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クエリ検索: "肝性脳症"
4,421件中 1-20の結果を表示しています
  • 今村 純一, 池山 幸英, 金 茂成, 長岡 栄, 梶井 信洋
    医療
    1997年 51 巻 11 号 540-543
    発行日: 1997/11/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    その徴候が局所神経脱落症状(左片麻痺)から全般性脳症(意識障害)へと進展していく先天性門脈大循環短絡脳症の1例を報告する. 患者は70歳男性で当初, 左片麻痺と短期の意識障害を伴う一過性脳虚血発作と診断され, その後同様の発作を繰り返した. 脳X線CTは多発性脳梗塞を示した. 発作時の血中アンモニア値は間欠期に比べ, はるかに高い異常値を示した. 門脈大循環短絡を疑い, 経皮門脈撮影にて確認した. 短絡血管はコイルによる塞栓術を行い, アンモニア値の正常化, 発作の消失が得られた. 代謝性脳症に局所神経脱落症状が発現するのはまれである. この局所神経症状の発現には老化や虚血性変化を背景にした, 脳局所における代謝産物への耐性低下が関与しているものと推察した. 症例は3ヵ月後に, 再開通あるいは側副循環によると思われる再発をきたした.
  • 福永 真実, 藤木 亮輔, 三田 洋, 加藤 彰, 由村 健夫
    臨床神経学
    2009年 49 巻 5 号 271-274
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/17
    ジャーナル フリー
    症例は71歳女性である.入院前日に行動がおかしくなり,翌日進行したため入院した.遺伝性毛細血管拡張症で上部消化管出血をくりかえし,69歳で胃全摘を受けている.入院時,落ち着きがなく高次脳機能障害をみとめた.脳波で3相波,頭部MRIのT1強調画像で淡蒼球の高信号をみとめた.食後のNH3高値,腹部CTで肝内血管異常をみとめ,
    肝性脳症
    と診断された.低蛋白食,ラクチトール,分枝鎖アミノ酸製剤で臨床症状,NH3値と脳波は正常となった.遺伝性毛細血管拡張症で全身の血管形成異常をきたすが,門脈大循環短絡はまれで,それに起因する
    肝性脳症
    の報告は少ない.しかし高齢になればシャント量も増えるため,門脈大循環短絡脳症発症の可能性を考慮する必要がある.
  • 医療
    1984年 38 巻 Supplement 号 a187-a190
    発行日: 1984/10/03
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 莚井 武, 芝原 利佳, 鵜飼 洋司郎, 平田 佳久, 尾崎 孝幸, 渡辺 正義, 木村 喜代史
    日本薬理学雑誌
    1995年 105 巻 2 号 111-119
    発行日: 1995年
    公開日: 2007/02/06
    ジャーナル フリー
    実験的肝性昏睡ラットの意識障害に対するラクチトールの改善効果を,ラクツロースを対照薬として用い,脳波学的に検討した.ラットの門脈・下大静脈を吻合し,さらにジメチルニトロサミンを処置することにより,門脈大静脈短絡に肝実質障害を加えた,いわゆる混合型の
    肝性脳症
    に相当する動物モデルを作成した.薬物を1日2回7日間にわたり反復経ロ投与し,投与開始8日目の午前に最終投与を行った後,酢酸アンモニウムを盲腸内投与し,一般症状とともに脳波の変化を観察した.コントロ―ル群では,酢酸アンモニウムにより,正向反射の消失に加え,脳波の徐波化や平坦化がみられた.さらに,脳波周波数解析によりδ帯域成分の増加やβ帯域成分の減少がみられた.ラクチトールは3および6g/kg/dayで,ラクツロースは6g/kg/dayでこのような脳波変化を有意に抑制した.また,両薬物は用量依存的に正向反射の消失を抑制した.以上,ラクチトールが実験的肝性昏睡ラットの意識障害に対し,一般症状に加え,脳波学的にも明確な改善作用を示したことから,本剤が臨床的にも
    肝性脳症
    における昏睡や意識混濁などの意識障害を改善する有用な治療薬となる可能性が示唆された.
