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2,827件中 1-20の結果を表示しています
  • *甲斐 清香, 酒井 一彦
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P3-046
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    群体サイズと群体
    年齢が、サンゴの成長と繁殖への資源配分にどのような影響を及ぼしているのかを検討するために、ともにキクメイシ科に属し、ポリプのサイズと生息場所が似ているパリカメノコキクメイシGoniastrea asperaとシナキクメイシFavites chinensisの複数の
    群体
    それぞれから、単離ポリプ(1ポリプ)と小
    群体
    片(5から8ポリプ)を割りとり、遺伝的個体を識別した上で、成長率と放卵状況を観察した。単離ポリプと小
    群体
    片の成長率は、両種において単離ポリプが小
    群体
    片より有意に高かった。一方単離ポリプ及び小
    群体
    片ごとに、パリカメノコキクメイシとシナキクメイシの成長率の種間比較を行ったところ、小
    群体
    片ではシナキクメイシの方がパリカメノコキクメイシよりも有意に高い成長率を示した。さらに各
    群体
    片の放卵状況を観察した結果、パリカメノコキクメイシでは16
    群体
    中11の小
    群体
    片で放卵が確認されたが、シナキクメイシでは11
    群体
    中2の小
    群体
    片のみで、放卵が確認された。以上のことからパリカメノコキクメイシでは性的成熟後に、ポリプは周囲に開いた空間ができれば出芽への資源配分を増やして出芽し、結果として
    群体
    の成長率は増加するが、
    群体
    年齢に応じてポリプが開始した繁殖への資源配分を0にすることは無いと考えられる。一方シナキクメイシでは性的成熟後に、ポリプは周囲に空間ができれば資源を出芽のみに配分し、繁殖への資源配分を0にすると考えられる。つまりパリカメノコキクメイシでは、ポリプの出芽と繁殖への資源配分が主に
    群体
    年齢によって決定しているが、一方シナキクメイシでは
    群体
    サイズによって決定していると考えられる。
  • 倉田 圭, 市川 純章, 原 文雄
    ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
    2003年 2003 巻
    発行日: 2003年
    公開日: 2017/06/19
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では, 局所通信を有する群ロボットシステムにおける
    群体
    の保持と移動に関して取り扱う。シュレーション実験により,
    群体
    形成の保持と移動する
    群体
    の特性を明らかにする。
  • 大野 理恵, 千徳 明日香, 江㟢 洋一, 升本 眞二
    情報地質
    2016年 27 巻 1 号 3-12
    発行日: 2016/03/25
    公開日: 2016/08/19
    ジャーナル フリー

    現生の六射サンゴの

    群体
    形成と生息環境との関係を調べることは,化石サンゴの生息環境に関する情報を得る上で重要である.六射サンゴの
    群体
    形態は,主にサンゴをとりまく外的な環境要因の面から研究されてきた.しかし,近年,キサンゴ科のサンゴが一定の内的な規則に則って出芽し,多様な
    群体
    形態を形成することがわかった. 内在要因の変化のみによる
    群体
    形態の変化を再現するために,キサンゴ科
    群体
    サンゴの形態形成をモデル化し,サンゴの
    群体
    モデルを作成・可視化するシステムを開発した.
    群体
    形態に強く影響する出芽間隔,出芽方位,出芽傾斜の3つのパラメータを変化させ,サンゴの成長をシミュレートして多様な
    群体
    モデルを得ることを可能にした.このシステムにより,見かけ上,
    群体
    形態が大きく異なる2種のキサンゴ科サンゴの形態を再現することができた.成長時間の経過に伴う,
    群体
    モデルの体積,投影面積,重心位置の変化の算出も可能にした.

