オレオサイエンス
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特集総説論文
副生グリセリンの世界動向
水島 義和
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2012 年 12 巻 5 号 p. 197-201

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抄録
世界のグリセリン生産の中心は以前のオレオケミカル製造からヨーロッパのバイオディーゼル副生品に移行して久しいが,昨年初めてヨーロッパのバイオディーゼル生産が前年を下回った。そして同時に副生グリセリンの生産も落ち込んだが,昨年の中国の景気停滞,ヨーロッパの財務危機,日本の東北大震災の影響もあり,ヨーロッパのグリセリン玉不足から世界のグリセリン価格上昇へというシナリオにはならなかった。グリセリンの既存用途も成長しておらず,今後の成長のカギを握るのは,上昇を続ける石油関連製品の代替としてであり,エピクロロヒドリン,エチレングリコール,プロピレングリコールなどが対象商品となっている。今後グリセリン価格はより一層石油相場と連動していくであろう。
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© 2012 公益社団法人 日本油化学会
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