  • 水野 崇志, 高 済峯, 小林 豊樹, 鹿子木 英毅, 中島 祥介
    日本消化器外科学会雑誌
    2002年 35 巻 2 号 161-165
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    症例は78歳の女性.昭和61年よりB型慢性肝炎で経過観察されており, 平成8年8月頃より, 200μg/dl前後の高アンモニア血症を伴う肝性昏睡が頻回に出現. 精査の結果, 上腸間膜静脈瘤の形成と, 下大静脈への短絡を認めた. 脳症は内科的治療に抵抗性で, 平成11年4月22日, 短絡路遮断目的に手術を施行. 上腸間膜静脈は門脈本管流入部付近より径2cm大の静脈瘤を形成, 末梢側は右卵巣静脈を介して下大静脈へと短絡していた. 短絡路の試験的クランプによる門脈圧の上昇が160mmH2Oから240mmH2Oに留まることを確認した後, 短絡路の遮断および静脈瘤の切除を施行した. ドップラーUSにて門脈血流量は術前に比較して著明に改善し, 術後に血中アンモニア値は50μg/dl以下に低下,
    肝性脳症
    も完全に消失した. 肝血流量の増加によると思われる肝予備能の改善も見られ, 現在元気に日常生活を送っている.
  • 佐藤 孝幸, 須賀 弘泰, 出口 善純, 中川 隆雄
    日本腹部救急医学会雑誌
    2022年 42 巻 6 号 681-685
    発行日: 2022/09/30
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー

    意識障害を呈する

    肝性脳症
    の成因にはWilson病,尿素サイクル酵素欠損症,アミノ酸代謝異常症などの代謝障害,肝実質機能の広範囲な障害などの他に,門脈-大循環短絡路などがあげられる。今回われわれは,頻回に繰り返す高アンモニア血症から発見された上腸間膜静脈-左腎静脈短絡路症に対し,バルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓術(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration:以下,B-RTO)を施行したところ良好な結果を得た。症例は68歳,男性。過去に3回,原因不明の意識障害で入院歴があった。今回高アンモニア血症から上腸間膜静脈-腎静脈短絡が見つかり,B-RTOを施行した。その結果,アンモニア値は低下し,意識障害も改善し,その後再発はみられていない。門脈-大循環短絡路を有する非肝硬変性
    肝性脳症
    に対してはB-RTOが有効であると考えられた。

  • 冨樫 弘一, 宮脇 喜一郎, 野村 悠, 金光 大石, 阿部 光将, 小林 義典
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2005年 11 巻 3 号 266-271
    発行日: 2005年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    症例は58歳, 男性.
    肝性脳症
    の既往を有するアルコール性肝硬変患者.消化管出血を契機に
    肝性脳症
    を来し入院.精査にて上腸間膜静脈-下大静脈短絡路を指摘された.内科的治療にて脳症は改善したが高アンモニア血症は持続し, 短絡路閉鎖術を考慮した.しかし, 短絡路閉鎖に伴い門脈圧が術前160mmH2Oから400mmH2Oへ大幅に上昇した.腹水, 腸管壊死などの合併症の発現が危惧されたためバルーンカテーテルにて短絡路を持続的に閉塞, 門脈圧が高い状態で維持し, 症状の変化を観察した.術後, 腹痛などの症状出現を認めず経過し, 翌日には短絡路は血栓化した.その後, 血清アンモニア値は正常化, 脳症の再発や合併症発現はなく経過は良好である.本症例では短絡路閉鎖に伴い大幅に門脈圧が上昇したにもかかわらず, 合併症発現なく治療を遂行することが可能であった.
    肝性脳症
    に対する短絡路閉鎖術の適応を考える上で興味深い症例と考え報告する.
  • 西和田 敏, 高 済峯, 吉川 高宏, 石岡 興平, 向川 智英, 石川 博文, 井上 正義, 中川 裕之, 渡辺 明彦
    日本消化器外科学会雑誌
    2012年 45 巻 6 号 607-614
    発行日: 2012/06/01
    公開日: 2012/06/16
    ジャーナル フリー
     症例は47歳の男性で,下腸間膜静脈から右総腸骨静脈へと至る径40mmの門脈大循環シャントを認め,
    肝性脳症
    を繰り返していた.他施設で血管造影下にシャント閉鎖が試みられたが不成功であり,外科的閉鎖目的で当院に紹介された.術中門脈造影を行うとすべての腸間膜静脈血流がシャントへと流れ,肝内へ門脈血が流入しない状態であった.門脈圧は8mmHgであった.シャント血管をクランプすると門脈血流が求肝性となり,門脈圧の上昇は12mmHgまでにとどまることを確認,閉鎖可能と判断しシャント完全閉鎖を行った.血中アンモニア値は術翌日に正常化した.術後8か月現在,脳症の再発を認めていない.Interventional radiology手技にて閉鎖困難な門脈大循環シャント症例に対し外科的閉鎖術が有効なことがある.術中に門脈圧モニタリング,門脈造影,ドップラーエコーを行いシャント閉鎖の可否を判断することが重要である.
