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クエリ検索: 鍼 顔面神経麻痺
141件中 1-20の結果を表示しています
  • 蛯子 慶三, 丹波 さ織, 吉川 信, 菊池 尚子, 新井 寧子, 佐藤 弘
    日本東洋医学雑誌
    2006年 57 巻 6 号 781-786
    発行日: 2006/11/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    1996年8月から2004年6月までの間に, 当施設で鍼治療を行った Hunt 症候群患者のなかで, (1) ENoG値0%, (2) 発症90日以内, (3) 麻痺スコア20点未満という3つの条件を満たし, 尚且つ発症6ヵ月時点まで経過観察することのできた15名を対象として, 鍼通電治療と置鍼治療の効果を retrospective study により比較検討した。麻痺側顔面部へ鍼通電治療を行った群 (以下, 鍼通電群) は8名, 置鍼治療を行った群 (以下, 置鍼群) は7名であり, 両群間の背景因子に有意差は認められなかった。効果判定には, 柳原の40点法による麻痺スコアと, 西本・村田らの考案した後遺症評価法の変法による後遺症スコアを用い, 鍼初診時から発症6ヵ月時点までの麻痺スコアの変遷, 発症6ヵ月時点の後遺症スコアを, それぞれ Repeated measures ANOVA, Mann-Whitney のU検定を用いて比較した。その結果, 麻痺スコアの回復に両群間に有意差はなかったものの (p=0.0507), 置鍼群に比べ鍼通電群の回復に良い傾向がみられた。また, 後遺症スコアは両群間に有意差はみられなかった (p=0.51)。近年, 低周波刺激を禁忌とする意見がでてきているが, 今回の調査では後遺症の出現状況に差はなく, むしろ麻痺の回復に関しては鍼通電治療のほうが置鍼治療より良い可能性も示唆された。
  • 大野 正光, 赤丸 敏行, 外山 佳子, 阿部 博子
    日本東洋医学雑誌
    1993年 43 巻 3 号 453-456
    発行日: 1993/01/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ラムセー・ハント症候群は, 急性期には激痛を伴い疱疹が治癒した後も
    顔面神経麻痺
    , 神経痛が残り長期間にわたって患者を苦しめるこの痛みに対しては, 各種神経ブロックがさかんに行われているが, 接持続時間や合併症の問題点を含んでいる。今回われわれは鍼治療を積極的に取り入れることにより期待以上の成果を得られた。
  • メルカーソン・ローゼンタール症候群が疑われた症例
    武田 章, 野上 直樹, 内田 輝和
    日本鍼灸良導絡医学会誌
    1993年 21 巻 4 号 11-13
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/10/18
    ジャーナル フリー
  • - 顔面神経麻痺に対する鍼治療のエビデンスとその役割 -
    粕谷 大智
    日本東洋医学系物理療法学会誌
    2024年 49 巻 2 号 47-50
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/07
    ジャーナル オープンアクセス
     12 年ぶりに改訂された
    顔面神経麻痺
    診療ガイドライン2023 年版について、鍼治療に関連する内容を中心に紹介した。今回の改訂では、鍼のClinical Question の①鍼は麻痺の早期回復に効果はあるのか(急性期)②鍼は後遺症の症状を軽減させる効果があるのか(慢性期)の2 つについて推奨度が出され、両者とも“弱く推奨する”と今までの“推奨しない”から大きく改訂された。この結果については、急性期の麻痺の回復や慢性期の拘縮やこわばり感などの後遺症の軽減に従来の治療(コントロール)と比べ、鍼治療の介入は効果が期待できるSystematic Review がいくつか出されていること、その中でも特に後遺症を予防・軽減することでQuality of Life の向上に寄与することが示唆され、今後は医療機関との連携を密にしながら麻痺の急性期か慢性期(後遺症を自覚)かの病期を把握し、その病期に応じた鍼治療とセルフケアの指導も鍼灸師の役割と考える。