  • 野村 恵一
    日本サンゴ礁学会誌
    2009年 11 巻 1 号 69-70
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2010/08/07
    ジャーナル フリー
    1991年6月に宮崎県延岡市島野浦(32°40′10"N, 131°49′50"E)にある南北浦海中公園1号地区を初めて訪れた。ここでは,前年に宮崎放送の取材で60ものオオスリバチサンゴ大
    群体
    からなる群落が発見されており,その視察が目的であった。ところが,最初に目に飛び込んで来たのは,テーブルサンゴ(おそらくクシハダミドリイシ)の累々とした死骸で,海中公園指定時(1974年)に評価された自然資質(今井ら1967)は既に消失していた(図1A)。一方,この死滅群落のやや深所,水深約4.5mの転石混じりの砂地上で,直径数mの密集したオオスリバチサンゴ
    群体
    群が観察された。
    群体
    が大きいことや数が多いこともさることながら,どの
    群体
    も美しいバラの花弁状の形をなし(図1B),国内では比類のない本種の大群落であると思われた。その後,1993年に本群落を保全するために,本群落の周囲まで海中公園区域の範囲が拡張された。
    オオスリバチサンゴ群落が発見されてから18年が経過した2008年に,再び宮崎放送の取材で本群落に異変が見つかり,同放送の要請を受けて2009年1月に島野浦を訪れ,群落全体をカバーする簡単な調査を行った。確認できた
    群体
    数は48で,
    群体
    の平均長径は約2m,最大のものは一部分解したものも1つに含めると8mに達した(図1C)。しかしながら,確認できた
    群体
    の中で,ほぼ健全と判断されたものは約2割(10
    群体
    )に過ぎず,他は転倒(図1D),明瞭な破損・分解(図1E),
    群体
    の一部もしくは全体の斃死が認められた。特に転倒
    群体
    は全体の5割(24
    群体
    )に及び,また,転倒は長径3m以下の中型以下の
    群体
    で顕著で,ここでも,国内の他のサンゴ群生域同様,荒廃ぶりが目立った。さらに,健全
    群体
    でも底面が砂上に現れ(図1F),転倒しやすい不安定な状態にあることが確認された。これらの観察結果と現地での聞き取りから,群落の悪化はいつ頃から起こったかは不明であるものの,悪化原因として当該海域で投錨する漁船のアンカーと,底砂の減少の2点が可能性として挙げられた。その後,2009年5月に地元の要望と漁協の協力を受けて,延岡市はオオスリバチサンゴ群落の周囲に投錨注意ブイの設置に着手した。これは,本群落の保全と復元に向けての重要な第一歩となろう。
  • 山野 博哉, 浪崎 直子
    日本サンゴ礁学会誌
    2009年 11 巻 1 号 71-72
    発行日: 2009/12/01
    公開日: 2010/08/07
    ジャーナル フリー
    2007年11月28日,千葉県館山市波左間(北緯34度58分,東経139度47分)でエンタクミドリイシの出現が初めて報告され,地球温暖化による水温上昇の影響の可能性が示唆された(読売新聞 2007)。それ以前に報告されたエンタクミドリイシの分布北限は伊豆半島であった(西平・Veron 1995)。我々は,当海域でのエンタクミドリイシの分布及び
    群体
    サイズの確認と,エンタクミドリイシ
    群体
    の過去の写真の収集を行って変化を明らかにし,さらに館山周辺の海水温データを収集し,変化の要因を考察した。
    2009年6月5日に,水深約8mの岩場において,我々は読売新聞(2007)が報告したエンタクミドリイシ1
    群体
    に加えエンタクミドリイシ1
    群体
    を観察した(それぞれ
    群体
    1,2とする)。両
    群体
    はすでに一部が白化して斃死しており,2009年7月6日には
    群体
    1は
    群体
    の大部分が斃死,
    群体
    2は
    群体
    全部が斃死した(図1d, e, i, j)。
    群体
    の直径はそれぞれ約18cm及び9cmであった。2007年11月7日の
    群体
    1及び2の直径はそれぞれ約15cm及び7cmであった(図1a, f)。すなわち,これらのエンタクミドリイシの成長率は0.6-0.9cm/年と算出され,成長率を考慮すると,これらの
    群体
    は1999年前後に定着・加入したと推測される。
    群体
    1,2ともに少なくとも2008年12月15日までは健全な状態であった(図1c, h)。
    水温は調査地点より約1km離れた坂田(東京都水産試験場・千葉県水産試験場・神奈川県水産試験場・静岡県水産試験場1986-2009)と調査地点近傍(波左間海中公園)でそれぞれ1985年及び2004年から計測されている。坂田の最寒月平均水温は0.06度/年の有意な上昇傾向を示した(t-test; p=0.0267)。1997年から2000年にかけては最寒月平均水温が約15度に達し,この水温上昇により,定着したエンタクミドリイシが生残できた可能性がある。一方で,2009年は2-3月の2ヶ月にわたって水温が13度前後になり,この長期間の低水温によりエンタクミドリイシが斃死したと考えられる。
    最近,サンゴ分布が地球温暖化による水温上昇によって北上している可能性が指摘され,エンタクミドリイシ分布の北上が熊本県天草でも報告されている(野島・岡本2008)。館山はサンゴ分布の北限域にあたるため,サンゴ分布の北上の最前線と言え,そこでは本報告で示唆されるように水温の変化とともにサンゴ分布がダイナミックに変化している。
    群体
    1の一部は生存しているため,今後モニタリングを継続することにより,最前線でのサンゴの動態と,それに基づく北上の可能性が検証できるであろう。
  • 宮本 麻衣, 横地 洋之
    日本サンゴ礁学会誌
