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クエリ検索: "血管内治療"
8,773件中 1-20の結果を表示しています
  • 中村 元, 安藤 晃佑, 上田 浩太郎, 田坂 研太, 新美 淳, 根本 文夫, 森脇 拓也, 畑山 和己, 内藤 博道
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 125-132
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/09/22
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】マイクロバルーンカテーテルであるPinnacle Blue 20とballoon guiding catheter(BGC)を用いた一時的なflow reversal法によるcarotid artery stenting(CAS)の1例を報告する.【症例】症候性左内頚動脈高度狭窄症の81歳男性.高度狭窄かつ不安定プラークであり,一時的なflow reversal法でのCASを計画した.左総頚動脈に留置した9Fr BGCからPinnacle Blue 20を左外頚動脈に誘導し,BGCで総頚動脈閉塞を行いflow reversalとした.続いてdistal filter protection (DFP)deviceを展開し,前拡張までflow reversalで,以降は総頚動脈のBGCによるproximal protectionとDFPを併用してCASを施行した.術後,新規の脳梗塞の出現は認めず経過した.【結論】CASにおいてPinnacle Blue 20とBGCを用いた一時的なflow reversal法は,有用な選択肢の一つとなり得る.

  • 朝倉 健登, 福井 伸行, 今村 博敏, 小柳 正臣, 後藤 正憲, 福光 龍, 春原 匡, 髙野 裕樹, 春山 裕典, 呉 浩一, 梶浦 晋司, 重安 将志, 寺西 邦匡, 堀井 亮, 㮈本 悠嗣, 山元 康弘, 西井 陸大, 川出 智大, 太田 剛史, 坂井 信幸
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 81-87
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/06/13
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】脳

    血管内治療
    を行う際,胸部大動脈瘤に対する人工血管置換術後や血管蛇行が強い場合は頚動脈穿刺が考慮される.今回,我々は未破裂巨大脳動脈瘤に対して,頚動脈露出後に直接穿刺により2本のガイディングシースを留置し,コイル併用フローダイバーター留置術を行い,良好な治療経過が得られたため報告する.【症例】83歳男性.頭部MRIで,左内頚動脈海綿静脈洞部に長径31 mmの巨大脳動脈瘤を指摘された.穿刺孔の細径化等に配慮し,ガイディングシースを用いた脳動脈瘤塞栓術を施行した.【結論】胸部大動脈に対する外科的治療後の未破裂脳動脈瘤に対して,頚動脈直接穿刺下,ガイディングシースを用いたフローダイバーター留置術が有用であった.

  • 木田 波斗, 福井 直樹, 山﨑 大智, 道上 怜奈, 濱田 史泰, 川西 裕, 上羽 佑亮, 門田 知倫, 中居 永一, 福田 仁, 上羽 哲也
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 74-80
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/05/18
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】母血管閉塞術(parent artery occlusion: PAO)は,脳動脈瘤治療の一つとして知られているが,虚血性合併症率は比較的高い.それを低減するために,我々はステントを用いて意図した部位を確実に塞栓できる方法(PACS法)でPAOを行ったので報告する.【症例】母血管閉塞が必要で,閉塞目的部位に分枝が近かった3症例を対象とした.母血管の閉塞したい部位に脳動脈瘤アシスト用のステントを留置し,そのステントに絡ませるようにコイルを挿入することで,意図した範囲でPAOを施行し得た.全症例で分枝血管は温存され,虚血性合併症を生じることなく確実なPAOを行うことができた.【結論】本法は意図した部位での確実な母血管閉塞が必要な場合,また,コイルのみではanchoringが困難な場合の一法として有用である.

  • 黒川 暢, 田中 優子, 梅村 武部, 山本 淳考
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 39-47
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2023/04/11
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】自重による元来の血管構造の変形を回避し,vessel shiftが可能な脳血管管腔モデルの作製方法を報告する.【方法】61歳女性の前交通動脈瘤の血管造影情報を設計支援ソフト,光造形型3D printerを使用し,血管壁を0.5~1.5 mmに段階的に変更し,脳血管モデルを作製した.【結果】カテーテル操作によりvessel shiftが可能で,脆弱性と自重による血管構造の変形を克服できた.【結論】適切な3D血管dataを出力しopen softwareによる編集で,自重に耐えvessel shiftが可能な脳血管管腔モデルが作製可能で,脳

    血管内治療
    の術前演習により有用な可能性がある.