  • 新鮮例に対して
    粕谷 大智, 山本 一彦, 戸島 均, 坂井 友実
    全日本鍼灸学会雑誌
    2002年 52 巻 1 号 32-42
    発行日: 2002/02/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    末梢性
    顔面神経麻痺
    に対する鍼治療の効果を検討するため、日本顔面神経研究会治療効果判定委員会の提唱する基準に基づき、対象の選択を発症して2~3週間以内の新鮮例で, 電気生理学的検査 (Electroneurography : ENoG) による神経変性の程度を診断した上で、顔面運動スコアを用いて、薬物療法と鍼治療の比較、また薬物療法に鍼治療を併用した際の薬物単独療法との回復の違い等について111例の症例に対しretrospective study により治療効果を検討した。
    その結果、 (1) 鍼治療と薬物療法の回復の比較では、ENoG値41%以上の群で鍼単独療法群はステロイド経口投与療法群と比べ有意に麻痺の回復が劣った。 (2) ENoG値21%以上の群でステロイド経口投与療法群と鍼併用群群では特に有意差は認められず、鍼を併用しても薬物療法単独群と比べ麻痺の回復は変わらなかった。 (3) ENoG値1~20%の群ではステロイド大量投与群とステロイド大量投与に鍼治療を併用した群と比べると回復に有意差は認められず、ステロイド大量投与群とステロイド大量投与に鍼治療を併用した群と比べると、ステロイド経口投与に鍼治療を併用した群は明らかに回復が劣った。 (4) 薬物療法単独群と鍼治療を併用した群において、特に鍼を併用することで回復を早めるといった効果は認められないが、逆に回復を遅延させるといった逆効果も認められなかった。以上より、急性期末梢性
    顔面神経麻痺
    に対する治療は、発症して7日以内に適切な治療が求められており、鍼治療よりもステロイドなどの薬物療法が第一選択として重要であると考える。
  • 森岡 房之
    日本良導絡自律神経雑誌
    1970年 15 巻 11 号 204
    発行日: 1970/11/30
    公開日: 2011/10/18
    ジャーナル フリー
  • - 顔面拘縮の軽減を目的としたアプローチ -
    林 健太朗
    日本東洋医学系物理療法学会誌
    2024年 49 巻 2 号 55-61
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/07
    ジャーナル オープンアクセス
     末梢性
    顔面神経麻痺
    (以下 麻痺)に対する鍼治療は、『
    顔面神経麻痺
    診療ガイドライン2023 年版』の中で、後遺症が出現した慢性期においても弱く推奨された。麻痺後遺症は患者のQOL を低下させることから、その予防・軽減を目的に発症後早期からの定期的な介入が重要とされる。鍼治療・手技療法に関しても同様と考えられる。しかし、実地臨床においては後遺症が出現した後に治療を開始する患者も少なくない。したがって、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は、麻痺後遺症を有する患者に遭遇する可能性があり、そのような患者に対応できるよう基本的な知識を身につけておく必要がある。
