世界規模での本格的な企業間競争を目前にして国内医療用医薬品業界ではERPパッケージ導入による企業内基幹業務システムの再構築が進んでいる。そこではドイツSAP社のERPパッケージR/3の占有率が非常に高いことが大きな特徴である。医療用医薬品業界では,各種の規制によって基幹業務が類似していることを前提に同一ERPパッケージの採用によってシステム開発を共同化し,コスト削減を図っている。本論文では,実態調査により医療用医薬品業界でのERP導入状況を把握した後,企業情報システムに関する情報化戦略の特徴を明らかにする。具体的には,3つの主要な特徴を抽出し,これらを実態調査結果に基づいて検討し,その妥当性を論じる。そして,医療用医薬品業界での企業情報システムの情報化において最も特徴的な戦略が競合企業間でのシステム開発の「共同化」であることを明らかにする。
SAP社のERPパッケージ「SAP ERP」の機能やプロセスを学ぶために設計された教育訓練用システムIDES(Internet Demonstration and Evaluation System)上に,MRP(資材所要量計画)を実装するための教材を紹介する。この教材の特徴は,受講者が自ら考案した製品に対してMRPを実行することである。MRPを実行するために,品目,BOM(Bill of Materials; 部品構成表),作業区,作業手順などの主要データをIDESに登録する必要がある。受講者は,品目マスタなどの登録作業を通じてMRPおよびERPシステムについて理解を深めることができる。
IT戦略は経営戦略に沿って策定されるべきである、または、IT戦略は経営戦略の一部であるという議論や認識がある。しかし、経営戦略とIT戦略ではそれぞれの戦略に沿って整合すべき構成要素が異なり、情報システム刷新時にそれらの構成要素間が適切に調整できず、不整合を生じた「ねじれ構造」による問題を誘発しやすい。本報告では、経営戦略とIT戦略に関する「ねじれ構造」のフレームワークに基づき、いくつかの企業での基幹系システム刷新プロジェクトの事例を検証し、成功もしくは失敗の要因について仮説を提示する。
企業における無駄を排除し,業務簡素化を進める為,情報システムは不可欠なものとなっている.ただ,情報システム導入前提で物事を考えるのは,思考停止とも考えられる.よく問題点抽出のために,「現在の姿とあるべき姿」がFIT&GAP分析により行われるが,その明確な手順は示されていない.又,ERPパッケージ導入におけるFIT&GAP分析も存在する.現在企業における問題点抽出を行う手法としてFIT&GAP分析の考え方を示し,手順を明確にし,具体的適用例を示すことを,本研究の目的とする.
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