2024 年 24 巻 12 号 p. 519-525
我が国では,農業従事者の減少と高齢化により,省力化技術が求められている。また,使用済みプラスチックの地球上への蓄積が大きな問題となっており,その対策が急務となっている。本稿では,これらの社会状況を説明し,生分解性プラスチック製品に対するニーズを明らかにする。次に,耐久性のある生分解性プラスチック農業用マルチフィルムの分解を,ユーザーが意図するタイミングで促進するための生分解性プラスチック分解酵素の開発について紹介する。今後,様々な生分解性プラスチック製品と分解酵素を組み合わせることにより,プラスチックの新たな用途の開発が期待される。