     麻痺の主な原因は、Bell 麻痺やRamsay Hunt 症候群であり、自然治癒する患者がいる一方で、不全治癒や後遺症が出現する患者も存在する。後遺症は、麻痺発症後10 日~14 日時点での柳原法10 点以下やElectroneurography 値40% 未満の場合、発症後4 か月頃より生じる可能性がある。代表的な後遺症には、病的共同運動、顔面拘縮があり、安静時および表情形成時の顔面部非対称性や顔面部不快感を生じることがある。これらの後遺症は、患者の日常生活や社会生活を制限し、QOL を低下させる。
     後遺症のひとつである顔面拘縮の代表的な評価方法は、Sunnybrook 法の安静時対称点、日本語版Facial Clinimetric Evaluation Scale の顔面の感覚分野やその程度をVisual Analog Scale で評価する方法があり、これらを組み合わせて定期的に評価する。
     我々が行なっている鍼治療・手技療法は、後遺症、特に顔面拘縮が予想される場合は予防、既に生じている場合は軽減を目的に行う。鍼治療は、表情筋上にある経穴を指標に30 ミリ・12 号のディスポーザブルステンレス鍼を用いた15 分間の置鍼、手技療法は表情筋部を中心に行う。鍼治療・手技療法時には、温熱療法、セルフケアおよび日常生活指導を併用している。治療計画として、治療頻度は、1~2 週に1 回を基本に、発症後12 か月まで継続することが多い。鍼治療・手技療法は、安静時対称性および顔面部不快感の改善により患者のQOL 向上に寄与できると考える。
  • 岡田 富広, 坂井 友実, 吉田 紀明, 木村 里美
    全日本鍼灸学会雑誌
    2005年 55 巻 4 号 601-607
    発行日: 2005/08/01
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    【目的】病的共同運動を認める
    顔面神経麻痺
    1症例を対象に、非同期的な鍼通電 (100Hz間欠波交互通電) を行い、その有効性について検討した。また、周波数別の鍼通電による変化についても検討した。
    【方法】鍼治療は表情筋に対する100Hz間欠波交互通電で、EMGを中心とした評価 (EMG振幅、EMG残存持続時間) と
    顔面神経麻痺
    スコア、Visual Analogue Scale (VAS) 、Electroneuronography (ENog) による評価とし、治療前後および経時的な変化を観察した。
    【結果】EMG所見においてEMG振幅に変化は認められなかったが、EMG残存持続時間は治療後および経時的に短縮した。また、VAS、
    顔面神経麻痺
    スコア、ENoGはそれぞれ改善した。周波数別の鍼通電によるEMG残存持続時間の変化は、1Hz通電で不変、30Hz通電で延長、100Hz通電で短縮した。
    【結論】100Hz間欠波交互通電はEMG残存持続時間を短縮させるとともに.病的共同運動の自覚症状を軽減させた。また、
    顔面神経麻痺
    スコア、ENoG値も改善することができた。
  • 栢森 良二, 堀部 豪, 粕谷 大智
    全日本鍼灸学会雑誌
    2023年 73 巻 1 号 7-26
    発行日: 2023/02/01
    公開日: 2023/06/01
    ジャーナル フリー

    末梢性顔面麻痺の予後不良の見方、 評価法、 治療上の注意、 鍼灸治療については、 鍼灸師間で共通理解が乏しく、 多職種との連携もその点で課題も大きい。 現在、 麻痺の治療は予後不良例に対して麻痺の回復過程で後遺症をいかに少なくさせるかが重要となる。 後遺症を予防し、 患者Quality of life (QOL) を向上させることがゴールである。 それには麻痺診療手引きを理解し、 他のメディカルスタッフ同様、 鍼灸師も適切な診察・治療・セルフケアの指導等を行い、 専門医との連携が図れることが重要となる。  本セミナーの内容を読んで頂き、 麻痺の病態や評価方法、 鍼灸治療上の注意など共通理解が得られ、 今後の麻痺に対する臨床研究のコンセンサスや鍼灸の可能性について検討できれば幸いである。

  • -顔面神経及び表情筋に対する非同期鍼通電療法-
    山口 智
