日本食品科学工学会誌
Online ISSN : 1881-6681
Print ISSN : 1341-027X
ISSN-L : 1341-027X
コーンハルおよびビートパルプからの高圧蒸煮によるアラビノースの生成
戸枝 一喜川端 康之
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 49 巻 8 号 p. 551-554

詳細
抄録

食品加工副産物であるコーンハルおよびビートパルプからの高温蒸煮によるアラビノースの効率的な生産法を検討した.その結果,コーンハルを処理圧力2~15Hkg/cm2で蒸煮すると,コーンハルから最大7.9%のアラビノースが遊離した.これはコーンハル中のアラビノースの63%に相当した.コーンハルの高圧蒸煮の際に燐酸(終濃度0.1M)を添加するとにより,アラビノースの生成量が増加し,その生成量はコーンハル中のアラビノースの82%に相当した.
一方,ビートパルプを2~15kg/cm2で蒸煮すると,ビートパルプから最大6.6%のアラビノースが遊離した.これはビートパルプ中のアラビノースの30%に相当した.ビートパルプの高圧蒸煮においても燐酸(終濃度0.1M)を添加することにより,アラビノースの生成量が増加し,ビートパルプから最大16%のアラビノースが生成した.その生成量はビートパルプ中のアラビノースの72%に相当した.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品科学工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top