脳卒中
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事例報告
使用成績調査:適正治療指針2005の視点から
岡田 靖山口 武典
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2010 年 32 巻 6 号 p. 762-769

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抄録
適正治療指針2005の視点からわが国のrt-PA(アルテプラーゼ)静注療法について,禁忌項目,慎重投与項目,投与後の管理(抗血栓療法の制限)を中心に承認後2年間実施された使用成績調査の結果を検討した.rt-PA投与例に占める禁忌例は6.4%で,その19.5%が死亡している.禁忌項目の低血小板数(10万/mm3以下)合併例の死亡率は著しく高く,治療前収縮期血圧高値例では症候性頭蓋内出血の頻度が高かった.慎重投与項目の高齢・昏睡・NIHSS高値および抗血栓薬治療前使用例で転帰不良であり,適正治療指針2005は概ね妥当であった.一方,rt-PA療法後24時間以内の抗血栓薬使用例での症候性頭蓋内出血や転帰不良の頻度に有意な増加はなく,添付文書でもrt-PA療法後24時間以内の抗血栓薬併用は禁止とされていないが,適正治療指針2005では禁止とされている.この点については今後,慎重に検討すべきである.
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© 2010 日本脳卒中学会
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