    日本東洋医学系物理療法学会誌
    2016年 41 巻 2 号 35-42
    発行日: 2016年
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル フリー
    本学における東洋医学部門の経緯は、1984年に第二内科の一部門として開設され、以来30年間にわたり医科大学において鍼灸医療の診療や研究・教育に従事してきた。特に学内の専門診療科と共同で診療や研究を推進し、伝統医療の科学化に着手している。  当科外来に他の診療科より依頼があった患者の頻度は、66.1%と来院患者の3分の2以上を占め、診療各科との連携が年々充実してきている。依頼診療科は、末梢性の
    顔面神経麻痺
    を専門とする神経内科や神経耳科が上位にランクされている。こうした依頼患者の疾患別出現頻度は、Bell麻痺が最も多く、次いで緊張型頭痛、肩こり症、非特異的腰痛、脳血管障害、Ramsay Hunt症候群等が高い。  末梢性
    顔面神経麻痺
    の原因は、Bell麻痺とRamsay Hunt症候群がその大半を占め、その他外傷や腫瘍、全身性疾患等である。評価法には、40点法(柳原法)やHouse-Brackmann法が広く専門医に活用されており、また、予後判定には電気生理学的検査であるENoGが最も重要視されている。 当科における鍼灸治療の方法は、多くの臨床研究の成果より病期や病態(麻痺の程度)によりそれぞれ治療法を選択している。発症早期は顔面神経を目標とした経穴に置鍼している。麻痺発症後2週間で麻痺の程度が軽度であれば顔面神経を目標とした鍼通電療法(1Hz, 10~15分)、麻痺の程度が重度であれば表情筋を目標とした置鍼、及び非同期鍼通電療法を実施している。さらに、後遺症の予防や治療に対しても非同期鍼通電療法を早期に開始している。 このように、専門診療科と連携し早期に鍼治療を開始することで麻痺の改善を早め、また、現代医療でも難治とされている完全麻痺や後遺症に対しても概ね期待すべき効果が得られている。一方、顔面神経を目標とした鍼通電刺激が予後判定に有用な手段となる可能性も示唆された。
  • 山元 宏允, 野末 雅子, 野口 智康, 福田 謙一
    日本口腔顔面痛学会雑誌
    2023年 15 巻 1 号 37-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/12
    ジャーナル フリー
    症例の概要:症例は73歳の女性で,主訴は左側上唇の痺れと顔面の運動麻痺であった.近医で上顎左側臼歯部に口腔インプラント2本埋入後,方向性の位置異常と上顎洞内インプラント迷入が認められたため口腔インプラント2本除去した.その直後より左側上唇の違和感・運動異常・鼻からの水漏れの症状を自覚した.上顎洞瘻孔に対しステロイドとクラリスロマイシンが処方され上顎洞粘膜閉鎖術が行われたが,症状は残遺した.その症状を改善するため,当科へ紹介来院した.左側眼窩下神経感覚障害,左側末梢性
    顔面神経麻痺
    と診断された.ビタミンB12製剤の処方,低出力レーザー光処理(low-level laser treatment:LLLT)の星状神経節近傍照射(stellate ganglion area irradiation:SGR),近赤外線照射にて治療を行うも特に顕著な効果が認められなかったため,鍼治療を施術した.
    顔面神経麻痺
    は柳原法で24から40点に回復し,感覚神経障害も静的触覚閾値検査(Semmes Weinstein Monofilament Test:SWテスト)で患側1.0gから0.008gと,明らかな改善が確認された.患者は,感覚も運動も明らかな回復を自覚し,満足を得た.
    考察:末梢性の運動神経麻痺や感覚障害に対する治療法は,光線療法,星状神経節ブロック,ステロイド薬,ビタミン製剤などが主に行われているが,鍼治療も治療の選択肢のひとつになりうると考えられた.
    結論:鍼治療は,末梢性神経損傷の回復に有効であると考えられた.
