2018 年 18 巻 3 号 p. 107-112
アケビ種子油はかつて秋田で作られていた伝統的食用油であり,主成分が1,2-ジアシルグリセロ-3-アセテート(DAGA)であるという特徴を有する。通常の植物油の主成分であるトリアシルグリセロール(TG)と比較して,DAGAはリパーゼによる加水分解効率が低い。このため,消化・吸収されにくい性質を有し,体脂肪がつきにくく太りにくいという優れた特性がある。アケビ種子油の実用化には,原料の確保のためにアケビ栽培を拡大させる必要がある。また,種子のみでなく実や果皮を利用し,アケビを丸ごと活用することが必要であり,現在これらの課題に産学官連携で取り組んでいる。