  • 石毛 良一, 佐々木 亮, 青井 瑞穂, 荒木 孝太, 鈴木 祥生
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 32-38
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2023/03/03
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】大動脈弓部の分岐形態がカテーテル手技に及ぼす影響は大きい.COVID-19蔓延下では,肺野評価を目的とする胸部単純CTが増加しているが,肺野評価を目的とした胸部単純CT画像を用いて大動脈弓部の3D構築を行うことで,大動脈弓部の分岐形態を直感的に評価可能か検討したので報告する.【症例】2021年3月から2021年12月までに脳血管造影または脳

    血管内治療
    を行った25例を対象とし,脳神経外科医師4名による後ろ向き検討を行った.【結論】Type 3が10例(36%),bovine archが1例含まれていた.描出不良や大動脈弓部の形態把握が困難であった症例は1例もなく,胸部単純CT画像を用いた3D構築画像で,大動脈分岐形態の評価を直感的に行うことが可能であった.

  • 杉生 憲志, 後藤 勝彌
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 133-136
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    ジャーナル オープンアクセス
  • 前川 正義
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 89-95
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/09/22
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】外頚動脈総頚動脈留置は,血栓を内頚動脈に迷入させない脳塞栓症の水際対策となり得るかを実験的に検討した.【方法】シリコン血管モデルを使用し,ステントを外頚動脈から総頚動脈にかけて留置した.スライムを用いて擬似血栓を作製した.総頚動脈のベクトルを基準線として,それぞれのベクトルが基準線となす角度が,外頚動脈=内頚動脈,外頚動脈>内頚動脈,外頚動脈<内頚動脈の3タイプの血管走行を作製した.実験1は血栓の挙動を検討することを目的とし,擬似血栓を総頚動脈に入れ,生理食塩水を流した.実験2はステント格子が内頚動脈の血流動態に与える影響を検討することを目的とし,ステント留置時と非留置時のそれぞれについて,生理食塩水を総頚動脈から流して,外頚および内頚動脈に流出した生理食塩水の重量を計測した.【結果】実験1:いずれの血管走行のタイプにおいても,どのサイズの擬似血栓も内頚動脈へ迷入することはなかった.実験2:血管走行のタイプにかかわらず,また,ステント留置の有無にかかわらず,流出した生理食塩水は内頚動脈のほうが外頚動脈よりも多かった.【結論】外頚動脈総頚動脈ステント留置は,内頚動脈系への血流障害を来すことなく,血栓の内頚動脈迷入を阻止することができた.

  • 佐藤 文貴, 田邉 頌章, 森下 猛史, 坂口 隆, 増尾 修, 鐵尾 佳章, 高瀬 香奈, 磯崎 潤, 青柳 孝行, 戸田 博幸
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 49-54
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/07/05
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】CT灌流画像(CT perfusion: CTP)は,脳血流量を定量的に評価する検査法であり,検査の簡便性や迅速性から有用性の高い検査法である.しかし,1回の検査を施行する際に複数回照射するため,患者への被ばくが大きい.当院では,メーカー推奨のプロトコルで撮影を行っているが,スキャン回数を減らすことで,結果に影響を及ぼさず被ばく線量を低減できるかどうか,後ろ向きに検討を行った.【方法】脳虚血性患者でCTPを施行し,通常のプロトコルのデータ(早期相16スキャン+後期相4スキャン)と,早期相を半分の8スキャンに間引いたデータをそれぞれ解析にかけた.解析のアルゴリズムにはベイズ推定法を用い,視覚評価と定量評価で比較した.視覚評価は,4名の評価者が一対比較法による評価を行った.定量評価は,大脳皮質領域両側にregion of interest(ROI)を設定し,各解析法について対側比の値を比較した.【結果】視覚評価では,すべてのパラメータで通常データと間欠データに有意差は認められなかった.定量評価においても同様であった.【結論】メーカー推奨のプロトコルよりも少ないスキャン回数にしても,結果に影響を及ぼさない範囲で,被ばく線量を減らすことができることが示唆された.