  • 堀部 豪
    日本東洋医学系物理療法学会誌
    2024年 49 巻 2 号 51-54
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/03/07
    ジャーナル オープンアクセス
     末梢性
    顔面神経麻痺
    は、顔面神経の核下性障害により発生し、表情筋麻痺を主症状とする。最も多い原因はBell 麻痺で、次いでRamsay Hunt 症候群が挙げられる。Bell 麻痺は比較的予後は良好であるが、 Ramsay Hunt 症候群の予後は不良である場合が多い。これらの疾患は顔面神経の炎症・腫脹・絞扼によって神経血流が阻滞し、局所的脱髄や軸索変性を引き起こされることで生じると考えられている。
     神経変性の程度はSeddon 分類やSunderland 分類によって評価され、神経変性の程度により軸索の回復過程が異なり、高度な神経変性は軸索の迷入再生を来たす可能性が極めて高い。Electroneurography (ENoG) は神経変性の推定に有効であり、予後予測に活用されているが、鍼灸臨床で実施することはできない。柳原法も重症度推定に活用されるが、検者間のばらつきが指摘されている。一方、顔面神経近傍の経穴に鍼通電刺激を行うことで表情筋収縮反応を誘発することができ、収縮の程度によってENoG 値が異なるため、鍼灸臨床においても活用できる可能性がある。
     
    顔面神経麻痺
    診療ガイドライン2023 年版では、近年のエビデンスの蓄積により鍼治療の推奨度が「弱い推奨」となった。鍼治療は治癒率の向上に関連しており、早期介入が有効であることも報告されているが、以前としてバイアスを多分に含んでいる結果であることに留意する必要があり、今後の更なる臨床研究の発展に期待する。
     
    顔面神経麻痺
    に対する鍼治療の実際について、当科では患者の重症度に応じた治療方法を実践している。軽症例には表情筋麻痺の回復を目的に聴会や下関に1Hz の鍼通電療法を行い、中等症から重症例には後遺症の抑制を目的に表情筋への置鍼を行う。
  • - 医中誌Web を用いた和文献の検討 -
    林 健太朗, 粕谷 大智
    日本東洋医学系物理療法学会誌
    2018年 43 巻 2 号 105-113
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/05/20
    ジャーナル オープンアクセス
    【目的】末梢性
    顔面神経麻痺
    (以下 麻痺)患者の後遺症は、患者のQuality of Life(以下 QOL)を 著しく低下させる。そのため、後遺症の出現が予想される患者に対してはその予防や軽減を目的 に発症早期からリハビリテーション(以下 リハ)が行われている。リハの介入の中で表情筋に対 するマッサージは日々の臨床で多用されている。そこで、本研究では我が国の麻痺患者に対する マッサージの文献レビューを行い、目的・方法・効果に焦点を当て、現状と意義および課題につ いて検討した。
    【方法】データベースは、医中誌Web Ver.5 を使用し、検索語はその統制語である「顔面麻痺」、 「Bell 麻痺」、「帯状疱疹- 耳性」の同義語のうち関連する検索語と「マッサージ」とした。調査日 は2018 年6 月20 日、調査対象期間は限定せずに行った。同時に、ハンドサーチも行った。対象 論文は、包含基準・除外基準に基づき選定した。
    【結果】検索の結果、医中誌Web23 件、ハンドサーチ3 件、合計26 件が抽出された。そのうち対 象論文の条件を満たす11 件について検討した。マッサージの目的は、後遺症出現前は予防、出現 後は軽減を目的に行われていた。方法は、主に前頭筋・眼輪筋・頬骨筋・口輪筋・広頸筋などの表 情筋に対して、頻回の筋を伸張するマッサージが行われていた。マッサージは他の治療法と併用 されていた。評価は、柳原法、Sunnybrook 法、House-Brackmann 法、Facial Clinimetric Evaluation Scale などが用いられており、マッサージを含めたリハの効果として、後遺症の軽減、QOL の向上 が報告されていた。
    【考察・結語】麻痺患者に対するマッサージは、病期に応じて後遺症の予防や軽減を目的に、他の 治療法と併用することにより後遺症の軽減、その結果としてQOL の向上に寄与できる可能性が示 唆された。特に麻痺患者のQOL を著しく低下させる要因である顔面のこわばり感などの違和感に 対してマッサージを行い一定の効果を挙げていることは、この領域における手技療法の意義が考 えられた。一方で、マッサージの方法、効果の検討に関する課題も明らかとなった。
