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  • 大藪 絢香, 柳井 清治
    日本森林学会大会発表データベース
    2016年 127 巻 P1-093
    発行日: 2016/07/08
    公開日: 2016/07/19
    会議録・要旨集 フリー
     竹林の拡大が渓流生態系に与える影響を明らかにするため,石川県金沢市の山間部を流れる竹林渓流と落葉広葉樹林渓流においてリターバッグによる分解実験,渓流における底生動物のサンプリングおよび竹葉を餌とした淡水生ヨコエビ類(Jesogammarus sp.渓流の優占種)の室内飼育実験を行った。分解実験は,水生動物の侵入が可能な粗メッシュとその侵入を制限した細メッシュの2種類のリターバッグに葉を封入し,夏季に渓流中に設置後,2週間前後の間隔で回収してその重量残存率を比較した。底生動物のサンプリングは30×30㎝の方形区を設定し、そこに生息する動物類をすべてサンプリングし、室内において種の同定と個体数の計測を行った。リターバッグによる分解実験の結果,樹種間で分解速度に大きな違いが見られ,この分解過程を指数関数モデルに当てはめ分解速度を求めると,モウソウチク葉が優占広葉樹葉(コナラ)よりも著しく遅いことがわかった。底生動物サンプリングの結果,竹林渓流と広葉樹林渓流においてヨコエビ類が優占しており,竹林渓流の個体数は広葉樹林渓流の約1/7であった。また飼育実験では,ヨコエビ類は竹葉を忌避する傾向が見られた。
  • 池田 絢香, 大村 花菜, 高橋 智香, 横須賀 章人, 三巻 祥浩, 大泉 康, 出川 雅邦, 吉成 浩一, 根本 清光
    日本毒性学会学術年会
    2015年 42.1 巻 P-42
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/08/03
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】化学物質による毒性発現や様々な疾患の発症には、細胞ストレス応答のかく乱が関与している。したがって、その応答かく乱の機構解明と抑制手法の確立は、毒性発現からの保護や疾病発症の予防につながるものと思われる。われわれはこれまでに、ヒト神経芽細胞腫由来SK-N-SH細胞を用いて、柑橘果皮成分ノビレチンが、細胞ストレス増悪因子とされるthioredoxin interacting protein(TXNIP)の発現を強力に抑制することにより、小胞体ストレス誘発性の細胞死を抑制する可能性を見いだしている。本研究では、ノビレチンのTXNIP発現抑制機構を解明するために、TXNIP遺伝子の転写調節領域の解析を試みた。
    【方法】ヒトゲノムDNAを鋳型として、TXNIP遺伝子プロモーター領域(5’上流-1518 bp)をPCR法により増幅後、pGL4.27ベクターに挿入し、レポータープラスミドpGL4.27 h TXNIP -1518を作製した。このプラスミドをSK-N-SH細胞に一過的に導入した後、ノビレチン100μMを24時間処理し、プロモーター活性をルシフェラーゼアッセイにより測定した。さらに、プロモーター領域を欠失させたレポータープラスミド(-1122 bp, -420 bp, -400 bp, -285 bp)についても同様の検討を行った。
    【結果・考察】pGL4.27 h TXNIP -1518を導入した場合、溶媒処置群と比較してノビレチン処置群では1/10程度までプロモーター活性の抑制が認められた。このノビレチンによる抑制効果は、TXNIP遺伝子5’上流-420 bpまで維持されたことから、ノビレチンによるTXNIP発現抑制作用には、少なくともTXNIPプロモーター領域の-1518から-420 bpの配列が関与していることが示唆された。今後、これらの知見を基に、ノビレチンのTXNIP発現抑制機序をさらに解明し、細胞ストレス応答かく乱の抑制手法の確立を目指したいと考える。
  • 池田 絢香, 副島 早織, 横須賀 章人, 三巻 祥浩, 関本 征史, 根本 清光, 大泉 康, 出川 雅邦
    日本毒性学会学術年会
    2014年 41.1 巻 P-43
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/26
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    【目的】化学物質による毒性発現や様々な疾患の発症に、細胞ストレス応答のかく乱が関与していると考えられている。従って、そのかく乱機構の解明は、毒性発現や疾病発症の機序解明、また、それらの予防・治療法の開発に繋がるものと思われる。そこで、本研究では、神経変性疾患、メタボリックシンドロームやがんなどに対して改善効果が期待されている柑橘類果皮成分ノビレチンが、細胞(小胞体)ストレス応答に対してどのような効果を示すかを検討した。
    【方法・結果】小胞体ストレス誘導剤ツニカマイシン1μg/mlをヒト神経芽細胞腫株SK-N-SH細胞に単独処理することにより誘発したアポトーシスや細胞ストレス増悪因子thioredoxin interacting protein(TXNIP)発現上昇は、ノビレチン100μMとの複合処理により有意に抑制されることを見いだした。また、このTXNIP発現抑制効果は、ノビレチンを処理したヒト肝がん細胞株HuH-7およびラット線維芽細胞3Y1細胞株でも共通して認められることが明らかとなった。最近、TXNIPの発現抑制に、多様な疾患の薬物治療の標的分子として注目されているAMP-activated protein kinase(AMPK)の活性化が重要であると報告されたため、ノビレチンのAMPK活性化(リン酸化)への効果をさらに検討した。その結果、ノビレチンはAMPK活性化を強力に惹起すること、また、AMPKリン酸化を触媒するliver kinase B1(LKB1)を活性化することを見いだした。
    【考察】本研究により、ノビレチンは、LKB1-AMPKの活性化を介して、TXNIPの発現を低下させることで、小胞体ストレス応答のかく乱(結果として誘発されるアポトーシス)を抑制する可能性を見いだした。今後、これら知見を基に、化学物質による毒性発現や疾患発症に関わる細胞ストレス応答のかく乱機構やノビレチンによるそれら抑制機序を更に明確にしていきたいと考える。
  • 丑田 公規, 大畑 絢香, 川村 凱, 村上 明日香
    日本物理学会講演概要集
    2016年 71.2 巻 13pBE-7
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/12/05
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    構造解析が終了したクラゲ由来ムチンの水溶液について、その両親媒性、界面活性能、イオン交換能などを接触角測定や表面張力測定などで実験的に明らかにした。これらの性質はほ乳類のムチン全般に拡張でき、粘液の主成分としてムチンが働くための重要な性質であることが明らかになった。特に涙液におけるドライアイ症候群の発生メカニズムについて関連があると考えられる。