    2015年 17 巻 1 号 1-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/06
    ジャーナル フリー
    高緯度生息地における幼生保育型イシサンゴ類の幼生放出の特徴と群集維持戦略を明らかにするため,ハナヤサイサンゴPocillopora damicornisとショウガサンゴStylophora pistillataについて,高知県大月町西泊において2006年から2007年の2年間,飼育下における幼生放出観察と自然
    群体
    の解剖観察から幼生放出の時期と回数を調査した。また,野外における2種の親
    群体および新規加入群体
    の分布調査から幼生の分散を調査した。ハナヤサイサンゴの幼生放出は1年に2回,6月と7月のそれぞれの月で15日間前後行われることが確認された。新月付近に幼生放出のピークがあり,月齢への同調性が明らかとなった。幼生放出は終日観察され,放出数を昼夜で比較すると2006年は夜間が有意に多かったが,2007年は有意な差は見られなかった。ショウガサンゴでは,6月下旬から8月の約2ヵ月半の間に,25日間程度の幼生放出を2回行うことが確認された。上弦から新月に幼生放出のピークがあり,月齢への緩やかな同調性が示唆された。幼生放出は終日観察されたが,放出数は2006年,2007年ともに夜間の方が有意に多かった。2種ともに,周年にわたって幼生放出が行われる低緯度サンゴ礁域に比べて年間の幼生放出回数は少ないが,1回の幼生放出期の日数は長い傾向が見られた。分布調査においては,ハナヤサイサンゴおよびショウガサンゴの新規加入
    群体は親群体
    近傍で有意に多かった。このような幼生放出パターンと幼生の分散は,繁殖可能な季節が短い高緯度海域において,幼生の放出回数をできるだけ増やし,放出された幼生は親
    群体
    近傍に加入することで群集を維持しようとする2種の繁殖戦略を反映するものと考えられる。
  • 佐藤 崇範, 堀 信行, 鈴木 淳
    日本サンゴ礁学会誌
    2000年 2000 巻 2 号 43-50
    発行日: 2000/12/20
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    The spatial distribution and morphologies of massive Porites colonies were investigated over a large area (1100m×200m) in the sandy moat of Miyara fringing reef, Ishigaki Island, Japan. Massive Porites (diameter>50cm) showed a preferential distribution for deeper depths (i. e., 2 to 3m). This distribution pattern suggested that massive Porites colonies were transported to deeper more stable habitats, as “mobile colonies”. Twenty-three percent of the colonies were mushroom shaped, with narrow stems attached to the substratum. Significant portions of mushroom shaped colonies (69%) were dislodged and 66% of them were tilted toward the dominant direction of water flow. The mushroom morphologies appear related to the high mobility of sandy sediments around the colonies, which interferes with ordinary growth of the colony base. Mobile colonies seems important for maintaining local coral populations in sandy habitats, which are often unsuitable habitats for larval settlement. In this case, physical environmental factors, such as water movement and micro-geomorphology, influence the distribution and population structure of coral communities in the sandy shallow habitats.
  • *小栗 有寛, 永井 萌土, 平野 貴裕, 川島 貴弘, 柴田 隆行
    精密工学会学術講演会講演論文集
    2014年 2014S 巻 F38
    発行日: 2014/03/01
    公開日: 2014/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    走光性を持つ藻類Volvoxは,光制御型の超小型駆動源としての活用が期待される.このVolvoxで駆動する微小流体システムを開発する.LEDの切替で
    群体
    の運動を制御し,マイクロ流路開閉や構造物操作を行う.Volvoxを利用した流れ制御のために,
    群体
    が単一・複数の微小穴を塞いだときの流れ変化を計測・解析した.流路内に光流体リソグラフィで駆動可能な微小構造物を作製し,
    群体
    の遊泳で構造物を操作する.
  • 比嘉 義視, 新里 宙也, 座安 佑奈, 長田 智史, 久保 弘文
    日本サンゴ礁学会誌
    2017年 19 巻 1 号 119-128
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー

    恩納村漁協では,サンゴ礁保全に積極的に取り組むため,1998年から養殖やサンゴの植え付けにより親サンゴを育て,これら親サンゴが産卵することでサンゴ礁の自然再生を助ける「サンゴの海を育む活動」を行ってきた。この活動の一環として,砂礫底に打ち込んだ鉄筋の上や棚上でサンゴを育成する「サンゴひび建て式養殖」と呼ばれる方法を行っている。養殖しているサンゴは,2017年3月末現在で約24,000

    群体
    ,養殖している種類は11科15属54種である。サンゴ養殖の効果として,一年間の養殖
    群体
    の産卵数が約57億,産卵後2日後の幼生数は約27億が供給されると期待される。また,養殖サンゴに棲み込む魚は,スズメダイ科Pomacentridae魚類を中心として約33種,約67万個体と推定された。養殖しているウスエダミドリイシAcropora tenuis 163
    群体
    の遺伝子型を調べたところ,これらは81
    群体
    由来であることが判明した。2016年夏季には,高水温により恩納村地先でも大規模な白化現象が見られたが,養殖サンゴの生存率は,養殖場周辺に植付けたサンゴや天然サンゴの生存率と比較して高かった。サンゴひび建て式養殖で大規模にサンゴを育成することは,サンゴ礁再生の一助になるものと期待できる結果となった。

  • 岡地 賢, 伊藤 馨司, 長田 智史, 比嘉 義視, 津波 昭史
    日本サンゴ礁学会誌
    2020年 22 巻 1 号 1-6
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/09/19
    ジャーナル フリー

    沖縄県のサンゴ礁保全再生事業において,恩納村漁業協同組合が養殖した

    群体
    から採取し,陸上施設で基盤に付着させた約10cmのミドリイシ属5種(Acropora tenuis, A. hyacinthus, A. digitifera, A. donei, A. valenciennesi)を,2013年11月から2014年3月にかけて恩納村前兼久地先に植え付けた。これらのうち,個々に識別した
    群体
    を2014年5月から2016年5月まで約半年間隔で撮影し,写真上で
    群体
    の長径と短径を測定して幾何直径と近似面積を算出するとともに,輪郭をトレースして投影面積も求めた。近似面積と投影面積との間には高い相関がみとめられたが,近似面積の方が大きく,その割合はA. tenuisが8.1±1.1%,A. hyacinthusが5.4±0.9%,A. digitiferaが9.2±1.0%,A. doneiが18.5±2.1%,A. valenciennesiが16.9±1.9%であった(値は平均±標準誤差)。5種につき個々の
    群体
    の約半年毎の2年間の成長量から,ゴンペルツ成長式によって成長率を推定した。これによると,A. hyacinthusA. valenciennesiは植え付け後2年目以降も大きくなる一方,A. tenuisA. digitiferaA. doneiは2年目から3年目にかけて成長がゆるやかになる傾向が見出された。植え付け後の成長を直径や面積で見積もれるようになったことで,移植の計画段階において植え付け密度や被度,そして,食害防止や食害を受けた場合の追加植え付けなど積極的な管理が必要な期間に関する目標設定が可能となるであろう。