  • 坂井 千秋, 榎本 由貴子, 杉生 憲志, 岡原 美香, 坂本 誠, 寿美田 一貴, 檜垣 鮎帆, 松丸 祐司, 矢澤 由加子
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 1-8
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2023/01/24
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】1999年6月に男女共同参画社会基本法が公布・施行され,現在は第5次男女共同参画基本計画に沿った取り組みが各所で進められている.2021年には日本脳神経

    血管内治療
    学会(以下,JSNET(The Japanese Society for Neuroendovascular Therapy))においても男女共同参画委員会が設置され,「ダイバーシティ推進委員会」として活動を開始した.今回,学会員の現状と多様性社会に対するニーズを調査するため,全医師会員に向け職場環境等に関する調査を実施した.【方法】JSNET医師会員4,374名に対し,アンケート調査を行った.調査期間は2021年8月2日から同年9月12日までとした.【結果】848名,19.4%から回答を得た.男性95%,女性5%,脳神経外科医91%,神経内科医6%,放射線科医1%で,専門医は77%であった.育児等のライフイベントによる周囲への負担,また自身のキャリア形成への影響等の問題はあるが,両性が在籍する環境が望ましいという意見が多数を占めた.【結論】男女ともに,キャリア継続は労働環境の改善に寄与する.相互理解の下,性差なくキャリア継続を目指せる仕組み作りが重要である.

  • 根岸 弘, 山室 俊, 熊川 貴大, 四條 克倫, 吉野 篤緒
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 110-117
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/09/27
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】The stent anchor with mobile aspiration techniqueにより治療した,急性期脳静脈洞血栓症の1例を報告する.【症例】患者は52歳男性で,頭痛,全身倦怠感を主訴に来院した.頭部CTより右頭頂葉の脳出血および右側頭葉の出血性梗塞を伴う脳静脈洞血栓症と診断した.ヘパリンの投与を開始したが意識障害が進行し,the stent anchor with mobile aspiration techniqueを用いた機械的血栓回収術を施行した.多量の血栓を吸引し,血行再建が達成され,良好な経過が得られた.【結論】広範囲な脳静脈洞血栓症に対するthe stent anchor with mobile aspiration techniqueは,有用な治療方法のひとつであると考えられた.

  • 清本 政, 佐藤 栄志, 末松 慎也, 中内 淳
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 118-124
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/10/16
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】Contrecoup injuryにより内頚動脈海綿静脈洞瘻に類似した眼症状を呈した稀な中硬膜動静脈瘻を経験したので,その特徴について報告する.【症例】47歳女性.自転車走行中の転倒で左側頭部を打撲し,CTで右側頭葉挫傷とくも膜下出血を認めた.翌日に右眼瞼下垂が出現し,DSAで右中硬膜動脈から流入し,中硬膜静脈,海綿静脈洞を経て上眼静脈へ流出する中硬膜動静脈瘻を中頭蓋底に認めた.症状が軽く経過観察を行い,follow up DSAで動静脈瘻は自然閉塞したが,仮性動脈瘤を認めたため塞栓術を施行した.【結語】Contrecoup injuryによる中硬膜動静脈瘻は,解剖学的特徴により中頭蓋窩に好発した.軽い症状では見過ごされる可能性があるため,DSAを含めた検査が必要で,仮性動脈瘤を合併する症例は

    血管内治療
    のよい適応である.

  • 岡本 紀善, 糸川 博, 藤本 道生, 森谷 匡雄, 柘植 雄一郎, 笹沼 仁一
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 102-109
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/08/31
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】放射線治療後に生じた中大脳動脈のblister-like aneurysm(BLA)に対し,複数枚のステントを用いたオーバーラッピング法で治療した症例を報告する.【症例】48歳,女性.神経膠腫術後の残存腫瘍に対し,サイバーナイフを施行した.照射2年後にくも膜下出血で発症し,左M1にBLAを認めた.急性期治療は困難であったが,第10病日に囊状部分が拡大し,塞栓術を行った.第22病日に再破裂を来し,ステントを併用し再拡大部に追加塞栓を行った.さらに短期間で動脈瘤が増大したが,コイルの追加とステントを三重に重ねることで治癒が得られた.【結論】BLAに対し,オーバーラッピング法は治療の選択肢になり得る.

