オレオサイエンス
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特集総説論文
ポリグリセロール型デンドリマーの機能評価と利用
杉本 洋輔大谷 亨
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2017 年 17 巻 5 号 p. 211-216

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抄録

ポリグリセロールデンドリマー(PGD)やハイパーブランチポリグリセロール(HPG)は,親水性の特徴を示すのみならず,水中では弱い疎水性の特徴を示す。この弱い疎水性環境とPGD,HPDの枝分かれ度の違いに起因するナノ空間によって,様々なサイズの塩基性低分子化合物を認識するホスト分子として機能することが明らかになってきた。一方,親水性の特徴から,血液からの診断目的で使用されるバイオセンサ表面にPGDやGDを固定化すると,血液中のタンパク質の吸着を抑制する効果が期待されるが,疎水場の提供によってむしろ抗体を吸着する選択的なタンパク質吸着制御の可能性が示された。PGD及びHPDは,枝分かれ度とナノ空間の違いに起因する分子間相互作用に選択性を付与するユニークな特徴が期待される。

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© 2017 公益社団法人 日本油化学会
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