  • 丑田 公規, 杉山 みなみ, 小林 樹来, 大畑 絢香, 貝瀬 汐莉, 犬井 洋, 上田 卓典
    日本物理学会講演概要集
    2016年 71.2 巻 13pBE-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    クラゲから抽出したムチンである「クニウムチン」について、その構造をNMR,MS,アミノ酸分析などを用いて調べた。このムチンは粘液の主成分である一般的な動物由来のムチンと同様に、アミノ酸5種類8個からなるペプチドが単純に繰り返すタンデムリピート構造を持った高分子で、そのトレオニン残基に糖鎖が結合した構造を持つ。ほ乳類のムチンとは異なり、糖鎖は短いものが多い。これらの構造からムチンの機能性を論じる。

  • 松永 正広, 樋口 絢香, G. He, J. P. Bird, 落合 勇一, 青木 伸之
    日本物理学会講演概要集
    2016年 71.2 巻 15aAM-13
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/12/05
    会議録・要旨集 フリー

    我々は、化学気相成長法により成長させたMoS2単原子層を用いて、電界効果トランジスタを作製した。このトランジスタの輸送特性について走査ゲート顕微法による観察を試みた。その結果、電子線リソグラフィがMoS2の伝導特性に影響を与えていることがわかったので報告する。

  • 松永 正広, 樋口 絢香, Guanchen He, Jonathan P. Bird, 落合 勇一, 青木 伸之
    日本物理学会講演概要集
    2016年 71.1 巻 20pBE-5
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2017/07/10
    会議録・要旨集 フリー
  • 梶田 倫正, 波多野 慶, 池田 裕明, 蘆澤 美佐, 能上 絢香, 金 廷恩, 高田 昌樹, 勝藤 拓郎
    日本物理学会講演概要集
    2015年 70.2 巻 19pCD-8
    発行日: 2015/09/16
    公開日: 2017/07/10
    会議録・要旨集 フリー
  • 松永 正広, 樋口 絢香, Guanchen He, Jonathan P. Bird, 落合 勇一, 青木 伸之
    日本物理学会講演概要集
    2015年 70.2 巻 17pAH-7
    発行日: 2015/09/16
    公開日: 2017/07/10
    会議録・要旨集 フリー
  • 竹内 絢香, 緒方 和子, 菅根 尚子, 長谷川 真弓, 芦部 詩織, 長尾 慶和
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2018年 111 巻 P-79
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】盲導犬等の優れた遺伝資質を有するイヌの繁殖および育種改良に対し,凍結精液を用いた人工授精が有効と期待されているが,現状ではイヌ凍結融解精子は質の低下が著しい。我々はこれまでに,イヌ凍結融解精子の質の向上を目指して種々の検討を行ってきた。今回は,凍結希釈液の浸透圧および糖組成について検討した。【材料と方法】ラブラドール・レトリバー種成犬より精液を採取し,卵黄,トリス,クエン酸および抗酸化剤を含む一次希釈液,ならびに耐凍剤を含む二次希釈液により希釈・凍結した。実験1 希釈液の浸透圧は,塩化ナトリウムを用いて180, 230, 280, 330および380 mmol/kgに調整した。融解24 hの運動活性および生存指数の経時変化,ならびに融解直後の先体保有率および12 h後のフローサイトメトリー(FCM)によるミトコンドリア(MT)活性を評価した。実験2 実験1の希釈液をベースとして糖類を添加し,希釈・凍結した。添加する糖類は,フルクトース(F),ラクトース(L)およびラフィノース(R)とした。無添加区(対照区)およびFL,FR,LRならびにFLRの各実験区を設定し,浸透圧は全て330 mmol/kgに設定した。融解36 hの運動活性および生存指数の経時変化,ならびに融解直後の先体保有率および24 h後のFCMによるMT活性を評価した。【結果と考察】実験1 活性+++率および生存指数は,融解直後から12 h後にかけて,330 mmol/kg区において180 mmol/kg区と比較して高かった(P<0.05)。先体保有率およびMT活性は,330 mmol/kg区で他区と比較して高い傾向が見られた。実験2 活性+++率および生存指数は,融解6から36 h後にかけて,FR区において無添加区と比較して高かった(P<0.05)。先体保有率およびMT活性は,FR区で他区と比較して高い傾向が見られた。以上より,浸透圧は330 mmol/kg,糖組成をFRとすることで,イヌ凍結融解精子の長時間の運動性および生存性が向上することが示唆された。

