日本食品科学工学会誌
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あく抜き処理したトチノキ種子から単離されたサポニン成分の血糖値上昇抑制作用と苦味の低減化
木村 英人地阪 光生木村 靖夫勝部 拓矢横田 一成
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2006 年 53 巻 1 号 p. 31-38

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抄録

(1)あく抜き処理前,あるいは,あく抜き処理後のトチノミ由来の各サポニン成分の単離物を用いて,マウスでの糖負荷試験を行ったところ,あく抜き処理後の食用トチノミに存在する4種類のデアセチルエスシンは,いずれも同程度の血糖値上昇の抑制活性を示した.エスシン関連物質の血糖値の上昇抑制活性は,エスシン類>デアセチルエスシン類>デサシルエスシン類の順に高い傾向になった.このことより,エスシン類の21位のアシル基と22位のアセチル基が,血糖値上昇の抑制活性の強さに大きく関係していることが明らかとなった.
(2)エスシン,デアセチルエスシン,および,デサシルエスシンはα-アミラーゼに対して弱い阻害活性を示したが,小腸のα-グルコシダーゼ(マルターゼ,スクラーゼ)に対しては,ほとんど阻害効果は示さなかった.
(3)あく抜き処理前の天然トチノミに由来するサポニン画分に比較して,あく抜き処理後の食用トチノミに由来するサポニン画分では,同一濃度において明らかに苦味の低減化が認められた.
(4)食用トチノミに含まれるエスシンの有機酸エステルが加水分解されたサポニン類は,エスシンに比べて苦味が大きく低減化されており,また,血糖値の上昇抑制作用を保持しているので,機能性食品素材としてより好ましい.

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© 2006 日本食品科学工学会
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