エレクトロニクス実装学会誌
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平成23年技術賞受賞講演
複合放熱部材におけるパーコレーション理論の適用と高熱伝導材料の開発
門田 健次岡島 芳彦八島 克憲
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2011 年 14 巻 6 号 p. 485-491

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抄録
金属ベース基板に実装したトランジスタの温度上昇を絶縁層厚さの異なる基板で計測することにより,絶縁層の熱伝導率を求め,無機フィラーの体積充填量と熱伝導率の関係を調べた。次に,シミュレーションにより,パーコレーション転移の起きる体積充填量を予測した。これらの実験および計算の結果から,フィラーが伝熱に寄与する有効熱伝導率を評価した。フィラー形状により有効熱伝導率は異なるため,境界領域の概念を導入し,フィラー形状の違いを境界領域の厚みに落とし込んだ。こうして,フィラーの種類,大きさ,形状,充填量を制御することで,複合放熱部材の熱伝導率を設計できるようになり,高熱伝導金属ベース基板の実用化へとつながった。
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© 2011 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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