オレオサイエンス
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特集総説論文
GPIアンカーの生合成に関わる酵素群
藤田 盛久
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2024 年 24 巻 12 号 p. 513-518

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抄録

グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)は,真核生物において,タンパク質の翻訳後修飾に用いられる糖脂質であり,修飾タンパク質を細胞膜に繋ぎ止める役割を持つ。酵母では60種類以上,ヒトでは150種類以上の多種多様なGPIアンカー型タンパク質が存在している。GPIは小胞体膜上でホスファチジルイノシトールから生合成され,タンパク質に修飾された後,GPIアンカー型タンパク質はゴルジ体を経て,細胞表面へ輸送される。哺乳動物細胞において,GPIアンカー型タンパク質の生合成には,20以上のステップが必要であり,これまで30以上の遺伝子が関与していることが明らかとなっている。本総説では,哺乳動物におけるGPIアンカー型タンパク質の生合成反応とそれに関わる酵素について,最近の研究結果を踏まえながら概説する。

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