  • 谷中 絢貴, 波利井 佐紀, 香川 浩彦, 上野 光弘, 北野 裕子, 斎藤 佑太, 長井 敏, 安田 仁奈
    日本サンゴ礁学会誌
    2018年 20 巻 1 号 39-51
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/11/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    アオサンゴHeliopora coerulea(Pallas, 1766)には,遺伝的に異なる2系統(A,B)が見つかっているが,その生態学的な違いは不明であった。そこで本研究では,遺伝的な分化の原因として,生殖時期に違いがあるかどうかを確認するため,石西礁湖周辺で同所的に生息する2タイプの生殖時期の推定を行った。2014年6月から2017年9月にかけて計468

    群体
    を採集し,野外観察と組織観察を行った。Bでは7月中旬から下旬にかけて幼生保育が観察された。組織観察では,Aは5月から6月にかけて,Bは6月から7月にかけて卵母細胞および精巣のサイズが最大となり,その後消失ないし縮小した。このことから,Aは6月中旬から6月下旬にかけて,Bでは7月中旬から7月下旬にかけて放精および幼生保育・放出が起きる生殖時期であることがわかった。同一環境下でも両タイプの生殖時期が異なることから,アオサンゴの遺伝的・内因的な要因が生殖時期の違いに寄与していると考えられた。

