オレオサイエンス
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12 巻, 5 号
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特集総説論文
  • 望月 剛久, 阿部 容子, 鳥羽 誠, 葭村 雄二
    2012 年 12 巻 5 号 p. 175-181
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    非食糧系バイオマスからの輸送用バイオ燃料製造を目的として,ジャトロファ油からトランスエステル化による,高品位バイオディーゼル燃料製造法及びジャトロファ残渣から,急速熱分解-アップグレーディングによる炭化水素燃料の製造法を開発した。バイオディーゼル中の多不飽和脂肪酸メチルエステルをモノエン酸メチルエステルに選択的に水素化することにより,低温流動性の悪化を抑制し,酸化安定性が大幅に改善したバイオディーゼル燃料が得られることを,パイロットプラントで実証した。一方,ジャトロファ残渣の急速熱分解及び生成したバイオオイルのアップグレーディングにより,炭化水素燃料を得ることができた。
  • 岡部 伸宏
    2012 年 12 巻 5 号 p. 183-187
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    ディーゼルエンジン用として様々な代替燃料の実用化が検討されている中,排出ガス低減効果が期待されるFTD(Fischer-Tropsch Diesel)燃料や植物油等を原料とする水素化バイオディーゼル燃料(BDF)が注目されている。これらはパラフィン燃料であり,一般の軽油と組成が異なるため,軽油仕様である既存車両への影響について調査が必要である。本稿では,FTD 燃料と水素化BDF との混合液体燃料が,長期にわたり車両改造を伴わずに利用できることを確認するため,路線バスを用いた実証試験の結果について紹介する。
  • 山根 浩二
    2012 年 12 巻 5 号 p. 189-195
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    一般に,高級脂肪酸とグリセリンのエステル結合したトリグリセリドをメタノールでエステル交換して得られるバイオディーゼル燃料(BDF)は,炭素二重結合をもつ不飽和脂肪酸成分を含むことから酸化劣化しやすく,劣化生成物によってディーゼル機関の燃料噴射系の目詰まりや金属腐食などを引き起こす。この酸化劣化の対策の一つとして酸化防止剤が添加される。本論文では,ニート使用であるB100のほかに,軽油に対して5%混合したB5に対する種々の酸化防止剤の特性や,二種混合使用による相乗効果などについて述べている。
  • 水島 義和
    2012 年 12 巻 5 号 p. 197-201
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    世界のグリセリン生産の中心は以前のオレオケミカル製造からヨーロッパのバイオディーゼル副生品に移行して久しいが,昨年初めてヨーロッパのバイオディーゼル生産が前年を下回った。そして同時に副生グリセリンの生産も落ち込んだが,昨年の中国の景気停滞,ヨーロッパの財務危機,日本の東北大震災の影響もあり,ヨーロッパのグリセリン玉不足から世界のグリセリン価格上昇へというシナリオにはならなかった。グリセリンの既存用途も成長しておらず,今後の成長のカギを握るのは,上昇を続ける石油関連製品の代替としてであり,エピクロロヒドリン,エチレングリコール,プロピレングリコールなどが対象商品となっている。今後グリセリン価格はより一層石油相場と連動していくであろう。
  • 佐藤 俊, 福岡 徳馬, 羽部 浩
    2012 年 12 巻 5 号 p. 203-210
    発行日: 2012年
    公開日: 2015/02/01
    ジャーナル フリー
    一般的なバイオディーゼル燃料(BDF)の製造過程では,グリセリンが油脂の約10%副生する。 そのため,BDF生産量の増加とともにグリセリンの供給量も増加し,その有効利用法の開発が課題となっている。本稿では,この副生グリセリンの有効利用技術の1つとして,グリセリンから誘導される化学品の生産技術にについて近年の研究事例をもとに概説する。また,得られた誘導体からの機能性化学品への応用展開を,筆者らの研究事例を中心に紹介する。
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