  • 三谷 浩樹, 中溝 宗永, 鎌田 信悦
    耳鼻咽喉科展望
    1996年 39 巻 3 号 267-272
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    耳下腺内神経原性腫瘍3例を報告した。
    2例は神経鞘腫, 1例は神経線維腫であった。本邦では現在までに40例程度報告されており, 耳下腺腫瘍における発生頻度は0-3-4%とされている。当科においては19年間の手術症例413例中3例で0, 7%であった。通常は無症候性腫脹を示し, CTや細胞診に特別な所見がなく, 術後神経脱落症状や病理組織学的検索から診断される。このように耳下腺内神経原性腫瘍の術前診断は一般に困難であり, 比較的珍しい腫瘍と考えられてきたが, 現実には決して稀なものではなく, 我々耳鼻咽喉科医が耳下腺腫瘍摘出術を施行する際には, このような症例の存在も念頭におき, 顔面神経との関連を十分に考慮して処理する必要があると思われた。
  • 林 健太朗, 堀部 豪, 皆川 陽一, 深澤 洋滋, 若山 育郎, 増山 祥子
    全日本鍼灸学会雑誌
    2025年 75 巻 1 号 113-123
    発行日: 2025/02/01
    公開日: 2025/05/01
    ジャーナル フリー

    2024年9月27日から29日まで第37回ICMART World Congress on Medical Acupuncture (ICMART2024) が韓国済州島で開催された。 大会テーマは 「Future of Integrative Healthcare, Convergence of Acupuncture, Medical Science and Technology (統合医療の未来、 鍼灸と医学と技術の融合)」 で、 主管は既に2019年に正式にICMARTに加盟した韓国医学会 (The Society of Korean Medicine; SKOM) だった。 2024年9月28日に開催されたICMART総会で本学会の正式な加盟が承認された。  本稿では、 ICMART加盟に向けた経緯、 ICMART総会の様子、 ICMART2024大会の概要、 さらに

    顔面神経麻痺
    をテーマとした本学会と大韓鍼灸医学会 (Korean Acupuncture & Moxibustion Medicine Society:KAMMS) とのジョイントセッションについて報告する。

  • 市村 葉, 横瀬 敏志, 門倉 弘志, 田島 直人, 柿坪 秀具, 片山 伊九右衛門, 片山 直
    日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学
    2003年 23 巻 2 号 172-175
    発行日: 2003/03/30
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    医療現場において, アレルギーや全身疾患などにより, 薬剤や診療器具の使用が難しい患者や, 原因不明の痛みや麻痺を伴い, 今までの西洋医学的療法の限界を感じる場面が増えてきている.このような背景から, 代替医療に注目が集まり, なかでも見直されているものに東洋医学があげられる.今後, 歯科領域の分野でも東洋医学的知識は欠かせないものとなると予測される.しかし, 実際の医療現場においては, まだまだ未開の療法, 未知なる原理によるもの, さらには奇な現象と考えられている部分も多く, 治療法の第一選択となることは少ない.そこで本稿では, 歯科臨床における鍼療法の応用と現象を検証し, その有効性について概説する.
  • 佐藤 裕, 四戸 豊, 佐藤 健一, 坂本 望, 今井 康雄, 城 茂治
    全日本鍼灸学会雑誌
    2007年 57 巻 1 号 25-30
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2008/05/23
    ジャーナル フリー
    68歳女性の
    顔面神経麻痺
    患者に星状神経節ブロック、薬物治療、経皮的神経刺激通電療法による治療を開始した。初診から1カ月後、十分な改善を認めず難治例とも思われたが、その後鍼治療を取り入れたところ症状は徐々に改善し、初診から10カ月後、麻痺症状は消失した。49歳女性の三叉神経麻痺患者に星状神経節ブロック、薬物治療、経皮的神経刺激通電療法などにより治療を行っていたが、症状は改善せず、麻痺に神経痛様疼痛を伴うようにもなり治療に苦慮していた。鍼治療を取り入れたところ症状の軽減を認め治療を継続している。これら神経麻痺2症例に対し、鍼治療が有効な治療手段であった。神経ブロック、薬物治療に鍼治療を併用することは極めて有用と考えられる。