  • 緒方 和子, 竹内 絢香, 佐藤 あかね, BORJIGIN Sarentonglaga, 山口 美緒, 原 明日香, KHURCHABILING Atchalalt, 菅根 尚子, 福森 理加, 長尾 慶和
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2016年 109 巻 OR2-26
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/16
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】盲導犬をはじめとする高い遺伝資質の求められるイヌの繁殖および育種改良に対し,凍結保存精液を用いた人工授精が有効と期待される。しかしながら,現在のイヌ凍結精子は融解後の質の低下が著しく,受胎性が低い。本研究では,イヌ凍結融解精子の質の向上を目指し,凍結希釈液に添加する耐凍剤の細胞毒性および凍結時に生じる氷晶によるイヌ凍結精子への傷害の軽減を目的に検討を行った。【方法】ラブラドール・レトリーバー種9頭より精液を採取し,卵黄,トリス,クエン酸,糖類および抗酸化剤を含む一次希釈液,ならびに耐凍剤としてグリセロール(GL)を含む二次希釈液により希釈処理を行った。凍結は,密閉箱内で液体窒素(LN2)蒸気にストローを曝し平衡した後,LN2へ浸漬することで行った。GL濃度を0,1.5,3,6または9%に設定し,至適濃度を検討した。凍結平衡時間を15または30分,LN2液面からストローまでの距離を1,4,7または10 cmとし,凍結速度を–12.0,–6.7,–4.3または–2.8℃/minに設定することで,至適凍結条件を検討した。凍結融解後の評価として,運動活性および生存指数の経時評価を行った。また,フローサイトメトリーにより,凍結融解0および24時間後における生存性(Live/Dead染色)およびミトコンドリア活性(JC-1染色)を評価した。【結果】運動活性については,融解直後では,全ての凍結速度区において,GL濃度6%区で無添加区と比較して高い値となった(P<0.05)。融解24時間後では,凍結速度1㎝区で他の凍結速度区と比較して高い傾向が得られた。ミトコンドリア活性については,融解24時間後では,GL濃度3%区で高い値が得られた。凍結平衡時間については,GL濃度による精子生存指数の有意な変化はみられなかった。以上より,凍結速度–12℃/minおよびGL濃度3%の凍結条件は,イヌ精子凍結時の氷晶形成による傷害の軽減ならびに融解後のミトコンドリア機能の保護に有効である可能性が示された。

  • 浅井 結, 大畑 光司, 川崎 詩歩未, 脇田 正徳, 木村 和夏, 前田 絢香, 大門 瑞希, 渡邉 怜美
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-NV-21-3
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    脳卒中後片麻痺者における典型的な歩行パターンの特徴は主に膝関節で観察されることが古くから指摘されている。一方,歩行の仕方は疲労などに伴い変化する可能性がある。しかし,このような長時間歩行における運動の変化についてこれまでほとんど検討されていない。例えば小脳失調患者においては,歩幅や関節角度の変動性が歩行時の特徴であると考えられている。長時間歩行の際,脳卒中後片麻痺者でもこのような変動性に変化が生じることが予想される。本研究の目的は,脳卒中後片麻痺者の歩行変動性の評価を行い,3分間連続歩行時における関節角度の変動性の経過の特徴を明確にすることである。

    【方法】

    対象者は地域在住の脳卒中後片麻痺者18名(脳出血12名,脳梗塞5名,頭部外傷1名)とした。対象者には裸足にて3分間の連続快適歩行を指示した。歩行中の麻痺側膝・足関節関節角度をNoraxon社製2軸ゴニオメーターにて測定した。機能的評価指標として下肢最大筋力を測定し,裸足での10m快適歩行速度,下肢装具使用でのTUGをそれぞれ測定した。歩行時の下肢関節角度は加速度計により初期接地を同定し,1歩行周期を100%として時間の正規化を行った。3分間の連続歩行を0-30秒(phase1),30-60秒(phase2),60-90秒(phase3),90-120秒(phase4),120-150秒(phase5),150-180秒(phase6)に分類した。解析項目は各phaseにおける膝・足関節角度の標準偏差(SD)を算出し,1歩行周期のSD平均値(SD平均)と,0-20%の荷重応答期(LR期)と50-100%の前遊脚期から遊脚期(SW期)のSDの最大値(SD最大)をそれぞれ算出した。

    各phaseの膝・足関節SD平均値は,Friedmanの順位和検定とWilcoxonの符号付き順位検定(Bonferroni補正)で比較した。機能・パフォーマンス指標とSD最大値の増加率の相関をSpearmanの相関係数にて算出した。

    また,LR期とSW期それぞれにおける各phaseのSD最大値の比較をFriedman順位和検定とWilcoxonの符号付き順位検定(Bonferroni補正)にて比較した。

    【結果】

    各phaseの膝・足関節SDの平均はphase2で最も低値を示し,その後phase4~6で有意に増加した。機能・パフォーマンスの指標との相関を検討したところ,膝SD最大値の増加率と股関節伸展,膝関節屈曲の最大筋力の間に負の相関を認めた。