  • 大本 裕次郎, 庄島 正明, 宇野 健志, 大山 裕太, 樋口 芙未, 木倉 亮太, 川口 愛, 平野 雄大, 平田 操, 後藤 芳明, 辛 正廣
    血管内治療

    2023年 8 巻 3 号 96-101
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/20
    [早期公開] 公開日: 2023/07/19
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】頚部悪性腫瘍に合併した脳静脈洞血栓症(cerebral venous sinus thrombosis: CVST)に対して,

    血管内治療
    が有効であった1例を報告する.【症例】64歳男性,右頚部腫瘤を主訴に受診.原発不明癌の頚部リンパ節転移と診断後,視力低下と複視,さらに眼底に乳頭浮腫を認めた.頭部造影MRIで,右S状静脈洞の閉塞と後頚部への静脈流出路の消失を認めた.腰椎穿刺で頭蓋内圧上昇を認めたため,早急な静脈洞の再開通を目指し,
    血管内治療
    を行った.術後,神経症状は改善,頚部腫瘍に対して放射線化学療法が開始された.【結論】頚部悪性腫瘍に合併したCVSTに対して
    血管内治療
    による早急な再開通を行い,重篤な合併症なく,良好な転帰を得ることができた.

  • 磯﨑 潤, 増尾 修, 鐵尾 佳章, 高瀬 香奈
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 68-73
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/07/14
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】母血管に高度狭窄を伴う未破裂椎骨動脈瘤のコイル塞栓術で,Marathonが有用であった症例を報告する.【症例】59歳男性は,偶発的に長径10 mmの右椎骨動脈後下小脳動脈(VA-PICA)分岐部動脈瘤を指摘された.右VAはPICA end, ネックから近位VAに高度狭窄を認め,以前の経過よりVA解離後の解離性動脈瘤と推測された.塞栓術中SL-10を瘤内に誘導すると狭窄部で血流停滞し,瘤とPICAが描出されず,SL-10をMarathonに変更後,いずれも描出され手技を完遂し得た.【結論】Marathonについて,主幹動脈瘤のコイル塞栓術で母血管の狭窄を理由に用いた報告はこれまでなく,有用な選択肢と成り得る.

  • 野川 博嗣, 水谷 克洋, 秋山 武紀, 佐柳 太一, 久保 創, 戸田 正博
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 63-67
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/06/07
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】我々は,文献上報告のない上眼窩裂周囲に多房性の静脈腔を伴う動静脈シャントを経験したため報告する.【症例】51歳女性で,幼少期に右眼窩内の血管奇形で右前頭側頭開頭による手術歴があった.右眼痛,右眼球突出,右眼球結膜充血を認めた.血管造影検査にて蝶形骨縁から中頭蓋底にかけての上眼窩裂付近に特異的な多房性の静脈腔を認め,その静脈壁に比較的限局した動静脈シャントを認めた.外頚動脈の末梢の分枝から栄養され,上眼静脈へシャント血流は流出していた.動静脈シャントが形成された静脈腔は,上眼静脈や海綿静脈洞に連続していたが,単一の静脈というよりは多房性の静脈構造であり,静脈奇形などに続発した動静脈シャントであると思われた.選択的経静脈的塞栓を行い,動静脈シャントは消失し,眼症状も消失した.【結論】眼窩血管奇形の術後に,動静脈シャントが残存した静脈壁に形成されることがある.経静脈的塞栓術が有効な治療となり得る.

