オレオサイエンス
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特集総説論文
レオ・オプティックス-基礎原理,機器,最近の動向-
高橋 勉
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2018 年 18 巻 11 号 p. 545-552

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抄録

レオ・オプティックスはレオロジー計測と同期して光学的な計測,観察を実施する技術であり,流動により発生する分子配向からミリサイズのテクスチャ形成までのマルチスケールな現象を取り扱うことができる。具体的な光学的観察手法としてはサブミクロン程度の構造変化を観察できる小角光散乱,分子配向からサブミクロン程度の構造形成までを観察できる複屈折・二色性測定,ミクロンオーダーの構造を明らかにする光学顕微鏡観察などがよく用いられている。これらの結果はそれぞれ同時に測定されたレオロジーデータをキーとして用いることで総括して検討することが可能となり,マルチスケールな現象の解明に有効な情報が得られる。本稿ではこれらの手法について原理や測定方法,装置について具体的な事例をもとに概説する。さらに,最近の動向として2次元的な光学異方性分布の評価技術についても解説を行う。

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© 2018 公益社団法人 日本油化学会
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