    LR期の膝・足関節SD最大値は3分間で変化しなかったが,SW期のSD最大値は,膝・足関節ともにphase2とphase4~6の間で有意に増加を認めた。

    【結論】

    各phase間のSD平均値が連続歩行時間の増加と共に有意に増加したことで,3分間程度の連続歩行でも関節の動揺性が増加し疲労が生じた可能性が示唆された。連続歩行測定中,1歩行周期中においてSDはLR期とSW期で増加する特徴があったが,特にSW期のSD最大値が膝・足関節ともに増加しており,疲労によって変化が生じやすいのは前遊脚期から遊脚初期であり,遊脚時の足尖の引っ掛かりや転倒との関連が考えられた。

  • 前田 絢香, 大畑 光司, 大門 瑞希, 鶴田 晃啓, 脇田 正徳, 木村 和夏, 川崎 詩歩未, 浅井 結
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-NV-13-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    脳卒中後片麻痺者において立位でのバランス機能は日常生活において重要である。近年バランス練習に運動課題と認知課題を同時に行う二重課題(DT)を用いた研究が多く報告されている。DTにおいて運動課題と認知課題は相互に作用するため,各課題の適切な難易度の設定が必要であると考えられており,先行研究では健常者や高齢者を対象に計算や記憶課題の難易度によって姿勢の揺れが異なることが報告されている。しかし脳卒中後片麻痺者を対象に認知課題の難易度が姿勢制御に与える影響を検討した報告はない。そこで本研究の目的は脳卒中後片麻痺者において認知課題の難易度が不安定板上での姿勢制御に与える影響を検討することとした。

    【方法】

    対象は地域在住の慢性期脳卒中後片麻痺者15名(年齢55.2±12.0歳,発症年数7.3±4.5年,下肢Fugl-Meyer 21.6±4.7点,Mini Mental State Examination 27.0±2.5点)とした。運動課題は対象者に前後のみに揺れる不安定板(酒井医療社製DYJOC Board Plus)上で30秒間できるだけ不安定板が水平になるように立位保持させた。認知課題は単語の記憶課題を用い,まず各対象者の記憶機能を把握するために座位にて30秒間に10個提示した単語を記憶させ,その後回答できた数を最大記憶数とした。DT時にはeasy条件として最大記憶数の20%,medium条件として最大記憶数の50%,maximum条件として最大記憶数だけ単語を提示することで認知課題の難易度を3段階に設定した。測定項目は運動課題のみの条件(ST),DT3条件の計4条件をランダムに実施し,不安定板の傾斜角度から角度のばらつき(角度SD),角度の変位速度(角速度),角度の規則性(SampEn)を算出した。また両側の近位・遠位前脛骨筋(TA1・2),内側・外側腓腹筋(MG・LG),ヒラメ筋に表面筋電図を貼付し,平均筋活動量を算出した。さらに皮質脊髄路からの入力を反映する15-35Hz帯域における筋電図間コヒーレンスを両側のTA1-TA2,MG-LG間で算出した。統計解析は各指標についてST条件とDT3条件の違いを検討するために反復測定一元配置分散分析を行った後,多重比較(Dunnett法)を行った。

    【結果】

    姿勢制御の不安定性を示す角度SD,角速度では条件要因に有意な主効果はみられなかった。SampEnでは有意な主効果がみられ,STよりもeasy条件が有意に低値を示した。非麻痺側のTA1-TA2間コヒーレンスでは有意な主効果がみられ,STよりもmaximum条件が有意に低値を示した。

    【結論】

    脳卒中後片麻痺者において不安定板上での姿勢制御時に二重課題を行うと姿勢の不安定性には変化がないものの,簡単な認知課題では姿勢制御は規則的になり,難しい認知課題では非麻痺側への皮質脊髄路の関与が小さくなった。姿勢制御戦略は認知課題の難易度に影響を受けており,脳卒中後片麻痺者において二重課題をバランス練習に用いるには認知課題の難易度を考慮する必要があることが示唆された。

  • 木村 和夏, 大畑 光司, 脇田 正徳, 川崎 詩歩未, 浅井 結, 前田 絢香, 大門 瑞希, 渡邉 怜美, 山田 重人
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-NV-10-6
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    歩行の片脚支持期における倒立振子(IP)モデルではcentre of mass(COM)とcentre of pressure(COP)の関係性が重要とされる。IPモデルでは端点を中心にCOMが前方移動するが実際の歩行動作ではCOM・COPともに前方移動するためより動的な動きが要求される。片麻痺者の歩行動作における問題点として麻痺側片脚支持期に前方への重心移動が困難となり転倒リスクが高くなることが挙げられる。しかし,片麻痺者の歩行動作におけるCOMとCOPの前方移動の関係性について実証的な検証は少ない。本研究の目的は,片麻痺者の歩行動作における麻痺側片脚支持期の体幹加速度とCOPの前方移動を測定し,油圧底屈制動付短下肢装具(GS)装着の有無における各パラメーターの変化とその関連性について検証することである。