  • 織田 秀実
    動物分類学会誌
    1974年 10 巻 31-39c
    発行日: 1974/12/14
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    1972年秋,富士川胡の一つ,河口湖に,従来,北アメリカ東部と中央ヨーロッパでしか記録されていなかった炭水産コケムシpectinatella magnifica(LEIDY)の
    群体
    塊が出現した(MAWATARI, 1973)。ところが1973年には富士五湖の他の一つ,精進湖にもこの
    群体
    塊が多数出現した。9月初め岸辺の水中の岩・に大小様々の
    群体
    塊が毬(まり)状に発達し,分泌した寒天質塊の表面を多数の
    群体
    が多角模様をなしておおっていた。大きな
    群体
    塊は岩から剥れて分厚い円盤状(直径約60 cm)となって水面に浮上していた。11月初めには岩に囲まれた静かな水面に畳一畳ほどもあるけ大な
    群体
    塊となって浮いていた。長さでは2.8mに達する細長いものもあった。個々のポリプ体は1.5mmほどで,(Cristatella mucedo CUVIER(アユミコケムシ)を思わせる。口上突起と目の周辺に赤い色素があるのはこの種の著しい特徴である。触手冠の両腕の先端部および包体の肛門側に乳白色の塊があるが,これらはKRAEPELIN(1887)がいう上皮線(epidermal gland)からの分泌物である。スタトブラストは丸味を帯びた角形で,長径は約1mm,川縁部から錨形をした軸が11〜22本伸びでている。
    群体
    から放出されたスタトブラストは必ず水面に浮上し,数週間は寒天質層に包されている。精進湖は冬期結氷するが,越冬し水面に浮遊するスタトブラストは,現地で,5月下旬に発芽していた。8月に幼生が出現した。幼生は卵形で直径1〜2mm, 1〜5個の芽を有するが,通常は4個。外分の表面にある繊毛の運動で,芽のある方を下にして,数時間浮遊した後,ものに付着して変態した。このコケムシの
    群体
    塊がボール状に発達し,しかも表面が個々の
    群体
    によって多角模様をなしていることから和名として"オオマリコケムジ"という名称を提案したい。 今まで日本にいなかったこのコケムシが河口湖や精進湖に突如出現するようになった原因はまだ判明していない。国際的に人や物資の交流が盛んになった今日,偶然の機会に,ものに付着したスタトブラストがこれらの湖に持たらされたのであろう。また渡り鳥によるスタトブラストの"空輸"も考慮されよう。1974年の夏には石川県の柴山潟にもこの
    群体
    塊が多量に出現した。今後,このコケムシの分布の推移に注目しておかなければならない。(第10回動物分類学今大会にて講演)
  • 前杢 英明
    地学雑誌
    2001年 110 巻 4 号 479-490
    発行日: 2001/08/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Many great earthquakes occurring along the Nankai Trough, where the Philippine Sea Plate subducts under the Eurasian Plate, have been recorded in historical documents such as ancient Japanese government's and private diaries in Kyoto, Edo (Tokyo) or elsewhere when severe damage was experienced. The Pacific coast of western Japan along the Nankai Trough has been deformed significantly by great earthquakes, which are recorded in geomorphological or geological evidence such as emerged marine terraces and tsunami deposits.
    There are many fossil calcareous assemblages of raised sessile organisms along the coast of Cape Muroto up to a height of about 9 m. Calcareous assemblages had been grown up to 1 m thick in some places. Sessile organisms in this area consist of Pomatoleios kraussii (phylum ANNELIDA), which lives in the midst of the intertidal zone. The growth process of the assemblages of sessile organisms could suggest the history of relative sea-level change ; that is tectonic uplift since the late Holocene around Cape Muroto. The author collected some cores from these assemblages using a hand-coring system with a single core tube and a diamond bit, and dated them using the AMS14C method. Dating results suggest that relative sea-level was fairly stable, at least during 4500-2800 yrsBP, 2700-1000 yrsBP, and after 900 yrsBP. There should be coseismic uplifts of more than 2 m between these stable phases. Historical records in Japan, however, suggest that inter plate earthquakes along the Nankai Trough have recurred at intervals of 100 to 200 years. The author concluded that there were two types of earthquake that have made this area uplifted. One type is the inter-plate earthquake, which recurred at intervals of 100 to 200 years, and which had scarcely contributed to cumulative uplift due to inter-seismic subsidence. The other type is the intra-plate earthquake, which originated in shallow sea active faults near Shikoku island, and resulted in cumulative uplifts of the cape. The recurrence intervals of intra-plate earthquakes were longer than those of the inter plate type.