  • 中野 瑞生, 錦古里 武志, 渡辺 賢一, 佐藤 祐介, 滝戸 悠平, 佐久間 貴史, 飯沼 千博
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 24-31
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2023/02/16
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】進行性に脳幹浮腫を呈した海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻(CS-dAVF)の患者に対して,迅速な経静脈的塞栓術により良好な結果を得ることができた1例を経験したので報告する.【症例】80歳女性.結膜充血・複視にてCS-dAVFを発症した.頭部MRI/MRAでは,両側海綿静脈洞外側後方に流入血流を認め,右上眼静脈の著明な拡張を認めた.経過観察中に眼症状が増悪し,MRI再検により,右延髄・右橋・右中小脳脚に新たに浮腫の出現を認めた.脳血管撮影検査にて,海綿静脈洞(CS)からpontine bridging vein(PBV)を介する脳幹部への静脈流出を認めた.左下錐体静脈洞経由でCSに到達し,PBV起始部を含めてコイル塞栓を施行し,完全閉塞が得られた.術直後から眼症状は改善し,脳幹浮腫も改善した.【結論】脳幹浮腫を有するCS-dAVFにおいて,早急な治療介入により症状増悪が予防できる可能性が示唆された.

  • 清本 政, 佐藤 栄志, 末松 慎也, 中内 淳
    血管内治療

    2023年 8 巻 2 号 55-62
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/20
    [早期公開] 公開日: 2023/05/12
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】上眼静脈(SOV)の直接穿刺で治療したアプローチ困難な海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻(CSDAVF)の1例を報告する.【症例】61歳男性,結膜充血,眼球突出,色覚異常,眼圧上昇を認め,DSAにてCSDAVFと診断した.下錐体静脈洞や顔面静脈を経由した塞栓術を2度試みたが,血栓閉塞や血管狭窄,蛇行のためアプローチできなかった.このためorbital approachの方針とした.眼窩隔膜を切開して貫通する血管を確保し,DSAでSOV分枝と確認した.直視下でSOV下枝を穿刺し,マイクロカテーテルを誘導してコイル塞栓を行った.穿刺部は術後に結紮して止血した.【結論】Orbital approachはアプローチ困難例において有効であり,直視下に穿刺することで,合併症の少ない手技が可能である.

  • 前田 拓真, 佐藤 徹, 原 健司, 濱野 栄佳, 橋村 直樹, 角 真佐武, 池堂 太一, 西村 真樹, 髙橋 淳, 片岡 大治
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 9-15
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2022/11/29
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】Vessel wall imaging(VWI)が診断に有用であった両側椎骨動脈解離の症例を報告する.【症例】56歳男性.頭痛・嘔吐を主訴に当院へ救急搬送され,CTでくも膜下出血を認めた.DSAでは両側椎骨動脈に軽度の拡張を認めたが,MRAではintimal flapやdouble lumen signを認めなかった.GdT1-SPACEによるVWIを撮像すると,両側椎骨動脈の血管壁に全周性の造影効果を認め,右側ではintimal flapが描出され,両側椎骨動脈解離と診断した.入院翌日のDSAで右側の形態変化を認め,出血源と判断,後下小脳動脈を温存したproximal occlusionを施行した.患者は入院34日目に後遺症なく自宅退院となった.【結論】解離性病変においてもVWIは有用であり,DSAやMRAで診断が困難な場合,考慮すべきである.

  • 中村 普彦, 大久保 卓, 渡邉 竜馬, 河野 隆幸, 大倉 章生, 近藤 大佑, 園田 隆弘, 廣畑 優, 森岡 基浩
    血管内治療

    2023年 8 巻 1 号 16-23
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/20
    [早期公開] 公開日: 2022/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    【目的】破裂前交通動脈瘤に対し,直達手術所見から解離性動脈瘤が疑われ,両側前大脳動脈へのparallel stent-assisted coilingを用い,母血管閉塞を行った1例を報告する.【症例】21歳,男性,頭痛で発症したくも膜下出血の患者.前交通動脈瘤破裂と診断し,ネッククリッピング術を行ったものの,剝離操作中の止血が困難であった.

    血管内治療
    に切り替え,第2病日にparallel stent-assisted coilingによって前交通動脈の母血管閉塞を行った.再破裂なく経過したが,再開通を来したため,第14病日に再塞栓術を行った.【結論】前交通動脈の母血管閉塞が必要な場合,両側前大脳動脈にparallel stentを用いることでcoil migrationを防止し,密な塞栓が可能であった.しかし,本例のような解離性動脈瘤が疑われる場合は,入念なfollow upが必要である.

  • 血管内治療

    2023年 8 巻 Supplement 号 S383-S901
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/16
    ジャーナル オープンアクセス
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