    【方法】

    対象者は脳損傷後片麻痺者17名(53.7±14.4歳,発症年数8.4±5.2,Fugl-Meyer Assessment下肢22.5±4.7)とした。測定課題は床反力計(KISTLER社製)を設置した3mの歩行路上での快適歩行とし,測定は杖を使用せずに実施した。GS装着有無の2条件で歩行を行い麻痺側片脚支持期の各歩行パラメーターを測定した。背側第3腰椎レベルに貼付した加速度計(Noraxon社製3軸DTS加速度計)と床反力計を用いてそれぞれ前後方向(AP)の平均体幹加速度(ACC)とCOPの平均変位距離及びCOPの平均速度(COP速度)を歩行パラメーターとして計測した。また装具の有無による10m歩行速度を計測した。COPの変位距離については各対象者の足長の割合で%COP距離として表した。解析は健側踵と足尖に貼付した加速度計から麻痺側片脚支持期を同定し麻痺側片脚支持期のACC,%COP距離と速度を求めた。また,それぞれのGS装着の有無による変化量(Δ)も算出した。統計解析としてPaired T-testとPearsonの相関係数,Spearmanの順位相関係数を用いて検討した(有意水準5%)。

    【結果】

    相関関係ではGS装着の有無に関わらず%COP距離と歩行速度(GS有 r=0.64,p=0.006,GS無 r=0.586,p=0.013),COP速度と歩行速度(GS有 r=0.491,p=0.045,GS無 r=0.850,p<0.001)が有意に相関していた。ACCでは%COP距離と速度および歩行速度は相関を示さなかった。GS装着により%COP距離は有意に増加(p=0.05)したが,COP速度,ACC,歩行速度は有意差がなかった。GS装着による変化量のΔ%COP距離,ΔACC,Δ歩行速度のそれぞれの間に有意な相関はなかった。

    【結論】

    本研究の結果から%COP距離や速度と歩行速度に相関関係を認め,これまで多く報告されている片麻痺患者の歩行特性と一致した。さらにGS装着により%COP距離が増加した。しかし,%COP距離が増加しても歩行速度や体幹加速度は変化がなかった。%COP距離が増加しても即時的に歩行速度の改善に繋がるわけではないことが示唆される。また体幹加速度は歩行速度と関連しておらず,たとえ片脚支持期にCOMを加速できたとしても両脚支持期に減速が生じるため一定の傾向にならないためと考える。

  • 北谷 亮輔, 小金丸 聡子, 前田 絢香, 三上 祐介, 大畑 光司, 松橋 眞生, 美馬 達哉, 山田 重人
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-NV-06-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    脳卒中後片麻痺者において歩行中の損傷側一次運動野や皮質脊髄路の活動量が増加する者ほど歩行機能が改善することが報告されている。一次運動野や皮質脊髄路は歩行中に周期的な活動をしていることから,近年,我々は歩行周期に合わせて律動的な脳刺激を行うことで健常者において歩行中の皮質脊髄路の興奮性が増加することを報告してきた。しかし,脳卒中後片麻痺者を対象に律動的な脳刺激が与える影響を検討した報告はない。そこで,本研究の目的は歩行周期に合わせた経頭蓋律動脳刺激(oscillatory transcranial direct current stimulation:otDCS)が脳卒中後片麻痺者の歩行機能と歩行中の皮質脊髄路機能に与える影響を検討することとした。

    【方法】

    対象は地域在住の慢性期脳卒中後片麻痺者8名(年齢65.0±4.1歳,発症後年数5.4±2.4年)とした。介入条件は1週間に2回,合計10回,10分間のトレッドミル歩行練習中にotDCSを行うReal刺激条件と,otDCSを各歩行練習開始後30秒間のみ行うSham刺激条件とし,無作為化クロスオーバー比較試験を行った。otDCS(電流強度0-2mAのsin波)は損傷側半球一次運動野の下肢領域に対して行い,麻痺側足底面のフットスイッチによる初期接地から歩行周期の周波数に合わせた刺激を開始した。両条件とも歩行練習中には遊脚期中の麻痺側前脛骨筋に対する末梢神経筋刺激を併用した。各条件における介入前後に平地10m歩行テストによる快適歩行速度と最大歩行速度,6分間歩行距離,筋活動に対する皮質脊髄路を介した下行性入力の程度を検討出来る筋電図間コヒーレンスを算出した。筋電図間コヒーレンスは6分間歩行中の安定した100歩行周期から麻痺側・非麻痺側の近位-遠位前脛骨筋間(TA-TA),内側-外側腓腹筋間,近位前脛骨筋-外側腓腹筋間で15-35HzのBeta帯域において算出した。統計解析は各値に対して介入条件と時期を2要因とした反復測定二元配置分散分析を用いて検討した。また,Real刺激条件において有意に変化した歩行指標の変化率と筋電図間コヒーレンスの変化率との関連をPearsonの積率相関係数を用いて検討した。

    【結果】

    介入中1名が離脱したため,統計解析は7名の対象者で行った。分散分析の結果,6分間歩行距離に有意な交互作用が得られ,麻痺側TA-TAコヒーレンスに有意な時期の主効果と有意な交互作用が得られた。多重比較の結果,Real刺激条件において介入前と比較して介入後に6分間歩行距離と麻痺側TA-TAコヒーレンスが有意に増加した。また,Real刺激条件において6分間歩行距離の変化率と麻痺側TA-TAコヒーレンスの変化率に有意な正の相関が得られた。

