日本食品科学工学会誌
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グルテンを添加した大麦麺の物性および機能性の評価
山﨑 優司齋藤 高弘阿久津 智美星 佳宏岡本 竹己田村 匡嗣
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2017 年 64 巻 12 号 p. 567-576

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抄録

本研究は,豊富な機能性を持ちながら摂取量が低下している大麦に粉グルテンを添加することで大麦麺を作製し,その物性および機能性を検証した.大麦粉100gに対し,0,10および20%の粉グルテンを添加して,うどんの作製方法をもとに混捏し,寝かし,のばし,切断して大麦麺を作製し,熱湯でゆでることで大麦ゆで麺とした.大麦ゆで麺は,粉グルテンを10%以上添加することで煮崩れなく作製され,小麦麺と比べてL*およびa*が有意に低く,目視でも明らかな色の違いが認められた.好ましい食感と評価された大麦麺の最適ゆで時間は,4分間であった.ゆで麺のH-ORAC,L-ORACおよび総ポリフェノール量は,小麦麺(4.7μmol TE/g d.w.,0.41μmol TE/g d.w.および0.91mg GAE/g d.w.)よりも大麦麺(11.3μmol TE/g d.w.,1.77μmol TE/g d.w.および1.52mg GAE/g d.w.)で有意に多く,いずれのゆで麺においてもゆで初期において顕著に減少した.大麦ゆで麺のβ-グルカン量は1食あたり1.84gあり,小麦ゆで麺のβ-グルカン量よりも約14倍多く,1日のβ-グルカン推奨摂取量の60%以上であった.一方,eGIは小麦ゆで麺(62.7)よりも大麦ゆで麺(68.5)で高くなり,デンプンの消化性に及ぼすβ-グルカンの影響は,麺のようなゲル状食品中において少ないことが示唆された.

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© 2017 日本食品科学工学会
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