抄録
シクロオキシゲナーゼ阻害剤に影響を受けない,海藻オゴノリ(Gracilaria verrucosa)のプロスタグランジン生成機構の解明を試みた。オゴノリのPG主生成物はPGE2のため,PGE2の前駆物質であるアラキドン酸の挙動に焦点を当ててPG生成を追究した。
PG生成反応前後の脂肪酸を分析した結果,オゴノリでは糖脂質およびリン脂質がアラキドン酸の貯蔵形態と考えられた。
放射性ラベルした14C-アラキドン酸を用いてオゴノリのPG生成経路を調べ,PGEは新奇な中間体;15-ヒドロペルオキシ-PGE2を経て生成することを明らかにした。