    【結論】

    歩行周期の周波数に合わせたotDCSを用いた歩行練習によって歩行中の麻痺側前脛骨筋に対する皮質脊髄路を介した下行性入力が増加する脳卒中後片麻痺者ほど歩行距離が増加しており,歩行機能改善の神経学的背景として皮質脊髄路機能の改善が生じていた。

  • 大門 瑞希, 大畑 光司, 脇田 正徳, 木村 和夏, 前田 絢香, 川崎 詩歩未, 浅井 結, 鶴田 晃啓
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-KS-32-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    脳卒中後に生じる筋力低下は臨床的に重要な問題であるとされており,その原因として運動単位動員数の減少や,発火頻度の低下が挙げられる。健常者では急速な動作や複雑な課題ではサイズの原理に従わず,高閾値の運動単位が動員されやすいが,脳卒中後片麻痺者では高閾値の運動単位が選択的に不活動になることが報告されている。しかし,運動課題の違いが運動単位の制御に与える影響については十分に検証されていない。本研究の目的は,脳卒中後片麻痺者を対象に筋活動電位波形から運動単位の挙動を推定するDecomposition法を用いて,異なる運動課題における運動単位制御について明らかにすることである。

    【方法】

    対象は,脳卒中後片麻痺者7名(年齢55.4±11.7歳,上肢Fugl-Meyer scale 44.4±13.0点)とした。運動課題として背臥位で肘関節30度屈曲位にて麻痺側・非麻痺側の等尺性肘関節屈曲運動を行った。DELSYS社製dEMGシステムを用いて上腕二頭筋の筋活動を記録した。まず,肘関節屈曲最大筋力(MVC)を測定し,20%MVCで筋力を発揮させた状態を30秒間保持するよう教示した(定常課題:ST)。続いてSTのうち10~20秒の10秒間は20%MVC以下において収縮と弛緩を最大速度で繰り返す動的な筋力発揮を行わせた(動的課題:DT)。各課題でDELSYS社製dEMGシステムを用いて上腕二頭筋の筋活動を記録し,Decomposition法を用いて運動単位動員数と発火頻度を算出した。また,肘関節屈曲最大トルクをハンドヘルドダイナモメーターにて計測した。統計解析は各課題における麻痺側と非麻痺側の運動単位数や発火頻度と最大トルクの相関をPearsonの積率相関係数を用いて検討した。有意水準は5%とした。

    【結果】

    麻痺側におけるSTの発火頻度は最大トルクの大きさと有意な負の相関を示したが,DTの発火頻度は最大トルクと有意な正の相関を示した。一方,非麻痺側においては2課題とも発火頻度と最大トルクの間に相関は認めなかった。運動単位動員数はどの条件においても最大トルクとの相関は認められなかった。

    【結論】

    麻痺側において,STではより筋力の低い対象者では20%MVCの低負荷の課題でも運動単位発揮張力低下によって発火頻度を過度に増加させたのではないかと考えられる。一方,DTでは,筋力が大きくより高閾値の運動単位が機能すると考えられる対象者では健常者と同様の制御を行ったが,筋力が小さく高閾値の運動単位が障害されていると考えられる対象者では健常者とは異なる制御を行った可能性が示された。本研究において麻痺側では定常課題と動的課題での運動単位の制御が異なる可能性が示唆された。