  • 専門医学会との連携と専門鍼灸師の育成に向けて
    大川 祐世, 石山 すみれ, 堀部 豪, 谷口 博志, 伊藤 千展
    全日本鍼灸学会雑誌
    2025年 75 巻 2 号 220-234
    発行日: 2025/05/01
    公開日: 2025/07/31
    ジャーナル フリー

    本シンポジウムでは、 国内の診療ガイドラインにおける鍼灸治療の現状と課題について概観し、 エビデンスの充実と他分野のガイドラインへの鍼灸治療の収載を目指した対応策を議論するべく、 大川祐世氏、 石山すみれ氏、 堀部豪氏、 谷口博志氏、 伊藤千展氏が登壇した。 シンポジウムの前半では、 大川氏が鍼灸の推奨が含まれる診療ガイドラインの現状と、 各ガイドラインにおける記載内容や課題について解説した。 次に、 石山氏が頭痛診療における鍼灸の位置づけと、 多職種連携における役割について報告し、 鍼灸がチーム医療の一環として活用される可能性を示した。 堀部氏は、

    顔面神経麻痺
    に対する鍼灸治療が 「弱い推奨」 としてガイドラインに新たに収載された意義について述べ、 今後のエビデンス構築の方向性について考察を行った。 谷口氏は過敏性腸症候群に関するガイドラインを取り上げ、 過敏性腸症候群の鍼灸治療における基礎研究の成果と臨床的有効性を紹介し、 その限界と今後の課題を指摘した。 伊藤氏は過活動膀胱に対する鍼灸治療の位置づけについて述べ、 近年のガイドライン改訂において鍼治療が 「その他の保存療法」 として収載された経緯と、 エビデンスの強化が必要であることを報告した。 各講演を通じ、 ガイドラインにおける鍼灸治療の位置づけが向上しつつある現状が示されるとともに、 今後の課題としてエビデンスの質向上や他分野のガイドラインへの収載を進めるための方策が議論された。 本シンポジウムが鍼灸治療のさらなる普及と他医療分野との連携強化に寄与することを願う。

  • 三木 健次
    日本鍼灸治療学会誌
    1979年 27 巻 2 号 236-241
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
  • 鶴 浩幸
    全日本鍼灸学会雑誌
    2020年 70 巻 3 号 267-276
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/10/28
    ジャーナル フリー
     本稿では、ポルトガルにおけるA.P.A.E.Medical Doctors Group、Federacao Portuguesa de Medicina IntegrativaおよびClinica Tsuchiyaなどで教育、実践されている主要な鍼診療法の1つである土屋式鍼治療について紹介する。A.P.A.E.Medical Doctors Groupはポルトガルにおける医師を中心とした主要な鍼医学の協会である。土屋式鍼治療は麻酔科医である土屋光春 教授が主にポルトガルを中心に40年以上にわたって行った診療の臨床実績およびSaint Louis病院などにおける研究から導き出された一連の実践的鍼治療法である。土屋式鍼治療において頻繁に使用されるのは「Pica-Pau(ピカパウ)」とよばれる独特の断続的高頻度鍼通電療法 (100-200Hz) であり、Pica-Pauと低頻度鍼通電療法 (1-10Hz) などを組み合わせて行う(狭義の)コンビネーション治療が特徴的である。また、併用治療として通常の鍼、灸、ホットパックまたはアイシング、ホットパック/アイシングなどによる同時刺激法または交換刺激法のほか、指圧、皮内鍼、円皮鍼、テーピング、刺絡などを用いることも(広義の)コンビネーション治療として重要である。Clinica Tsuchiyaなどでは種々の疾病、症状の患者が鍼治療を受けており、その効果が長期間におよぶことも珍しくはない。多くの患者が鍼治療に大きな希望を見出していると感じられる。筆者は土屋式鍼治療の治療実績も含めて鍼の広範囲かつ長期間におよぶ効果を説明するためには、仮説として、①局所と全身との関係性(主訴に対する直接的作用と間接的作用)、②人体各部の相互作用、相互影響、③長期効果(複合的効果)、などの視点から鍼医学に関する研究や考察を行う必要があると考えている。最後に、鍼治療がその真価を世界中で正当に評価され、かつ、西洋医学とも手を携えて、患者や社会の利益のために充分に活用されることを願って止まない。
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