  • 川島 万平, 牧野 浩司, 丸山 弘, 横山 正, 上田 純志, 高田 英志, 中野 茂, 吉田 寛
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2018年 24 巻 4 号 242-245
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    血管内治療が不可能な巨大側副血行路を有するシャント脳症に対して外科的短絡路分流術が有効だった1例を経験した.症例は60代男性.背景肝はC型肝硬変とアルコール性肝硬変.慢性腎不全で透析中.内服治療抵抗性の

    肝性脳症
    の診断で紹介された.初診時はIII度脳症であり,2週間で3回のIII度脳症を繰り返した.肝予備能はChild-Pugh score 7点と保たれていたが,門脈血流は遠肝性であり長径5 cmに及ぶ脾腎短絡路の形成を認めた.シャントを伴う慢性再発型の
    肝性脳症
    と診断し短絡路閉鎖を検討したが,透析症例であり腹水コントロールに難渋することが予想された上,短絡路は最大径5 cmのため血管内治療によるコントロールは不能であった.手術療法を選択し,短絡路を温存して脾静脈切離(分流術)を施行した.術後12か月が経過するが顕性脳症は見られず職場復帰も果たし経過良好である.巨大側副血行路によるシャント脳症へのアプローチとして示唆に富む症例と考え報告する.

  • 樫田 博史
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2006年 12 巻 2 号 141-145
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • ─IVRとの融合による正しい治療選択─
    末永 昌宏, 高見 秀樹
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2014年 20 巻 4 号 194-201
    発行日: 2014年
    公開日: 2016/12/27
    ジャーナル フリー
    反復する
    肝性脳症
    に対する治療は門脈血中アンモニアが大循環系に多量に排出しないよう短絡路の遮断を要する. 本邦では1970年代からHassab手術を含む胃腎静脈短絡路遮断が行われ, 上腸間膜・下腸間膜静脈から下大静脈への短絡の遮断術も報告されてきた. 門脈圧亢進下の手術で静脈を損傷しない丁寧な剥離操作を必要とするが, 直視下に供血側から排出側まで短絡路を確実に遮断できる. 高度肝障害例が多く手術適応基準の決定は難しい. 短絡によって影響されるICGは信憑性に乏しく, Child A, B症例の手術成績は良好であり, PTを加えたChild-Pugh分類A・Bが適応と考える. PTOやB-RTOなどのIVRの著しい進歩により, 胃腎静脈短絡症例は一部の症例を除いて治療の第1選択となる. しかし上腸間膜・下腸間膜静脈から下大静脈への複数の短絡路が存在するような症例では治療困難で, 可能であれば手術を行った方がよいと考える.
  • 小山 秀彦, 齊藤 正明, 崔 世浩, 角田 隆文, 佐藤 重明, 大藤 正雄
    肝臓
    1990年 31 巻 6 号 694-698
    発行日: 1990/06/25
    公開日: 2010/01/19
    ジャーナル フリー
    巨大胃腎短絡路を有し,
    肝性脳症
    を呈した上腹部手術歴のある慢性肝炎の症例に経皮経肝的短絡路塞栓術を施行し,
    肝性脳症
    を治癒せしめた.術前後の比較により,血中アンモニア値,血中アミノ酸分析(Fischer比),プロトロンビン時間などの血液生化学検査所見,およびICG試験(15分値,K値),脳波所見の改善,また肝血流量の改善も認めた.術後の門脈圧の上昇は29%にとどまり,手術にともなう合併症はまったくみられなかった.術後1年後も脳症はみられず良好な経過をたどっているのでここに報告する.