  • 橋口 優, 大畑 光司, 北谷 亮輔, 脇田 正徳, 前田 絢香, 川崎 詩歩未, 山田 重人
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-NV-28-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
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    【はじめに,目的】Synergyとは中枢神経が四肢の複雑な運動をコントロールするために,複数の筋を同期させる活動を指す。近年,非負値行列因子分解(以下NNMF)を用いて計算論を基に歩行時のSynergyを定量化する報告が成されており,脳卒中後片麻痺者ではSynergy数と歩行速度との関係(Clark, 2010)が報告されている。また脳卒中後片麻痺者におけるSynergyの特徴として,複数のSynergyが1つのSynergyへと混合する変化(以下Merging)が報告されている(Cheung, 2012)。我々は回復期脳卒中後片麻痺者の歩行時のSynergyに関して,縦断的にMergingと臨床指標との関係を検討し,筋力の回復が得られない場合にMergingが生じ易いことを報告した。この結果より,Mergingは筋力回復の制限に対する機能的代償であると考えられるが,Mergingによる歩行時の運動学的な変化については明確となっていない。そこで本研究はMergingと歩行時の運動学的指標の変化との関連について検討した。【方法】脳卒中後片麻痺者13名において,1ヶ月の間隔を設けて2回の歩行計測を行った。Delsys社製Trigno Wireless SystemおよびVICON社製3次元動作解析装置を用いて,歩行時の筋活動と運動学的指標および歩行速度を計測した。筋活動は麻痺側下肢8筋にて測定し,NNMFによってSynergyの活動波形と各筋への重みづけを抽出した。さらに先行研究を基にSynergyのMergingが生じた程度を示すMerging Index(MI)を算出した。動作解析装置で得られた股関節・膝関節・足関節の角度データは,1歩行周期における最大屈曲(背屈)角度と最大伸展(底屈)角度の差を算出して運動範囲(以下Range)を求め,1回目と2回目での変化率(以下ΔRange)を算出した。統計解析は対応のあるt検定およびWilcoxonの符号付順位和検定を用いて,1ヶ月前後での歩行速度,Synergy数および各関節のRangeを比較した。また,MIと各関節のΔRangeとの間のPearsonの相関係数を算出した。【結果】1ヶ月前後において,歩行速度は有意に改善していた(p<0.01)が,Mergingは61.5%(8名)の患者で確認された。一方,全体のSynergy数に一定の傾向は見られなかった。各関節のRangeは,股関節および膝関節は増加傾向,足関節では減少傾向を示した。Mergingと各関節のRangeの縦断的変化との関係は,足関節においてのみΔRangeとMIとの間に負の相関関係が認められた(r=-0.59,p<0.05)。【結論】歩行速度の回復が見られても,回復期脳卒中後片麻痺者では歩行時のSynergyのMergingが生じていた。Mergingは歩行時の足関節における運動範囲の減少に関連して生じており,歩行速度の改善に要する運動学的条件を満たすために,Synergyを混合することで足関節の運動範囲を減少させるという中枢神経系の機能的代償方策を反映していると考えられた。本研究により,Mergingは機能回復に伴う中枢神経系の振る舞いを示す変化として重要であることが示唆された。
  • 前田 絢香, 大畑 光司, 北谷 亮輔, 脇田 正徳, 橋口 優, 山中 奈緒, 長谷川 智子, 川崎 詩歩未
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-NV-08-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】脳卒中後片麻痺患者の立位でのバランス機能は日常生活において重要である。これまで二重課題(DT)は閉眼・閉脚立位課題では姿勢制御に影響を与えやすいことが報告されている。またタンデム肢位は前後の姿勢制御が困難になりやすい(Goldie PA, et al.,:1996)と報告されているが,タンデム肢位におけるDTの影響を検討した報告は少ない。近年,姿勢制御を検討するための新たな指標として足圧中心(COP)の動きの規則性をみるサンプルエントロピー(SampEn)が提案されている。脳卒中後片麻痺者において姿勢制御時にDT条件を与えることにより,不規則な運動が増加してSampEnが増加することが報告されている。そこで本研究の目的はSampEnを用いて脳卒中後片麻痺者においてDTとタンデム肢位が姿勢制御に与える影響を検討することとした。【方法】対象者は地域在住の脳卒中後片麻痺者14名(年齢59.9±10.7歳,下肢Brunnstrom Recovery StageIII1名,IV10名,V3名,Mini-Mental State Examination 28.7±1.7点)とした。各対象者にはKistler社製床反力計2枚の上で足幅を10cm開いた開脚立位と,足幅を10cm開き,後側下肢の足尖部より10cm前方に踏み出したタンデム肢位を各30秒間保持させた。課題は各立位姿勢において立位保持のみの単純課題(ST)と認知課題を同時に行うDT(無作為な数から7ずつ引き算)を無作為に実施した。床反力計よりCOPと床反力を測定し,COPの実効値面積(RMS),前後左右方向の単位軌跡長,麻痺側下肢への荷重量,前後左右方向のSampEnを算出した。統計処理は,RMSと麻痺側への荷重量,前後左右方向の単位軌跡長とSampEnを立位姿勢(開脚立位・麻痺側・非麻痺側前のタンデム肢位)と課題(ST・DT)の2要因による反復測定二元配置分散分析を用いて比較した。【結果】RMSと麻痺側への荷重量では,立位姿勢の三条件間およびDTの有無による変化はなかった。左右方向の単位軌跡長は開脚立位よりもタンデム肢位において増加した。前後方向の単位軌跡長は開脚立位よりもタンデム肢位において増加し,麻痺側前よりも非麻痺側前のタンデム肢位で増加した。SampEnは開脚立位よりもタンデム肢位において左右方向では減少し,前後方向では増加した。【結論】本研究では,DTが脳卒中後片麻痺者の姿勢制御に与える影響は見られなかった。RMSに示される重心動揺は立位姿勢の違いによる影響を受けなかった。しかし開脚立位よりもタンデム肢位においてCOPの移動速度は前後左右方向とも増加した。SampEnの結果より,タンデム肢位において左右方向ではCOPの動きは規則的になり,前後方向では不規則となった。この違いは中枢神経系による姿勢制御戦略の違いが生じている可能性を示唆している。またCOPの移動速度では前後方向においてタンデム肢位により違いが生じており,姿勢制御の規則性と肢位の違いによる影響の差との関連について,より詳細な検討が必要であると考えられた。
