抄録
一般に,高級脂肪酸とグリセリンのエステル結合したトリグリセリドをメタノールでエステル交換して得られるバイオディーゼル燃料(BDF)は,炭素二重結合をもつ不飽和脂肪酸成分を含むことから酸化劣化しやすく,劣化生成物によってディーゼル機関の燃料噴射系の目詰まりや金属腐食などを引き起こす。この酸化劣化の対策の一つとして酸化防止剤が添加される。本論文では,ニート使用であるB100のほかに,軽油に対して5%混合したB5に対する種々の酸化防止剤の特性や,二種混合使用による相乗効果などについて述べている。