  • 松浦 文三, 赤松 興一, 北井 浩一朗, 木村 洸, 太田 康幸
    日本消化器病学会雑誌
    1987年 84 巻 8 号 1684-1689
    発行日: 1987年
    公開日: 2007/12/26
    ジャーナル フリー
  • 久保 秀文, 北原 正博, 兼清 信介, 多田 耕輔
    日本臨床外科学会雑誌
    2008年 69 巻 4 号 877-882
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/06
    ジャーナル フリー
    症例1は65歳,女性.原因不明の肝硬変で近医にて経過観察されていた.2007年8月見当識障害と羽ばたき振戦を認め受診した.
    症例2は73歳,男性.2004年よりC型肝硬変で経過観察されていた.2007年7月から見当識障害が出現し,腹部US,CT,および腹部血管撮影検査にて肝S2,S6,S8に各々径2cm,1cm,1cmの肝細胞癌(以下,HCC)が診断された.S8のHCCは経皮的ラジオ波焼灼(以下,RFA)療法を施行した.両症例ともに傍臍静脈シャントと門脈血流の低下を認めた.門脈大循環シャントのため血中アンモニア値が上昇したことによる
    肝性脳症
    と診断した.症例1は2007年9月開腹下傍臍静脈シャント閉鎖術を施行し,症例2は同年,10月開腹下にS2,S6のHCCへのRFA療法と傍臍静脈シャント閉鎖術を施行した.両症例ともに術後,血中アンモニア値は正常化し,
    肝性脳症
    の改善を認めた.画像検査で傍臍静脈シャント消失を確認した.現在まで
    肝性脳症
    の再発なく食道静脈瘤や腹水の出現もない.
  • 池田 博斉, 河本 和幸, 大目 祐介, 深田 一平, 守本 芳典
    日本外科系連合学会誌
    2009年 34 巻 1 号 112-116
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/30
    ジャーナル フリー
     門脈大循環短絡による
    肝性脳症は猪瀬型肝性脳症
    と呼ばれている.症例は73歳,女性.記銘力低下および手指振戦が出現し,脳血管性痴呆および症候性てんかんと診断され経過観察されていたが,意識消失にて当院に救急搬送された.血性アンモニア値が472μg/dlと高値を示し,CTにて下腸間膜静脈―左卵巣静脈短絡路が認められたため,猪瀬型
    肝性脳症
    と診断した.内科的治療により脳症は改善したものの,アンモニア値は正常化しなかったため短絡路閉鎖術の適応と判断した.当初IVRによる短絡路閉塞術を試みたが,短絡路の完全閉塞に至らず,外科的に短絡路閉鎖術および静脈瘤切除術を施行した.術後アンモニア値は正常化し,経過良好であった.門脈大循環短絡路の閉塞術において現時点ではIVRが第一選択となりうるが,IVRで閉塞に至らない例に対しては現在もなお外科手術が有用であると考えられた.
  • 中村 晃子, 迫田 晃郎, 田畑 峯雄, 久米村 秀, 溝内 十郎, 大迫 政彦, 内園 均, 林 完勇, 佐々木 道郎, 矢野 武志
    日本門脈圧亢進症学会雑誌
    2002年 8 巻 3 号 228-232
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    症例1は73歳の女性で2回の開腹歴があった.意識消失発作があり, 一過性脳虚血発作と診断されていた.軽度の肝機能障害と高アンモニア血症 (148μg/dl) を認めた.CTと血管造影で回結腸静脈瘤を認め, 門脈大循環短絡による
    肝性脳症
    と診断された.外科的に短絡路閉鎖術および静脈瘤切除術を施行した.症例2は74歳の男性で大酒家であった.5年前より一過性脳虚血発作として治療されていたが, 高アンモニア血症 (398μg/dl) を認め, 回結腸静脈より右精巣静脈, 腎静脈を経て下大静脈に入る短絡による
    肝性脳症
    と診断された.治療は同時性バルーン閉鎖下塞栓術を施行した.治療後は2例とも門脈血流も求肝性となり, 血中アンモニア値も正常化した.また, Child Aの肝障害 (肝炎ウイルスマーカー陰性) は治療後に改善し, 食道胃静脈瘤の出現, 増悪もみていない.門脈大循環短絡による
    肝性脳症
    に対してそれぞれ外科的治療と塞栓術を施行し, 良好な結果を得たので報告する.
