オレオサイエンス
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特集総説論文
荷電高分子ブラシ水和状態の中性子反射率法による研究
檜垣 勇次
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2023 年 23 巻 3 号 p. 135-141

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抄録

ポリマーブラシは高分子が関わる多くの界面現象に共通するモデルである。荷電高分子ブラシは静電相互作用に起因して非荷電高分子ブラシとは異質な界面特性を示し,水性環境において優れた分散安定性,潤滑性,防汚性を発現する。その分子機構の解明には,荷電高分子ブラシの水性環境下における水和膨潤状態の理解が不可欠である。中性子反射率法はポリマーブラシの膨潤状態を鉛直方向の分子鎖密度プロファイルとして非破壊で定量的に計測できる手法である。本稿では,分子構造や電解質との相互作用により変調される高分子電解質ブラシ,双性イオン高分子ブラシ,高分子電解質ブラシ/高分子電解質複合膜の水和膨潤状態を中性子反射率法で計測した研究を解説した。

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