  • 小野 修助, James Davis Reimer, 塚原 潤三
    日本サンゴ礁学会誌
    2003年 2003 巻 5 号 21-31
    発行日: 2003/10/30
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    桜島大正溶岩潮下帯に生息しているマメスナギンチャク
    群体
    の長期的な変化を調べる目的で、1982年に1×50mの調査区を設置し、1982年及び1995年~2002年までの間、毎年8月に1×1mのコドラートを用いて、調査区内に出現する全てのマメスナギンチャク
    群体
    の被度面積、
    群体
    サイズ、分布状況について潜水調査を実施した。マメスナギンチャク
    群体
    は固着性種で環境条件の大きな変化を受け易い。調査結果を分析したところ、桜島の火山活動に伴う長期間の火山灰の堆積が生息基質の砂泥化をもたらし、コロニーの被度面積は減少することが明らかになった。一方、急激かつ多量の火山灰の堆積は、直接的に
    群体
    の減少を引き起こすことが示された。
    水温変化もマメスナギンチャク
    群体
    の成長に影響を及ぼす。1998年8月の高海水温度 (およそ平年値より2℃高い) によってマメスナギンチャク
    群体
    の被度面積が減少することが示された。
  • 小野 嘉明, 植松 辰美
    動物心理学年報
    1954年 4 巻 27-34
    発行日: 1954/04/25
    公開日: 2009/10/14
    ジャーナル フリー
    原生動物の条件反応はこれまでいろいろの学者 (1~8, 10~19) が研究しているが, 結果はまちまちである。最近B. GELBER, 1952 (9) がparameciumを材料として行つた実験は注目に値する。
    筆者等はエダワカレツリガネムシの收縮運動を手掛りとして条件づけ実験を行つたのでここに報告する。
    エダワカレツリガネムシCarchesium polypinum EHRENBERGの
    群体
    集団について收縮反応を手掛りとし, 培養液の振動を無条件刺激, 光を条件刺激として条件反応が成立するかどうかが確められた (グループ1) 。
    この実験のために特別な装置が作られ, 被験動物の運動はスクリーンに投影された像により観察された。
    対照実験として, 振動刺激だけを与えた場合 (グループ2), 光刺激だけを与えた場合 (グループ3), なんらの刺激も与えず, ただ同条件の暗箱内に放置した場合 (グループ4) の3種の実験が行われた。
    これらの実験からつぎの結論が得られる。
    エダワカレツリガネムシについて, 振動刺激を無条件刺激, 光を条件刺激として30分間以内に50回の条件づけをおこなつた結果, 条件づけ前後の光刺激に対する反応, すなわち收縮
    群体
    数値に有意な差が認められて条件反応は成立した。
  • 西平 守孝, 比嘉 展寿
    日本サンゴ礁学会誌
    1999年 1999 巻 1 号 103-107
    発行日: 1999/10/20
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    1998年夏、久高島の礁池においてもサンゴの白化が観察された。多くの種が白化した中で、塊状ハマサンゴ (主としてPorites luteaP. australiensis) に特徴的な白化のパターンが見られた。それらの幾つかの
    群体
    について、1998年10月、12月および1999年3月に白化後の経過を観察した。予想に反して、塊状ハマサンゴでは概して
    群体
    の基部で白化が著しかった。白化の程度は種や
    群体
    サイズ、あるいは単に水温では説明できそうもなく、Rowan et al. (1997) が示したように、
    群体
    の部位によるサンゴ+褐虫藻の環境への順応や褐虫藻の分化を考慮する必要が示唆された。
  • 織田 秀実
    動物分類学会誌
    1978年 15 巻 19-23
    発行日: 1978/12/15
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    1973年夏以来,精進湖に巨大
    群体
    塊をつくるオオマリコケムシPectinatella magnifica(LEIDY)が毎年出現している。このコケムシの生活史調査に関連して, 1976年6月29日に湖の水面に漂う越冬したスタトブラストの集塊(主としてオオマリコケムシのもの,約3,000個)を調べたところ,その中にアユミコケムシCristatella mucedo CUVIER (5個),ヒメテンコケムシophopodella carteri(HYATT)(2個),それにハネコケムシPlimatella repens (L.),ヤハズハネコケムシPumatclla emarginata ALLMAN,ヒナコケムシStephanella hina OKA (何れも小形だが,多数)のスタトブラストを見つけることができた。その後(同年9月16日),この湖でヒメテンコケムシの
    群体
    を多数発見した。しかも採集した
    群体を研究室で飼育していたとこへそれらの群体
    の体腔内にBtuddenbrockia plumatellae SCHRODERが多数寄生していることを知った。この動物は,紬長く管状となっていることから,和名として"イトクダムシ"と名付けたい。アユミコケムシの生きた
    群体
    は,この湖では,まだ見つけられていないが,この度,スタトブラストが見つかったことは,現在でも,この湖にその
    群体
    が生息していることを示唆している。オオマリコケムシの
    群体
    塊は1972年秋に河口湖に突如出現して以来, 1973年夏には精進湖,続いて1974年の夏には柴山潟,そして1976年秋には印旛沼に出現した。1977半夏には柴山潟近くの木場潟にも多数現われた。このようにその分布は着実に拡散されつつある。国内におけるこのコケムシの分布の拡大にはヘラブナを求める釣人たちの移動が大いに関係しているようである。(第12回動物分類学会大会にて講演)
  • 中村 崇
    日本サンゴ礁学会誌
    2017年 19 巻 1 号 29-40
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー

    2016年夏期に石西礁湖で起こった異常高水温状態が主要因と考えられるサンゴ群集の白化状況についての調査をおこなった。調査は環境省が実施している石西礁湖自然再生事業のサンゴ群集モニタリング調査の一環として,2016年9月に石西礁湖の計35地点でスクーバ潜水により実施した。本調査では,ミドリイシ科4種,ハナヤサイサンゴ科4種,キクメイシ科2種やハマサンゴ科1種を含む11種について,目視観察により計6400

    群体
    以上について,白化状態を5段階で評価した。その結果,コブハマサンゴを除く,10種で,98%以上が白化,もしくは死亡している状態であったことが判明した。また,コブハマサンゴでは58.5%の
    群体
    が白化・死亡状態であった。一般的に白化被害を受けにくいとされる塊状サンゴ種群での白化および死亡も目立っており,2007年の大規模白化調査時(同じく9月実施)に対して,2016年では同時期に高い死亡率が記録されており,2016年の被害が甚大であったこと,成長速度の比較的遅いサンゴ種で比較的高い死亡率がみられたことから,景観の回復には過去の大規模白化より長い時間がかかることが示唆される。

  • *佐藤 崇範
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 B206
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     近年,各地のサンゴ生息域において大規模白化やオニヒトデ・サンゴ食貝の大発生などの影響により,特にミドリイシ類の
    群体
    数・被度が低下している.このようなサンゴ群集の回復には,幼生の新規加入とその成長が重要な鍵になると考えられることから,石垣島と沖縄島において,ミドリイシ属の
    群体
    サイズと出現頻度を比較し,両島でのサンゴ群集の現状を考察する.またそのような状況を引き起こしている要因についても検討する.
     現地調査は,2002年9月に石垣島の7海域と沖縄島の5海域で行った.各調査海域の外洋側(礁斜面上部)水深4_から_5m付近に等間隔で12個の方形枠(1m×1m)を設置し,枠内を撮影して得られた画像から底質の評価と出現サンゴ種の記載を行った.ミドリイシ属の
    群体
    に関しては,長径5cm以上の
    群体
    については画像から投影面積とその長径・短径を計測し,長径5cm以下の
    群体
    (稚サンゴ)については,同調査地点に別に配置した8個の方形枠(0.5m×0.5m)内で直接目視観察して,長径も計測した.
     調査時におけるサンゴ被度は,石垣島では14_から_57%であり,沖縄島では0.6_から_6.7%であった.石垣島では海域ごとに優占種が異なるもののミドリイシ属の割合は全体的に高く,長径10_から_15cm程の数年前に加入したと思われる
    群体
    も多くみられが,沖縄島ではキクメイシ科やハマサンゴ属が主要な出現種となり,ミドリイシ属はほとんどみられなかった.しかし,ミドリイシ属の稚サンゴ数は,石垣島では9.5_から_103.5
    群体
    /m2,沖縄島では4.0_から_20.0
    群体
    /m2と極端な差はみられず,幼生の供給量よりも新規加入
    群体
    の長期的な生存率が大きく異なっている状況が明らかとなった.
  • 佐藤晋也, 南雲保, 田中次郎
    植物研究雑誌
    2009年 84 巻 2 号 106-112
    発行日: 2009/04/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    珪藻観察において従来用いられてきた薬品による洗浄法は, 被殻を覆う有機物を除去するばかりでなく

    群体
    を形成する粘液をも溶かしてしまう. そのため粘液により
    群体
    形成を行うタイプの珪藻において,
    群体
    形状を保持したまま有機物を除去することは不可能であった. そこで本研究では
    群体
    をホットプレート上で加熱し,
    群体
    形状を損なうことなく有機物を燃焼させることにより除去した. 観察に用いた Grammatophora marina は, 細胞同士が殻の一端で付着することでヌサ型
    群体
    を形成することが知られている. 先ず定法により有機物を除去し被殻の観察を行った結果, 本種は殻の一端にのみ棘を持つことが分かった. 次に新手法により本種の
    群体
    を走査型電子顕微鏡下で観察したところ, 付着の行われていない殻端に棘が観察された. 分裂直後の細胞は両殻端で付着していたが, 棘のある殻端の粘液は少ないため, 後に外部からの力により容易に離れてしまうと考えられる. これらの観察により, 本種では殻端棘が
    群体
    形状を決定していることが明らかとなった.

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