  • 川崎 詩歩未, 大畑 光司, 長田 陽祐, 竹中 透, 橋口 優, 北谷 亮輔, 脇田 正徳, 前田 絢香, 田辺 和
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-NV-16-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】片麻痺は片側の脳障害であるため,歩行の非対称性は歩行パターンの本質的な特徴である。通常,歩行の対称性を反映する指標として空間対称性(ステップ長の比など),または時間対称性(立脚時間の比,遊脚時間の比など)が用いられる。しかし,二つの指標が別々に存在するために解釈が難しく測定が煩雑となることから,より包括的な評価指標の必要性が高い。加速度波形を用いた歩行対称性の指標として,Harmonic Ratioがある。通常の歩行では一歩を1周期とする加速度変化が1歩行周期につき二回生じる。Harmonic Ratioはその対称性を奇数周波数と偶数周波数に分けることにより評価している。しかし,片麻痺患者では麻痺側と非麻痺側の変換による加速度変化が1歩行周期につき一回行われる。したがって,非対称性は奇数周波数よりも1歩行周期の周波数成分に表れると考える。したがって1歩行周期と1/2歩行周期の周波数成分の比で非対称性を示すことができると考えた。今回の目的は1歩行周期と1/2歩行周期の比であるModified Harmonic Ratio(MHR)を計算し,臨床指標との関連を調べた。【方法】対象者は地域在住の歩行可能な脳卒中後片麻痺者21名(脳出血14名・脳梗塞6名・脳挫傷1名)とした。パフォーマンスの指標として最大歩行速度・快適歩行速度(MWS,CWS),Timed Up & Go(TUG),Short Form Berg Balance Scale(SFBBS)を計測した。また,時間対称性指標として非麻痺側と麻痺側の遊脚時間を測定し,空間対称性指標としてステップ距離を測定した。両対称性指標ともに麻痺側と非麻痺側の差の絶対値を両側の合計で除したものを用いた。MHRの測定は,Noraxon社製3軸DTS加速度計を腰部に固定した状態での15秒間の快適歩行により行った。加速度データ(左右:Gx・前後:Gy・上下:Gzの三方向)に対して高速フーリエ変換を行い,1歩行周期に対応する周波数成分と1/2歩行周期に対応する周波数成分の比を算出し,その値をさらに対数変換した。MHRと時間・空間対称性指標,パフォーマンス指標との関連をPearson相関係数にて検討した。【結果】時間対称性はGzとの間で有意な相関が得られ(r=0.51,p<0.05),空間対称性はGyとの間で有意な相関が得られた(r=0.68,p<0.05)。GxはMWS,CWSおよびTUGとSFBBS(r=-0.64,-0.64,0.67,-0.55,p<0.01),GyはMWS,TUG(r=-0.55,0.68,p<0.05),GzはMWS,CWS,とTUG(r=-0.80,-0.77,0.58 p<0.01)と相関が得られた。【結論】したがって,Modified Harmonic Ratioは先行研究で示されたHarmonic Ratioと歩行速度の相関より高いだけでなく,応用歩行能力やバランスなどの機能指標や歩行対称性指標と関連を認めた。
  • 大畑 光司, 川崎 詩歩未, 前田 絢香, 橋口 優, 北谷 亮輔, 脇田 正徳, 長田 陽祐
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 O-NV-12-6
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】近年,ロボットアシスト歩行トレーニングの歩行再建に対する効果についての報告がなされてきている。本田技研製歩行アシスト(Honda Waking Assist:以下HWA)は,股関節の運動を小型アクチュエータにより制御し,理想的な歩行を誘導することを目的に開発された機器である。我々はこれまでに健常者における歩行コストの改善や片麻痺者における歩行対称性の改善,さらに脳損傷後片麻痺患者に対する無作為対照試験の結果から,通常のトレーニングより麻痺側筋力の改善や歩行中の内的モーメントの増加が生じることを報告してきた。しかし,歩行パターンの改善が生じるメカニズムについては明確になっているとは言えない。本研究の目的は三次元歩行解析を行い,HWAによる運動変化を明確にすることを目的とした。【方法】地域在住の慢性期脳損傷後片麻痺者16名で0.4m/s以上の歩行速度を持つ者を対象とした(男性9名,女性7名,年齢48.5±20.2歳,身長165.1±11.7cm,体重62.0±11.3kg,発症後年数5.9±4.5年,脳出血10名,脳梗塞3名,くも膜下出血2名,頭部外傷,麻痺側:右8名,左8名,下肢Brunnstrom Recovery Scale:III 2名,IV 6名,V 8名)。光学式三次元計測装置MAC3Dsystem(Motion Analysis Co., USA)を用い,5m歩行路上での快適歩行速度での歩行を4-6歩行周期,サンプリング周波数120Hzにて測定した。OrthoTrak 6.6.1を用いて,歩行速度,ストライド,歩行周期,麻痺側,非麻痺側における各歩行相(両脚立脚期,単脚立脚期)の歩行周期にしめる割合と身体重心水平移動距離のストライドに対する割合を算出した。さらに時間的対称性(Stance,SwingおよびDouble stance time symmetry),空間的対称性(Step length symmetry)を算出した。統計解析にはアシストの有無による差をWilcoxonの順位和検定にて有意水準5%で検討した。【結果】HWAの使用により,歩行周期,歩行速度に変化は見られなかったが,ストライドが有意に増加した(p<0.05)。また,非麻痺側接地後の両脚立脚期が有意に減少し(p<0.01),Double stance time symmetryは減少した(p<0.05)。また,非麻痺側接地後の両脚立脚期と麻痺側遊脚期における重心移動距離は有意に増加した(p<0.05,p<0.01)。【結論】HWAにより,片麻痺者の歩行の特徴的な問題である時間対称性の改善し,ストライドの改善が認められた。また,非麻痺側接地後の両脚立脚期が短縮すると同時に身体重心の水平方向移動距離が増加していることから,この時期の速度が増加したことが対称性の改善に役立ったと考えられる。HWAによる使用時の歩行改善効果については麻痺側が後方にある両脚立脚期における運動の変化が重要な役割を果たしていることが示唆された。
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