発性グロムス腫瘍の症状に類似している.NF1でのグロムス腫瘍の発生に未知のグロムス遺伝子の変異を考える意見があるが,我々は,NF1患者では,
NF1遺伝子の異常そのものがグロムス腫瘍を起こしているのではないかと考えた.
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神経線維腫症1型診療ガイドライン改定委員会, 吉田 雄一, 倉持 朗, 太田 有史, 古村 南夫, 今福 信一, 松尾 宗明, 筑田 博隆, 舟崎 裕記, 齋藤 清, 佐谷 秀行, 錦織 千佳子
日本皮膚科学会雑誌
2018年
128 巻
1 号
17-34
発行日: 2018/01/20
公開日: 2018/01/20
ジャーナル
フリー
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伊東 俊夫, 為金 現, 大前 義文, 中山 志郎
臨床血液
1998年
39 巻
9 号
698-702
発行日: 1998年
公開日: 2009/04/28
ジャーナル
認証あり
von Recklinghausen病に合併した悪性リンパ腫の65歳の男性の症例を経験した。患者は全身のリンパ節が腫大しているために精査目的にて当院内科外来を受診した。患者は全身に神経線維腫とcafe au lait斑を多数存在し,表在性リンパ節を認めた。CT検査にて縦隔と腹部大動脈周囲にリンパ節の腫大を認めた。右頚部のリンパ節生検の結果はT細胞型非Hodgkinリンパ腫(diffuse mixed type, LSG分類,stage III)であった。化学療法を行なったところ,部分寛解の状態になったが,肺炎にて死亡した。von Recklinghausen病に悪性リンパ腫を合併するケースは非常にまれにしか報告されていない。その文献的考察を加えた。
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