  • 山中 雅也, 杉本 博行
    超音波医学
    2019年 46 巻 2 号 185-190
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/15
    [早期公開] 公開日: 2019/01/08
    ジャーナル 認証あり
    門脈大循環シャントによる脳症はしばしば見逃されることがあり,高齢者においては認知機能の低下として処理されることがある.今回,術中超音波検査所見を指標とし脾摘術と同時に門脈大循環シャント閉鎖術を施行した外傷性脾破裂症例を経験したので報告する.症例は84歳女性.近医入院中に転倒し左肋骨骨折を生じた.その後退院となったが受傷後11日目に,意識消失のため当院救急外来に搬送された.遅発性脾破裂および腹腔内出血と診断し,緊急脾摘出術を施行した.脾摘後,術中超音波検査で門脈左枝を観察すると門脈逆流を認めた.脾腎シャントが著明に拡張しており,シャント血管を遮断したところ順行性の門脈血流となったため,シャント血管の結紮を行った.今回,緊急症例であり十分な術前検査を行う余裕はなく,術中にシャント閉鎖の適応を判断する必要があったが,術中超音波検査を判断材料とし,シャント閉鎖術を施行した.術後も門脈血流は順行性を維持し意識状態も速やかに改善しており,緊急での門脈大循環シャント閉鎖術は有効であった.術中超音波検査は,簡便にリアルタイムでの血流動態のモニタリングが可能であり,緊急門脈大循環シャント閉鎖術の適応の判断に有用であると示唆された.
  • 池松 禎人, 織部 孝史, 足立 昌士, 木場 文男, 川口 満宏, 藤島 捷年, 渡辺 英宣, 植木 陽太郎, 秦 彰良, 中村 泰也, 小県 昇, 松室 健士
    日本消化器外科学会雑誌
    1988年 21 巻 1 号 115-118
    発行日: 1988年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 江口 有一郎, 岩根 紳治, 川副 広明, 小林 由実, 安武 努, 水田 敏彦, 尾崎 岩太, 藤本 一眞, 山本 匡介
    肝臓
    2004年 45 巻 8 号 423-427
    発行日: 2004/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    肝性脳症
    の一症状として, 皮質盲を生じた非代償性肝硬変の症例を経験した. 症例は49歳, 男性. C型肝硬変, 再発性肝細胞癌にて当院通院中であったが, 急速な両側視力の低下を生じ来院. 血液検査にて高アンモニア血症を認め, 理学所見も併せ,
    肝性脳症
    II度と診断した. 両眼の視力低下の原因として, 視神経・動眼神経・眼底・眼球には明らかな異常所見を認めず, 急性の視力障害であること, 頭部MRIにて両側視力を低下させうる病変がないことより臨床的に皮質盲と診断した. 入院後,
    肝性脳症
    に対する加療を行い,
    肝性脳症の改善と共に視力低下も速やかに回復したことより皮質盲の原因として肝性脳症
    の関与が示唆された.
    肝性脳症
    の一症状として皮質盲を生じることは非常に稀であり, 多彩な臨床像を呈する
    肝性脳症
    の病態を考える上で示唆に富む症例と考えられた.
  • 鈴村 潔, 山口 晃弘, 磯谷 正敏, 金岡 祐次, 高橋 吉仁, 李 政秀, 菅原 元
    日本消化器外科学会雑誌
    2000年 33 巻 5 号 610-614
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    肝性脳症
    を呈したporta-systemic shunt症例に対し, 早期胃癌手術の際, shunt血管を結紮し, 肝機能の改善をみた症例を経験した. 症例は70歳の女性, 見当識障害にて来院, 血中アンモニア濃度199μgllと高値を呈し, 血管造影検査にて左胃-短胃静脈-左腎静脈のporta-systemic shuntが確認され,
    肝性脳症
    の原因と診断した. 上部消化管内視鏡検査にて早期胃癌が発見されたため, 幽門側胃切除術施行. 術中門脈圧測定をshunt閉塞前後で行い, 門脈圧の上昇を認めず, 門脈造影上, 肝内外門脈に形成不全を認めなかったため1期的にshunt 閉鎖術を施行した. 術後経過良好であり, 以後肝機能検査値もほぼ正常化した. 肝硬変を伴わないporta-systemic shuntによる
    肝性脳症
    に対しては, shunt血管閉塞前後の門脈圧の計測や門脈造影などの評価を行えば, shunt閉塞により良好な予後が期待できると考えられる.
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